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【ポルトガル】ヴィーニョ・ヴェルデの個性派ワイナリー巡り。ポルトの人気レストランとスーパー事情もご紹介!
<ヴィーニョ・ヴェルデは白だけではない。「キンタ・ダ・ハーザ」の自然派スパークリングワイン「ペットナット」の白、ロゼと、昔ながらの製法で「ラガレス」と呼ばれる石の発酵槽で作った「ティントナット」の赤>
日本でも人気が高いポルトガルのワイン、ヴィーニョ・ヴェルデ。現地の個性あふれるワイナリーと、ポルトガルのスーパーでのおみやげ探しをご紹介します。
目次
- 18世紀から続くワイナリー「キンタ・ダ・ハーザ」で見つけた個性派ヴィーニョ・ヴェルデ
- ワイナリーの成り立ちにも感動!小さな村の共同体「キンタス・デ・メルガッソ」が手掛けるヴィーニョ・ヴェルデ
- 「キンタ・ド・アメアル」のロウレイロの美味しさに驚き!宿泊もおすすめのワイナリー
- ポルト市内のスーパーマーケットでおみやげ探し
18世紀から続くワイナリー「キンタ・ダ・ハーザ」で見つけた個性派ヴィーニョ・ヴェルデ
<5代目当主のディオゴさん(左)とワインメーカーのペドロさん(右)>
ヴィーニョ・ヴェルデの9つのサブリージョンの中で最も内陸に位置するバシュト(Basto)地区に位置するワイナリー「キンタ・ダ・ハーザ(QUINTA DA RAZA)」。ブドウ畑は緩やかな斜面に面しており平均標高は約250m、大西洋側からの海風から守られ、気温の高低差が大きいことから、他のエリアではあまり栽培されていないブドウの栽培にも適しているのだそう。
<緩やかな斜面に広がる「キンタ・ダ・ハーザ」のブドウ畑>
<畑の脇には立派なコルクの木もある>
「キンタ・ダ・ハーザ」は18世紀から続く家族経営ワイナリーで、5代目当主のディオゴさんは土着品種を守りながら革新的なシステムを導入することで、ワインのクオリティを上げ、世界的にも高い評価を得るワイン造りに成功。また、1992年に作られた石の発酵槽「ラガレス」を使い足でブドウを潰して昔ながらの製法でワインを造るなど、さまざまなアプローチでワイン造りを行っています。
<1992年に作られた石の発酵槽「ラガレス」も健在。昔ながらの製法でのワイン造りも続けている>
この日はそんな自慢のワインを次から次へとテイスティング。建物の屋上からは、絶景も見渡せます。
<テイスティングしたワインの一部。白、ロゼ、赤など、さまざまなヴィーニョ・ヴェルデを飲み比べ>
<ダイニングルームからはワイン畑が見渡せる>
<ポルトガル名物のバカリャウ。野菜は地元で採れたもの>
<デザートはロゼワインで作った洋梨のコンポート。同じロゼワインを合わせて>
さまざまなワインを飲み比べましたが、単一種ブドウのワインを飲んだ後に、ブレンドワインを飲むと、より違いを感じることができました。
自分の好きなブドウ品種を見つけるのには、一気にいろいろなワインを飲み比べるのがおすすめ。私も好きなブドウ品種が増えました。
>>キンタ・ダ・ハーザ(QUINTA DA RAZA)の公式サイトはこちら
ワイナリーの成り立ちにも感動!小さな村の共同体「キンタス・デ・メルガッソ」が手掛けるヴィーニョ・ヴェルデ
<「キンタス・デ・メルガッソ」のセラーには、出荷を待つスパークリングワインが積まれていました>
20世紀の中頃にブラジルに渡った実業家、アマデウ・アビリオ・ロペスさんが故郷に帰って始めたのがワイン造りでした。1991年に「キンタス・デ・メルガッソ(QUINTAS DE MELGACO)」を設立。そして、農家の人々のワイン造りが守られ村が発展することを願い、その権利の半分を村に寄付したのがワイナリーの成り立ちです。
ワイナリーが位置するのは、ポルトガルの最北端メルガッソ。冬は0℃、夏は50℃近くまで気温が上がるエリア。早朝から夜まで日照時間が長く、寒暖差と合わせて良質なブドウが育ちます。
<ワインセラーには巨大なボトルも保管されている>
<アルヴァリーニョとヴィニャオンをブレンドしたロゼ>
<2022年、2007年、2004年のアルヴァリーニョを飲み比べ。贅沢な体験!>
「キンタス・デ・メルガッソ」には、セラーに保管してある年代物のワインを求めて、海外からシェフが直接買い付けに来ることもあるそう。
また、同ワイナリーが手掛けたヴィーニョ・ヴェルデ「トーレ・デ・メナージェン」は、女性審査員のみによる日本最大級のワインコンテスト「サクラアワード2023」で、ダイヤモンドトロフィーを受賞しているなど、日本でも話題。
帰国後に早速飲みましたが、ワイナリーのストーリーを知ったことでワインがさらに美味しく感じました。
>>キンタス・デ・メルガッソ(QUINTAS DE MELGACO)の公式サイトはこちら
「キンタ・ド・アメアル」のロウレイロの美味しさに驚き!宿泊もおすすめのワイナリー
<「キンタ・ド・アメアル」ではこの土地に合っているというロウレイロ種を育てている>
ポルトガルの景勝地ポンテ・ド・リマで有名なリマ渓谷にあり、ヴィーニョ・ヴェルデを代表するブドウ品種ロウレイロの生産者として有名な「キンタ・ド・アメアル(Quinta do Ameal)」は、1710年から続く歴史あるワイナリーです。
<PRのマリアナさんが畑を案内してくれた>
<ブドウの蔦が絡まる趣のある建物は宿泊も可能。いつか泊まってみたい!>
<この日テイスティングした4本。一番左がテーブルワイン的な位置づけのブレンドワイン。ロウレイロとアルヴァリーニョ、アベッソのミックス。右の3本は、ワイナリーの決められた畑で育てたロウレイロを使ったワイン>
「クオリティを求めているのであって、量を求めていない」とマリアナさんが話していましたが、限られた区画から厳選したブドウで造るワインは、同じロウレイロ種でも区画によって全く異なる味わい。歩いて見て回った、あれほど近い場所なのに、これほど味が違うの?と、驚きです。
ワイナリーには宿泊施設もあり、この日はアメリカからのゲストが宿泊中でした。こんな素敵な場所に宿泊しながらワインと観光を楽しむなんて最高! 次回はぜひ泊まりがけで来たい場所です。
>>キンタ・ド・アメアル(Quinta do Ameal)の公式サイトはこちら
ポルト市内のスーパーマーケットでおみやげ探し
ポルト市内に戻り、旅行のお土産探しの定番のスーパー巡りにも繰り出しました。どのスーパーでも充実していたのが、缶詰。
<ドイツ系スーパー「LIDL(リドル)」では、レジ前に缶詰が山積み>
<ポルトガル系スーパー「ピンゴ・ドーセ(Pingo Doce)」では、絵柄が可愛いのが多い>
種類も豊富で、リーズナブル。日持ちもするので、重さが気にならなければお土産にもピッタリ。私もたくさん購入しました。
<「ピンゴ・ドーセ」のバカリャウコーナー>
どのスーパーでも見かけたのが、ポルトガル名物のバカリャウ。塩抜きして料理に使うのですが、お土産として持ち帰るのは難しそう。缶詰で我慢です。
<「ピンゴ・ドーセ」のワインコーナー。ヴィーニョ・ヴェルデも充実>
ワインコーナーも気になって見てまわりましたが、スーパーに置いているワインはテーブルワインが主流です。ちょっと重いですがお手頃価格なので、友達への気軽なお土産か、現地滞在中に飲む自分用としておすすめ。
帰国時の本数制限もあるしどうせなら特別なヴィーニョ・ヴェルデを買いたい!となったら、断然ワイナリーでの購入がおすすめ。帰国後に改めて専門店かオンラインで探してみるのも楽しいと思います。
取材協力: vinho verde
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美濃羽佐智子
- 出版社勤務を経てフリーランスとなり、2011年から3年間をタイのバンコクで暮らす。エディター・ライターユニットTom☆Yamのメンバー。共著に『タイ行ったらこれ食べよう!』(誠文堂新光社)ほか。