【スイス】一度は泊まりたい、歴史と伝統あふれるホテル4選

シュロス・シャーダウホテル外観

<トップ画像:シュロス・シャーダウホテル外観>

観光立国として長い歴史を持つスイス。スイスで宿泊するホテルも、アルプスの山奥にある秘境ホテルや山小屋風のシャレ―ホテルをはじめ、交通の便が良く町の中心地にあるビジネスホテル、さらには5つ星ラグジュアリーホテルなどさまざま。

その一方で、スイスには伝統ある老舗ホテルも数多くあり、貴重な歴史的建造物として国から指定・保護されているものもあります。

そこで今回は、スイスの歴史&伝統あふれるホテルを4つご紹介したいと思います!

目次

城主になった気分!湖畔の歴史あるホテル「シュロス・シャーダウ」

シュロス・シャーダウ レセプションエリア
<シュロス・シャーダウホテル、レセプションエリア>

ベルン州トゥーンにあるシュロス・シャーダウ(Schloss Schadau)は、トゥーン湖の湖畔にある歴史的なホテル。季節折々の花が咲き乱れ、地元民の憩いの場になっている公園内にあります。

荘厳な古城ホテルに見えますが、昔から実在するお城というわけではなく、もともと荘園の領主の邸宅だったものを、フランスのロワール渓谷のお城群や、テューダー時代のゴシック様式のお城などに魅了された当時の所有者が、19世紀半ばにお城風へと改築させたのだそう。

スイスというより、フランスやイギリスっぽい雰囲気を持つ城だなあ、と思ってはいたのですが、そういうことだったのですね!とはいえ、内装も外装もすべてが凝っており、特に内装の細かい装飾や壁などは芸術的。

よくヨーロッパのお城が博物館になることがありますが、そういった博物館に宿泊しているような気分になれるホテルです。

シュロス・シャーダウ(Schloss Schadau)

  • 住所:Seestrasse 45 3600 Thun, Switzerland
  • 電話:+41 33 222 25 00
  • メールアドレス:info(at)schloss-schadau.ch
  • 公式サイト:Schloss Sschadau

シュロス・シャーダウ 客室
<シュロス・シャーダウ客室>

滝が見える、レトロな雰囲気の「グランドホテル・ギースバッハ」

グランドホテル・ギースバッハ 外観
<グランドホテル・ギースバッハ外観>

ベルン州ベルナーオーバーラント地方にあるブリエンツ湖は、その美しく息を飲むようなターコイズグリーン&ブルーの湖面で多くの人々を魅了していますが、その湖のほとりにあるのがグランドホテル・ギースバッハ(Grandhotel Giessbach)。

歴史ある伝統的なホテルで、スイスでも良く知られているホテルの一つです。一見「本当に営業しているのかな?」とちょっぴり不安になってしまうぐらいレトロな雰囲気。

この地に初めてホテルができたのは1857年だそうですが、現在のフランス・バロック様式っぽい建物での創業は1875年から。入り口に足を踏み入れると、そこはすぐに豪華なホールのような広間があります。右手にはレセプションとバーがあるので、そこでチェックインができます。

グランドホテル・ギースバッハ ロビー
<ホテル入り口のロビーエリア>

それにしても古い映画などに出てきそうなホテルで、アンティークな調度品や、創業当時のものとみられる古い写真も多く飾られていました。自然に囲まれ、エレガントで豪華なホテルは創業してすぐに社交の場となったのだそう。

創業当時から第一次世界大戦勃発まで、文化人たちが集う大人気のホテルだっただけあり、若干"過去の栄華"っぽい雰囲気がどことなく漂っているように感じました。

ホテル内のいたるところにアンティーク品、写真、そして大量の椅子が置かれていて「なぜこんなに椅子が置かれているのだろう」と圧倒されます。その椅子たちも、博物館などに展示されていそうな貴重品なのだと思います。

部屋からはブリエンツ湖が見え、部屋やレストランからはホテル横の「ギースバッハの滝」が良く見えました。

建物全体が貴重な歴史的文化財として保存されているため、窓の錠なども当時のまま現在も使用されているのが興味深いです。

19世紀から稼働しているホテル専用ケーブルカー
<19世紀から稼働しているホテル専用ケーブルカー>

また、スイスの老舗ホテルの中には専用ケーブルカーがあるところもあるのですが、このホテルもそうで、1879年から稼働しているケーブルカーがあります。

現在活躍しているケーブルカーは130歳のものも!船でホテルへ到着したら、そこからケーブルカーで丘の上にあるホテルまで来られるようになっています。

グランドホテル・ギースバッハ(Grandhotel Giessbach)

  • 住所:CH-3855 Brienz, Switzerland
  • 電話:+41 33 952 25 25
  • メールアドレス:grandhotel(at)giessbach.ch
  • 公式サイト:Grandhotel Giessbach

スイスで2番目に古い民宿だった「ラ・クロンヌホテル」

ラ・クロンヌホテル外観
<ラ・クロンヌホテル外観>

首都ベルンから列車で40分ほど北に行ったところに、ゾロトゥルン(ソロトゥルンとも)という町があります。そこの旧市街には、石畳の小さな路地やバロック様式の建物が多くあり、ぶらっと軽く町歩きをするのにぴったりの場所。

旧市街の入り口の門近くにある旧兵器庫博物館(Alteszeughaus Museum/アルテスツォイクハウスミュージアム)のすぐ斜め前にあるのが老舗ホテル「ラ・クロンヌホテル(La Couronne Hotel)」。

民宿としてスイスで2番目に古く、1418年に創業した伝統あるホテルです。

かつてはナポレオンやイタリアの文筆家カサノバ、そして現在も活躍中の女優ソフィア・ローレンや、オペラ歌手のホセ・カレーラスなども、このホテルに滞在したことがあるそうですよ。

クリスマスデコレーション
<ホテル前には可愛いらしいクリスマスデコレーションが>

ラ・クロンヌホテル(La Couronne Hotel)

  • 住所:Hauptgasse 64, 4500 Solothurn, Switzerland
  • 電話:+41 32 625 10 10
  • メールアドレス:info(at) lacouronne-solothurn.ch
  • 公式サイト:La Couronne Hotel 

ラ・クロンヌホテル ホテル前通り
<幻想的な雰囲気の、ホテル前通り>

かつては町を見守る要塞塔「ホテル・シャトー・ギュッチュ」

ルツェルンの駅前にあるカペル橋
<ルツェルンの駅前にあるカペル橋。左方に小さく見える城がホテル>

スイス中部に位置するルツェルンの町で、駅前の大きな橋を渡っていると、遠くに立派な城のようなものが見えますが、これがホテル・シャトー・ギュッチュ(Hotel Château Gütsch)です。

要塞塔として1590年に建てられた後、個人に売り渡され、ホテルに改築されました。ホテルは高台にあるため、訪れる客が容易にホテルまでたどり着けるよう、1884年にケーブルカーができ、現在も活躍中です。

ホテル・シャトー・ギュッチュ 外観
<ホテル・シャトー・ギュッチュ外観>

1888年に火事でホテルの建物のほとんどが消失してしまったため、現在のホテルの姿は1901年に再建されたもの。南ドイツの有名なノイシュバンシュタイン城にインスパイアされたそうで、確かにそう見えます。

第一次世界大戦中は営業停止になっていたそうですが、第二次世界大戦中は主に難民や戦争犯罪者を収容する施設として利用されていました。長い歴史を生き延びてきたホテルだったのですね。

最近2度ほどリノベーションされたせいか、新しい場所と歴史を感じる古さを感じる場所が混在するホテルになっています。

見晴らしは抜群、ルツェルンの町が一望できるので、ホテル内のバーへお茶をしに来たり、お酒を楽しみに来る人たちの姿を多く見かけました。

ホテルから見たルツェルンの町
<ホテルからルツェルンの町を眺める>

ホテル・シャトー・ギュッチュ(Hotel Château Gütsch)

  • 住所:Kanonenstrasse, 6003 Lucerne, Switzerland
  • 電話:+41 41 289 14 14
  • メールアドレス:info(at)chateau-guetsch.ch
  • 公式サイト:Hotel Chateau Guetsch

まとめ

今回は私の100%独断と偏見で(!)、個性的だと思うスイスのホテルのうち、4つをご紹介しました。また機会があれば、スイスやヨーロッパの他の国々のそんなホテルをご紹介していきたいと思います。

それにしても近年、毎年のように日本で猛暑のニュースが流れていますが、ここスイスも例外ではなく、年々猛暑日が増えています。

しかしスイスをはじめ欧州では、老舗ホテル、高級ホテルですらクーラーがないホテルが少なくなく(暖房はあります)、客室内が暑すぎて寝られなかった、なんて話も。

夏の時期に来欧される方は、宿泊予定のホテル客室にクーラーがあるか、前もってご確認されることをおすすめします。

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小島瑞生

1998年~2009年まで暮らしたアイルランドから、2009年スイスへ移住。面白そうなコト・モノを求め、スイス国内や欧州の国々をウロウロしながら、雑誌やウェブサイト、ラジオ等のメディアに様々な情報を発信中。趣味は旅行とハープ&ピアノ演奏。

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