公開日:
最終更新日:
初めての黒門市場ガイド! 人気のお店を選んで食べ歩きしてみた
食い倒れの街・大阪に来たんやったら、市場で食べ歩きがおすすめやで!ということで、大阪の台所とも呼ばれる、日本橋の「黒門市場」の楽しみ方を現地レポートを交えて紹介します。魚に肉、大阪ならではの粉もんやスイーツまで、おいしいグルメが目白押しです。
目次
<1. 黒門市場が初めての方へ! どんなところで、何が魅力?>
1. 黒門市場が初めての方へ! どんなところで、何が魅力?
大阪での食べ歩きにうってつけの「黒門市場」。どんなところで何が魅力なのか、楽しみ方を紹介します。
黒門市場とは
黒門市場は、全長約580mのアーケードに、約150店舗が軒を連ねる賑やかな商店街です。鮮魚店や肉料理、食堂やスイーツまで、さまざまなジャンルのグルメが楽しめます。
黒門市場はどこにある?
大阪で「ミナミ」とも呼ばれる難波エリアの日本橋に位置しています。Osaka Metro千日前線の日本橋駅から徒歩5分ほどで、新大阪駅からだと電車を乗り継いで約30分という立地です。
黒門市場でできること
お店に入ってのゆったりランチや、気になるグルメをテイクアウトしての食べ歩きも楽しめます。食事だけでなく野菜や果物、100円均一ショップなど、日用品のお買い物ができるお店もあります。ふらっと立ち寄って、気の向くままにグルメや雰囲気を味わうのもおすすめです。
2. 黒門市場で食べ歩きしてみた
今回黒門市場を訪れたのは8月下旬。まだ暑さは厳しいものの、日本橋駅を出るとすぐに黒門市場の入り口が。汗をかかずに日陰に入ることができました。
10時前でしたが、すでに市場ならではの活気を感じます。アーケードの中ほどには、黒門市場のシンボルである大きな赤提灯が下がっています。早いお店は8時頃から営業していますが、9時半頃から開店する店が多いようです。
平日の午前中だというのに、アーケードはかなりの賑わいを見せています。半分ぐらいは外国人観光客でしょうか。日本語だけでなく英語や中国語で接客している声も聞こえてきます。そしてあっちからもこっちからもおいしそうな匂いが!
体にやさしく本当においしい海産物をお手軽に!「新魚栄(しんうおえい)」
千日前通りから黒門市場に入り、ひとまずどんなお店があるのか見てみようと、中央のアーケードを進みます。見上げると赤提灯に続いて、大きなえびのオブジェを発見!それぞれの通りに海鮮の名前がついていて、その海鮮のオブジェが吊り下げられているようです。
その「えびの通り」で見つけた魚屋さんが、昭和23年から黒門一筋で商いを続ける「新魚栄(しんうおえい)」です。もとはミナミの料理人が朝一番に買い付けに来る魚屋さんで、現在は観光客や家庭向けに安くおいしい海産物を販売しています。
店頭にはカニやアワビ、牡蠣にフグなどの海産物がずらりと並び、家庭用はもちろん、店内や食べ歩きで楽しめる串焼きもあります。扱っているのは近大マグロ、日本海のカニ、水産研究関係の魚介類などで、社長自らが産地を巡り、体にやさしく本当においしいものを仕入れているといいます。ビジネスではなく、環境や健康のために学生や研究者が作る海産物はやっぱりおいしいんだそう。
今回はおすすめの「アワビ(1,000円)」をいただきました!アワビを生きたまま蒸し焼きにしたもので、身はやわらかく、焼きたての香りが口いっぱいに広がります。特に肝のおいしさにびっくり!クリーミーで後味はすっきりしていて、ビールにとても合いそうです。
毎朝仕込み、注文が入ってから炙って提供している「タコ玉(1,000円)」も人気メニューです。新鮮で香ばしく、見た目も楽しい一品です。
座って食べられるスペースもあります。ビールもぜひご一緒に。店員さんはみな気さくな方なので、気軽におすすめを聞いてみるといいでしょう。英語・中国語での接客も見事です!
また、近畿大学薬学部とタッグを組んで、焼津水産高校が育てたスッポンのコラーゲンから化粧品を開発・販売しています。食と同じで、いいものはお肌にもやさしいのだと語ってくれました。「クロモンコスメティック」のローションやジェルエッセンスは、店頭のほか高島屋の常設店、オンラインでも購入可能です。
さまざまな角度からお客さんの食と生活を考える、やさしさも「新魚栄」の魅力です。
「新魚栄」の基本情報
- 住所:大阪市中央区日本橋1-21-8
- 営業時間:月~土 9:00~17:00
- 定休日:日曜日、祝日
- TEL:06-6636-3335
- アクセス:千日前線Osaka Metro日本橋駅の10番出口から徒歩約5分
- 公式サイト:うなぎ・くじら・はも・おせちの【大阪黒門市場 新魚栄】、クロモンコスメティック
来るたび新しいスイーツとの出会いを楽しめる「三都屋(みとや)」
「新魚栄」の社長が「そこのお菓子屋さんには同級生がおってね」と教えてくれたのは、1948年に黒門市場で創業した「三都屋(みとや)」です。
ここでは、素材と手作りにこだわった和菓子をいただけます。定番のおはぎやお団子はもちろん、店頭で目を引くのが季節の和菓子です。この日は夏のわらびもちやくずまんじゅう、水ようかんなどが並んでいました。
食べ歩きに人気なのは、季節のフルーツを贅沢に使ったフルーツ大福です。「いちご大福 生チョコ(450円)・抹茶(450円)・黒あん(430円)」や「メロン大福(430円)」、大粒の栗をまるごと入れた「栗大福(310円)」、「みかん大福(480円)」に「シャインマスカット大福(680円)」まで、目移りが止まりません。かわいい見た目も魅力的です。
迷って決められそうになかったので、おすすめをお聞きして「いちご大福 生チョコ」と「メロン大福」をチョイス。「いちご大福 生チョコ」は、その季節のおいしいいちごとたっぷりの生チョコを自慢のお餅でくるんだ大福です。夏のこの時期は北海道の「すずあかね」を使用しているそうで、甘さと酸味のバランスがちょうどよく、幸福感に満たされました。
メロンを白餡と一緒にくるんだ「メロン大福」も絶品! メロンはみずみずしく、お餅の甘み・食感ともマッチしてただただおいしい。食べたらハマる人も多いのではないかと思います。
三都屋のお菓子は原材料のほとんどが国産で、品質にも味にもこだわっているとのこと。新しいフルーツを使ったお菓子の開発にも積極的に取り組まれているそうです。「次はどんなお菓子に出会えるだろう」と何度も訪れたくなるワクワクがありますね。
お店の奥には、持ち帰りにもうれしいパッケージのお菓子がずらりと並んでいます。旅行の際は、家族や友人へのお土産もぜひ三都屋で探してみてください。店員さんとのお喋りも楽しいですよ。
「三都屋」の基本情報
- 住所:大阪市中央区日本橋1-22-21
- 営業時間:月~土 8:30~18:30
- 定休日:日曜日、1月1日〜4日
- TEL:06-6641-0454
- アクセス:千日前線Osaka Metro日本橋駅の10番出口から徒歩約5分
- 公式サイト:黒門三都屋
バラエティ豊かな海鮮丼をじっくり味わえる「魚一(うおかず)」
お昼は座って食べようと考え「マグロの通り」に向かってみました。肉やエスニック料理もいいけれど、黒門市場に来たならやっぱり海鮮かな、と選んだのが「魚一(うおかず)」です。
「魚一」は、カウンターかテーブル席で海鮮丼をいただけるイートインのお店です。マグロやサーモン、いくら、ウニ、カニなどを使った17種類もの丼メニューと、彩り豊かな枡寿司メニューを2種類扱っています。
母体となる仲卸問屋は料亭などのために高級魚介を扱っており、黒門市場の店舗では、その高い品質にこだわった魚を味わうことができます。回転寿司や居酒屋など身近な食事どころで馴染みの魚も、ここで味わえば「こんなにおいしかったんだ!」といううれしい発見があるかもしれません。
今回は自身の好物であり、おすすめともうかがった「サーモンいくら卵黄丼(2,200円)」をいただきました。まずはほんの少し醤油を垂らして素材の味を楽しみます。肉厚のサーモンの濃厚な味が贅沢! 脂のうまみもたっぷりですが、しつこくはなくごはんとのバランスがちょうどいいです。
そして、特にこれまで食べたものとの違いに驚いたのがいくらです。醤油漬けなのですが、ごく控えめな浸かり具合で、いくらそのものの味がふわっと広がり、スッキリと消えていきます。いくらってこんな味だったんだ......と感動さえ覚えました。
丼に使用している卵黄は、大分県産の高級ブランド卵「龍のたまご」です。濃厚でとろみが強く、具やごはんと絡まって舌に幸せを運んでくれます。そして、卵黄ののったメニューには「味変」用のソースがついています。
いただいた「サーモンいくら卵黄丼」はバジルソースで味変しました。先ほどとはまったく違うイタリアンな風味で、これもまたおいしい! バジルソースのほか、のりソース、塩ごまソース、かにみそで味変できるものもあり、最後まで飽きずに楽しめるのもうれしいポイントです。
また、お店の向かいには姉妹店のオーガニックスーパー「TAIZEN ORGANIC」があります。
無農薬・無添加の食材や調味料のほか、その場でいただけるドリンクも。私もちゃっかり「京都抹茶ラテ(680円)」をいただき、食後のまったり時間を過ごしました。
一杯一杯抹茶を点てて作っており、出来上がるのを待つ時間もその音や香りに癒されます。余分なものは入れず抹茶とミルクの素材の味を楽しむことができるメニューで、後味もスッキリ爽やか。しっかり丼を食べたあとにも飲みやすいですよ。
ほかにも「オーガニック珈琲(450円)」や「国産桃SODA(680円)」など体にやさしいドリンクを扱っています。カウンターやテーブルでのんびりするのも、テイクアウトして食べ歩きのお供にするのもおすすめです。
「魚一」の基本情報
- 住所:大阪市中央区日本橋1-17-9
- 営業時間:月~土 10:30~21:00
- 定休日:月曜日
- TEL:06-4396-6628
- アクセス:千日前線Osaka Metro日本橋駅の10番出口から徒歩約5分
- 公式サイト:海鮮居酒屋 魚一
「TAIZEN ORGANIC」の基本情報
- 住所:大阪市中央区日本橋1-21-30
- 営業時間:10:00~19:00
- 定休日:月曜日
- TEL:06-6644-375
- 公式サイト:TAIZEN ORGANIC オーガニックスーパー
粉もんといえばここ!焼き師の技が光る「たこ焼道楽わなか」
まったりしたら食べ歩きを再スタート。海鮮の次は大阪らしく粉もんを食べようと、「たこ焼道楽わなか」の行列に加わりました。アクリル越しに見える店員さんの串さばきが見事で、焼き師の技を一目見ようとお客さんが続々と集まってきます。
大阪に数多くあるたこ焼屋さんのなかで、わなかの特徴は、一度に64個ものたこ焼を作れる大きなプレートを使っていること。プレートの大きさに比例して火の数が多いため、強い火力で一気に焼き上げることができるんです。それにより「外カリ、中ふわ」の食感になるんですね。
さて、パフォーマンスのような焼き技を見ているとあっという間に順番が回ってきました。「たこ焼 8個入り(600円)」を食べ歩きスタイルで注文。
次にソース、釜炊き塩、しょうゆ、ピリ辛ソースから味付けを選びます。定番はやはりソースですが、店員さんにおすすめをうかがうと、口をそろえて「断然、塩!」とのことで、塩味でいただくことにしました。
わなかこだわりの生地のダシの香りが引き立ち、いくらでも食べられそうなお味です。口に入れると溶けるようになくなり、あっという間に完食してしまいました。
いや、やっぱり全部の味が気になる!という人は、4つの味を楽しめる「おおいり 8個(700円)」を試してみるといいでしょう。トッピングはマヨネーズ、かつおぶし、青のりのほか、プラス50円でネギ、チーズをのせてもらうこともできます。
このほか、明太子たっぷりのマヨネーズをかけた「明太マヨチーズ 8個入り(750円)」や、わなか特製のえび煎餅でたこ焼をはさんだ「たこせん 2個入り(200円)」もありました。いずれも焼き立てをいただくときは、ヤケドに注意してくださいね!
たこ焼は食べ歩き用のほか、持ち帰り用で注文すると蓋付きの箱に詰めてくれます。おうちでわなかの味を楽しめる「たこ焼の素(たこ焼80個〜90個分・550円)」も販売中です。
「たこ焼道楽わなか」の基本情報
- 住所:大阪市中央区日本橋1-21-2
- 営業時間:9:00~19:00
- 定休日:年中無休
- TEL:06-6586-9688
- アクセス:千日前線Osaka Metro日本橋駅の10番出口から徒歩約5分
- 公式サイト:「たこ焼道楽 わなか」オフィシャルホームページ
ただいま!と言いたくなる懐かしの喫茶店「コーヒー・サンドイッチ おいで」
おなかが満足したところで、今度はほっこりしたいなぁと、比較的落ち着いた雰囲気の「クエの通り」に足を向けました。そこで見つけたのは、淡いピンクのテントがかわいらしい「コーヒー・サンドイッチ おいで」です。
座れるかな?と表から中をのぞいていると、エプロン姿のお母さんが出てきて「まぁ、座り座り」と迎え入れてくれました。こちらは、昔馴染みのお客さんにも観光客にも愛される手作りサンドイッチが人気のお店です。
注文もそこそこに、お母さんとマスター、ほかのお客さんも交えたおしゃべりに花が咲きます。「どこから来たん?」からはじまり、それぞれの地元や今日あったこと、家族のこと......他愛もないおしゃべりが続き、店内はあたたかく心地よい雰囲気に満たされます。
いただいたのは人気メニューの「玉子サンド(600円)」です。厚焼き卵はふわっふわで、やさしい甘さが口いっぱいに広がります。
味付けは秘密だそうですが、お母さんが「一番はやっぱり、愛情が入っとるからね」とおちゃめに笑って教えてくれました。
サンドイッチはこのほか「カツサンド」「野菜サンド」「二色サンド」などいずれも600円で、店内でいただく場合は焼きサンドにしてもらうことも可能です。お店の前ではテイクアウト用の販売もあります。
ドリンクはどれでも500円で、コーヒー、紅茶、カフェオーレ、りんごジュースなど。ちょっぴり贅沢な気分なら「桃ジュース(600円)」や「ストロベリー・ラテ(600円)」もいいですね。
店内は小さなテーブルが2つで、ソファ席も含めて4〜5人入ることができます。この小ささが人と人との距離を縮めているんだと教えてくれました。お昼ごはんやおやつの時間にほっと一息、「おいで」に集う人たちの愛情を味わいつつ、人生相談にのってもらうのもここならではの過ごし方です。
「コーヒー・サンドイッチ おいで」の基本情報
- 住所:大阪市中央区日本橋1-17-4
- 営業時間:月~土 8:30~16:30
- 定休日:日曜日
- TEL:06-6648-1117
- アクセス:千日前線Osaka Metro日本橋駅の10番出口から徒歩約5分
- 公式サイト:コーヒー・サンドイッチ おいで
3. 黒門市場周辺も面白い!
大阪・ミナミの見どころは黒門市場だけではありません。
黒門市場から難波方面へ5分ほど歩けば、料理道具や店舗用品の専門店が軒を連ねる「千日前道具屋筋商店街」があります。おたまやお皿、コーヒー器具など天下の台所の板前にふさわしい道具が数多く取り揃えられています。道具以外にのれんや看板の専門店も! ちょっとした非日常も味わうことができ、見て歩くだけでも楽しいですよ。
さらに、恵美須町駅近くには大阪の秋葉原的ディープスポット「でんでんタウン(日本橋筋商店街)」があります。電化製品に加え、ゲームやアニメ、トレカ、フィギュアなどの専門店がひしめき、オタク文化を存分に楽しむことのできるスポットです。2フロアにわたって展開する「アニメイト大阪日本橋」は、西日本最大のアニメイトとなっています。
いずれも黒門市場から徒歩で行くことができるので、ぜひ足を運んでみてください。
4. 黒門市場へ行ってみよう!
大阪のうまいもんが集まる「黒門市場」は、市場の雰囲気を感じながらの食べ歩きやがっつりランチにももってこいです。魚や肉、串揚げやスイーツなど、食べたいものを食べたいままに楽しみましょう。1日食べ歩きを楽しんでもいいですし、地下鉄の駅からもほど近いため大阪観光の1スポットとして立ち寄るのもおすすめです。
関連記事
Ranking大阪記事ランキング
-
西方 香澄
- 電車のないど田舎から都会に出てきてはや10年、現在大阪在住のライター兼母です。海外一人旅も、家族・友人とイベントを詰め込んだハードな旅行も好き。最近はもっぱら子ども優先で、牧場や海、夢の国に行きがちです。一観光客として、リアルな体験をお伝えします。