海外旅行の費用はいくらかかる? 内訳や安くする方法など

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世界の美しさに気づける絶景や世界遺産、エキゾチックな街歩きに魅惑のグルメの数々と、やっぱり行きたい海外旅行。とはいえ、近年は各国で物価高や円安が進み、旅行費用がちょっと心配......という人も多いはず。

そこで、最近も世界各地を旅してきた筆者が、海外旅行にかかる費用を徹底紹介。費用の内訳のほか、国ごとの費用の目安、安く行くコツも紹介します。この記事を参考に、世界へと旅に出てくれたら嬉しいです。

目次

<1. 海外旅行にかかる費用はいくらくらい?>

<2. 海外旅行にかかる費用の内訳>

<3. 海外旅行が高くなる時期、安くなる時期>

<4. 海外旅行先の国ごとの費用の目安>

<5. 海外旅行を安くする方法>

1. 海外旅行にかかる費用はいくらくらい?

さて、海外旅行にかかる費用って、いくらくらいが一般的なのでしょうか。国土交通省観光庁「旅行・観光消費動向調査」2019年1~12月期の調査によると、2019年の海外旅行費用の平均は24万1,698円。ただし、最近は各国で物価高が進み、以前に比べ円安も進んだため、海外旅行にかかる費用はもう少し割高になっています。

もちろん、旅行先や日数、出発する時期、旅行スタイルなどによって、費用は大きく変わります。海外旅行費用として最も安いラインは、韓国や台湾、フィリピンといった近場の国へ、2泊3日程度の短期で行く旅行で、約5万円が相場。一方、最も高いラインは、中南米やアフリカなど遠い地域の国へ、2週間程度の長期で行く旅行で、約50万円が相場です。

2. 海外旅行にかかる費用の内訳

海外旅行にかかる費用は、飛行機などの交通費からパスポートの申請費まで、多岐にわたります。そこで、海外旅行費用の内訳について、参考の金額とともに見ていきましょう。

飛行機などの交通費

海外旅行費用の中でも大きなウェイトを占めるのは、なんといっても航空券代。基本的に、日本から近い国ほど安く、遠い国ほど高くなります。最近はLCCも増え、同じ目的地でも、航空会社によってその費用は変わるようになりました。では、航空券代の例を見てみましょう。

【航空券代(通常期、往復、エコノミークラス)】

  • 成田~ソウル(ティーウェイ航空)......約1万8,000円
  • 成田~ソウル(日本航空)......約3万7,000円
  • 成田~バンコク(エアアジア)......約4万3,000円
  • 成田~バンコク(タイ国際航空)......約6万1,000円
  • 成田~パリ(ベトナム航空)......約9万円
  • 成田~パリ(エールフランス)......約13万1,000円

また現地でも鉄道やバス、タクシーなど、移動のための交通費がかかります。パリを例に、金額を確認しましょう。

【現地交通費(パリ)】

  • 地下鉄1回券......約270円
  • バス1回券......約270円
  • タクシー(シャルル・ド・ゴール国際空港→コンコルド広場)......約7,600円

燃油サーチャージ

格安の航空券を買おうと思ったら、総額が意外と高かった......なんて経験がある人も多いはず。実はこれ、運賃だけでなく、燃油サーチャージの費用もかかるから。金額は区間ごとに定められ、航空会社によっても異なりますが、最近は原油価格の高騰でやや高くなる傾向があります。ここでは日本航空(JAL)を例に、燃油サーチャージの費用を見てみましょう。

【燃油サーチャージ(JAL、日本発の片道、2023年4~5月発券)】

  • 韓国......4,100円
  • 東アジア(韓国、モンゴルを除く)......8,800円
  • フィリピン、ベトナムなど......1万2,700円
  • タイ、シンガポールなど......1万9,600円
  • ハワイ、インドネシアなど......2万3,600円
  • 北米、ヨーロッパなど......3万6,800円

飲食費

海外旅行の楽しみといえば、現地の美味しいグルメを味わうこと。もちろん、どんなレストランで食事をするかによって、その費用は変わってきます。また、アメリカやカナダのほか、ヨーロッパの多くの国では、チップも必要。ここではハワイのホノルルを例に、飲食費を確認しましょう。

【飲食費(ホノルル)】

  • カフェでパンケーキ......約2,500円
  • ローカルレストランでガーリックシュリンプ......約2,800円
  • 高級レストランでディナーコース......約3万2,000円
  • コンビニで缶ビール......約330円

宿泊費

航空券に次いで大きな費用がかかるのは、ホテルなどの宿泊費。同じ都市であっても、どのグレードの宿に泊まるかによって宿泊費は大きく変わります。また、多くの旅行客が訪れる繁忙期には、全体の宿泊費も高くなりがち。ここではタイのバンコクを例に、宿泊費を見てみましょう。

【宿泊費(バンコク、通常期、1泊)】

  • ゲストハウス(ドミトリー)......約600円
  • 3つ星ホテル(共用バスルーム)......約2,500円
  • 4つ星ホテル(専用バスルーム)......約6,900円
  • 5つ星ホテル(スイートルーム)......約2万2,000円

お土産代

美味しいチョコレートに、その土地の民芸品......。せっかく海外旅行へ行ったなら、記念のお土産も買いたいもの。ここではイギリスのロンドンを例に、お土産代をチェックしてみましょう。

【お土産代(ロンドン)】

  • イギリス王室の缶入りクッキー......約1,300円
  • プレスタの箱入りチョコレート......約2,300円
  • フォートナム&メイソンの紅茶ティーバッグ......約820円
  • パディントンのぬいぐるみ......約5,400円

パスポート申請費

海外旅行に必須の持ち物といえば、もちろんパスポート。新たにパスポートを取得するときは、申請手数料がかかります。では、10年用と5年用、それぞれの申請手数料を確認しましょう。

【パスポート申請手数料】

  • 10年用......1万6,000円
  • 5年用(12歳以上)......1万1,000円
  • 5年用(12歳未満)......6,000円

このほか、現地の観光施設入場料、ツアーやアクティビティの参加費、現地で使うSIMカードやレンタルWi-Fiの費用、海外旅行保険の保険料などがかかります。

3. 海外旅行が高くなる時期、安くなる時期

海外旅行費用のうち、航空券代と宿泊費は時期によって大きく差が出ます。

とくに航空券代は、GWやお盆休み、年末年始といった繁忙期に高くなり、GWを除く4~5月、年末年始を除く12~1月といった閑散期に安くなるのが特徴。

また通常期でも週末に出発する航空券は高く、平日に出発する航空券は安い傾向があります。

さらに宿泊費は、現地に旅行者が多く訪れるベストシーズンに高くなり、寒い冬や雨季などのシーズンに安くなることを覚えておきましょう。では、リゾート地として人気のフィリピン・セブ島を例に、航空券代と宿泊費の時期による違いを確認してみます。

【航空券代(成田~セブ往復、エコノミークラス)】

<フィリピン航空>

  • GW(繁忙期)......約19万3,000円
  • 5月下旬(閑散期)......約7万円

<セブパシフィック航空>

  • GW(繁忙期)......約7万7,000円
  • 5月下旬(閑散期)......約2万9,000円

【宿泊費(セブ、1泊)】

<3つ星ホテル(専用シャワールーム)>

  • 5月(乾季)......約7,700円
  • 6月(雨季)......約6,400円

<5つ星ホテル(専用シャワールーム)>

  • 5月(乾季)......約1万8,000円
  • 6月(雨季)......約1万6,000円

4. 海外旅行先の国ごとの費用の目安

海外旅行費用を決める大きな要素は、どこの国へ旅に出るか。そこで、通常期に一般的なスタイルの旅に出る想定で、地域ごとの旅行費用の目安を紹介します。

東アジアの場合(韓国、台湾など)

安い費用で行ける海外旅行先といえば、韓国や台湾などの東アジア。安・近・短が揃った旅行先で、約5万~10万円が相場です。

【韓国2泊3日】

  • 航空券代(チェジュ航空)......約1万8,000円
  • 燃油サーチャージ(チェジュ航空)......8,200円
  • 飲食費(サムギョプサルなど)......約8,000円
  • 宿泊費(4つ星ホテル)......約1万4,000円
  • その他(お土産代など)......約1万円

<合計>約5万8,200円

【台湾3泊4日】

  • 航空券代(スクート)......約3万7,000円
  • 燃油サーチャージ(スクート)......0円
  • 飲食費(小籠包など)......約9,500円
  • 宿泊費(4つ星ホテル)......約2万3,000円
  • その他(お土産代など)......約8,000円

<合計>約7万7,500円

東南アジアの場合(タイ、シンガポールなど)

物価が安く、現地での出費を抑えて旅できるのが、タイやシンガポールなどの東南アジア。短期でも行きやすく、相場は約8万~15万円です。

【タイ4泊6日】

  • 航空券代(エアアジア)......約5万7,000円
  • 燃油サーチャージ(エアアジア)......3,600円
  • 飲食費(トムヤムクンなど)......約8,500円
  • 宿泊費(4つ星ホテル)......約2万2,000円
  • その他(お土産代など)......約8,000円

<合計>約9万9,100円

【シンガポール3泊5日】

  • 航空券代(スクート)......約5万7000円
  • 燃油サーチャージ(スクート)......0円
  • 飲食費(海南鶏飯など)......約1万1000円
  • 宿泊費(4つ星ホテル)......約5万1000円
  • その他(お土産代など)......約8,000円

<合計>約12万7,000円

ヨーロッパの場合(フランス、スペインなど)

憧れの旅行先であるヨーロッパは、航空券も高く、現地の物価も高い地域。相場は約20万~40万円ですが、それだけの魅力に溢れた旅行先です。

【フランス5泊7日】

  • 航空券代(エールフランス)......約13万1,000円
  • 燃油サーチャージ(エールフランス)......6万5,800円
  • 飲食費(ブイヤベースなど)......約2万7,000円
  • 宿泊費(3つ星ホテル)......約11万円
  • その他(お土産代など)......約1万4,000円

<合計>約34万8,000円

【スペイン6泊8日】

  • 航空券代(カタール航空)......約19万6,000円
  • 燃油サーチャージ(カタール航空)......0円
  • 飲食費(パエリアなど)......約3万2,000円
  • 宿泊費(3つ星ホテル)......約7万8,000円
  • その他(お土産代など)......約2万5,000円

<合計>約33万1,000円

アメリカの場合(ニューヨーク、ハワイなど)

円安が進んだ影響で、以前よりも旅費がかかるようになったアメリカ。相場は、ニューヨークなどの本土は約30万~50万円、ハワイは約20万~30万円です。

【ニューヨーク5泊7日】

  • 航空券代(ユナイテッド航空)......約17万2,000円
  • 燃油サーチャージ(ユナイテッド航空)......6万6,000円
  • 飲食費(ハンバーガーなど)......約2万4,000円
  • 宿泊費(3つ星ホテル)......約16万円
  • その他(お土産代など)......約1万3,000円

<合計>約43万5,000円

【ハワイ4泊6日】

  • 航空券代(ZIPAIR)......約9万1,000円
  • 燃油サーチャージ(ZIPAIR)......0円
  • 飲食費(ロコモコなど)......約2万1,000円
  • 宿泊費(3つ星ホテル)......約10万4,000円
  • その他(お土産代など)......約1万2,000円

<合計>約22万8,000円

5. 海外旅行を安くする方法

ここまで見てきたように、物価高や円安もあって以前より少し割高になった海外旅行。それでも海外へ旅に出たいとき、どうにかして安く行く方法はないのでしょうか?

海外旅行費用の中でも、とくに高いのは航空券代と宿泊費。なかでも大きな壁となる航空券代を抑えるには、LCCを利用するのがおすすめ。日系のPeachやZIPAIR、韓国系のチェジュ航空やティーウェイ航空、台湾系のタイガーエアなど、フルサービスキャリアに比べ破格の安さで行けるのが魅力。また、ヨーロッパへ行くときは、日系やヨーロッパ系の直行便よりも、東南アジア系や中東系の経由便を利用した方が費用は抑えられます。

一方、現地での宿泊費を抑えるには、高級ホテルは我慢してリーズナブルなホテルやゲストハウスに泊まるのがおすすめ。さらに、市内中心部のホテルよりもやや不便にはなるものの、少し外れた立地のホテルの方が安くなります。また現地では、極力タクシーは利用せず、地下鉄やバスなど公共交通機関を利用して移動することで、交通費を抑えることも可能。そして食事は、観光客向けのレストランではなく地元の人向けのローカルなレストランへ行けば、飲食費も安くできます。

航空券やホテルを予約するときは、できるかぎり早くから動き始めることも大事。ただし、必ずしも予約が早ければ早いほど安いとは限らないのもポイントです。航空券もホテルもその時々で料金は変動するので、こまめに航空券やホテルの料金をチェックして、安くなるタイミングを見逃さないこと。慎重に見計らう気持ちと大胆に狙う気持ち、両方が大切なのです。

このほか、航空会社のマイルが貯まるクレジットカードを作って、日頃の生活費の支払いに使うことで、特典航空券と交換できるマイルを貯めるのもおすすめです。


国内旅行に比べると、どうしても費用がかかる海外旅行。でも、異国を自由に旅する経験は、一生の思い出になるのはもちろん、かけがえのない宝物にもなります。長く海外へ行けない日々で気づけたのは、海外へ旅に出られるタイミングがあったらそのチャンスを逃さないこと。新たな好奇心を胸に、まだ見ぬ世界へと旅に出てみてください。

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手塚 大貴

沢木耕太郎氏の『深夜特急』がきっかけで、アジアやヨーロッパ、南米など世界各地をひとり旅。オリンピックやサッカーワールドカップなど、スポーツ観戦の旅も好き。実は世界遺産検定マイスター。旅エッセイやコラムも得意としています。

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