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【スペイン】バレンシアの観光スポット"芸術科学都市"にはどんな施設がある?
<TOP画像:芸術宮殿からの眺め ©VisitValencia>
バレンシア市内中心部と地中海の間に位置する"芸術科学都市"は、バレンシアの新しい観光スポットになっています。今回は、この芸術科学都市にはどんな施設があるのかをご紹介します。
目次
バレンシア出身の有名建築家カラトラバが設計
1957年10月14日。バレンシア市内を流れるトゥリア川が氾濫し、中心部は浸水、死者81名を出す大被害が起きました。これを機に、市の外れにトゥリア川を迂回させる運河を建設することに。水がなくなった旧トゥリア川の川床は、現在は全長8Kmを超える公園Jardín del Turiaに姿を変え、市民の憩いの場になっています。芸術科学都市Ciudad de las Artes y las Cienciasはこの公園の一画にあります。
<トゥリア川は緑あふれる公園に生まれ変わった ©VisitValencia>
バレンシア出身で世界的に有名な建築家サンティアゴ・カラトラバとスペイン生まれのメキシコの建築家フェリックス・カンデラが設計した白を基調とした近未来的な建物群は個性的で、映画やCM、広告などのロケ地としてもたびたび使われています。
25年前、最初にできたエミスフェリック
1998年に最初にオープンしたのが、目の形をしたエミスフェリック(スペイン語:Hemisférico、バレンシア語:Hemisfèric)です。IMAXシアターやプラネタリウムとして使用されていて、主に科学ものの映画を上映しています。館内にはスーベニールショップが併設されています。
<エミスフェリックの裏にあるフォトスポット ©VisitValencia>
次にできたのが、2000年に完成した科学博物館(スペイン語:Museo de las Ciencias、バレンシア語:Museu de les Ciències)。これは特に説明はいりませんね。1階のフリースペースでは、火祭り直前にニノット展が開かれます。コロナ禍においてはバレンシア市民のワクチン接種会場としても使われていました。
<科学博物館の脇にあるオープンカフェ ©VisitValencia>
宇宙船のような大劇場は圧巻そのもの
エミスフェリックと科学博物館と同じ池の上にあるのが芸術宮殿(スペイン語:: Palacio de las Artes、バレンシア語:Palau de les Arts)で、2005年にこけら落としがありました。オペラやサルスエラ、フラメンコ、コンサートなどを上演する大劇場で、宇宙船のようなとても印象的な形をしています。館内には広いテラス席を有する地中海料理レストランContrapuntoがあるので、ここで食事をするのもいいですね。観覧客以外が内部を見学できるように、ガイドツアーも催行しています。
<宇宙船のような、口を開けた魚のような印象的な芸術宮殿 ©VisitValencia>
エミスフェリックと科学博物館に並行してある細長いスペースは、ウンブラクレ(スペイン語、バレンシア語ともに:Umbracle)。椰子の木が生えたスペースはイベント会場になっており、週末はオープンエアのクラブになることもしばしば。地下は駐車場に使われています。すぐ横にある歩道では、彫刻の展示会も開かれます。
バレンシア市でもっとも高い建造物
科学博物館の横には、白い巨大なハープのような橋が旧河川床をまたいで架かっています。天に伸びるかのように曲線を描いた支柱の高さは125mで、バレンシア市内でもっとも高い建造物です。
橋の反対側には、芸術科学都市でもっとも新しい建造物アゴラ(スペイン語:Ágora、バレンシア語Àgora)があります。アゴラは古代ギリシャの広場を意味するのだとか。2022年からはマドリードやバルセロナにもある総合文化センターCaixaFormのバレンシアセンターとして使われています。
<現在はCaixaForumとして使われているアゴラ ©VisitValencia>
ヨーロッパ有数規模規模を誇る水族館
一番海寄りにあるのは、オセアノグラフィコ(スペイン語:Oceanográfico、バレンシア語Oceanogràfic)。ヨーロッパ有数の規模を誇る水族館で、2003年にオープンしました。この施設だけがフェリックス・カンデラによるもので、そのほかはサンティアゴ・カラトラバのデザインです。600種もの魚類や鳥類、ほ乳類が合計45,000体いるのだとか。頭上をサメが泳ぐ水中トンネルやイルカショーが人気です。館内には360度を水槽に囲まれたおしゃれなレストランSubmarinoがあり、水族館への入場なしでも利用できます(その際は要予約)。
<オセアノグラフィコはバレンシアの人気スポット ©VisitValencia>
芸術科学都市は白い建造物が青空に映える昼間もステキですが、ライトアップされた夜景も負けません。施設を利用せずに、散策しながら建造物を見てまわるのもいいですね。バレンシアにお越しの際はぜひ足をお運びください。
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。