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【富良野・山部】このユニークなため池は、なぜ作られたのか?
こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。
「北海道のへそ」と言われる富良野。
あの、一世を風靡したTVドラマ「北の国から」や、夏のラベンダー、冬は富良野スキー場で有名な町です。
その富良野の中心街から南に約15kmほどの所に位置する「山部(やまべ)」という町をご存じでしょうか。
全国的な知名度はまだまだですが「北海道らしい大自然の中で気持ちいい時間を過ごしたい」という人にぴったりの癒しの町です。
この記事では、富良野・山部のこの町独特のスポットについてご紹介します。
山部についての記事は以前も書いておりますので、ぜひそちらも見てください。
>>【富良野・山部】北海道で気持ちのいい朝を迎えたい人におすすめの穴場宿「太陽の里」
目次
絵になる山部駅
こちらが山部駅の駅舎です。
<山部駅舎>
根室本線を走る旭川駅から富良野駅を越えて、2つめの駅になります。
味わい深いプラットホームです。映画のワンシーンに出てきそうですね。
ちなみにTVドラマ「北の国から」の舞台「麓郷」はお隣の布部駅が最寄り駅ですが、山部駅からも麓郷まで車で15~20分ほどです。
大変残念ですが、この山部駅は2024年3月31日に廃駅が決まってしまったそうです。
ホームからは山部の町のシンボルともいえる名峰「芦別岳」を望むことができます。またニュージーランドでよく見られる色鮮やかなルピナスが自生していました。(私が訪れたのは6月下旬)
山部の町の風景
山部にはこれといった観光スポットはありません。
まっすぐ伸びた道と田園地帯が広がる、とてものどかな町です。
山部は盆地なのですが、さすが北海道、空が限りなく広い。
盆地というか、ほぼ平野ですね笑。
町のあちこちから芦別岳を仰ぎみることができます。6月でも残雪が見えます。
山部にある珍しいため池
さて、この記事の本題に入ります。
山部の町には観光地はありませんが、珍しいものがあります。
それがこの「ため池」です。
芦別岳からふんだんに流れてくる清らかな水を受け止めています。
ため池を下の方から見ると、こういう形状になっています。
なんのこのため池、段々畑のように段差が設けられているのです。
動画で見るとこういう感じです。
なぜため池がつくられたのか?
なぜ、こういう形状のため池が作られたのでしょうか?
山部の町を雄々しく見守っている名峰 芦別岳。
夏でも雪渓が残る、水が豊かな恵みの山です。盆地に山からの水が流れ下りてきます。
しかし雪解け水の為、また北海道という気候も影響して、芦別岳からの水はかなり水温が低い(冷たい)水なのです。
そのまま畑や田んぼに入れこむと農作物を育てるには冷たすぎて、農業に適しているとはいえません。
山部の人たちは考えました。「山から下りて来るこの冷たい水をなんとか温めることはできないだろうか?」と。
そしてこの段丘状の「ため池」が作られたのです。
段差を作り、下界の気温に当てながら徐々に水温を温め、農業に適した水を作りだしているのです。
生活の知恵ですね。
ちなみにこういったため池は、山部の町に3か所あるそうです。
夕暮れ時のため池は癒しムード満点です。デートスポットになるかな?笑。
ため池からの水で作られた農作物
芦別岳から豊富に流れてくる雪解け水を活かして、山部では甘みの高い農作物が出来ます。
私が訪れた6月下旬は、メロンの収穫が始まった頃でした。
富良野メロンは、全国的にも有名ブランドです。
その富良野メロンの中でも特に山部産のメロンがピカイチだと言われています。
赤身のメロン。
やはり赤身のメロンは違います。果物の王様ですね。
このメロンの他にも、すいか、とうもろこし、お米などが山部の特産です。
山からの豊富な水、朝晩の寒暖差、農作物作りに適した土壌、それらが相まって、美味しい作物が育つのです。
その中で農作物作りに適した水を作る為に、できた"ため池" これぞ山部の町の特産・財産と言えるのかもしれません。
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。