LCCとは? 格安航空会社とそれ以外との違いについてなど

飛行機

近年、旅行好きにはすっかりおなじみになった「LCC(格安航空会社)」。LCCという言葉や何となくの意味だけなら、ほとんどの方がご存じかもしれません。

とはいえ、利用したことがない人には、実際どのようなものかがイメージしづらいかもしれません。

そこで、LCCの特徴や、それ以外の航空会社との違いはもちろん、LCCを安く予約する方法、LCCを利用する際に注意したいことなど、知っておきたいLCCのあれこれをわかりやすく解説します。

目次

<1. LCCとは? ローコストキャリア=格安航空会社のこと>

<2. LCCとFSC(フルサービスキャリア)の例>

<3. LCC(格安航空会社)とそれ以外の航空会社はどう違う?>

<4. LCCでもっと安くする方法>

<5. 筆者の経験によるLCCとそれ以外の違い>

<6. LCCとそれ以外の使い分け方>

<7. LCCに向いているのはこんな旅行>

1. LCCとは? ローコストキャリア=格安航空会社のこと

LCC
<出典元:写真AC

LCCとは「Low Cost Carrier(ローコストキャリア)」の略。日本語では「格安航空会社」と呼ばれます。その名の通り、LCCはJALやANAといった「FSC:フルサービスキャリア(レガシーキャリアとも呼ばれる)」と称される伝統的な大手航空会社よりも運賃が安いことが特徴です。

LCCが安さを実現している理由として、オペレーションを合理化し、サービスをできる限り削っていることが挙げられます。例えば、座席を狭くして席数を増やす、ピストン輸送で駐機時間を短くする、機内食や受託手荷物などの付加サービスを有料にするなどです。

LCCではFSCほどの行き届いたサービスは望めないかもしれませんが、「目的地まで安く移動できればいい」と割り切れる人にとっては、LCCは節約旅行の強い味方といえるでしょう。

2. LCCとFSC(フルサービスキャリア)の例

最近では、日本国内線だけでなく、日本発着国際線のLCCも充実してきました。LCCとFSCには、それぞれ以下のような航空会社があります。

飛行機
<出典元:写真AC

LCC(ローコストキャリア)

  • ピーチ・アビエーション
  • ジェットスター・ジャパン
  • スプリング・ジャパン
  • ジップエア トーキョー
  • チェジュ航空(韓国)
  • 香港エクスプレス(香港)
  • エアアジア(マレーシア)
  • スクート(シンガポール)
  • ライアンエアー(アイルランド)
  • イージージェット(イギリス)

FSC(フルサービスキャリア)

  • JAL(日本航空)
  • ANA(全日本空輸)
  • 大韓航空(韓国)
  • タイ航空(タイ)
  • シンガポール航空(シンガポール)
  • カンタス航空(オーストラリア)
  • デルタ航空(アメリカ)
  • エールフランス(フランス)
  • ブリティッシュ・エアウェイズ(イギリス)
  • エミレーツ航空(アラブ首長国連邦・ドバイ)

3. LCC(格安航空会社)とそれ以外の航空会社はどう違う?

LCCとFSC
<出典元:写真AC

LCCとそれ以外の航空会社とでは、運賃をはじめとしたさまざまな違いがあります。LCCとそれ以外の航空会社の違いをもう少し詳しく見ていきましょう。

運賃が安い

LCCの最大の特徴として、「格安航空会社」の名の通り、運賃の安さが挙げられます。

LCCがどれぐらい安いのかは、路線や時期、予約のタイミング等によってバラつきがあるため一概には言えませんが、LCC以外の航空会社を利用した場合に比べ、半額以下になるケースも珍しくありません。LCC各社は定期的にセールを開催しているため、セールの時期を狙えば、驚くほど安く空の旅が楽しめることもありますよ。

ただし、年末年始やゴールデンウィークなどの繁忙期はLCCといえども運賃が上がるため、それほど割安感が感じられないことも。LCCは基本的に受託手荷物が有料なので、場合によってはLCCのほうが高くついてしまうこともあります。

同様に、LCCの運賃は空席状況に応じて刻刻と変動しており、原則として直前になると運賃が上がるため、LCCを直前に予約した場合と、その他の航空会社を早割で予約した場合とでは、LCCでない航空会社のほうが安い可能性もあることは覚えておきたいところです。

サービスの種類が比較的少ない

FSCは顧客満足度アップのためサービス向上にしのぎを削っていますが、安さが売りのLCCは、その他の航空会社に比べて受けられるサービスの種類が少ない傾向にあります。

例えば、FSCでは当たり前の機内エンターテイメント用のパーソナルモニターがなかったり、機内Wi-Fiやブランケット、機内アメニティの配布がなかったりします。また、LCCは販売や問い合わせ対応においてもコストを削減しているため、電話での問い合わせ窓口がなく、チャットやメールでしか問い合わせを受け付けていない航空会社も多いのです。

無料で受けられるサービスが少ない

LCCはFSCに比べて受けられるサービスの種類が少ないことに加えて、「飛行機に乗って移動する」以外の付加サービスの多くが有料です。具体的には、ほとんどのLCCでは無料の飲み物や機内食の提供がないため、機内で飲食物を注文した場合は原則として追加料金が発生します。また、受託手荷物や座席指定も有料になることがほとんどです。

受託手荷物(預け荷物)が有料

LCCを初めて利用する人が知っておきたい最大の注意点のひとつが、受託手荷物が有料であることです。ほとんどのLCCでは、機内に持ち込めるのは手荷物1点(上限7kg程度のことが多い)のみで、荷物を預ける場合は荷物の重量に応じて受託手荷物料金がかかります。

受託手荷物料金は航空券購入と同時に支払うと最も安く、空港で支払った場合は割高になることがほとんど。事前にオンラインで受託手荷物料金を支払っていない場合、空港でのチェックイン時に思いがけない追加料金が発生する可能性があるので注意しましょう。

4. LCCでもっと安くする方法

安さと気軽さが売りのLCCとはいえ、路線や利用する時期、予約のタイミング等によっては、必ずしも安くならないケースがあることはすでに述べました。では、LCCでよりお得に空の旅を楽しむにはどうすればいいのでしょうか。

プライス
<出典元:写真AC

予約を早く入れる

LCCの運賃は常に変動しており、直前に予約すると運賃が割高になる傾向があるため、早めの予約が肝心です。ただし、あまりに早いとかえって強気の運賃が設定されていることもあるため、早すぎず、遅すぎないタイミングを意識するといいでしょう。具体的には、2か月ほど前に予約すると安く購入できる可能性が高まります。

人気のない期間を選ぶ

LCCの運賃は、シーズンや曜日によって大きく異なるため、少しでも安くLCCを利用したいなら、閑散期を選ぶことが大事になります。

年末年始やゴールデンウィーク、お盆などの連休を避けるのはもちろん、普段でも週末は運賃が上がるため、できるだけ金曜以外の平日に移動するようにすれば費用が抑えられます。また、早朝・深夜などの便も日中の便利な時間帯に比べると運賃が安く設定されていることが多いです。

セール開催時を狙う

LCC各社は定期的にセールを開催しており、セール中なら驚くほど安く航空券が購入できることもあります。LCCのセール攻略は情報戦なので、興味のあるLCCのメルマガに登録しておけば、いち早くセール情報をゲットできますよ。

有料のサービスをできるだけ利用しない

LCCは運賃が安くても、有料の付加サービスを利用すると思ったより高くつくこともあるでしょう。

一部のLCCのサイトでは、航空券購入時に座席指定、受託手荷物など有料の付加サービスがデフォルトで選択されていることもあるため、不要なサービスが選択されている場合は、必ず選択を解除してから予約画面に進むようにしましょう。

LCCの受託手荷物料金は預ける手荷物の重量によって変わってくるので、必要以上の重量の受託手荷物を選択しないなど、ちょっとした工夫で節約が可能です。

5. 筆者の経験によるLCCとそれ以外の違い

旅行者
<出典元:写真AC

運賃の安さから、LCCは安く目的地に移動したい人の強い味方であることは間違いありません。ただ、LCCはコスト削減を重視しているため、それ以外の航空会社よりも不便なところがあったり、ルールにシビアな部分があったりするのは否めません。

例えば、多くのLCCでは、機内に持ち込めるのは手荷物1点のみと定められていて、重量の上限は7kg前後です。LCCは、もともと機内に持ち込める荷物のサイズや重量の制限が厳しいうえ、チェックインカウンターやその周辺で重量チェックをされることがほとんど。特に、日系LCCは機内持ち込み手荷物の重量チェックが厳しいため、規定の重量をオーバーしていると、高い追加料金を払うことになる羽目になってしまうかもしれません。

また、LCCはそれ以外の航空会社に比べて、チェックインや手荷物預けの締め切り時刻が早い傾向にあります。締め切り時刻を過ぎてしまうと搭乗を拒否されてしまうので、LCCを利用する場合は、締め切り時刻を事前に確認したうえで、いつも以上に早めの空港到着を心がけましょう。

さらに、LCCの搭乗口はたいてい空港の奥まった場所にあり、空港内で長い距離を歩く必要があることも多々あります。搭乗口付近の待合スペースに到着しても、狭く、イスが少ないなど、環境が良くないこともしばしば。

LCCを利用する場合は、事前にこうしたLCCの特性を知っておくと、いざとなって慌てることがありません。

6. LCCとそれ以外の使い分け方

メリットとデメリット
<出典元:写真AC

LCCとそれ以外の航空会社、それぞれにメリット、デメリットがあるため、LCCの特性を理解して上手に使い分けることが大事になってきます。

まず、LCCは長距離国際路線には就航していないため、そもそも日本からヨーロッパやアメリカ本土などへ行く場合には、今のところLCCを利用するという選択肢はありません。

また、LCCはピストン輸送をしている関係で、LCC以外の航空会社と比べて遅延率が高いため、ビジネスや大事なイベントがあるときなど、定刻到着を重視する際の移動手段としては不向きとなることもあります。その他の航空会社に比べると、LCCは航空会社側の要因で予定していたフライトがキャンセルされたり、出発時刻が変更されたりする可能性も高いため、日時の変更ができない用事がある場合なども、FSCを選んだほうが無難です。

LCCは安さが最大の魅力ですが、LCCといえども年末年始やゴールデンウィーク、お盆などの連休中には運賃が高騰します。受託手荷物が有料であることを考えると、FSCと運賃にほとんど差が出なくなってしまうこともあるので、繁忙期に飛行機を利用するなら、LCCよりもFSCの早割などを狙ったほうがコスパが高いかもしれません。

7. LCCに向いているのはこんな旅行

LCCの利用が向いているのは、時間に余裕があり、多少の遅れは許容できる旅行です。LCCの価格メリットを享受しやすい閑散期の旅行もLCCの利用に適しているといえるでしょう。

また、LCCは座席が狭く、空港内で歩く距離が長くなりがちなので、小さなお子さんや妊婦さん、高齢者など、体力に自信のない人、快適さを重視したほうがいい人の旅行にはあまり向いていません。反対に、「多少快適さが劣っても、安く移動できるならオッケー」と思える人なら、LCCでの空の旅が楽しめるはずです。

LCCの普及により、航空旅行がより気軽に、身近になったのは喜ばしいこと。いくつかの注意点はありますが、慣れてしまえば快適に利用できるようになる人も多いはずです。ぜひ、LCCを賢く活用してお得な旅を楽しんでください。

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