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門司港観光の半日モデルコースを作ってみました!
九州の最北端、福岡県北九州市にある門司港(もじこう)駅の周辺は、明治から昭和初期のレトロな雰囲気を味わえる人気の観光エリアです。海外との貿易拠点として活躍したレンガ造の建物が、当時の面影そのままに立ち並んでいます。
今回は、門司港駅周辺を半日(約5時間)かけて満喫する、モデルコースを作ってみました。実際に現地を巡って、所要時間なども確認しています。歩いているだけで楽しくなるような門司港巡りを、この記事を参考によりいっそう楽しんでください。
目次
1:門司港駅(10:00~10:10)
旅のスタート地点は、JR門司港駅です。
門司港駅は、1914年(大正3年)に開業。多くの人や物の行き来を支える、九州の鉄道の玄関口として発展しました。
1988年(昭和63年)には、鉄道駅舎初の国の重要文化財に指定されています。現在の駅舎は、2019年(平成31年)に大正時代に建てられた建物の様式を再現したものです。
駅は木造2階建て。2階には身分の高いお客様をもてなす貴賓室や給仕室があります。
<駅舎2階にある貴賓室として使われていた部屋>
当時を細部まで再現した部屋を覗くと、大正時代にタイムスリップしたような気持ちになります。
<券売機の横には当時の切符購入窓口が復元されている>
ちなみに、駅員さんの制服も大正時代を彷彿とさせるクラシックなデザインです。改札を出る前にぜひ、チェックをしてみてください。
JR門司港駅
- 住所:〒801-0841 福岡県北九州市門司区西海岸1-5-31
- 電話番号:093-321-8843
2:関門海峡ミュージアム(10:20~11:30)
「関門海峡をまるごと楽しむ体験型博物館」がテーマの開門海峡ミュージアムには、JR門司港駅から徒歩約9分で辿り着けます。
ミュージアムは5階建て。最上階(5階)から1階へ向かう道中で関門海峡の歴史や文化を楽しみながら体験できます。
豪華客船の甲板をイメージした展望デッキに立つと、壮大な景色と共に吹き抜ける潮風を感じられます。
向かって右手に関門海峡、正面に対岸にある下関の街並み、左手には北九州港へつながる海路を見られる大パノラマです。
展望デッキから4階へ降りると、大正時代の豪華客船をイメージしたラウンジスペース「プロムナードデッキ」が姿を表します。
筆者が訪れたときは、クリスマスシーズンに合わせてツリーが飾られていました。ラウンジ内のカフェでは、外の景色を眺めながらお茶を楽しめます。
<有料展示エリアの受付と入場口も船をモチーフにしたデザイン/写真提供:門司港共創プロジェクト共同事業体>
ラウンジでゆっくりしたら、いよいよ関門海峡ミュージアムのメインエリアに突入です。
有料展示エリアは、大人500円(小中学生200円)で入場できます。
<2〜4階を横断する巨大スクリーンは国内最大級の大きさ>
いざ、展示エリアに踏み込むといきなり現れるのは巨大なスクリーン。船の帆をイメージした丸みのあるスクリーンに流れる映像は圧巻です。
エリアはスロープ状の順路になっていて、ゲームを楽しめる映像パネルが設置されています。
お題のお魚を探してタッチするゲームや、展示エリアの入り口で撮った顔写真を使って、歴史上の出来事の登場人物になれるものまで様々です。
<巌流島の戦いを描いた作品>
3階には、関門海峡が歩んできた歴史を10名の人形作家の作品で辿れる「海峡歴史回廊」があります。
繊細で個性溢れる作品たちは、どれも立ち止まってじっくりと観察したくなる精巧さです。
2階は、関門海峡を行き交う船のお仕事を体験できるゾーンです。
関門海峡を走る船の操作や港でコンテナを積み降ろすクレーン操作を体験できるゲームが用意されています。
館内の2〜3階を貫く海峡こども広場は、1歳〜小学6年生までが遊べる巨大なネット遊具になっています。遊具の高さは、10mにもおよびます。遊具の高さは、10mにもおよびます。100円で40分間自由に遊べる人気エリアです(保護者や中学生以上の付き添いの方もチケット購入が必要)。
ご家族で訪れた際は、ぜひお子さんと一緒に遊んでみてください。
館内を散策したら最後に訪れたいのが、別館にある海峡レトロ通りです。
大正時代の門司港の街並みを味わえるエリアで、お客さんたちはそれぞれ、お気に入りの画角を探しながら写真撮影を楽しんでいました。
<飲み屋が連なる路地を再現した通路は風情が満載>
レトロな写真を撮りたい方は、写真の設定をモノにして撮影をしてみてください。
白黒に仕上がった写真を見ると、自分が大正時代にタイムスリップしてしまった気持ちになりますよ。
関門海峡ミュージアム
- 住所:〒801-0841 福岡県北九州市門司区西海岸1-3-3
- 電話:093-31-6700
- 開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
- 入館料金:大人(高校生以上)500円 小中学生200円
※海峡こども広場100円(1才以上)
※プロムナードデッキ・展望デッキ・カフェ・海峡レトロ通りは入場無料 - 休館日:不定休(年4日)
- アクセス:JR門司港駅から徒歩9分
- 駐車場:専用駐車場あり
- 公式サイト:関門海峡ミュージアム 門司港レトロ公式サイト
3:旧門司税関(11:45~12:00)
<赤レンガが映える旧門司税関>
旧門司税関は、関門海峡ミュージアムから歩いて約11分で辿り着けます。
色鮮やかな赤レンガは、まさにレトロ。建物を背景に写真撮影をしたくなります。
入場料は無料。建物の2階は市民のフリースペースとして、アートギャラリーなどが定期的に開催されます。
歴史あるレンガ建築は、市民の憩いの場としても活躍しているそう。
<目を凝らすと扉を設置するために使われていた木材がはめ込まれている>
現在の旧門司税関は2代目です。昔、火事で一部が消失して、1912年に建て直しました。
赤レンガの壁に囲まれた階段を3階まで登ると、レトロな白枠の窓が。
窓からは、はね橋(ブルーウイングもじ)を楽しめます。ちなみに、はね橋は恋人の聖地なんだとか。
1日6回(10.11.13.14.15.16時の毎時00分〜20分までの20分間)はね橋が開閉。
20分間は橋が上がり観光船などが通過、残り40分間は橋が降りて人が横断できます。
「橋が降りて1番に渡ったカップルは幸せになれる」なんて言い伝えがあるそうです。
<人気フォトスポット:幸せの黄色いバナナのポスト>
旧門司税関を出ると、斜め前の建物(門司港レトロ観光物産館)の前に、人気フォトスポットがあります。
バナナの叩き売り発祥の地である門司港らしいポストとともに、写真撮影をしてみましょう。
旧門司税関
- 住所:〒801-0853 北九州市門司区東港町1-24
- 電話:093-321-4151(門司港レトロ総合インフォメーション)
- 開館時間:9:00~17:00
- 入館料金:無料
- 休館日:なし
- アクセス:関門海峡ミュージアムから徒歩約11分
※JR門司港駅から徒歩約7分 - 駐車場:専用駐車場なし
※展望台横に、門司港レトロ駐車場 普通車200円(3時間以内)あり - 公式サイト:旧門司税関 門司港レトロ公式サイト
4:門司港レトロ展望室(12:05~12:30)
関門海峡エリアを一望できる門司港レトロ展望台。
直通エレベーターで一気に、高さ103メートル(31階)まで上がり、広がる景色を見下ろせます。
フロアの右側では、本州と九州を結ぶ関門海峡を眺められます。
正面には、向こう岸にある下関の街並みが広がっています。唐戸市場も見えます。
左側は巌流島方面。門司港駅・関門海峡ミュージアムや桟橋など、門司港レトロの街を一望できます。
展望台にはカフェメニューがあり、景色を楽しみながら門司港サイダーや、門司港ビールなどを楽しめます(カフェテリア営業時間は10:30〜21:00でラストオーダーは20:30)。
筆者が注文したのは、門司港マリンサイダー(500円)です。
5種類のシロップから好みのものを選べます。
選んだシロップで色の変化を楽しめるオシャレさがたまりません。
展望台でぜひ購入したいのが、彫刻ができるハート型の南京錠(1,000円)です。
全8色の豊富なカラー展開が魅力で、大切な人との名前を刻み合うだけでなく、推しメンカラーで推しへの愛をアピールすることもできます。
<オーダー用紙に、色・彫刻したい文字を記載したら注文完了>
受付横にある3Dプリンターで、すぐに文字の印刷が可能です。
<30階には南京錠を設置できるスポットが用意されている>
展望台に南京錠を設置して思い出を残すもよし、推しカラーを購入して持ち帰るもよし。
鍵を持ち帰ることができるので、「再び大切な人と門司港を訪れ、その時に南京錠を持ち帰ろう」なんてロマンチックな約束をしている方もいるそうです。
<夜間の展望台から眺める街並みも絶景/写真提供:門司港共創プロジェクト共同事業体>
展望台を訪れるお客さんは時間帯により異なるそう。日中は家族連れ、夜は恋人同士の方が多くなるんだとか。
2022年3月には、日本新三大夜景都市の1位に選ばれた北九州市の夜景をぜひ、ご覧ください。
門司港レトロ展望台
- 住所:〒801-0853 北九州市門司区東港町1-32
- 電話:093-321-4151(門司港レトロ総合インフォメーション)
- 開館時間:10:00~22:00(最終入館21:30)
- 入館料金:大人(高校生以上)300円 小中学生150円
- 休館日:不定休(年4日)
- アクセス:旧門司税関から徒歩2分(通りを挟んで目の前)
※JR門司港駅から徒歩約8分 - 駐車場:専用駐車場なし
※展望台横に、門司港レトロ駐車場 普通車200円(3時間以内)あり - 公式サイト:門司港レトロ展望台 門司港レトロ公式サイト
5:伽哩本舗 門司港レトロ店(12:40~13:40)
街を巡りつつしっかりと歩き回ったら、そろそろお昼を食べたい時間帯です。
JR門司港駅の目の前にあるビル2階の「伽哩本舗 門司港レトロ店」で、門司港名物 焼きカレーを堪能しましょう。
ビル右側の階段から、2階にある店内へ向かいます。
座席はテーブル席とカウンター席があり、カウンター席では門司港駅を眺めながら食事を楽しめます。
カレーは注文時にご飯やチーズの量・辛さの変更が可能。ご飯のサイズは、S120g・M200g・L300gの3種類です。
店長さんによると、女性でもMサイズをペロリと平らげているそうです。
観光で訪れたお客さんに人気なのは、「九州産黒毛和牛の焼きカレー」(Mサイズ1,500円)。
カレーとともに和牛を頬張ると肉で口がいっぱいになりました。肉は一切れが大きくてホロホロで、噛み締めるたびに甘みを伴った、深い旨みを感じます。
こちらは、モッツァレラチーズとプロセスチーズがたっぷりな、 「ダブルチーズの焼きカレー」(Mサイズ900円)です。
<スプーンを持ち上げるとチーズがとろ〜んと伸びあがる>
上に乗ったモッツァレラチーズは、外はカリッと中はとろっとしていて、異なる食感を楽しめます。
カレーのスパイシーさをチーズが包み込んでマイルドに。チーズの風味がカレーによく合います。
最後に紹介するのは、店長さんにおすすめしていただいた、「バナナの焼きカレー」(Mサイズ1,000円)。
熱することで甘さとジューシーさがグッと高まったバナナは、カレーのうまさを引き立てる相乗効果をもたらしてくれます。
バナナとカレーを一緒に頬張ると、バナナの甘さが口の中にふわっと広がります。そして、自然に馴染み、調和することに驚きました。バナナカレー、美味しい......!!
酢豚のパイナップルが好きな方は、バナナの焼きカレーも気にいるはずです。ぜひ、挑戦してみてください。
カレーを食べ進めると、中心にとろっと半熟の卵が現れます。卵をスプーンで割ってまろやかな味への変化を楽しんでください。さらに味変をしたい方は、テーブルの横側に置いてあるラー油と福神漬けと一緒にカレーを食べてみてください。
伽哩本舗 門司港レトロ店は、多くの方が来店するためランチタイムは15分程度の待ち時間が発生する可能性があります。
来店の際は、待ち時間を考慮した上でスケジュールを組んでおきましょう。
伽哩本舗 門司港レトロ店
- 住所:〒801-0852 福岡県北九州市門司区港町9-1 阿波屋ビル 2F
- 電話:093-331-8839
- 営業時間:11:00~20:00 (ラストオーダー19:30)
- 定休日:不定休
- アクセス:門司港レトロ展望台から徒歩7分
※JR門司港駅から徒歩30秒 - 公式サイト:伽哩本舗 公式サイト
6:九州鉄道記念館(13:45~15:00)
<蒸気機関車がお出迎えしてくれる九州鉄道記念館の入口>
レンガ作りの入場ゲートがノスタルジックな九州鉄道記念館は、JR門司港駅から徒歩1分の場所にあります。
入場ゲートをくぐるとすぐに姿を現したのは9台の車両たち。すべて、大正〜昭和初期にかけて走行していた実物です。写真は、昭和初期に作られた「キハ〇七四一」。気動車初の重要文化財に指定されているそうです。
車両を実際に眺めて触った後は、鉄道記念館の本館へ向かいましょう。
旧九州鉄道本社の社屋だった建物を利用している本館は、門司港レトロ地区で保存されている建物の中で最も古いもののひとつです。
九州鉄道記念館を訪れたらぜひ挑戦していただきたいのが「運転シミュレーター」(1回100円)です。
本物の運転台に座って、2駅分・約8分の運転を疑似体験できます。
運転体験ができる施設はたくさんあるものの、実際の走行映像を使っているシミュレーターは珍しいのだそう。臨場感がすごいです。
運転できるのは、門司港〜折尾区間の中から2駅分の距離。どこの駅を運転できるかは、その時次第です。
体験終了後、運転評価をもらえる。
シミュレーションは映像だけでなく、乗客の乗り降りを待つ時間や車内アナウンスなどもリアルに再現されています。
毎日同じ時間にホームの同じ場所に停車してくれるのって、ものすごいことなんだと改めて感じました。
2階では、九州鉄道の代表的な車両「つばめ」をはじめとした歴史的な名列車のヘッドマークや、歴代の制服・駅弁の歴史・駅員さんが使っていた道具などを間近で見られます。
「ミニ鉄道公園(1回300円)」は、小さなお子様やご家族連れに人気のアトラクション。九州で活躍している実際の鉄道のミニサイズ版に乗って運転を楽しめます。
出口へ向かう順路の最後に現れるのは、車両の運転席部分を3台展示しているゾーンです。
運転手さんの目線で、外の風景を眺めたりハンドルを握ってボタンを押してみたりすると、ドキドキとした胸の高まりを覚えます。
九州鉄道記念館
- 住所:〒801-0833 福岡県北九州市門司区清滝2-3-29
- 電話:093-322-1006
- 開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
- 入館料金:大人300円・中学生以下150円・4歳未満無料
- 休館日:不定休(年9日休みあり)
- アクセス:JR門司港駅から徒歩3分程度
- 駐車場:専用駐車場なし 市営九州鉄道記念館西駐車場や周辺の一般駐車場に駐車
- 公式サイト:九州鉄道記念館 公式サイト
土日祝なら観光列車「潮風号」への乗車がおすすめ
<写真提供:平成筑豊鉄道株式会社>
土日祝日に門司港観光を計画している方に、ぜひおすすめしたいのは門司港レトロ観光列車「潮風号」です。
九州鉄道記念館駅から関門トンネル付近の関門海峡めかり駅まで、片道10分(4駅)を走行。40分に1本の間隔で運行しています。
料金は片道300円(小人150円)。往復代金と同額の600円(小人300円)を支払えば、終日列車に乗り放題です。
<写真提供:平成筑豊鉄道株式会社>
夜間運行をしている日もあるため、興味のある方は公式サイトで運行スケジュールを確認してください。
公式サイト:運行スケジュール ページ
レトロ地区のイルミネーションや関門海峡のライトアップ、対岸で煌めく下関の街並みを眺めながら、うっとりするようなひとときを過ごせます。
<写真提供:平成筑豊鉄道株式会社>
ちなみに、スタッフさんイチオシは「関門海峡クローバーきっぷ(800円)」。たった800円で、門司港と下関エリア一帯をぐるっと1周できちゃいます。
土日祝日に門司港観光を計画している方は、下関エリアまで楽しみ尽くせる観光列車「潮風号」に乗ってみてください!
門司港レトロ観光列車 潮風号
- 住所:福岡県北九州市門司区西海岸1-7-1
※潮風号を運営している、平成筑豊鉄道株式会社 門司港事業所の住所 - 電話:093-331-1065
- 運行日:土日祝(詳しくは公式サイトのスケジュールをご確認ください)
- アクセス:JR門司港駅から徒歩約1分 (改札を出てすぐ右側)
- 駐車場:専用駐車場なし 市営九州鉄道記念館西駐車場や周辺の一般駐車場に駐車
- 公式サイト:門司港レトロ観光列車 潮風号サイト
レトロな門司港エリアで街歩きを満喫しよう
門司港エリアは、港付近にレトロな街並みがきゅっと集まっている地域です。何気なく街歩きをしていたら、観光スポットにたどり着けるほど貴重な建物であふれています。
今回ご紹介したモデルコースを参考に、明治〜昭和初期の風情を色濃く残した門司港を訪ねてみてください。
潮風香る街並みと美しい関門海峡が出迎えてくれること間違いなしです。
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大塚たくま
- 福岡をこよなく愛する編集者。株式会社なかみ代表。自身でスポンサーになるほどのアビスパ福岡サポーター。