【青森】酸ヶ湯温泉旅館の混浴『ヒバ千人風呂』を体験

酸ヶ湯温泉 ヒバ千人風呂のポスター

<TOP画像:酸ヶ湯温泉旅館に掲示されていたヒバ千人風呂のポスター>

こんにちは!たびこふれライターの中尾です。

今回ご紹介するのは青森県青森市の「酸ヶ湯温泉旅館」です。「酸ヶ湯」と書いて「すかゆ」と読む温泉地。酸ヶ湯温泉は日本有数の豪雪地帯です。毎年冬になると「今日の酸ヶ湯温泉の積雪は5mもあります!」と中継されることで酸ヶ湯の名を耳にされた方も多いはず。

その酸ヶ湯温泉旅館には『ヒバ千人風呂』と呼ばれる有名な混浴大浴場があります。こちらもポスターなどで見られたことがある方も多いと思います。その名の通り一度に千人が入れる大浴場です。しかし、混浴と聞いて特に女性は躊躇するかもしれません。でも大丈夫!僕がヒバ千人風呂の特徴を解説しますので最後までお付き合いください!

目次

酸ヶ湯温泉旅館

酸ヶ湯温泉旅館は青森県青森市にあります。青森市内なので、青森駅から車で約55分、青森空港から車で約40分とアクセスも良好。八甲田連峰の西麓、標高900mの高地に位置する温泉地のため、冬場は5mも雪が積もる豪雪地帯です。

昭和29年に環境が整ったすぐれた温泉地として「国民保養温泉地第1号」に指定されています。酸ヶ湯温泉は部屋数139室を誇る大きな施設。旅館棟と湯治棟に分かれ、旅館棟は1号館、イ棟、7号館、湯治棟は2号館、3号館、5号館、6号館と建物が異なります。(すべてつながっていますので、館内で移動が可能です)

酸ヶ湯温泉旅館

※この写真の撮影時期は2023年10月上旬です。後方の中央にそびえる山は八甲田連峰の最高峰・大岳(標高1,585m)です

国民保養温泉地

国民保養温泉地とは、温泉の公共的利用増進のため、温泉利用の効果が十分期待され、かつ、健全な保養地として活用される温泉地を「温泉法」に基づき、環境大臣が指定するものです。国民温泉保養地の選定は、概ね以下の基準によって行われており、昭和29年から指定が始まりました。令和4年10月現在では、全国で79箇所が指定されています。(環境省サイトより引用)

以下の基準に関しては環境省サイトにてご確認ください。

>>環境省サイトはこちら

ヒバ千人風呂の利用方法(日帰り利用の場合)

酸ヶ湯温泉旅館の館内にある大浴場は日帰り入浴も可能です。手軽に利用できる日帰り入浴方法をお教えします。

まず入口外にある日帰り入浴専用の自動販売機で入浴券を購入します。

酸ヶ湯温泉旅館

【日帰り入浴】

  • 入浴料:大人(中学生以上)1,000円(消費税・入湯税込み)、小人(小学生)500円 ※貸タオル(バスタオル+手ぬぐい)付
  • 浴場:『ヒバ千人風呂』(混浴)と『玉の湯』(男女別)があります。どちらにも入浴可能
  • 利用時間:『ヒバ千人風呂』(混浴)は7:00~18:00【※8:00~9:00までは女性専用】、『玉の湯』は9:00~17:00です

酸ヶ湯温泉旅館

入口外の自動販売機で入浴券を購入したら入館します。

酸ヶ湯温泉旅館

入館するとまずビックリするのが、整然と並べられたスリッパです。左側はフロントです。

酸ヶ湯温泉旅館 ロビー

スリッパに履き替える前に、玄関左側で入浴券と引き換えに貸タオルと手ぬぐい(持ち帰り可)を受け取りましょう。貸タオルはバスタオルサイズなので女性も安心です。

酸ヶ湯温泉旅館 貸タオル

玄関右側には売店があります。売店へは土足のまま入れます。その横にある靴箱(無料)で靴を預けます。靴箱は鍵がかかるので安心です。※売店の営業時間は7:00~20:00です

酸ヶ湯温泉旅館 土産店

酸ヶ湯温泉旅館で『ヒバ千人風呂』に入浴しないなんてありえません!さぁあと2人の仲間入りをしましょう!

酸ヶ湯温泉旅館 ヒバ千人風呂

玄関から正面に進み、最奥にねぶたが展示されています。

酸ヶ湯温泉旅館

『ヒバ千人風呂』の入口は玄関(本館)の最奥の右側にあります。赤い暖簾が目印です。

酸ヶ湯温泉旅館 ヒバ千人風呂

『ヒバ千人風呂』の入口左横には貴重品ロッカーがあります。無料で利用できますので、貴重品はすべてこちらへ入れましょう。また、スマートフォンなどの携帯電話やカメラは持ち込みすると盗撮と勘違いされることもありますので、撮影できる機材もこちらに入れましょう。

酸ヶ湯温泉旅館

さぁ、『ヒバ千人風呂』へ入りましょう!女性は右側入口から、男性は左側入口から脱衣所へ入ります。履いてきたスリッパは手前に設置してあるビニール袋に入れて脱衣所へ持ち込みます。

酸ヶ湯温泉旅館 

ヒバ千人風呂の仕組み

まず『ヒバ千人風呂』の仕組みを解説しましょう。下記のポスターは一昔前の『ヒバ千人風呂』です。女性も男性も全裸です。

酸ヶ湯温泉旅館 ヒバ千人風呂

女性の方、ご安心ください!


売店で湯あみ着(入浴着)が販売されています。1,300円(消費税込)と少し高いように思えますが、持ち帰りできますので、自宅で洗えば、これから他の混浴に入浴する際も使えるかと思います。混浴施設でも湯あみ着(入浴着)がレンタルや販売されていないこともありますので、1着持っておくのも便利だと思います。

※男性は湯あみ着はありません...
※売店の営業時間は7:00~20:00までです

酸ヶ湯温泉旅館 湯あみ着

『ヒバ千人風呂』の浴場内で撮影は厳禁なので、青森県観光情報サイトからダウンロードした浴場内の写真を載せます。柱が1本もない、総ヒバ造りの建物です。天井が高いのが特徴です。

手前が熱の湯(ねつのゆ)、後方が四分六分の湯(しぶろくぶのゆ)です。広さは畳160畳分あります。

68_酸ヶ湯温泉:内観.jpg
<写真提供:青森県観光情報サイト

入口には「じょうずな酸ヶ湯とのつきあい方」が掲示されています。簡単に言いますと、成分物質が多く酸性度も高いので長湯は避けることが書かれています。
また入浴作法について左側に書かれています。

酸ヶ湯温泉旅館 ヒバ千人風呂

じょうずな酸ヶ湯とのつきあい方の下には、標準入浴方法(冷え性の方むけ)が掲示されています。

標準入浴方法(冷え性の方むけ)

  1. 「熱の湯(ねつのゆ)」に5分入浴
  2. 「四分六分の湯(しぶろくぶのゆ)」に5分入浴
  3. 汗が出たら、「冷の湯(ひえのゆ)」を数回かぶる
  4. 「湯滝(ゆたき)」に3分。
  5. 再び「熱の湯(ねつのゆ)」に3分入り、上がる

「熱の湯」は40℃前後、「四分六分の湯」は42℃前後です。「熱の湯」は長い時間温もりが持続し、後々まで体が温まります。「四分六分の湯」に入ると熱の湯より熱く感じますが、温もりの持続が熱湯より短く、四分から六分ぐらいの温まり具合になると言われて、その名が付けられたそうです。

酸ヶ湯温泉旅館 ヒバ千人風呂

僕個人的に感じたことを下記に書き出してみました。(多少勘違いもあると思いますがそこはご容赦ください)

  • 「四分六分の湯」も「熱の湯」も少し灰色っぽい濁り湯です。肩までつかれば体は見えません
  • 「四分六分の湯」も「熱の湯」もそこそこ深いかもしれません。胴長短足の僕でも床底に座ると肩までつかってしまいます
  • 境界線と言っても特にロープが張られているわけではありません
  • 「湯滝」は打たせ湯のことです。3本流れています。男性側にしかありません
  • 「冷の湯」は湯船があるわけではなく、1本の管からお湯が流れています。かけ湯のイメージです
  • 「四分六分の湯」は源泉から引湯しています(無加水)
  • 「湯滝」「冷の湯」は複数の源泉を温度調整のため混合しています
  • 「熱の湯」は源泉か床底から湧いています(無加水)
  • 男性は女性エリアには入れませんが、女性は男性側の家族や恋人の近くまで入ってこられます
  • 「湯滝」は男性側にしかありませんので、女性はもちろん入ってこられます
  • 冬場は湯けむりで浴室内は視界不良(笑)ですが、夏場は結構視界良好(笑)です
  • 階段は8段程度あったと思います。滑って転倒しないように注意が必要です
  • 女性は湯あみ着(売店で販売されているもの)を着用することをおすすめします(男性のためにも...)
  • 女性側にある木製のついたてですが、高さが160cmくらいしかありません。足元は10cm程度の空間があります
  • 女性側の階段から降りる際、湯船から体が見える可能性もありますので湯あみ着を着用してから下ってください。逆に上がる時も湯あみ着を着たままで上がってください
  • 浴室内、浴槽内はとても滑りやすいです
  • 『ヒバ千人風呂』の浴場内にはシャワーがありません。体を洗う場所も、石鹸やシャンプーリンス類もありません
  • 体を洗う時は『玉の湯』の利用になります
  • お風呂の見学はできません
  • 脱衣所、浴場内の撮影は厳禁です。盗撮行為になりますので、ご注意ください
  • 入浴後は3日程度体中が硫黄臭に包まれます(笑)。着ていた服は3回くらい洗濯しないと臭いがとれません

『ヒバ千人風呂』の図面を思い出しながら作成してみました。こんなイメージの浴室になります。(こんなに横は広くありません)

酸ヶ湯温泉旅館 ヒバ千人風呂

ヒバ千人風呂に入浴してみた僕の感想

僕はこれまで3回、酸ヶ湯温泉旅館のヒバ千人風呂に入浴しました。総ヒバ造りの浴場は想像以上に大きく、レトロで雰囲気が良いので特にお気に入りの温泉でもあります。

泉質は「酸性硫黄泉」。その名の通り硫黄泉なので、独特の臭いが特徴です。白濁のお湯につかれば、嗚呼、極楽極楽。熱の湯は40℃前後、四分六分の湯は42℃前後に設定されていますが、熱の湯の方が熱く感じます。泉質が濃いからか、体に切り傷などがあると少しヒリヒリします。

説明書きの通り、熱の湯と四分六分の湯を交互に入浴します。入浴後はしばらく体がぽかぽか状態でした。基本的に女性は湯あみ着を着用していたので、安心しました。夫婦や恋人同士でも隣同士で温泉を楽しまれていたのは混浴の醍醐味ですね。でも、男性は手ぬぐいしかなかったので、浴場内を歩き回るのはちょっと恥ずかしかったです。できれば1週間くらい滞在して湯治を体験してみたいなと思いました。老後に...。

酸ヶ湯温泉旅館

ヒバ千人風呂以外の館内の浴場

酸ヶ湯温泉旅館にては『ヒバ千人風呂』以外に『玉の湯』があります。こちらは男女別になっていますので女性も安心して入浴できます。

『玉の湯』は『ヒバ千人風呂』と源泉が異なります。『ヒバ千人風呂』に比べ小さな浴場ですが、シャワーや石鹸・シャンプーリンスの用意もあります。お湯は『ヒバ千人風呂』同様、濁り湯です。

女性風呂は本館から奥の旅館イ棟の奥にあります。

酸ヶ湯温泉旅館 玉の湯

男性風呂は本館奥を左に進み1号館にあります。

酸ヶ湯温泉旅館 玉の湯

酸ヶ湯温泉旅館の基本情報

酸ヶ湯温泉旅館(すかゆおんせんりょかん)

  • 所在地:青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地
  • アクセス:青森駅から車で約55分、青森空港から車で約60分

※宿泊の方限定で青森駅から送迎バスがあります(要予約)
※冬期も道路は除雪されていますが、スタッドレスタイヤが必要(可能な限りチェーンも携行してください)。雪国なので、四輪駆動(4WD)の車をおすすめします

※館内案内図は下記をご参照ください

酸ヶ湯温泉旅館 館内案内図

待合室の「御鷹々々サロン」は日帰り入浴者も利用可能です。

酸ヶ湯温泉旅館 休憩所

姉妹館『八甲田ホテル』から送迎があります。八甲田ホテル宿泊者は入浴料無料(貸タオル付)です。

>>八甲田ホテル公式サイトはこちら

酸ヶ湯温泉旅館 八甲田ホテルからの送迎車

>>青森県観光情報サイトはこちら

※当記事は、最近では2023年10月下旬に訪問した時のものです

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中尾勝

旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。

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