ホステルとは? ホテルやゲストハウスとの違いや宿泊時の注意点

ホステルとは? ホテルとの違いや泊まるときの注意点

特に海外では一般的に利用されている「ホステル」ですが、日本人にとっては比較的なじみの薄い宿泊施設かもしれません。なんとなく安そう、若い人が利用しそうなど、漠然としたイメージだけがある人も多いでしょう。よくわかっていないと、利用するのも心配なものです。また、利用する上での注意点も知っておきたいものです。

今回はそんなホステルについての基礎知識を、どのような施設なのか、ホテルやゲストハウスとの違い、メリットやデメリット、そして予約方法についてまで含めて詳しくご紹介していきます。

目次

<1. ホステルとは>

<2. ホテルとホステルはどんなところが違う?>

<3. ゲストハウスとホステルはどんなところが違う?>

<4. ホステル利用のメリット・デメリット>

<5. ホステルの予約方法は?>

<6. ホステル宿泊時の注意点>

1. ホステルとは

ホステルに厳密な定義は特にありませんが、宿泊室を複数人で共有する相部屋(このような部屋をドミトリーとも呼びます)を主とし、比較的低予算で宿泊できる場合が多い宿泊施設のことを指します。

一般的なホテルや旅館は、旅館業法では「旅館・ホテル営業」となっていますが、ホステルは「簡易宿所営業(宿泊する場所を多数人で共用する構造および設備での営業)」に分類されます。

ホステルの歴史

ホステルは、「ユースホステル」と同義で扱われることも多いです。

ではユースホステルはどうやって生まれたかというと、1920年代ごろからドイツを中心に、青年が徒歩や自転車で旅行することを推奨する運動「ユースホステル運動」が始まりとされています。このユースホステル運動のための非営利の宿泊所として、宿泊室を共用して相互の交流を図る「ユースホステル」が整備されたそうです。

日本での「ホステル」の歴史は1950年代頃に始まり、1951年に「日本ユースホステル協会」が発足しました。その後、高度経済成長期の旅行ブームに影響されて、低価格で宿泊できるホステルが日本全国に増えたといわれています。

ユースホステルとホステルの違い

ユースホステルが広まると同時に、ユースホステル形態の宿泊施設が一般に「ホステル」と呼ばれるようになりました。

このように「ホステル」と「ユースホステル」は同じ意味を指す場合が多いですが、「ユースホステル」と名乗ることのできる施設は、「日本ユースホステル協会」に加盟している施設に限定されています。

2. ホテルとホステルはどんなところが違う?

ホステルとホテルはどちらも宿泊施設ですが、それぞれ特徴が異なります。

ホステルは、旅行にかかる費用をなるべく抑えたいバックパッカー、若い旅行者などの利用が多い傾向にあります(その他の人が利用できないわけではありません)。

また、金額の面だけでなく、ドミトリーやコミュニティスペースでの出会い、交流を楽しみにする利用者も多いです。地域の人々と交流の時間を設けたり、ローカルな文化を体験できるような各種プログラムを提供する施設もあります。

一方でホテルは、ホステルより宿泊費用は高く、基本的には個室で各部屋に専用のバスルームやテレビ、冷蔵庫などが備え付けられています。ホステルと違って個人のプライバシーが保て、利便性や快適性も優れている場合が多いといえるでしょう。

また、ホテルにはカフェやレストラン、バー、フィットネスジムやプールなどの施設がある場合もあります。有名ホテルや大型ホテルでは結婚式場やコンサートなどが行われる大ホールなどもあり、主な利用者はビジネス利用者や国内外の観光客、夫婦やカップル、家族連れなどあらゆるシーンで利用されています。

ホテル

ホステル

料金

比較的高い

比較的安い

部屋

個室

基本は相部屋

(個室の提供や、家族・グループで1室利用可の場合もあり)

設備

充実している

(バス、トイレは専用)

最低限の設備

(バス、トイレは共用)

多い

少ない

3. ゲストハウスとホステルはどんなところが違う?

一方、ホステルと同じように相部屋が多く、料金も安いことが多い「ゲストハウス」との違いも気になります。

どこがホステルと違うのかというと、一般的にはフロントの有無が挙げられます。ゲストハウスというと一軒家のような小規模な施設が多く、24時間対応のフロントなどは置いていない場合が多いのです。また、素泊まり専用の施設が多く、ほとんどの場合が食事提供がありません。

施設にもよりますが、ホステルと比べてゲストハウスの方が、他の宿泊者との交流やコミュニティの場は少ないです。個人の時間を優先したい方や静かに過ごしたい方なども含めた幅広い層の旅行者向きともいえるでしょう。料金は「ホテル」よりも安価のため、海外からの旅行者や長期滞在者向けの施設としても人気があります。

ゲストハウス

ホステル

料金

比較的安い

比較的安い

フロント

なし

あり

食事

素泊まりが多い

ある場合が多い

交流の機会

少ない

多い

4. ホステル利用のメリット・デメリット

それでは、ホステルを利用するとどのようなメリットがあるのでしょう。デメリットについても確認しておきます。

ホステルのメリット

すぐに挙げられるホステルのメリットは、金額の安さ。旅費を抑えたく、旅行したい場所にホステルがあるのなら選択肢のひとつになるでしょう。ホステルを利用するのは若い人だけといったイメージがありますが、年齢を問わずグループや家族で一室利用が可能な場合もあります。

ホステル内のダイニングやラウンジなど、宿泊者同士が自由に交流できる共用スペースがあるので、他の人とのコミュニケーションを積極的に取りたい方、旅先での新しい出会いを求める方からも支持されています。海外はもちろん日本国内のホステルでも、世界中からの観光客が利用することが多く、異文化に触れられる国際交流ができるのもメリットです。

ホステルに宿泊すると、宿泊者同士だけでなく地元の方と仲良くなる機会も得られるかもしれません。地元の方と交流する中で、SNSやガイド本などには掲載されていないような名所や穴場スポットを教えてもらったり、その土地ならではの文化を体験したりできるかもしれません。

他の人との出会いもある唯一無二の旅をすることによって、滅多に味わうことのできない充実した旅の時間を過ごせるでしょう。

ホステルのデメリット

ホステルは宿泊費が安価な分、施設の設備が十分ではないところが多く、歯ブラシやシャンプーなどのアメニティやホテルのような行き届いたサービスを期待する方にはおすすめできません。

また、相部屋であること、食堂やキッチン共用部分も多く個人のプライバシーを気にする方にも不向きといえます。相部屋の利用者のマナーが悪い場合は、騒音や盗難などに留意する必要も出てきます。特に不慣れな海外では、思わぬトラブルに巻き込まれる心配もあるでしょう。大きなトラブルがなくても、夜間、ルームメイトの物音や騒音で起こされてしまうことや、部屋の散らかりが気になることも想定されます。

そして、お風呂やシャワールーム、トイレは共同なので、自分の好きな時間に自由に利用することはできず、場合によっては順番待ちになることも十分にあり得ます。他の宿泊者への配慮が必要で、ゆっくり自分のペースでしたい方にとってはストレスになることもあるかもしれません。

5. ホステルの予約方法は?

ホステル、ユースホステルの予約は、一般的なホテル予約と同様とそう変わりはありません。ホステルの利用が初めての方や慣れていない方は、最初は心配になってしまうかもしれませんが、公式サイトがあればそこからのWeb予約も可能ですし、宿泊予約サイトでも扱っています。電話でももちろん予約ができます。ただ、施設によって予約方法が異なる場合があるので、確認してみましょう。

予約時には、ホテル予約と同様に、部屋のタイプや食事の有無など、希望のプランを選ぶことになります。施設によっては「アクティビティ付きプラン」や「ツアー付きプラン」などがあるホステルもあります。現地でのツアー参加を考えている方は、事前に申し込むことで宿泊費がお得になる施設もあるので、しっかり確認しておきましょう。

空き部屋がある際は当日予約でも宿泊可能な施設が多いですが、ゴールデンウィークや夏休み、年末年始などのハイシーズンは予約がすぐ埋まり満室になる可能性が高く、当日宿泊ができないことも多々あるため、旅行の予定が早く決まったらなるべく早めに予約することが大切です。

また、当日予約の場合、食事の提供が間に合わないといった理由から、素泊まりしか受け付けてもらえないこともあります。

6. ホステル宿泊時の注意点

繰り返しになりますが、前提として他人と部屋を共有するため完全なプライバシー空間がありません。そのため、貴重品や個人情報の管理は自己責任であることを肝に銘じておく必要があります。ホテルのようにフロントサービスもないので、自己管理、自己責任をよく意識して行動をしましょう。

日本のホステルでは鍵付きロッカーやスタッフに貴重品を預けるサービスがある施設もありますが、海外のホステルでは鍵付きロッカーやスタッフに貴重品を預けるサービスは少ないので、より慎重に自己管理することが求められます。

ベッドに置いたままの服や靴などの私物が盗まれる可能性もあります。共有キッチンでは、冷蔵庫に入れた自分の食べ物や飲み物が他人に食べられることもあるかもしれません。このような心配ごとは尽きませんが、被害に遭わないためにも、常に自分の荷物や貴重品は目が届くところに保管し、厳重な管理を行うことが重要です。

また、ホステルの口コミや利用者の声などを予約前にチェックしておくのも良いでしょう。もしもの場合に備えて被害が生じた時でも最小限に抑えられるよう、盗難や破損時もカバーできる海外保険に加入しておくと安心です。

事前準備や防犯対策などをしっかり行えば、気軽に利用できるホステルはとても便利な宿泊スタイルのひとつですので、機会があればホステルの利用も検討のひとつに入れてみてはいかがでしょう。

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