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スペインの宿泊施設の種類と豆知識
<TOP画像:Agustín Martínez /©Madrid Destino>
旅に出る時、皆さんはどんな風に準備をしますか?
私はまず交通機関の予約をした後に宿泊先を探します。たいていはオンラインの予約サイトを使いますが、どんなところに泊まろうかと写真を見ながら探すのは出発前の楽しみのひとつです。今回はスペインにお越しになる皆さまのために、スペインの宿泊施設についてお話します。
目次
- 星の数1から5で分類されているホテル
- 昔のお城やお屋敷に泊まれるパラドール
- 宿泊費をおさえたいならオスタルやペンション
- 自炊ができるアパートメントホテルやアパートメント
- 世界中の旅行者と部屋を共有するユースホステル
- 自然を満喫できるカサ・ルラルやカサ・デ・カンポ
- 最後に
星の数1から5で分類されているホテル
もっとも利用者が多いのはやはりホテルでしょう。ホテルは1~5つの星でランク付けされており、数が多いほどグレードが高くなります。星の数によってどんな違いがあるのかは自治州によって少々異なるのですが、参考にマドリード州の例を挙げてみます。
- 1つ星:最低部屋面積はダブルルームで12平方メートル、シングルルームは7平方メートル、バスルームは3.5平方メートル。エレベーターと暖房がある。
- 2つ星:最低部屋面積はダブルルームで14平方メートル、シングルルームは7平方メートル、バスルームは3.5平方メートル。エレベーター、暖房、セキュリティーボックス、電話機がある。
- 3つ星:最低部屋面積はダブルルームで15平方メートル、シングルルームは8平方メートル、バスルームは4平方メートル。エレベーター、暖房、セキュリティーボックス、電話機に加えて、館内共有スペースのエアコンとバルがある。
- 4つ星:最低部屋面積はダブルルームで16平方メートル、シングルルームは9平方メートル、バスルームは4.5平方メートル。エレベーター、暖房、セキュリティーボックス、電話機、エアコン、室内ミニバー、また館内バルがある。
- 5つ星:最低部屋面積はダブルルームで17平方メートル、シングルルームは10平方メートル、バスルームにはシャワーとバスタブの両方があり35平方メートル。エレベーター、暖房、セキュリティーボックス、電話機、エアコン、館内のバル、そして部屋にミニバーのほか、たいてい24時間体制のルームサービスがある。5つ星ホテルの中でも特にラグジュアリーなホテルは"5つ星グラン・ルホ(GL)"に分類されている。
<最近はルーフトップバーを営業するホテルが多い/©VisitValencia>
実際に泊まるとなると、立地条件、朝食や無料Wifiの有無、チェックイン・チェックアウトの時間なども気になりますね。バスタブが必要な方はあらかじめ確認したり、事前にリクエストすることをおすすめします。
昔のお城やお屋敷に泊まれるパラドール
スペインのホテルの中で特徴的なのが国営のパラドールです。現在97軒あり、その多くは歴史ある古城や修道院、貴族のお屋敷を改装したもので独特の雰囲気が抜群(※一部新しい建物のところもあります)!! 人気のパラドールになるとなかなか予約が取れません。パラドールのレストランはその土地の郷土料理が食べられるので、泊まらないとしても足を運ぶ価値はありますよ。
<左にある古城はアラルコンのパラドール>
詳しいパラドールの情報は公式サイトをご覧ください。
宿泊費をおさえたいならオスタルやペンション
ホテルよりも安く泊まれるのがオスタルやペンションで、1~3つ星でランク付けされています。ホテルは建物全部を使っていることに対しオスタルやペンションは建物のワンフロアなど一部を使っているため、専用の入り口がないことも。また、ホテルほどの設備が備わっておらず朝食やエレベーターがなかったりバスルームが共同だったりしますが、旅行代を節約したい場合やただ寝るだけの宿泊ならおすすめです。私も若い頃はお世話になりました。
自炊ができるアパートメントホテルやアパートメント
キッチン付きで自炊ができ洗濯機も付いていることが多く、長期滞在に向いているのがアパートメントホテル。キッチンには冷蔵庫のほか最低限の調理器具や食器類が備わっています。グループでの旅行やお子様連れの旅行の際にも便利です。
最近は民泊のアパートメントも増えています。最近泊まったハエンの民泊のアパートメントは建築家がオーナーということだけあり、旧市街の古い建物の中が現代風にリフォームされていて広くきれいで快適でした。スーツケースに入れていた綿素材の服がしわになっていたのですが、アイロンまであって助かりました。
<ハエンで泊まって気に入った民泊のアパートメントPiso-Loft COS Jaén Centro 写真提供:COS Real Estate>
<リビングダイニングスペースの居心地は抜群でした 写真提供:COS Real Estate>
民泊のアパート1戸貸し切りの場合はキーボックスがあったり暗証番号でドアを開けるシステムだったりと、管理人さんと顔を合わせないこともあります。フロントがあるわけではないので、何かあったら電話やチャットで連絡を取ることになります。どちらかと言うと旅慣れた人向けですね。
世界中の旅行者と部屋を共有するユースホステル
ユースホステルはスペイン語ではアルベルゲ・フベニルと呼ばれ、国内に約300軒も存在します。バックパッカー御用達の宿ですね。安く泊まれる代わりに、基本は相部屋になり、もちろんバスルームも共同です(一部のユースホステルには個室もあり)。運が良ければ、そこで出会いがあり友達ができることも。ユースホステル探しには、こちらのサイトが便利です。
なお、巡礼路にあるアルベルゲは巡礼者専用の格安(もしくは寄付金)で泊まれるドミトリー形式の宿泊施設になります。
自然を満喫できるカサ・ルラルやカサ・デ・カンポ
カサ・ルラルやカサ・デ・カンポと呼ばれる田舎家を貸している形態もあります。スペイン人が大好きな宿泊施設です。グループ旅行や子連れ旅行には特におすすめ。私が何度かお邪魔しているところは管理さんが敷地内に住んでいて、ひとつの建物の中にキッチン付きの部屋がいくつかあります。まさに山の中の一軒家で携帯の電波を拾うのも大変。でも、それも日常から離れるいい機会ですよね。
<お気に入りの田舎家宿泊施設Finca Heredad La Boquilla。目の前はオリーブ畑>
>>Finca Heredad La Boquillaの公式サイトはこちら
<まさに田舎家の雰囲気満点の寝室>
<気分が上がる暖炉付きの部屋>
こういった宿はレンタカーを借りるかあらかじめ飲み物や食べ物を買い込んでタクシーを使う手はありますが、田舎にあるために列車やバスで行くのが難しいことが欠点といえます。
最後に
宿泊先探しの時には写真は大事な情報になりますが、実際に着いたら「違う!」ということもあります。空きがあれば部屋を替えてくれることもあるので、納得できない場合はフロントに言ってみましょう。また、口コミがある場合は読んでみると参考になります。今は自動翻訳機能でだいたい言わんとすることはわかるので便利になりました。せっかくのスペイン旅行なので「また泊まりたい!」と思えるいい宿に巡り合いたいものですよね。
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。