神社のおみくじ基礎知識! 面白いおみくじのある神社も紹介

初詣で神社を訪れたとき、また旅先の神社を参拝したとき、思わず引きたくなる「おみくじ」。何気なく引くことも多いかもしれませんが、その歴史や吉凶を知ることで、おみくじを引く楽しみは広がっていきます。

この記事では、そんなおみくじの歴史や引き方、吉凶の種類や意味などを詳しく紹介。さらに、ちょっと面白いおみくじを引ける全国の神社も紹介しているので、気になるおみくじがあったら出かけてみましょう!

目次

<1. 神社のおみくじはどうやって誕生した? その歴史について>

<2. 神社のおみくじの引き方>

<3. おみくじに和歌?>

<4. おみくじの構成>

<5. 神社のおみくじの凶や吉の種類と意味>

<6. 個性的で面白い神社のおみくじ>

1. 神社のおみくじはどうやって誕生した? その歴史について

日本各地の神社で引くことができるおみくじ。その起源はどこにあるのでしょうか。

古くから日本では、物事を公平に決める「くじ」に、神様の意思が表れる、と考えられてきました。とくに、国の政治に関わる重要事項や後継者選びのとき、神の意志を知るために「くじ」が使われていたのです。

そんな「くじ」から庶民にも親しまれる「おみくじ」が生まれたのは、鎌倉時代の頃。当時、中国から「天竺霊籤(てんじくれいせん)」と呼ばれる古いくじの文化が入り、それをベースに天台宗の僧・元三大師(がんざんだいし)が作ったのが、日本のおみくじの原型である「元三大師百籖(ひゃくせん)」でした。その特徴は、運勢や吉凶を漢詩に詠んでいること。このおみくじは各地のお寺に広まっていき、神社でもこれを基にしたおみくじが使われるようになりました。さらに江戸時代には、流行のおみくじへと発展していったのです。

しかし、明治時代に入ると神仏分離令によって神社とお寺が区別されることになります。神社としては、仏教を起源とするおみくじが使えなくなり、神社独自のおみくじを作る機運が高まります。そうして生まれたのが、漢詩ではなく日本の和歌が詠まれた、現代につながる神社のおみくじだったのです。

今も昔も、神社でおみくじを引く理由は、神様の意思を伺うため。吉凶に一喜一憂するのではなく、その内容を神様からのメッセージとして、今後の指針にしていくことが大切です。

2. 神社のおみくじの引き方

神社のおみくじの引き方にももちろんマナーがあります。そこで、おみくじの引き方の流れを3つに分けて紹介します。

2.1 参拝をする

参拝
<出典元:写真AC

神社を訪れたらおみくじを引く前に、まずは神様へのご挨拶として参拝をすることが大切。参拝する前におみくじを引くのはマナー違反です。

鳥居の前で一礼し、手水舎(ちょうずや)で手と口を清め、本殿あるいは拝殿の前へ。鈴を鳴らし、お賽銭を入れ、「二礼二拍手一礼」で参拝しましょう。

2.2 おみくじを引く

おみくじ
<出典元:写真AC

参拝を終えたらおみくじを引きましょう。初穂料(はつほりょう)を納め、願い事や目標、相談事などを神様に伝えて、気持ちを集中しておみくじを引きます。おみくじを受け取ったら吉凶を見るだけでなく、和歌や各項目の運勢を読み、神様からのメッセージとして心の中に留めるようにしましょう。

ちなみに、吉凶の結果が良くなかったとき、もう1回引きたい......と思うこともあるかもしれません。おみくじには、1回しか引いてはいけないというルールはありません。でもなるべくなら、導きによって受け取ったメッセージを有り難く頂いて帰るのがいいでしょう。

2.3 おみくじ掛けに結ぶか持ち帰る

おみくじ
<出典元:写真AC

受け取ったおみくじを神社に結んで帰るのか、そのまま持ち帰るのか、迷ってしまう人も多いはず。実は神社によっても見解は異なり、正式な決まりはありません。でも最近は、そのまま持ち帰って日常生活の中で読み返すのが良い、とする神社が多いようです。

おみくじを神社に結ぶのは、神様と縁を「結ぶ」ことに由来する行為。境内の木の枝に結ぶ人も多いですが、木の生育を妨げてしまうことがあるので、おみくじ掛けなど所定の奉納場所に結んで帰りましょう。

おみくじを持ち帰ったときは、財布の中に入れて持ち歩いたり部屋の引出しに大事にしまったりして、ときにおみくじを読み返します。そのメッセージの中に、思わぬ気づきを見つけられることもあるはず。1年ほどは保管し、後にお焚き上げをしてもらうか、神社に結びに行くのがいいでしょう。

2.4 神社のおみくじはどこで引ける?

神社のおみくじ
<出典元:写真AC

おみくじが引ける場所は神社によって異なりますが、最も一般的なのは境内の社務所でおみくじを引ける神社。この場合、細長い棒がたくさん入った六角柱の箱を振り、中から1本だけ棒を出し、そこに書かれた番号を受付の方に伝えておみくじを頂くのが基本。このほか、大きな箱の中にたくさんのおみくじが入っていて、その中から参拝者が自らおみくじを取る神社もあります。

また最近は、自動販売機タイプのおみくじも増えています。小さな神社などでよく見かけ、硬貨を入れると自動でおみくじが落ちてくる仕組みです。さらに近年注目されているのが、インターネットのサイトで引けるおみくじ。たとえば、東京都港区の愛宕(あたご)神社では、公式サイトの「おみくじを引く」をクリックするだけで、実際に神社で引くおみくじと変わらない、運勢や吉凶が書かれたおみくじが現れます。気軽に運勢を占いたいときにおすすめです。

3. おみくじに和歌?

おみくじ
<出典元:写真AC

神社でおみくじを引くと、そこに和歌が書かれていることが多いはず。実はこの和歌こそ、おみくじの本文であることを知っていましたか?

おみくじとは、神様が和歌という形でそのメッセージを伝えるもの。日本では古代から夢の中に神様が現れて、和歌のお告げを頂けると考えられてきました。実際、平安時代の『古今和歌集』には、神様であるスサノオノミコトがこの世で初めて31文字の和歌を詠んだことが書かれています。当時は、巫女(みこ)を通じて神様の意思を和歌で聞く「歌占(うたうら)」が流行。さらに、室町時代には弓に結びつけた短冊から1枚を選ぶ歌占、江戸時代には賽(さい)を振って出た数に対応する歌を書物から探す歌占が広まりました。

この歌占の伝統がおみくじに和歌を載せる発想へとつながったのです。現代でも、おみくじに書かれている和歌を読み、自分の願いや悩みと重ね合わせ、自分なりの解釈でアドバイスとして受け取ることが大切です。

4. おみくじの構成

おみくじ
<出典元:写真AC

神社で引くおみくじには、吉凶や和歌の他にどんなことが書かれているのでしょうか。もちろん神社によっても異なりますが、おおよそ次のような構成が一般的です。

まず、おみくじの番号の下に吉凶と和歌が書かれています。さらに和歌の現代語訳と、それに基づいたアドバイスが書かれているのが基本。おみくじの中で最も重要な部分なので、じっくり読むようにしましょう。

そして、その下には項目別の運勢が並び、願望、待ち人、失せ物、商売、仕事、学問、恋愛、縁談、争い事、転居、旅行、出産、病気などについて、簡潔なアドバイスが書かれています。このうち、「待ち人」は自分の運命を良い方向に導いてくれる人が現れるか、「失せ物」は物に限らず探している何かに巡り会えるかを表す項目。それぞれの運勢については、自分の願いや悩みと関係のある項目に注目するのがポイントです。

5. 神社のおみくじの凶や吉の種類と意味

おみくじ
<出典元:写真AC

神社でおみくじを引いたら、やっぱり気になる吉凶。その種類と意味を知っていますか?

吉凶の運勢の順番は神社によって異なりますが、最も一般的なのは「大吉→吉→中吉→小吉→末吉→凶」の順に良いとされるパターン。その次に多いとされるのが、「大吉→中吉→小吉→吉→末吉→凶」の順に良いとされるパターンです。また神社によっては、半吉や平、小凶や大凶があることも。その運勢の順番については、おみくじを引いた神社に聞いてみるのがいいでしょう。

大吉を引いたら嬉しいし、凶を引いたらがっかりしてしまうのが、人間というもの。でも、おみくじは吉凶だけにとらわれないことが大事。たとえば、陰陽道に由来する考え方として、大吉や凶はその反対になりやすいとする説もあります。また、大吉は最高の運勢なものの、今後は下降していく局面に入り、凶は悪い運勢なものの、今後は上昇していく期待が持てる、という考え方もできるはず。実際、おみくじをよく読めば、大吉でも厳しいアドバイス、あるいは凶でも前向きなアドバイスが書かれていることもあります。

6. 個性的で面白い神社のおみくじ

全国にはちょっと変わったおみくじを引ける神社があります。そこで、個性的で面白い神社のおみくじを5つ厳選して紹介します。

6.1 えぞみくじ(北海道の各神社)

北海道各地にある14の神社で楽しめるのが、ご当地おみくじの「えぞみくじ」。神社がある地域の特産品や名物をモチーフに、可愛らしい張り子で作られたおみくじです。

たとえば、函館市の湯倉神社のえぞみくじは、名産のイカをモチーフに、釣り竿で張り子のイカを釣る「イカすおみくじ」。また、苫小牧市の樽前山神社はホッキ貝の「一念発起みくじ」、江別市の錦山天満宮は赤れんが倉庫であるサイロの「幸路(さいろ)みくじ」、美瑛町の美瑛神社はトウモロコシの「富諸来し(とみもろこし)みくじ」と、その土地ならではのおみくじばかりで、ユニークな張り子はお土産にもぴったり。おみくじは北海道弁で書かれ、それを読み解くのもワクワクします。

湯倉神社の基本情報

  • 住所:北海道函館市湯川町2丁目28-1
  • 公式サイト:湯倉神社

樽前山神社の基本情報

錦山天満宮の基本情報

  • 住所:北海道江別市野幌代々木町38-1
  • 公式サイト:錦山天満宮

美瑛神社の基本情報

6.2 一球入魂みくじ(箭弓稲荷神社)

一球入魂みくじ(箭弓稲荷神社)
<出典元:写真AC

埼玉県東松山市にある箭弓(やきゅう)稲荷神社のおみくじは、その名も「一球入魂みくじ」。かつて源頼信が箭(矢)の形をした雲が飛んでいくのを目撃し、戦に勝利したことに由来する名の神社ですが、その名が「野球」にも通じることから、野球関係者の参拝も多い神社。そのおみくじこそ、白球に赤い縫い目の野球ボールの形をした、一球入魂みくじなのです。

応援している野球チームの運勢を占うのにもぴったりのおみくじ。野球ボールのデザインが可愛いので、記念に持ち帰るのもいいでしょう。

箭弓稲荷神社の基本情報

6.3 鯛みくじ(川越氷川神社)

鯛みくじ(川越氷川神社)
<出典元:写真AC

縁結びの神様として知られる、埼玉県川越市の川越氷川神社で引けるのが、一風変わった「鯛みくじ」。その名のとおり、鯛の形をした張り子のおみくじで、釣り竿でひょいっと釣ると、その尻尾におみくじが挟まっています。

鯛みくじは、通常の「一年安鯛みくじ」と恋愛に特化した「あい鯛みくじ」の2種類。季節によって限定色の鯛が仲間入りする「あい鯛みくじ」は、花の名前と花言葉、恋愛の出会いや進展が書かれ、思わずキュンと誰かを待ちたくなるような恋愛のアドバイスを頂けます。

川越氷川神社の基本情報

6.4 うさぎみくじ(岡崎神社)

うさぎみくじ(岡崎神社)
<出典元:写真AC

京都府京都市の岡崎神社で引けるのは、可愛らしい「うさぎみくじ」。かつて一帯は野うさぎの生息地で、多産なうさぎは神の使いとされました。うさぎみくじは、愛くるしいうさぎの形をした容器の中におみくじが入っています。

うさぎみくじには、ピンクうさぎと白うさぎの2種類ありますが、思わず目を奪われてしまうのは、うさぎの表情がそれぞれ異なっていること。1番可愛いうさぎを選んでもいいですし、ふっと目が合ったうさぎを選ぶのもいいでしょう。おみくじを引いた後のうさぎは、神社に奉納するだけでなく、お守りとして持ち帰ることもできます。

岡崎神社の基本情報

  • 住所:京都府京都市左京区岡崎東天王町51番地
  • 関連サイト:岡崎神社

6.4 恋みくじ(布忍神社)

大阪府松原市の布忍(ぬのせ)神社で引ける「恋みくじ」は、その独特なインパクトにびっくりするおみくじ。ハガキ大の紙にストレートすぎるメッセージが書かれ、思わず心を射抜かれてしまうこと間違いなし。

実はこの恋みくじ、現代美術アーティストのイチハラヒロコさんとのコラボレーションで生まれたおみくじ。男女間の恋だけでなく、家族や友達、仕事など、あらゆる恋につながるメッセージが書かれているので、自分なりに解釈して答えを出すのがポイントです。

布忍神社の基本情報

  • 住所:大阪府松原市北新町2丁目4-11
  • 公式サイト:布忍神社

神様からのメッセージとして、日々を生きるヒントを与えてくれる、神社のおみくじ。全国各地の神社を訪れたら、その神社の個性が込められたおみくじを引いてみましょう。心の中にある願いや悩みに、すっと新しい方向性が照らし出されることもあるはず。希望を持って未来へと生きていくこと......、そんな力をプレゼントしてくれるのが、神社のおみくじなのです。

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