【オランダ】 2024年のイベントをピックアップ!

2024年にオランダで開催されるイベントをご紹介します。

フェスティバルやスポーツイベント、チューリップのイベントなど、さまざまなイベントが予定されていますので、オランダにいらっしゃる方はぜひ、旅行中に現地のイベントを楽しんでみてください。

目次

1月:『ナショナル・チューリップデー』

開催日:2024年1月20日

ナショナル・チューリップデー

アムステルダムでは毎年1月の第3土曜日に、チューリップシーズンの開幕を祝う『ナショナル・チューリップデー (Nationale Tulpendag)』が開催されています。アムステルダムの中心地にあるミュージアム広場に、およそ20万本のチューリップを並べた巨大なチューリップ畑が登場します。

2024年のナショナル・チューリップデーのテーマは「Let's Dance! (レッツ・ダンス!)」で、国際的にも有名なオランダ人DJハードウェルが、オープニングを盛り上げます。「ハードウェル」と名付けられた新品種のチューリップがお披露目され、同氏に贈られるイベントもあります。

ナショナル・チューリップデーでは、無料で1人20本のチューリップを持ち帰ることができます。2023年には100カ国以上の国から約1万8,000人が来場して花摘みを楽しみました。色とりどりのチューリップを選びながら、子供も大人も笑顔になれるイベントです。アムステルダムに咲くチューリップという、オランダらしい春の景色が撮影できる人気の写真スポットでもあります。

◆ナショナル・チューリップデー

  • オランダ語/英語:Nationale Tulpendag/National Tulip Day
  • 開催日時:2024年1月20日13:00~16:00
  • 開催場所:Museumplein, 1079 RA Amsterdam
  • アクセス:アムステルダム中央駅よりトラム2, 12番で14分Museumplein下車
  • 料金:無料
  • 公式サイト: ナショナル・チューリップデー

2月:マーストリヒトのカーニバル

開催期間:2024年2月11日~13日

マーストリヒトのカーニバル
<Photo:Maastricht Marketing>

カトリックの多いオランダの南部と東部では、四旬節に先立ってカーニバルが開催されます。南部で一番の盛り上がりをみせるのは『マーストリヒトのカーニバル (Carnaval in Maastricht)』です。カラフルなコスチュームで仮装した人たちが街に溢れ、新年最初の春のお祭りを楽しみます。

3日間にわたるカーニバルの初日には、13時33分から『マーストリヒト・グランド・パレード (Grote Optocht van Maastricht)』がスタートします。マース川東岸のウィケル・ブルク通り (Wycker Brugstraat) を出発して聖セルヴァース橋 (Sint Servaasbrug) を渡り、市庁舎のあるマルクト (Markt) を経て、フライトホフ広場 (Vrijthof) に到着します。

カーニバルの参加者は派手に仮装し、カラフルに装飾されたフロートとともにパレードします。沿道の観客も賑やかな音楽にあわせて、踊ったり歌ったりしながらパレードを楽しみます。整然と行進するマーチングバンドもあれば、ディスコのように熱狂して進むグループもあり、オランダの自由な気質が感じられます。民族衣装をまとって自国の国旗を振ったり、日本のグループがよさこいを踊ったりと、国際色も豊かです。

カーニバルカラーの赤・黄・緑を取り入れた衣装、フェイスペイント、着ぐるみやコスプレまで、マーストリヒトの住人の仮装は本格的です。王様、ティラノザウルス、テントウムシ、バナナ、電気スタンド、海賊、アニメのキャラクターなど、とにかく何にでもなれるのがマーストリヒトのカーニバル。2月にオランダにお越しの際はぜひ、仮装をして陽気なカーニバルを楽しんでみてください。

なお、カーニバル期間中は列車のダイヤやバスの運行ルートが変更されることがありますのでご注意ください。

◆マーストリヒトのカーニバル

  • オランダ語/英語:Carnaval in Maastricht/Carnival in Maastricht
  • 開催期間:2024年2月11日-13日
  • 開催場所:マーストリヒト中心街
  • アクセス:アムステルダム中央駅よりMaastricht行きインターシティで2時間25分Maastricht下車 
  • 料金:無料
  • 公式サイト:マーストリヒトのカーニバル

3月:『キューケンホフ』開園!

開園期間:2024年3月21日~5月12日

『キューケンホフ』開園!

アムステルダムの南西約25kmにあるリッセ (Lisse) には、世界最大のフラワーパーク『キューケンホフ (Keukenhof)』があります。およそ32ヘクタールの広大な敷地に、チューリップやスイセン、ヒヤシンス、アネモネなど、700万本を越える球根花が咲き誇ります。

キューケンホフが開園するのは、毎年3月下旬から5月中旬までの約2ヶ月間で、2024年の開園は3月21日です。園内では幻想的な花畑や、池のほとりに咲きこぼれるチューリップなど、極上の風景に出会えます。

チューリップは花大国オランダならではの品種の多さで、花びらが反り返った王冠咲き、オウムの羽のようなパーロット咲き、17世紀のオランダで人気を博した縞模様のチューリップなど、多彩な姿かたちで目を楽しませてくれます。園内に点在するパビリオンで開催されているフラワーショーも見事です。

キューケンホフには風車もあり、4月上旬になると展望デッキから、近隣農家のカラフルなチューリップ畑を眺められます。風車は現在も稼動しており、17.9mの羽根が風をうけて回る様子や、建物の内部を見学できます。風車の傍には跳ね橋もあり、オランダらしい風景が楽しめます。

公式サイトでは日時指定のチケットや、キューケンホフへの直行バス「キューケンホフ・エクスプレス (Keukenhof Express)」の往復チケットと合わせたお得な「コンビチケット」を購入できます。バスの発着点は、アムステルダムのRAI、スキポール空港、ハールレム、ライデンにあります。

チケット詳細

◆キューケンホフ

  • オランダ語・英語:Keukenhof
  • 開園日時:2024年3月21日-5月12日 8:00-19:30
  • 所在地:Stationsweg 166A, 2161 AM Lisse
  • アクセス:アムステルダム, スキポール空港, ハールレム, ライデンより直行バス「キューケンホフ・エクスプレスKeukenhof Express」が運行
  • 入園料(オンライン価格):大人19.5ユーロ, 4-17歳9ユーロ, 3歳以下無料
  • 公式サイト:

4月:国王の誕生日『王の日』

開催日:2024年5月5日

ウィレム=アレクサンダー国王(中央)とマキシマ王妃(右)、ベアトリクス前女王(左)
<2014年、国王即位後初の『王の日』にデライプの街を訪問したウィレム=アレクサンダー国王(中央)とマキシマ王妃(右)、ベアトリクス前女王(左)。photo: Erikt (CC BY-SA 3.0)>

4月27日の『王の日 (Koningsdag) 』は、オランダ国王ウィレム=アレクサンダーの誕生日をお祝いする祝日です。国王や女王の誕生を祝う『王の日』や『女王の日』は、第3代国王ウィレム3世の時代の1885年に始まりました。国中がお祭り騒ぎになるこの日、オランダの街はナショナルカラーのオレンジ色の服やグッズを身につけた人で埋め尽くされます。

『王の日』には例年、ロイヤルファミリーがオランダのある都市を訪問し、式典やイベントに参加します。オランダの王室はフレンドリーなことで知られており、2023年に訪問したロッテルダムのイベント会場でも、握手や記念撮影に応じたり、バスケットボールやボクシングをしたり、市民とともに楽しむ様子が印象的でした。2024年はオランダ北東部にあるエメン (Emmen)を訪問する予定です。 

国王の誕生日『王の日』

『王の日』の一番の楽しみは、街のいたるところで開催されるフリーマーケットです。この日は誰もが商売をしても良いため、前もって場所取りをした人たちが、ありとあらゆる家財道具を並べてフリーマーケットに出店します。ほとんどがガラクタとはいえ、高級住宅街のフリーマーケットにはお宝が並ぶこともあるので、午前中に周るのがお勧めです。

フォンデル公園 (Vondelpark) では子供たちが、手作りのお菓子やオモチャを売ったり、楽器を演奏してチップをもらったりと、お小遣いをかせぐためにアイディアを凝らします。微笑ましい子供たちの姿に、ついつい手作りのクッキーや、読み古した絵本などを買ってしまいます。

『王の日』のアムステルダムには、およそ70万人が訪れます。レンブラント広場 (Rembrandtplein) やスパウ (Spui)、ライツェ広場 (Leidseplein) はパーティーで盛り上がり、ウェスター通り (Westerstraat)やプリンセン運河 (Prinsengracht)、レグリールスドワルス通り (Reguliersdwarsstraat) などで屋外フェスティバルが開催されます。

オレンジ色のアフロウィッグやサングラスなどを身につけて、オランダのお祭り騒ぎに参加してみてください。

◆王の日

  • オランダ語/英語:Koningsdag/King's day
  • 開催日:2024年5月5日
  • 開催場所:オランダ全国

5月:平和を祈念する『解放記念日』

開催日:2024年5月5日

平和を祈念する『解放記念日』
<アムステルダムの戦没者慰霊塔に捧げられた花>

オランダでは第二次世界大戦の終戦を記念し、5月4日の戦没者追悼記念日(Dodenherdenking)と、5月5日の解放記念日 (Bevrijdingsdag) に、平和を祈念するイベントが行われています。

戦没者追悼記念日には、アムステルダムのダム広場 (Dam) にある戦没者慰霊塔の前で、戦没者を追悼する式典が行われます。19時には多くの店舗が閉店し、19時45~59分まで教会の鐘が鳴らされた後、20時から2分間、オランダ全国で黙祷が捧げられます。

平和を祈念する『解放記念日』
<Photo: Bart Heemskerk, Nationaal Comité 4 en 5 mei>

翌日の解放記念日はナチスドイツからの解放を祝う祝日で、街中が祝福ムードに包まれます。国内外アーティストが出演するコンサートなど、オランダ全国で多くのイベントが開催されます。

アムステルダムのミュージアム広場 (Museumplein) で催される『解放記念日ダンスフェスティバル (Bevrijdingsdans Festival)』や、アムステルダム近郊のハールレム (Haarlem) の『解放記念日ポップ(Bevrijdingspop)』は人気のあるライブイベントです。

ドイツ軍が降伏し、降伏文書が調印されたヴァーヘニンゲン (Wageningen)では、退役軍人のパレードや『解放記念フェスティバル(Bevrijdingsfestival)』など、盛大な祝賀イベントが開催されます。アムステルダムから電車で1時間ほどの街です。

解放記念日の前後には、イースター(3月31日)や王の日(4月27日)、キリスト昇天祭(5月9日)など祝日が多く、学校にも「5月休み」があるため、日本のゴールデンウィークのような雰囲気です。休業する施設もありますので、この時期にオランダにいらっしゃる方は、営業時間のチェックをお忘れなく。

◆解放記念日

  • オランダ語/英語:Bevrijdingsdag/Liberation Day
  • 開催日:2024年5月5日
  • 開催場所:オランダ全国

6月:アルクマールの『カースコッペンスタッド』

開催期間:2024年6月1日~2日

アルクマールの『カースコッペンスタッド』
<Photo: Stichting Kaeskoppenstad>

アムステルダムの北約30kmに位置するアルクマールでは、毎年6月最初の週末に『カースコッペンスタッド (Kaeskoppenstad)』と呼ばれるお祭りが開催されています。旧市街の一角に、1573年のアルクマールの街並みが蘇り、750人の住人たちによって当時の日常風景が再現されます。

16世紀の服に身をつつんだ住人たちは、花売り娘、靴磨きの少年、音楽隊、兵士、運河の水で洗濯する女性たち、酒瓶を持つ酔っ払い、捕らえられた囚人、ペストで苦しむ人々などに扮し、様々なシーンを演じます。アルクマールの歴史的な建物や運河も舞台に華を添え、まるで450年前にタイムスリップしたかのような体験ができます。

1573年という時代設定は、オランダがスペインからの独立を果たした八十年戦争で、アルクマールの住民が激しい攻撃に耐え抜いた「アルクマール包囲戦」に由来しています。アルクマールはオランダで初めて強敵スペイン軍を駆逐し、「アルクマールから勝利は始まる」という言葉も生まれました。

アルクマールはアムステルダムから電車で約40分とアクセスも良く、日帰り観光にも人気の街です。金曜日に開催されているチーズ市を5月31日に観光して、翌日のカースコッペンスタッド訪問と組み合わせるのもお勧めです。

◆アルクマールの『カースコッペンスタッド』

  • オランダ語:Kaeskoppenstad
  • 開催期間:2024年6月1日~2日, 12:00-17:00
  • 開催場所:Waagplein, 1811 MA Alkmaar
  • アクセス:アムステルダム中央駅よりDen Helder行きインターシティで37分Alkmaar下車, バス3, 4, 10, 129, 160, 350系統に乗り換えて3分Kanaalkade下車徒歩4分
  • 料金(オンライン価格):大人4.75ユーロ, 12歳以下1.5ユーロ
  • 公式サイト: カースコッペンスタッド

7月:『ナイメーヘン国際フォーデーマーチ』

開催期間:2024年7月16日~19日

『ナイメーヘン国際フォーデーマーチ』
<Photo: 4Daagse Nijmegen>

オランダ東部のナイメーヘンでは、毎年7月の第3火曜日から4日間にわたり『ナイメーヘン国際フォーデーマーチ (4Daagse)』が開催されます。1909年の初開催から、戦時中やコロナ禍をのぞいて毎年開催されている、オランダで最も歴史の長いウォーキングイベントです。

ナイメーヘン国際フォーデーマーチはもともと、軍人の体力を高めるための行進訓練として始まったため、ウォーキングを「行進」と呼び、現在でも約5,000人の軍事関係者がエントリーしています。

コースは3種類で、30、40、50kmのいずれかを毎日行進します。ルートは毎日異なり、ナイメーヘンを発着点として、周辺のエリアを巡ります。初日はナイメーヘンの北側にあるエルスト (Elst) 、2日目は西側のヴィヘン (Wijchen)、3日目は南東の丘陵地帯グルースベーク (Groesbeek) に向かいます。最終日はマース川南西部のクアイク (Cuijk) を訪れ、ゴール手前では参加者に、勝利の象徴とされるグラジオラスの花が贈られます。

軍事関係者
<Photo: Duncan de Fey>

軍事関係者は軍服を着用し、男性(18~49歳)は最低10kgの荷重を持って行進するという規定があります。一般参加者とともに40kmの行進を終えた後は、宿営地の軍事演習場まで、さらに5kmの距離を歩くというハードな訓練です。

一般部門でも、制限時間内にゴールできなかった場合は失格となり、翌日の参加が認められません。連続して4日間の行進を達成した参加者には、オランダの軍服にも着用できるオランダ公式の記章「フォーデーマーチ十字 (Vierdaagsekruis)」が贈られます。

ナイメーヘン国際フォーデーマーチは、70カ国以上からおよそ4万5,000人が参加する世界最大のウォーキンググイベンです。エントリー開始日や募集要項は、開催日が近づくと公式サイトで告知されますので、参加をご希望の方は随時チェックしてみてください。ナイメーヘン国際フォーデーマーチに合わせて『フォーデーフェスティバル (Vierdaagsefeesten)』も開催されます。

◆ナイメーヘン国際フォーデーマーチ

  • オランダ語/英語:Nijmeegse Vierdaagse (4Daagse)/International Four Day Marches Nijmegen
  • 開催期間:2024年7月16日~19日
  • 開催場所:ナイメーヘンと周辺エリア
  • アクセス:アムステルダム中央駅よりNijmegen行きインターシティで1時間23分Nijmegen下車
  • 参加料:開催日が近くなるとエントリー情報が公式サイトで告知されます。
  • 公式サイト: ナイメーヘン国際フォーデーマーチ

8月:『クィア&プライド・アムステルダム』

開催期間:2024年7月27日~8月4日

『クィア&プライド・アムステルダム』

『クィア&プライド・アムステルダム (Queer & Pride Amsterdam)』は、毎年7月末から8月最初の週末にかけて、アムステルダムで開催されるLGBTIQ+ のフェスティバルです。LGBTIQ+ の人々の権利に焦点を当て、自由と多様性を祝う多彩なイベントが催されます。国内外からの訪問者は数十万人にのぼり、2019年にはオランダの無形文化遺産に登録されました。

2024年のクィア&プライド・アムステルダムは「TOGETHER(共に)」をテーマに掲げ、7月27日から8月4日まで開催されます。27日はフォンデル公園 (Vondelpark) が「プライド・パーク」になり、パフォーマンスやスポーツイベント、野外ステージコンサートなどでオープニングを盛り上げます。

7月31日と8月1日にはメルカトル広場 (Mercatorplein) が、8月2日にはゲオルゲ・ゲルッシュウィン広場 (George Gershwinplein) がオープンエアシネマになり、無料で映画を鑑賞できます。8月2日と3日は、アムステルダム市内のレストランやバーなど約20ヶ所でストリートパーティーが開かれ、4日の最終日には、ダム広場 (Dam)で盛大なクロージングパーティーが開催されます。イベントの詳細は公式サイトでチェックできます。

『クィア&プライド・アムステルダム』

クィア&プライド・アムステルダムの最大の見どころは、8月3日に開催される運河パレード(上写真)です。色とりどりに装飾された80隻のボートが、ダンスや音楽で大盛り上がりの参加者を乗せて、アムステルダムの運河をパレードします。オーステルドク (Oosterdok) からプリンセン運河 (Prinsengracht) を航行してウェステルドク (Westerdok)まで、アムステルダム中央駅を中心に半円を描くルートです。

LGBTIQ+ の人々、そして彼らを尊重する人々が自由を祝うパレードは、LGBTIQ+ のコミュニティを受容してきたオランダ社会の多様性の象徴でもあります。運河沿いは観客でいっぱいになりますので、飲み物や食べ物を用意して、早い時間に場所取りをするのお勧めです。

◆クィア&プライド・アムステルダム

9月:『ワールド・ポート・デイズ』

開催期間:2024年9月6日~8日

『ワールド・ポート・デイズ』
<Photo: Anne Reitsma>

南ホラント州のロッテルダムは、アムステルダムに次ぐ人口を誇るオランダ第二の都市です。ライン川河口に建設されたロッテルダム港はEUの海の玄関口とも言われ、毎年13万を超える船舶が接岸し、貨物取扱量は約4億4,000万tにのぼります。世界最大の石油化学工業地帯でもあり、ドイツのルール地方などに至る石油パイプラインの起点にもなっています。

ロッテルダム港では毎年、9月最初の週末に『ワールド・ポート・デイズ (Wereldhavendagen)』が開催されています。港湾内の工業地帯や船舶の見学プログラム、水上でのデモンストレーション、港湾会社によるプレゼンテーションなどを通じて、ロッテルダム港の舞台裏を一般の人々に紹介するためのイベントです。

ワールド・ポート・デイズの初開催は1935年で、当初は国内外のビジネス関係者を対象としたイベントでしたが、第二次世界大戦後に一般向けのイベントになりました。現在は港湾局をはじめ、水上警察や海軍も参加する一大海事イベントで、来場者は数十万人にのぼります。

ワールド・ポート・デイズでは、製油所やコンテナ・ターミナルなどが一般公開されたり、海難救助のデモンストレーションが行われたりと、見どころが満載です。いくつかのプログラムは有料ですが、波止場から眺められる水上ショーを含め、多くのプログラムは無料です。

『ワールド・ポート・デイズ』
<Photo: Anne Reitsma>

ワールド・ポート・デイズのハイライトは、土曜日の夜にニーウェ・マース (Nieuwe Maas) 河畔で開催されるミュージックショーで、エラスムス橋 (Erasmusbrug) 周辺では打ち上げ花火が楽しめます。9月にオランダにいらっしゃる方はぜひ、世界屈指のロッテルダム港を満喫してみてください。

◆ワールド・ポート・デイズ

  • オランダ語:Wereldhavendagen
  • 英語:World Port Days
  • 開催期間:2024年9月6日~8日(1月時点で時間は未定ですが例年は 10:00~18:00に開催されています。7日は21:00~23:00の夜間開催もあります)
  • 公式サイト:ワールド・ポート・デイズ
  • 開催場所:ロッテルダム港 Wilhelminaplein 3072 DB Rotterdam
  • アクセス:アムステルダム中央駅よりEindhoven Centraal行きインターシティで41分Rotterdam Centraal下車, メトロに乗り換えて6分Wilhelminaplein下車徒歩5分
  • 料金:無料(有料プログラムは春に発表され、夏から公式サイトでチケット販売が始まります)

10月:『アムステルダムマラソン』

開催日:2024年10月20日

『アムステルダムマラソン』

『アムステルダムマラソン (Amsterdam Marathon)』は、1975年からアムステルダムで毎年開催されているマラソン大会です。2020年にワールドアスレティクス(世界陸上競技連盟)からプラチナラベルを授与され、国内ではロッテルダムマラソンと並ぶ有名なマラソン大会です。

毎年10月の第3日曜日に開催され、フルマラソン、ハーフマラソン、8kmなどのコースがあります。発着会場は、1928年のアムステルダムオリンピック開催のために建設されたオリンピス・スタディオン (Olympisch Stadion) で、アムステルダム国立美術館 (Rijksmuseum Amsterdam) やフォンデル公園 (Vondelpark) などを周ります。

フルマラソンではアムステル川沿いを、アウダーケルク・アーン・デ・アムステル (Ouderkerk aan de Amstel) という村まで南下します。川沿いの道は長閑で、とても気持ちの良いコースです。

大会記録は男女ともにエチオピア人により樹立されていて、男子がタミラット・トラ選手の2時間3分38秒 (2021年)、女子がアルマズ・アヤナ選手の2時間17分20秒 (2022年) です。近年の優勝者はエチオピアやケニアの選手が多いですが、1993年大会では日本の鈴木賢一さんと山本佳子さんが、1995年大会では大川久之さんが優勝されています。

アムステルダムマラソンは、フルマラソンに2万2,500人、ハーフマラソンに約2万人のランナーが参加する、ヨーロッパ最大級のマラソン大会です。参加者の国籍も140カ国を超え、オランダで最も国際的なスポーツイベントでもあります。2024年の開催は10月20日で、公式サイトですでにエントリーが開始されています。海外マラソンに挑戦してみたい方は、ぜひエントリーしてみてください。

◆アムステルダムマラソン

  • オランダ語・英語:Amsterdam Marathon
  • 開催日:2024年10月20日
  • 開催場所:Olympisch Stadion 2, 1076 DE Amsterdam
  • アクセス:アムステルダム中央駅よりメトロ51番で18分Amstelveenseweg下車, Station Lelylaan行きバス62系統に乗り換えて1分Olympisch Stadion下車
  • 参加費:フルマラソン120ユーロ, ハーフマラソン40ユーロ
  • 公式サイト: アムステルダムマラソン

11月:『GLOWアイントホーフェン』

開催期間:2024年11月9日~16日

『GLOWアイントホーフェン』
<2023年に展示されたONDA Studioの『Where are we going?』 Photo: Bart van Overbeeke>

『GLOWアイントホーフェン』は毎年11月にオランダ南部のアイントホーフェン (Eindhoven) で開催されるライトアートフェスティバルです。国内外のアーティストが、最新技術を駆使したライトアートを展示します。

会場となるのは中心街を通る約5kmのルートで、屋外のライトアートを無料で鑑賞できます。2006年の初開催以降しだいに人気を博し、現在では1週間で70万人もの人々が訪れる、オランダ最大級のライトアートフェスティバルになりました。

GLOWアイントホーフェンには毎年テーマがあり、2023年から2025年までの3年間は「Beat(鼓動)」「Stream(流れ)」「Light(光)」の3部作になっています。「Beat」をテーマにした2023年の作品を3点ご紹介します。

『GLOWアイントホーフェン』
<Photos: Bart van Overbeeke>

  1. De Emmasingelによる『Evolution of Life』は、プロジェクションマッピングやサウンドスケープで大地の鼓動を演出しました。高層ビルをカンヴァスにしたイマーシブアートです。
  2. ヒューゴ・フライダグの『Ik zie, ik zie...』では、教会の壁にアイントホーフェンの子どもたちが描いた自画像が映し出され、身廊には光輝く花々が咲きました。
  3. ディルク・ファン・ポッペルとミシェル・スックによる『Shape』は、アイントホーフェンに本社を置くDAF社のトレーラーが主役で、エンジンが鼓動し、部品がダンスを踊り、工場がオーケストラになります。

2024年は「Stream」がテーマです。光に彩られたアイントホーフェンを楽しんでみてください。

◆GLOWアイントホーフェン

  • オランダ語・英語:GLOW Eindhoven
  • 開催期間:2024年11月9日~16日
  • 開催場所:アイントホーフェン中心街
  • アクセス:アムステルダム中央駅よりHeerlen行きインターシティで1時間18分Eindhoven Centraal下車
  • 料金:無料
  • 公式サイト:GLOWアイントホーフェン

12月:『ベルベット洞窟のクリマスマーケット』

開催期間:2024年11月15日~12月30日

『ベルベット洞窟のクリマスマーケット』
<Photo: Kerststad Valkenburg>

オランダではクリスマスが近づくと、各地でクリスマスマーケットが開催されます。なかでも有名なのは、ファルケンブルフで開催されている『ベルベット洞窟のクリマスマーケット (Kerstmarkt Fluweelengrot)』です。かつての採掘坑に、クリスマスのオーナメントやギフト、飲食店などの出店が並びます。

洞窟の歴史は11世紀、または12世紀に遡り、採掘された泥灰岩は、ファルケンブルフ城の建設に使われていました。クリスマスマーケットの開催中は、洞窟内にイルミネーションやデコレーションがほどこされ、ほんのり薄暗い洞窟が、幻想的な雰囲気になります。

洞窟の壁にほどこされた彫刻や、歴史ある壁画も見どころです。18世紀に礼拝が行われていた秘密の教会もあり、祭壇や洗礼堂も見学できます。ベルベット洞窟のクリスマスマーケットには、何世紀も前の洞窟を探検するようなワクワク感があります。冷えた体が温まる冬の飲み物、グリューワインやホットチョコレートも味わってみてください。

クリスマスマーケット
<Photo: Kerststad Valkenburg>

ファルケンブルフでは、もうひとつの「ヘメーンテ洞窟 (Gemeentegrot)」でもクリスマスマーケットが開催されているほか、テーオ・ドルレン広場 (Theo Dorrenplein) の『サンタ・ビレッジ』や、サンタクロースが登場する夜のパレードなど、様々なイベントが開催されています。街のイルミネーションも華やかです。

◆ベルベット洞窟のクリマスマーケット

  • オランダ語/英語:Kerstmarkt Fluweelengrot/Christmas market Fluweelengrot
  • 開催期間:2024年11月15日~12月30日(12月25日は休業) 月~金11:00-19:00, 土日10:00~19:00
  • 開催地:Daalhemerweg 27, 6301 BJ Valkenburg
  • アクセス: アムステルダム中央駅よりMaastricht行きインターシティで2時間34分Maastricht下車, Kerkrade Centrum行きArrivaストップトレインに乗り換えて13分Valkenburg下車徒歩15分
  • 料金:大人9ユーロ, 11歳以下5ユーロ, 5歳以下無料(チケットは8月より公式サイトで購入可能です。会場の窓口でも購入できます)
  • 公式サイト:ベルベット洞窟のクリマスマーケット

※イベントの詳細やアクセス方法など掲載内容は2024年1月時点のものです。

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Kayo Temel

オランダ在住。アムステルダムの美術アカデミーで絵画を学び、イラストレーターとして活動中。20年の在蘭経験を活かして、オランダを満喫するためのローカルな情報をお届けします。

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