公開日:
最終更新日:
【日本百名山】9座目は、もう嫌だ!登りも下りも苦労の連続!燧ヶ岳(福島県)
<トップ画像:尾瀬沼から見た燧ヶ岳と逆さ燧ヶ岳/2023年6月4日早朝撮影>
こんにちは!たびこふれライターの中尾です。
東北最高峰は福島県にそびえる標高2,356mの燧ヶ岳(ひうちがたけ)です。眼下には尾瀬ヶ原や尾瀬沼を見渡すことができ、尾瀬ヶ原をはさんで至仏山(しぶつさん)と相対している高山です。
至仏山はなだらかな山容なので女性的なのに対し、燧ヶ岳は人を寄せつけないような険しい山容なので男性的な山だと僕は思います。2023年のゴールデンウイークに至仏山に登り、続いて燧ヶ岳にも登ろうと計画していましたが、山小屋の人に雪山時期はかなり厳しい山行になるので時期をずらして経験者と登るようにアドバイスを受けました。
山から雪がなくなり、そして燧ヶ岳登山経験者に同行する機会に恵まれましたので登りましたが、無冠雪期でもかなり厳しい山行になりました。登山道の様子などの詳細を記事にしましたので、今後登山される方の参考になれば幸いです。
目次
日本百名山9座目 燧ヶ岳
燧ヶ岳
燧ヶ岳(ひうちがたけ)は尾瀬沼の北側、尾瀬ヶ原の北東にそびえます。頂が2つも3つもあるように見えますが、他のどの山とも連ならず単独峰です。特に柴安嵓(しばやすぐら)2,356m、と俎嵓(まないたぐら)の2つの頂が存在感を表し、鳥瞰が素晴らしいので、多くの登山者が山頂を目指します。
<尾瀬ヶ原・山ノ鼻から撮影:2023年5月1日早朝>
登山概要
- 登山日:2023年8月28日
- 天候:晴れ
- 日本百名山9座目:燧ヶ岳(ひうちがたけ)(福島県)
- 標高:2,356m(柴安嵓/しばやすぐら)
- 登山ルート:御池から御池ルートを登り、見晴へ下る見晴新道を利用
- 距離:8.2km
- 標高差:【登り】御池ルート940m、【下り】見晴新道1,031m
- 所要時間:6時間(僕は8時間15分かかりました/昼食や休憩時間を含む)
※御池ルート登り【御池~俎嵓(まないたぐら)】:4時間02分かかりました
※俎嵓(まないたぐら)~柴安嵓(しばやすぐら):23分かかりました
※見晴新道下り【柴安嵓(しばやすぐら)~見晴】:2時間47分かかりました - 公表されている難易度:中級向け【無冠雪期】
- 僕が体験して感じた難易度:上級者向け【無冠雪期】
<三角点は俎嵓(まないたぐら)山頂にありました>
登山道の特徴
急登、大きな岩、泥道、ガレ場、木道、ヤブ道のオンパレード。垂直ハシゴやチェーン場はないものの、かなりしんどい行程です。
初級者の単独登山は避けた方がいいです。見晴新道は長靴が必要なほどの泥道です。避難小屋や山小屋はありません。トイレもありませんので携帯トイレは必携です。
本格的な登山用具、登山靴が必要。登山靴はドロドロになるので、新品は持って行かない方がいいと思います。半日の行程なので、食事の準備、非常食、水を2リットル程度を持参。日没に備えヘッドライト(電池の確認も!)も忘れないようにしましょう。
なお、見晴地区の山小屋はチェックインを16時までに行うように案内しています。御池から登る場合、遅くても8時までにスタートしないと間に合いません。
<御池ルートの7合目から8合目にかけて道迷いに注意が必要です>
登りは御池ルート
【07:47出発】車で御池駐車場へ行き、御池登山口(1,530m)から入山します。
【07:48通過】すぐに燧裏林道と御池ルートの分岐点に達します。
【07:52通過】御池ルートに入るとすぐに岩場が始まりました。
【07:56通過】倒木が木道を塞いでいることもあります。まだまだこれくらいは序の口です。
【08:02通過】岩が大きくなり、徐々に急登が始まります。
【08:40通過】ピンクのリボンは積雪時の目印になります。
【08:43通過】雨が降った後は木道が沈んでいることがあります。周りも泥道です。
【08:55通過】霧の広沢田代に到着です。幻想的な世界が広がっていました。
【08:59通過】広沢田代を抜けていきます。
【09:13通過】階段が崩壊しています。危険なところにはピンクのリボンがぶら下がっていました。
【09:31通過】岩場と階段の連続です。足を滑らせたら転倒しますので慎重に進みます。
【09:33通過】5合目に到達しました。
【09:38通過】木道が設置されていますが、損傷が酷いので足元に十分注意しなければいけません。
【09:48通過】標高1,950m地点にある熊沢田代に到着しました。
【09:50通過】田代とは湖沼地帯のことです。
【10:11】ここで休憩します。なだらかな傾斜湿原に、まるで計算し配置されたような2つの池塘、そしてその間を木道が曲線を描きながら、燧ヶ岳へと伸びていく風景が印象的です。
【10:19通過】熊沢田代を過ぎるといきなり道が...。ヤブの中を進みます。何とか道は分かります。
【10:24通過】6合目に到達しました。でもまだ半分ちょっとのところです。
【10:39通過】7合目に到達しました。
【10:57通過】大小不規則な岩場を登ります。写真では分かりづらいですが結構な急な坂です。
【11:18通過】8合目に到達しました。
8合目からの眺望です。
【11:21通過】木道が崩壊してしまったガレ場です。この前後は切り立った崖になっていますので、十分注意して進みましょう。
【11:33通過】9合目に到達しました。
【11:42通過】そろそろ俎嵓(まないたぐら)の山頂か!?と思いましたが、まだ登りが続きます...。
【11:45通過】最後は大きな岩場を両手両足を使ってよじ登っていきます。
ひとつ目のピーク・俎嵓
【11:49到着】俎嵓(まないたぐら)2,346mに登頂しました。山頂には祠がありました。ここまで登ってくると達成感があります。
俎嵓(まないたぐら)の山頂からは尾瀬沼が綺麗に見えます。尾瀬沼の左側が山小屋が建ち並ぶエリア、右側が沼尻エリアです。尾瀬沼は歩いて一周(約2時間30分~3時間)することができます。
俎嵓(まないたぐら)の山頂から正面に柴安嵓(しばやすぐら)の山頂が見えます。一度、鞍部まで下って登り返しです。
俎嵓(まないたぐら)の山頂から尾瀬ヶ原も見ることができます。
俎嵓(まないたぐら)から尾瀬沼へ下ることもできます(約2時間、しかし悪路)。尾瀬沼と尾瀬ヶ原の位置関係がよく分かります。尾瀬沼の沼尻から見晴らしまで約1時間30分~2時間です。手前の山頂は赤ナグレ岳(2,249m)です。
俎嵓から柴安嵓へ
【12:42出発】俎嵓(まないたぐら)で昼食休憩をとり、柴安嵓(しばやすぐら)に向かって進みます。
【12:44通過】柴安嵓(しばやすぐら)までは一度下ります。
下りきったところで後ろを振り返ると俎嵓(まないたぐら)が見えていました。
【12:51通過】柴安嵓(しばやすぐら)へ登る途中大きな岩がありました。この岩にはすき間があり、中は天然の冷気がただよっていました。
【12:55通過】さぁ柴安嵓(しばやすぐら)の山頂まであと少しです。
ふたつ目のピーク・柴安嵓
【13:05到着】柴安嵓(しばやすぐら)2,356mの山頂です。俎嵓(まないたぐら)より10m高いので燧ヶ岳の山頂は柴安嵓(しばやすぐら)になります。
柴安嵓(しばやすぐら)の山頂からも少し手前の山が邪魔になりますが、尾瀬沼は見ることができます。
柴安嵓(しばやすぐら)の山頂からは至仏山と尾瀬ヶ原を見渡すことができます。
俎嵓(まないたぐら)からは尾瀬沼、柴安嵓(しばやすぐら)からは至仏山と尾瀬ヶ原を綺麗に見ることができます。
下りは見晴新道
【13:11出発】尾瀬ヶ原の見晴に向け、下ります。
【13:16通過】左側は崖になっています。注意が必要です。
ハイマツ地帯を進みます。道を間違えないように慎重に進みます。
【13:26通過】尾瀬ヶ原を見渡せるポイントです。
【13:42通過】急な坂を下ります。道が分かりづらいところがあります。
【13:48通過】登山道に9合目の標識が転がっていました。
【13:56通過】8合目です。
【13:57通過】見晴まで3.8km。まだまだ遠いです。
【13:58通過】見晴新道名物の泥ドロ道です。長靴が必要だというのもうなづけます。
【14:12通過】7合目です。
【14:17通過】泥ドロ道は続きます。足元に気をとられると木や枝にぶつかります。
【15:04通過】まだまだ急な坂を下っていきます。
【15:10通過】この辺りも写真では分かりづらいですが、足元に注意が必要です。なお、僕は下り時に2回大転倒しました...。
【15:29通過】見晴まであと1.6km!
【15:40通過】ここまで下ってくると傾斜も緩やかになります。
【15:50通過】見晴から尾瀬沼への木道と交流しました。
【15:58到着】見晴の山小屋エリアに到着しました!見晴地区の山小屋は16時までのチェックインが必要なところもあります。
燧ヶ岳写真集・リンク集・注意点
燧ヶ岳写真集
<至仏山頂から撮影:2023年5月1日>
<尾瀬ヶ原・牛首分岐から東電小屋に向かう途中に撮影:2023年5月1日>
<尾瀬沼東岸から撮影:2023年6月4日>
<小沼湿原から撮影:2023年6月4日>
<尾瀬ヶ原・東電小屋付近にて撮影:2023年7月10日>
<会津駒ヶ岳山頂から撮影:2023年8月27日>
<見晴から撮影:2023年8月28日>
<見晴から竜宮に向かう途中に撮影:2023年10月2日>
リンク集
※僕は登山の際、YAMAP(ヤマップ)を使っています。GPS機能がついているので迷いにくいです。おすすめします
注意点まとめ
- 初めての燧ヶ岳の方は単独登山はやめましょう
- しっかりとした登山用具、登山靴を用意してください
- 山中に避難小屋、山小屋、トイレはありません
- トイレがないのがネックです。必ず携帯トイレを持参してください
- 食料、非常食、水(2リットル程度)も合わせて持参してください
- 見晴新道は悪路(泥ドロ泥ドロ道)です。雨天後はくるぶしくらいまで泥水にズボズボと足をとられます
- ヘッドライトも持っていきましょう
>>「ライター・中尾の『日本百名山』登山レポート(これまでに登った日本百名山)」はこちらから
※当記事は2023年8月28日に登山した時のものです
関連記事
Ranking福島記事ランキング
-
中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。