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世界一長い川はどこ? 世界の長い川ランキング(観光情報付き!)
世界一長い川はどこか知っていますか?「学校で習ったはずだけど、すぐに思い出せない...」という人は多いのではないでしょうか。世界の地理情報を知っておくと、時事ニュースの理解が早くなったり、海外旅行をより楽しめたりと、たくさんのメリットがあります。
今回は、世界の川の長さランキングを、周辺の観光情報も交えながらご紹介します。
目次
1. 世界の川の長さランキング
世界一長い川はどこだと思いますか?なかなかピンとこない人も多いかもしれません。早速、世界の長い川ランキングのTOP10をご紹介しましょう。
※データ出典:「理科年表2023」(国立天文台)
- 1位:ナイル 河口:エジプト、長さ:6,695km
- 2位:アマゾン 河口:ブラジル、長さ:6,516km
- 3位:長江(チャンジャン) 河口:中国、長さ:6,380km
- 4位:ミシシッピ‐ミズーリ‐レッドロック 河口:米国、長さ:5,969km
- 5位:オビ‐イルチシ 河口:ロシア、長さ:5,568km
- 6位:エニセイ-バイカル-セレンガ 河口:ロシア、長さ:5,550km
- 7位:黄河(ホアンホー) 河口:中国、長さ:5,464km
- 8位:コンゴ(ザイール) 河口:コンゴ、長さ:4,667km
- 9位:ラプラタ-パラナ 河口:アルゼンチン-ウルグアイ、長さ:4,500km
- 10位:アムル-アルグン 河口:オホーツク海、長さ:4,444km
ちなみに、日本一長い川は信濃川(しなのがわ)で、長さは367km。ナイル川は信濃川の約18倍もあり、日本列島の2倍以上もの長さがあります。
なお、日本一長い川については「日本一長い川はどこ? 日本の長い川ランキング(観光情報付き!)」の記事で詳しくご紹介しています。
2. 川の流域面積のランキングは?
雨や雪が川に流れ込む土地の面積を表す「流域面積」。世界一長い川は、流域面積も世界一では?と思う人も多いはず。世界の流域面積TOP5をご紹介しましょう。
- 1位:アマゾン 河口:ブラジル、流域面積:705万平方キロメートル
- 2位:コンゴ(ザイール) 河口:コンゴ、流域面積:370万平方キロメートル
- 3位:ナイル 河口:エジプト、流域面積:335万平方キロメートル
- 4位:ミシシッピ‐ミズーリ‐レッドロック 河口:米国、流域面積:325万平方キロメートル
- 5位:ラプラタ‐パラナ 河口:アルゼンチン‐ウルグアイ、流域面積:310万平方キロメートル
圧倒的1位はアマゾン川。2位のコンゴの2倍以上もあります。世界の川の水の約20%がアマゾン川に集まっているといわれています。
3. 世界一長い川「ナイル川」とは
<出典:写真AC>
世界一長い川は、アフリカ北東部を流れるナイル川。アフリカ最大の湖、ビクトリア湖を源とする本流を白ナイル、アビシニア高原を源とする支流を青ナイルと呼びます。この2つはスーダンの首都ハルツームで合流し、地中海に注ぎます。
ナイル川は歴史的にも重要で、古代エジプト文明の発展に大きく寄与しました。
ナイル川の歴史
紀元前3000年以上の歴史を持つ古代エジプト文明。文明の繁栄とナイル川は密接な関係にあり、「エジプトはナイルのたまもの」ともいわれています。
その背景には、毎年夏季に起こるナイル川の氾濫がありました。氾濫により、ナイル川付近に有機物を含んだ新しい土壌が形成され、農耕が盛んに。そのため、食料供給が安定し、人口も増えたことで、ピラミッド建設や周辺国との交流が可能になりました。
人々はナイル川の氾濫を「神の恵み」として神聖化し、世界四大文明に数えられるほどの大きな文明に発達したといわれています。
ナイル川関連のおすすめ観光スポット
ナイル川は、上流のブルンジ共和国から、下流のエジプトまで、10ヶ国に面しています。世界一長い川だけに、流域の観光スポットは盛りだくさん。
一番の見所は、やはりエジプトのピラミッドです。ナイル川下流に位置する、エジプトの首都カイロには、ギザの3大ピラミッドやスフィンクス、エジプト考古学博物館などの観光スポットが集まっていて見所満載。
また、中流域にある都市ルクソールは、古代エジプト王朝の新王国時代の首都で、数々の巨大神殿が建ち並びます。有名なルクソール神殿やカルナック神殿は圧巻の美しさ。気球体験もできるので、ぜひ参加してみましょう。
そしてナイル川観光といえば、やっぱりナイル川クルーズがおすすめです。世界一長い川を宿泊付きで、ゆったりと美しい景色を眺めながら贅沢に楽しめるでしょう。
4. 世界で二番目に長い川「アマゾン川」とは
<出典:写真AC>
アマゾン川は、アンデス山脈を源とし、大西洋に注ぐ南アメリカ最大の河川です。流域面積は世界最大で、水量も世界一。1,000以上もの支流を持つアマゾン川は、ブラジルをはじめとする3ヶ国以上の国々に面しており、流域は広大な熱帯雨林に覆われています。多くの探検家が調査したものの、現在もほとんどが未開発で、人口希薄な地域のひとつです。
アマゾン川の歴史
アマゾン川の歴史は、アマゾン平野が形成されたという約4億年前まで遡ります。そして大陸の移動や分裂などにより、アンデス山脈ができたのがアマゾン川の始まり。1年中雪が積もっているアンデス山脈の雪解け水が、アマゾン川の源流となっています。
ヨーロッパ人がアマゾン川に初めて到達したとされるのは、1500年頃。スペイン人やポルトガル人など、ヨーロッパ諸国の探検家が進出し、周辺地域の開発が進められました。
19世紀には天然ゴムの産地として多くの移民が世界中から集まり、アマゾンのさらに奥地まで進出。
現在は、ブラジル政権がアマゾン開発を進めており、道路やダムの建設が計画されています。
アマゾン川関連のおすすめ観光スポット
アマゾン川には多くの支流があるものの、ほとんどが熱帯雨林に覆われていて、足を踏み入れる事は不可能。主な交通手段は水路となるので、観光ツアーに参加しましょう。
観光の拠点は、ブラジルの都市ベレン、サンタレン、マナウスが中心。特にベレンとマナウスでは、気軽に参加できるツアーが多数用意されており、カヌーでジャングルウォッチングなどが楽しめます。
人気なのは、ボートに乗ってアマゾンを見学する観光クルーズ。先住民族の集落などを見学できるコースもあり、アマゾン独自の文化を体感できます。
また、ジャングルロッジに宿泊する滞在型のツアーも用意されており、アクティビティに参加する事も可能。日本から申し込めるツアーもあるので、事前によく確認しておきましょう。
アマゾン川については「アマゾン川・ハンモック船旅行記」の記事もご覧ください。
5. 世界で三番目に長い川「長江」とは
<出典:写真AC>
長江は、中国中部を流れる中国最大の河川です。チベット高原を源とし、東シナ海へと注いでいます。数多くの支流があり、歴史的に農業や交通の要所としての役割を果たしてきました。そのため、流域には武漢や上海などの大都市が形成されています。長江の存在は中国文明の発展に大きく寄与してきましたが、現在は環境問題や治水の課題も多く抱えています。
長江の歴史
長江流域に発展した長江文明は、紀元前14000年頃におこったとされています。当時から稲作が盛んで、日本の稲作もここが源流といわれています。
古代から水上交通路として活用されていたため、長江流域に人口が集中し、多くの都市が形成されました。そのため、周辺地域では数々の城や遺跡が発掘されています。
近代になると、長江の水運向上のため中流域に三峡(さんきょう)ダムを建設。これにより、大型船舶の航行や水力発電が可能になりました。一方で、都市の水没や水質汚染などの環境破壊は問題視されています。
長江関連のおすすめ観光スポット
長江を観光するなら、やはり三峡は外せません。三峡とは、長江の中流域にある瞿塘峡(くとうきょう)、巫峡(ふきょう)、西陵峡(せいりょうきょう)の3つの渓谷が連なった場所のこと。重なり合う山々や両岸の絶壁は、圧巻の美しさを誇ります。
周辺には、三国志に登場する劉備が没したとされる白帝城(はくていじょう)や関羽が守ったことで有名な荊州古城(けいしゅうこじょう)、中国最大の三峡ダムなどがあり、貴重な名所を巡ることができます。
三峡観光はクルーズ船の利用がおすすめ。ツアーや船会社によって上陸先が異なるので、事前に確認しておきましょう。また、水位やダムの状況により、内容が変わる場合もあるので要チェック。
6. 世界で四番目に長い川「ミシシッピ川」とは
ミシシッピ川は、アメリカを縦断する北アメリカ最大の河川。ミネソタ州北部のイタスカ湖を源とし、ルイジアナ州ニューオーリンズ付近でメキシコ湾に注いでいます。流域面積も世界4位で、アメリカ国土の3分の1を占めており、豊かな農地や都市を結んでいます。
長い歴史の中で、先住民族からヨーロッパ諸国に所有権が移り変わり、流域の農地開発や文化の発展に影響を与えました。
ミシシッピ川の歴史
ミシシッピ川の存在は、アメリカの歴史において重要な役割を果たしてきました。
当初、ミシシッピ川は先住民族の交通手段であり、食料源としても活用されていました。1500年代に初めてスペイン人探検家がミシシッピ川に到達。ルイジアナはその後フランス領となるも、1803年にナポレオンによってアメリカに売却されることになるなど、紆余曲折の歴史があります。
アメリカの領土になった後は、水上交通路として活躍し、アメリカ南北の農作物の輸出入に大きく寄与しました。現在のミシシッピ川は、主要な水上交通路として活用されています。
ミシシッピ川関連のおすすめ観光スポット
アメリカを南北に縦断するミシシッピ川は、観光スポットが盛りだくさん。
まずはミシシッピ川の源、ミネソタ州。経済の中心ミネアポリスと、歴史の街セントポールを有する、自然豊かなエリアです。ミシシッピ川唯一の滝「セントアンソニー・フォールズ」もあります。
ミシシッピ川の中流に位置する、テネシー州メンフィスは、黒人音楽が発展した音楽の街。ブルース発祥の地といわれており、エルビス・プレスリーが活躍したスタジオや、多くのライブハウスがあることで有名です。
河口のメキシコ湾に面するニューオリンズは、ジャズ発祥の地。ヨーロッパの植民地時代にもたらされた食文化の影響から、美食の街としても知られています。観光の中心は、旧市街フレンチクォーター。フランス植民地時代に建てられた建物や、ライブハウスなどが軒を連ねており、ニューオリンズの歴史を感じられます。ミシシッピ川クルーズも運航しており、下流のおだやかな運河を優雅に楽しめるでしょう。
7. 世界で五番目に長い川「オビ‐イルチシ川」とは
ロシア中部の西シベリアを流れるロシア最大の川。中国とモンゴルの国境付近にあるアルタイ山脈を源とし、北極海のオビ湾に注いでいます。
冬場はほぼ全流域が結氷するため、夏場は航路、冬場は道路として利用されています。
流域には、世界最大の堆積盆地「西シベリア低地」やシベリア最大の工業都市ノボシビルスクがあり、世界でも有数の石油や天然ガスの産地です。
オビ‐イルチシ川の歴史
オビ川が流れる西シベリア地域は、15世紀頃からシビル・ハン国家が支配しており、主に毛皮の取引で経済を支えていました。しかし、16世紀末にロシアからの侵略を受け、オビ川および支流のイルチシ川流域を支配し、シビル・ハン国家は滅亡。オビ川は重要な水上交通路となり、都市開発や領土の拡大に寄与しました。
19世紀には水上交通路としての利用がさらに活発となり、木材や鉱物の輸送が行われるように。20世紀に入ると、オビ川は水道や漁業、水力発電源として利用され、特に電力需要の増大に対応していきました。
現代では、オビ川流域にあるロシア第三の都市ノボシビルスクを中心に、エネルギーや天然資源を活かした産業が発展しています。
今回は、世界の川の長さランキングをご紹介しました。世界一長い川だけでなく、歴史やその他の川についての知識も持っておくと、日常生活で見聞きする情報をさらに楽しむことができるでしょう。ぜひ本記事を海外旅行のヒントにしてみてくださいね。
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