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<至福体験>静岡高級日本茶ボトリングティーと日本橋ゆかり創作和食のペアリングについて
皆さんこんにちは、たびこふれライターのえいたです。
今回はボトル1本が数千円から1万円以上もする日本茶の高級ボトリングティーの試飲と創作和食とのペアリングの試飲・試食会がありましたので参加してきました。
最近は料理とワイン、日本酒などのペアリングがワイナリーや酒蔵で盛んに行われていますが、お茶と料理のペアリングもあるのだと初めて知りました。
私はお酒を飲めるので感じていませんでしたが、お酒を飲めない方にとってこれは大きなインパクトがある出来事ではないかと思いました。
目次
高級ボトリングティーとは
ボトリングティーという言葉を検索すると
ボトリングティーとは、茶葉とお水を特殊な技術によって低温抽出し、低温殺菌したボトルに閉じ込めた液体状の高級茶のことを言います。
という検索結果が表示されます。
私たちは日常、何気なくお茶を飲んでいます。最近はペットボトルのお茶が出回っていますので急須がなくても気軽にお茶を飲める環境にあると思います。
そのようなお茶と一線を画したのがボトリングティーで、日本茶鑑定士が厳しい目で厳選した茶葉を手間暇かけて抽出し、高級茶葉のもつ味わいをそのまま感じるようにした特別なお茶がボトリングティーなのです。
5種類のボトリングティーを試飲してみた
ひとつずつの香りを確認し少量を口に含んで味覚や口の中から鼻に抜ける香りなどを確かめてゆきます。
それぞれ、香り、味、甘み、うま味などの違いがはっきり分かりました。自分の味覚や好みに合うものも分かってきて飲み比べが楽しくなってきました。
次は料理と一緒に口に含みます。単体で口にした時と違う味わいがあるのが分かりました。
料理を飲み込んだ後の口直しにもなりました。
ワインや日本酒が料理ごとに種類を変えて最適な組み合わせを選ぶように、お酒が飲めない人にとってこのお茶と料理の組み合わせは大いにアリなのではないかと思いました。
グラスに5種類のシールが貼ってあります。シールの意味は、写真の左から順に以下解説しています。
- 白色:NIROKU(二六)
原料茶葉に幻の品種と言われた「いずみ」を使用
赤い色のお茶で和紅茶です。ウーロン茶と紅茶の中間くらいの印象で、柑橘系のフルーツのような爽やかな印象でした。
- 赤色:KOUSHUN(香駿)
全国緑茶コンテスト2019で最高金賞を受賞したそうです。
静岡県の日本茶づくりの第一人者が手掛けた「香駿」を使用
単体で味わった時と、料理と一緒に口に含んだ時の「味変」が印象的なお茶でした。料理と合体した時の香りや味の感度が格段に上がった気がしました。
- 緑色:IBUKI(息吹)
自社茶園で20年以上の開発期間をかけた「金谷いぶき」茶葉を使用
5種類試飲したボトリングティーの中で一番インパクトがあり、濃厚な玉露を飲んでいるようでした。
今回いただいた5種類の中で一番販売価格の高いお茶でした。
- 青色:楽淹(RAKUEN)
やぶきた種とインド系茶葉を掛け合わせた静岡県産の超希少品種「藤かおり」をベースにしたお茶。
一口含んだ時の香りや味の広がりが想像を超えていました。
- 黄色:WARISHI2022 本山(藁科・横峯 摩利支)
幻のお茶と呼ばれていた超希少品種「摩利支」を使用。絶滅の品種を地元有志が復活させたというストーリーがあります。安定したおいしさでした。
【今回試飲をしたボトリングティーの情報一覧】
なぜ、瓶(ボトル)なのか、ペットボトルではダメなのか
高級なワインやウイスキー、日本酒はボトルの意匠や化粧箱、それを入れる包装紙や手提げバッグまで細部にこだわっています。それを手に取ってから口にするまでの満足感を一体的に考えられているからです。
ボトリングティーもまさにそれと同じで、未体験の日本茶を味わうために「お茶は安く飲むもの」という概念を壊していくために本物の日本茶に相応しいパッケージでより魅力が伝わるようコンセプトを体現させたかったそうです。
また実用面でいうと、ペットボトルはどんなに密封してもわずかな空気を通したり光を通すので品質が変わってしまうのだそうです。ペットボトルのお茶は原材料の記載を見ると茶葉と水の他にビタミンCが添加されているのが分かります。また海外で飲むペットボトルの日本茶は砂糖が入っているものがほとんどです。ビタミンCも砂糖も品質保持のために添加されています。
それに引き換え、ガラスの瓶は密閉性が高く空気を通さないため品質保持に優れています。また、匂い移りの心配もないので中身本来の美味しさが伝わり、そのまま味わうことがでるのだそうです。
そもそもペットボトルは高級感がないですよね。
日本橋ゆかり三代目野永喜三夫シェフによる創作料理をいただく
今回は、そうした高級ボトリングティーを飲むシーンのひとつとして、老舗日本料理店の日本橋ゆかりにて三代目野永喜三夫シェフによる創作料理を5種類のボトリングティーとともにいただきました。
野永シェフは、外国産食材は使わない、地産地消のものを旬のうちに、しかも、食材を使い切る料理を実践しているそうです。
今回いただいた料理は次の通りです
<モッツアレラチーズの茶碗蒸し>
<刺身 安倍川上流域産 静岡水わさび>
<かき揚げ>
かき揚げの中身は、桜えび(由比産)、あさはた蓮根(静岡市麻機産)、自然薯(牧之原市産)でした。
<角煮>
角煮に使用している豚は、遠州六白黒豚(牧之原市産)です。
<鰻のばらちらし>
それぞれの産地は、鰻(吉田町産)、あさはた蓮根(静岡市麻機産)でした。
これだけの料理のメイン食材全てが静岡県産って凄いですね!
料理の仕上がりは、野永シェフの素材ひとつひとつへの気持ちが味に乗り移っている感じがしました。
器1つ1つの趣向も和食ならではです。至福のひと時でした。
ところで吉田町産のうなぎですが、浜名湖、三島に並ぶ鰻の生産地なのだとか。
野永喜三夫氏プロフィール
老舗日本料理店「日本橋ゆかり」の長男として生まれる。「露庵 菊乃井」の村田 吉弘氏のもとで修業を重ねた後、25歳で「日本橋ゆかり」へ戻り、三代目主人として腕を振るう。
2002年、「料理の鉄人JAPAN CUP 2002」で総合優勝を果たし、その名は一躍知名度を全国区に。その腕前と感性は海外からも注目され、アメリカの老舗日刊新聞紙にて日本の料理人として選出された。
2015年7月、ミラノ国際博覧会において、日本料理の腕前を披露。テレビや雑誌等のメディアへの出演や、世界に和食の魅力を広めるための取り組みなど、幅広い分野で活躍している。
【日本橋ゆかり】
- 住所:東京都中央区日本橋3-2-14
- TEL:03-3271-3436
- 営業時間:11:30~14:00/17:00~22:00
- 公式サイト:日本橋ゆかり
静岡県中山間100銘茶とガストロノミーツーリズム
静岡県中山間100銘茶協議会の森内さんから静岡茶の説明
山間の茶畑は終日太陽の光が当たらないことで柔らかい茶葉となりうま味や甘みを多く含んだ茶葉が生産されるのだとか。
『静岡の茶に適した気候風土と先人より引き継がれた高い技術によって生み出される、緑茶、烏龍茶、紅茶など、静岡にしかできない個性ある銘茶がある』というお話を伺いました。
やはり、お茶と言えば静岡なのですねぇ。
<玉露のような味わいの煎茶>
試飲・試食の〆は川勝静岡県知事の挨拶
今回の試飲・試食会がいかに静岡県にとって気合が入っていたかが分かりました。
静岡県は日本一高い富士山と日本一深い駿河湾をはじめ、多様な風土を持ち、全国トップクラスの439品目(※)もの農林水産物を生産する食材の王国なのだとか。
『山の水とお茶は一体であり、このような環境で育まれた静岡の食材を1人でも多くの方に召し上がっていただきたい』と川勝知事は仰っていました。
※令和5年現在
最後に
静岡のお茶に関わる人たちのお茶愛、静岡愛を強く感じるひと時でした。
また、外国人観光客(インバウンド)が日本文化に触れるコンテンツとして日本酒や日本産ワインと並んで今回試飲したボトリングティーも自信を持って勧められるコンテンツだと思いました。
お酒が飲めない人がレストランで飲むのはウーロン茶のようなソフトドリンクしかなかったけれど、ワインリストを見るようにボトリングティーリストがこれから登場してくるかもしれないとも感じました。
皆さんが静岡県を旅した時にボトリングティーを目にする機会があるかもしれません。
その時はぜひ、その味や香りにチャレンジしていただきたいと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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えいた
- 旅の臨場感が届けばうれしいです