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【タイ】「スアン・パッカード宮殿」はバンコク観光コースに入れたい静かで涼しい博物館
タイの首都バンコク。空港からの鉄道と市内を巡るBTSが乗り入れるパヤタイ駅から5分ほどにある「スワン・パッカード宮殿」。
元々は親王の邸宅だったものが現在は博物館になっていて、楽器、仏像、遺跡、陶磁器、生活用品と、タイの芸術・文化に関する多くの品が展示され、貴重なタイ古来の高床式の建築物と広く美しい庭を眺めることもできます。タイの暑さで疲れたときにおすすめの、観光コースに入れておくと嬉しいひと休みスポットです。
目次
人気エリア・パヤタイ駅から5分の博物館
スワンナプーム空港からバンコク中心部まで行ける高速鉄道エアポートリンクとBTS(スカイトレイン)が通るパヤタイ駅。交通の便が良いのと、最近はおしゃれなホステルが多い街としても知られている人気エリアです。
このパヤタイ駅から徒歩5分ほどにある博物館、「スワン・パッカード宮殿」をご紹介します。行き方はとても簡単です。BTSのパヤタイ駅で降りたら4番出口を出て、左の階段で下へ。
<パヤタイ駅を降りたら4番出口へ>
<4番を出て突き当りの左の階段で下へ>
階段を降りてシー・アユタヤ―通りを右側へ進むと直ぐに右手にHONDAがあり、その先すぐにスワン・パッカード宮殿が見えてきます。
<右手に「HONDA」このすぐ先スワン・パッカード宮殿です>
親王の御所だった建物を博物館として公開
スワン・パッカード宮殿は、タイにヨーロッパの近代国家制度を取り入れ、今でも国民から深く敬愛されている国王ラーマ5世の孫にあたるチュムポット・バリパット・ナコーンサワン親王夫妻が御所として建てたものでした。外交官や文化大使でもあった親王は、芸術・文化に深い関心を持ち、タイの若い芸術家たちを応援していたことから、この宮殿内に収集していた古美術品を公開したのです。
「スワン・パッカード」という名前は、この場所がキャベツ(タイ語でパッカード)畑だったことに由来しています。
<元は親王夫妻の御所>
入場料は100Baht。カバンなどの荷物は受付のロッカーに預けることになります。南国風のウチワをもらえるのがありがたいです。
<受付でもらえる南国風のウチワ>
高床式住居の8つの展示館
スワン・パッカード宮殿は8つの展示館に分かれています。それぞれがタイの高床式の住居になっていて、タイの昔の王族の暮らしを感じることができます。写真撮影が可能な場所は限られているのですが、外観もとても美しいので、可能な限りの写真でご紹介します。
<楽器が飾られている第1展示室>
第1展示館の1階には主に楽器が展示されています。チュムポット親王の父、パリバット親王はタイ史上最高の音楽家の一人と称されていて、この父が所有してた太鼓や打楽器などが展示されています。
<大きな石仏の頭の部分>
第1展示館の2階には東南アジアの古代遺跡が展示。廊下の突き当りには大きな仏像の頭の部分が展示されていました。これは立った状態であれば3mほどの大きな石仏だったのでしょう。
<展示館をつなぐ渡り廊下>
第1展示館から渡り廊下を通って第2展示館へ。
<タイのベンジャロン焼き>
1階にはチュムポット女王の所蔵していた希少な岩石と鉱石。そして金箔の本棚、真珠の食器、象牙の小箱や香水瓶など、王室ならではの豪華な生活用品が展示。隣接の第3展示館の2階には「ベンジャロン焼き」と呼ばれる陶磁器が展示されています。
<客間だった第四展示館>
第4展示館は客間として使用されていたのですが、ここには仏教の掛け軸や仏像、仏陀の絵画などがある大きな仏間になっています。この建物は中庭に面していて、ここから広くて美しい中庭を眺めることができます。
<広く美しい中庭>
<中庭にある石仏>
世界文化遺産のバンチェン遺跡
第五展示館はバンチェン時代の古代遺跡や岩石や鉱石、そして魚介類の化石も展示されています。バンチェン遺跡は、紀元前2500年~2000年のもので、1992年には世界文化遺産に登録された非常に貴重な遺跡です。
<バンチェン遺跡が展示されている第5展示館>
<世界文化遺産のバンチェン遺跡>
<誰でも知っているラーマキエン物語>
第6展示館は「コーン博物館」と呼ばれていて、タイの舞踊で演じられるラーマキエン物語に登場する人物たちのお面や人形、タイの古典舞踊に用いる冠を展示しています。
「ラーマキエン」というのはタイの大人から子供まで誰でも知っている物語。日本で言えば桃太郎のようなもの。
アユタヤ国のラーマ王子がランカー国トサカンに王妃を誘拐され、弟のラックや猿のハヌマーンらと戦って救い出すことで知られる大叙情詩。このようなお面もいくつも展示されていました。
<タイの古典舞踊で用いられるお面>
第7展示室にはスコータイ王朝時代に発掘された品々と青磁器や陶磁器。第8展示室には、パリパット親王とチュムパット親王のコレクションである家庭用品が展示されてます。
<王室行列に使用された王室御座船>
こちらはカオ・クン・パヤームと呼ばれる王室御座船。ラーマ5世の時代に王室行列に使用されたもので、船体はオドラタ料ホペア素材で、船室はチーク材で作られています。
<特徴的な屋根が貴重なラッカー・パビリオン>
最後にご紹介するのがこのラッカー・パビリオン。これは1959年にアユタヤ方面の寺院から移築されたものです。この特徴的な屋根は17世紀のシャム国(タイの旧称)の文化を今に伝える貴重な建築物です。
1時間もあればゆっくり見学することができます。敷地内には何人かのスタッフがいて、「次はあっち」など順番を教えてくれるので、迷わず進むことができます。トイレもとても清潔ですので、ここで使っておくといいでしょう。タイの文化、芸術、歴史の鑑賞に、そして暑さで疲れた時の一休みにぜひお出かけください。
スアン・パッカード宮殿
- 住所:352 Thanon Si Ayutthaya, Thanon Phaya Thai, Ratchathewi, Bangkok 10400 タイ
- 拝観時間:9:00~18:00
- 公式サイト:スアン・パッカード宮殿
まとめ
タイの首都バンコク。人気エリアにあるパヤタイ駅から5分ほどにある「スワン・パッカード宮殿」。8つのタイ古来の高床式住居が展示館となっている博物館は見どころ満載。楽器や伝統舞踊、王族の生活用品や陶磁器、そして世界文化遺産に登録されたバンチェン遺跡や化石など、文化、芸術、歴史を鑑賞することができます。広く美しい庭を眺めながら、タイの暑さで疲れたときに是非お出かけください。
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KOJI SAITO
- 東南アジアの子ども達を支援しているNGO代表。活動の合間に聖地を巡り、現地の人々との触れ合いから直接聞いた情報をお伝えしています。国内では会社を経営し、出張で47都道府県を制覇。