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【アルジェリア】想像以上!?アルジェリアの医療事情
海外に旅行や駐在をする上での心配事の1つとして医療事情があります。日本と海外では言語の違いはもちろん、システムや習慣においても全く異なるため、突然体調不良などを起こした際にはパニックになってしまうかもしれません。
今回は、万が一のために確認しておきたい北アフリカにあるアルジェリアの医療事情を紹介していきます。まだまだ発展途上というイメージの強いアルジェリアですが、実際の医療事情を見てみましょう。
目次
基本的な医療機関
アルジェリアの医療機関は大きく分けると2つに分類されます。
- 公立病院
- 私立クリニック
1.公立病院
- 一般的にクリニックより敷地が広く、目立つ場所にある
- 公立病院の魅力はなんといっても全て無料
- 手術になっても無料
まだまだ国民の貧富の差が大きいアルジェリアにおいて、誰でも医療を受けることができるのがこの公立病院です。
ただ、その理由ゆえにたくさんの人が来院し、基本的に待ち時間が長くなります。手術も緊急でなければ何ヶ月も待たなければいけないなんてこともあります。
2.私立クリニック
公立病院と比べて規模が小さく、アパートの一室など見つけにくいところにもあります。
金額はクリニックによって変わるため、一般庶民の給料からするとかなり高めで、どんな人でも行くことができるわけではありません。
そんなクリニックは、場所にもよりますが待ち時間は比較的少ないです。しかし人気の医師のクリニックはやはり来院する方が多いので予約をしても何時間か待つことになることもあります。
簡単にいうと両者の違いは "時間をとるか、お金をとるか"ということになります。
医療システム
医療保険
アルジェリアにも医療保険があります。ですが診療には使用できず、薬のみ適用されます。また、薬によって割引率が異なるため一律ではありません。ビタミン剤などの必要性が低い薬は保険が適用されないものもあります。
移動が必須
診療をすると、血液検査やレントゲンをしなければいけなくなる時がありますが、アルジェリアでは診療した場所でそのようなことはできません。
血液検査はラボラトリー、レントゲンはレントゲン機関に自身で足を運ぶ必要があるのです。診療した医師からもらった処方箋をもとに検査機関に行き、結果が出たらまた最初に診断した医師のもとへ持って行きます。これだけでも日本より時間がかかってしまいます。
さまざまな医療機関体験談
歯のお掃除
アルジェリアにおいて歯医者さんを訪れるのはズバリ "歯が痛くなってから"です。歯の定期検診という習慣はありません。そのようなスタンスなので歯がないアルジェリア人もちらほら。
また日本の定期検診でよく行う歯のお掃除をアルジェリアで行うと血だらけになります。歯茎の中の歯周ポケットをしっかり掃除してくれるのですが、まるで針を刺しているかのように容赦ないので、うがいをした際に見る出血量に驚くこととなります。
予約自動キャンセル
医療機関以外にもよくあることですが、アルジェリアの予約システムで多いのは、当日や前日に予約確定の電話をしなくてはならないことです。
特に説明もされずに前回予約したからと当日そのまま訪れた際は、まだ本来ならば開いている時間なのに既に閉まっていたなんてことも。予約確定の電話がなく、お客さんもいなかったため早めに閉めたという理由も少なくありません。
このように確定連絡をしないと予約が勝手にキャンセルになってしまうことがあるので、確定連絡が必要か確かめたほうがいいです。
人によって考えが違う
もちろん日本の医療関係者でもこのようなことがあるでしょう。ただ、アルジェリアの場合はその範囲が広くて驚くかもしれません。
たとえば注射を行わなければならない際には、自身で注射針を薬局で購入しなければなりません。また、注射をしてくれるのは別の機関になります。
処方箋には注射の種類が記載されているものの、そこまで細かく書いていない場合がほとんどです。薬剤師の判断で注射針を出してもらうこととなりますが、注射をする医療機関では看護師に注射針の種類が違うと指摘されることも。後日看護師の言われたとおりに別の種類を購入して持って行っても、その日の担当の看護師にまた違うと言われる羽目に。
薬を見つけるのが大変
アルジェリアの薬は国内生産のものとヨーロッパ、主にフランスからの輸入のものがあります。全ての薬が国内生産でまかなえているわけではありません。
アルジェリアに薬局の数は多いのですが、特に輸入のものはすぐ無くなってしまうことが多く、必要な時に見つからないなんてこともしばしば。そんな時には100件くらい薬局に電話をかけて探さなければいけないことも。
採取したものは自身で運ぶ
アルジェリアでは一連の診療が同じ場所でできないと記載しましたが、これは重大な病気においても同じです。
たとえば、体の一部を切除した際には、病理検査に出すため、自身(家族)が切除した部位を持って検査機関まで行かなければなりません。
もちろん中は見えない状態ですが、日本では考えられないシチュエーションです。
アルジェリアの医療メリット
ここまで読むと、アルジェリアの医療事情は悪いように思いますが、メリットは何より薬が安く購入できることです。
元々アルジェリアの物価は安いため、薬も日本より随分安いのですが、保険で購入できるとさらに割引があるので低価格になります。
日本でも薬と聞くとそんなに高価なものは想像しにくいと思いますが、日本では保険対象外のものも多く、アルジェリアで低価格で購入できる場合もあります。
まとめ
アルジェリアの医療事情は想像をはるかに超えるものだと思いますが、他国でも似たようなシステムのところも多いです。
いざという時に焦らず対応するため、あらかじめ他国の最低限の医療事情について知っておくと良いかもしれません。
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川面 朝美
- 神奈川県出身。旅行好きな両親のおかげで幼い頃から外国に行く機会があり、自然と海外に興味を示す。大学ではフランス文学科を専攻、アメリカとフランスでの語学留学を得て、異文化コミュニケーションの大切さを学ぶ。その後ファッション業界に就職したのち、日本で出会ったアルジェリア人と意気投合。2018年11月に結婚し、現在はアルジェリアの首都アルジェにて刺激的な毎日を送っている。趣味: ダンス、テニス、ジム、旅行