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【福井・若狭】北陸新幹線 最果ての聖地で感じる歴史とグルメの町 高浜町 おおい町
<TOP画像:高浜町 中山寺>
こんにちは!
たびこふれ編集部のシンジーノです。
福井県の西南部に位置する嶺南(れいなん)地区に訪れました。
この辺りは昔は若狭と呼ばれ「食」「歴史」「海」が豊かな魅力ある地域です。
2024年3月16日北陸新幹線は金沢駅から福井駅、敦賀駅まで延伸しました。
関東圏からもぐっと訪れやすくなった若狭の魅力をご紹介します。
北陸新幹線の最果ての聖地で感じる旅のチカラをご覧ください。
目次
若狭とは
福井県は嶺南地区と嶺北地区に分かれます。
嶺南地区は敦賀市より西南を差し、敦賀市、美浜町、若狭町、小浜市、おおい町、高浜町の6つの市町村からなっています。
旧地名では、敦賀は越前、美浜、若狭、小浜、おおい、高浜を若狭と呼んでいました。
若狭は古くから皇室、京都朝廷の台所と呼ばれ、新鮮な日本海の海産物など豊かな食材が運ばれていました。
この記事では、嶺南地区の西南部に位置する高浜町とおおい町をご紹介します。
いわゆる観光客がたくさん押し寄せるエリアではありませんが、この地域ならではの味わいのある隠れた魅力をお伝えしましょう。
<嶺南地区はここ。/写真提供:福井県公式観光サイト ふくいドットコム>
高浜町(UMIKARA、中山寺、青葉山ハーバルビレッジ、和田ビーチ)
高浜町は京都府舞鶴市と接した福井県の西の玄関口です。
比較的温暖な気候と変化に富んだ自然美が特徴で、海と山の自然豊かな海辺のまちです。
人口1万人弱の漁業で発展してきた町で、漁港エリアは水産庁から「海業」モデル地に認定されています(全国12か所のうちのひとつ)
今回は高浜漁港近くのUMIKARAでランチをいただきました。
UMIKARA
高浜町はかつては漁業で大変栄えましたが、漁師の高齢化、後継者不足、魚食離れ、魚価の低迷など多くの課題を抱えています。
現在海の6次産業化を目指し、多様で魅了ある漁業経営と地域づくりを推進しています。
高浜の町は静かで落ちついており、港町、漁師町の雰囲気が漂っていました。
今回食べた「若狭に恋する海鮮丼」。
この日のネタは6種(さわら漬け、真鯛、福井サーモン、ブリ、剣先いか、甘海老)であら汁付き1,900円(税込)。
どの魚も新鮮で美味しかったですが、個人的にはさわらの漬けと真鯛が美味しかったです。
席からは目の前に海が見えます。食券制で気軽に食べられます。
いけすから自分で魚を選び、レストランで調理してもらえるそうです。嬉しいですね。
ショップでは、高浜の特産品が売られています。いわゆる観光客相手のお土産屋さんではなく、地元の人たち向けのスーパーのような雰囲気もあって好感が持てました。
若狭で獲れた値段で売られています。
地元の人に大人気。売り切れ必至の自家製コロッケ。
このメッセージを見ると買わないわけにはいかないでしょう。
2個で216円(税込)
ふっくら俵型。お母さんが作ったこれぞ手作りコロッケという感じ少し甘めでとっても優しい味でした。地元の人に大人気というのがわかります。
若狭富士と呼ばれる姿のよい青葉山。正式名は「あおばやま」だそうですが、地元の人たちは親しみを込めて「あおばさん」と呼んでいるそうです。
山頂まで登ることができ登山客にも人気なのだそう。
家々が静かな漁師町という雰囲気で旅情を誘います。
映画のワンシーンに出てきそうですね。
中山寺
青葉山の中腹にある真言宗のお寺で、今から約1200年前の奈良時代に創建された歴史ある古刹。
本堂や金剛力士像などが国指定重要文化財に指定されています。
海抜100mからの眺望は素晴らしく、晴れた日には白山を望むことができるそうです。
現天皇陛下が皇太子の頃の昭和58年に休息されたお部屋が今もそのまま残されています。
- 北陸三十三ヶ所観音霊場第一番
- 若狭三十三ヶ所観音霊場三十三番
霊場の要となる重要なお寺だということがわかりますね。
国の重要文化財に指定されている本堂。訪れた時はちょうど小雪が舞っていて風情がありました。
中山寺が人気なのは三十三観音の霊場ということもありますが、お寺から見える風景の美しさもあります。
海抜100mから見下ろす若狭湾と高浜の町はとっても絵になる景色でした。
こちらが現在の天皇陛下が皇太子時代に訪れて休息なさったお部屋です。
ほぼ当時(昭和58年)のまま保存されているようです。
青葉山ハーバルビレッジ
青葉山の山麓にある緑に囲まれた場所で、カフェ、ショップ、キャンプ、BBQ、ハーブ園、マルシェ、スポーツジムなどで構成されています。
コンセプトは「自然と健康の施設」。
青葉山は薬草の宝庫で美味しい空気と薬草により癒されます。
自然の風、心地よい光を肌で感じられるリフレッシュ効果があるのです。
こちらで伝統的器具「薬研(やげん)」を使って約6種の薬草をブレンドした薬膳茶作りを体験(1,000円~)しました。
この日は上記の3つから自分の好きな薬膳茶を作ります。
- 健:生活習慣病
- 美:美肌
- 圧:高血圧
の方などに良いそうです。
私は「健」を作ることにしました(生活習慣病予防を意識して笑)
こちらが薬草の一例です。
これが薬研(やげん)。中国から伝わる薬を調合する機器です。
テレビドラマ「仁」を思い出しました。
まるで時代劇にタイムスリップしたかのようです。
薬研で薬草をゴリゴリすり潰して繊維を切って細かくしていきます。
こうすることで薬草のエキスが出やすくなるのだそうです。
説明を受けて薬研でゴリゴリして約20分。
あまり細かくしすぎるとティーパックから葉(粉)が出てしまうのでこのくらいでいいようです。
薬研の中にあるのが薬草で、右の木の器の中にあるのはハト麦などいわゆる普段お茶の成分になるもので、それを混ぜます。
上記の量でティーパック2つ分ができます。これは薬袋に入れて持ち帰ることができます。
ハーバルビレッジメイン棟の隣にカフェ棟があります。
ここで薬草茶「肝」をいただきました(400円)。
薬膳茶と聞いて、正直もっと薬臭くて飲みにくいものかと思っていましたが、全然そんなことはなくさっぱりすっきりして美味しかったです。
体内が浄化されていくようでポカポカ温まってきました。
この緑に包まれて場所で薬膳茶を飲むとリラックス度がより高まるように思います。
今回の体験で、私は薬膳茶に対する見方が変わりました。
ドイツでは風邪をひいたり、体調を崩した時にすぐ薬を飲む、とはせずにハーブティーなどを飲むそうです。
その意味がわかったような気がします。
若狭和田ビーチ
抜群の透明度と遠浅の海、きめ細かく白い砂浜で人気のビーチが若狭和田ビーチです。
アジアで初めて国際環境認証「BLUE FLAG」を取得しています。
日本の夕陽100選に選ばれています。
が、今回訪れた時は生憎の雨模様。。。
厳しい日本海、という演歌が流れてきそうな風景でした笑。
お天気が良いときの和田ビーチの様子がこちら
おおい町(暦会館、SEESEA PARK)
おおい町のキャッチフレーズは「お見せしたいものが多いまち」だそうです。
町の90%を占める山林と若狭湾国定公園に面した海の豊かな自然に囲まれた町。
町の特産物はきのこや梅、自然薯などの山の幸、新鮮な魚介類などの海の幸。
前夜、小浜市のホテルに宿泊し、翌朝、暦会館に向かいました。
その時に車窓から見えた風景がとても美しかったのでご覧ください。
この日は3月22日でこんな時期に雪が降るのは珍しいそうですが、幽玄の世界を魅せてくれました。
暦(こよみ)会館
おおい町の名田庄(なたしょう)集落にある資料館。
平安時代の有名な陰陽師 安倍晴明の子孫"土御門家"が、応仁の乱で乱れた京を離れ、この地で約100年、3代に渡って暦作りをやっていたことに因んで建てられました。
京都の雰囲気がある佇まいです。
雪景色の果てにたどり着いたのがこの館です。
しばらく美しさに見とれていました。
ここ名田庄から京都の県境まではすぐだそうで、バイク乗りの人たちがよく通るそうです。
校倉造りの暦会館は暦、易、天文、歴史に関する資料が展示されています。
陰陽師の役割は大きく4つあります。
- 気象(天体)
- 吉凶(占い)
- 暦(カレンダー)
- 時間を測る
陰陽師というと映画や小説などでは、呪術師や魔術師のような得体のしれないイメージをもっていましたが、今でいえばれっきとした国家公務員(民間の陰陽師もいた)で、上記のような仕事を司っていました。かの有名な安倍晴明は天文の人だったそうです。
このような暦を専門とした資料館は全国でも珍しいようです。
今回、学芸員の方にご説明いただき、陰陽道の興味深いお話を伺えてとても勉強になりました。
SEESEAPARK
若狭湾沿いに広がる「みんなでつくる公園」をコンセプトにした複合商業施設。
若狭を楽しむ旅のスタート地点で、
- おおいを、あそぼう
- おおいに、あそぼう
がキャッチフレーズ。
山々の谷間に広がる里山と静かに澄んだ入り江に囲まれたおおい町で、
"誰もが自由に自分らしく楽しめる場所"
"いつも新しいことに出会える場所"
そんな公園のような場所を目指しているそうです。
館内にはアウトドアショップ、カフェダイニング、イタリアンレストランなどが入っています。
敷地内には子供の遊び場 遊具、バスケット、ローラースケート場などがあり、子どもからお年寄りまで楽しむことができます。
まとめ
いかがでしたか。
高浜町とおおい町。
どちらも静かで小さな町でド派手な観光スポットはありません。
ですが、とても良い雰囲気を持った町だなと感じました。
観光客でごった返すことも少ないエリアなので、ゆっくり旅を味わうこともできるでしょう。
北陸新幹線の最果ての聖地の旅のチカラ。
日本にはまだまだ素敵な町があるな、と思いました。
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。