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【フランス】ドーヴィルでセレブ気分を満喫!
パリから電車で約2時間、イギリス海峡に面した街ドーヴィルは、北フランスきっての高級リゾート地。白砂海岸、ベルエポックのホテルやヴィラ(高級邸宅)、高級ブランドのブティック、ヨットクラブ、カジノ、競馬場、ゴルフ場、タラソテラピー施設と、ここには世界の裕福層を喜ばせる要素が揃っています。映画の街でもあり、この地ゆかりの著名人も多数。
今回は、ヨーロッパのブルジョワ文化を満喫出来る街、ドーヴィルをご案内します。
目次
旅が始まる国鉄駅周辺
サン・ラザール駅から直行で約2時間、ドーヴィルはパリから一番近い海辺の1つです。トゥルーヴィル・ドーヴィル駅という、2つの街の境目に位置する国鉄駅から散策を始めましょう。どちらも印象派画家たちに描かれた海辺の街です。
かつてはどちらも小さな漁村でしたが、19世紀半ばの鉄道開通により、パリの裕福層が集う高級リゾート地へと急激に変貌を遂げました。現在は、海向かいの英国からのフェリーも毎日運行しています。2つの街はトゥク川を隔てて分かれており、ドーヴィルの中心地へは、駅から左方向へ進みます。
まず目の前に現れるのは、ヨットハーバー。写真左奥の建物は、川向いトゥルーヴィルのカジノです。ドーヴィルにも立派なカジノがあり、至近距離でカジノがふたつとは、リゾート地の豊かさを感じます。
まずは海辺を目指します。
映画スター気分の海岸通り
華やかなパラソルが彩るドーヴィル海岸、街のシンボル的風景です。これらのパラソルは有料ですが、さらに歩けば白砂海岸が大きく広がっていて、凧揚げだって楽しめます。クロード・ルルーシュ監督の名作「男と女」の舞台になった、情緒いっぱいの美しい海岸です。
海岸の遊歩道は板張りで、プランシュと呼ばれています。その傍に並ぶ浜辺のキャビン(更衣室)には、室番号の代わりに映画スターや監督の名前がつけられています。毎年夏の終わりに開催される「アメリカ映画祭」でこの街を訪問した著名人です。映画の街の海岸通りには、太陽の下、アメリカ国旗が風になびいていました。
こちらは海際にあるタラソテラピー施設。タラソテラピーとは、ヨーロッパで人気の海水の恵みを生かした海洋治療法。プール、温泉、ジャグジー、サウナ、マッサージ等の施設が備えられていて、水着着用で利用します。病気治療としてもエステとしても有効な、ちょっとリッチな癒しの空間。トライしてみてはどうでしょうか?
では、街中に入ってゆきましょう。
華やかな中心街
ドーヴィルのカジノです。ここで質問、このカジノや競馬場に入り浸って散財していた有名な女性作家は誰でしょう?
答えはフランソワーズ・サガン!サガンの波瀾万丈な人生を語るうえで、ドーヴィルは欠かせない街なのです。ご興味のある方は、調べてみて下さいね。
由緒ある5つ星ホテル、バリエール・ル・ノルマンディー。木枠のみえたノルマンディー様式の高級ホテルで、どの側面から見ても本当に美しい文化財。海に臨むホテルは、映画「男と女」の撮影場所としても有名です。
ホテル前にある広場の片側にあるのは、プランタン・デパート。このように、中心街のブテイックは19~20世紀ベル・エポックに建てられたヴィラを改装されているものも多く、統一感のある美しい街の景観を作っています。
日本でもお馴染みの高級ブランド店舗もドーヴィル仕様です。ルイ・ヴィトンも、パリ店舗より混み合っていないので、ゆっくりショッピングできますよ。
大きなエルメス店舗。道路に停まっている高級車にもご注目を。
オシャレ女子の定番、ロンシャンもこの通り。
これはドーヴィル市庁舎です。いつも美しく花々で飾られているので、人気の写真スポット。通り向かいにはドーヴィル観光局があるので、ここで必要な情報を仕入れましょう。
現在シャネルの店舗はありませんが、ドーヴィルはココ・シャネルとも縁深い街。パリの帽子店からキャリアをスタートしたココが、1913年、初の洋服店を開いた街なのです。
店があった通り(rue Gontaut-Biron)には、シャネルのカリスマ・デザイナーで2019年逝去したカール・ラガーフェルドによる、ココのイラスト絵パネルが掲げられています。偉大な二人のクリエーターにオマージュ。
歴史ある競馬場周辺
最も立派で名高いヴィラは、トゥケ競馬場の近くのヴィラ・ストラスバーガーです。
1907年に建てられた美しい大邸宅は一時期、文豪ギュスターヴ・フローベルにも所有されていました。現在は歴史的建造物として市の管理下に置かれています。
ドーヴィルには2つ競馬場があり、各種競馬競技やポロ世界選手権が開催されています。界隈には、国際馬術センターや純血馬のせり市場もあります。
私が散策した夏終盤の日曜日は、ちょうど競馬の開催日。この日の競馬場に向かう人々は、バカンス中の家族も多く、ベビーカーを押すカップルもいて興味深かったです。
慣れた雰囲気で会場に向かう裕福そうな英国の青年少女達の姿を横目で眺め、上流階級のスポーツ・娯楽として長い歴史のある、ヨーロッパの乗馬文化を実感したのでした。
さいごに
ドーヴィルの風景、お楽しみいただけましたか?お気に召したら、日々頑張っている自分へのご褒美として、ぜひドーヴィルを訪ねてみて下さい。
今回も散策にお付き合いいただき、ありがとうございました。ではまた、次の旅路でお会いしましょう!
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原田さゆり
- 旅・文化・猫を愛する、フランスの田舎在住者。フランス中を旅しています。