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ブエノスアイレスの老舗カフェ3店がリニューアルOPEN
ブエノスアイレスの楽しみの一つであるカフェ。
この街の騒々しい喧騒から一息つきたい時、照りつける強い日差しから逃れて開く扉の先は、幻想的でワクワク感を最大限に味わいながらもゆっくりと休息できる場所でもある「カフェ」。
今回は、閉鎖していた人気カフェのリニューアルOPENを紹介します。
目次
ラ・プエルトリコ(La Puerto Rico)
アルゼンチン共和国の大統領府(カサ・ロサーダ)がある5月広場からすぐにたたずむ老舗カフェテリアです。
バー・ノタブレ(伝統的なカフェやバーに付けられる称号)にも掲載される「ラ・プエルトリコ」は、1887年11月にオープン。1930年代に改装されアールデコの装飾が施された美しい店内は多くの人から愛されました。テーブルは70席、180名が収容可能。コーヒー豆が店頭で販売されているほど、カフェが自慢です。
ブエノスアイレス市の議会は、ラ・プエルトリコを「カフェ・ノタブレ」に加えましたが、COVID-19のパンデミックによって、近年は閉鎖されていました。2022年12月に再開し、また多くのファンを呼び戻しています。
タンゴの作曲家エンリケ・カディカモ(Enrique Cadicamo)が通った店ということで、以前はカディカモの人形が置いてありましたが、現在は不在のようです。タンゴ好きにはそれがとても残念。
以前、プエルト・マデーロ地区にあるUCA(大学)のスペイン語講座に通っていた際、学校に向かう途中のプエルトリコでカフェとメディア・ルナ(甘いクロワッサン)をテイクアウトした思い出が蘇ります。
寒い時期の早朝、プエルト・マデーロ周辺はラプラタ河からの霧に覆われてとても幻想的です。温かいカフェと甘いメディア・ルナが、ひんやりとした空気と見慣れない霧に感じる微妙な不安を和らげてくれました。
<ラ・プエルトリコ(La Puerto Rico)>
- 住所:Adolfo Alsina 416, C1087 CABA, アルゼンチン
- 営業:月曜~日曜日、8:00~20:00
- Instagram:La Puerto Rico Cafe
コンフェテリア イデアル(Confitería La Ideal)
1910年から続く歴史あるカフェで内装が豪華な「コンフィテリア イデアル」は、映画撮影で使わることもあり、ブエノスアイレスのカフェの中でも特別な場所として位置づけられてきました。
2016年3月に一度閉店して、改装工事を続けていましたが、2022年11月にリニューアルオープン。話題を集めています。
お店に入ると、手前に持ち帰り用の店舗があり、ケーキ屋パン、マカロン、チョコレートなど販売されています。
さらに、屋内の扉の向こうにはコンフィテェリア(バリエーション豊かな洋菓子があるカフェ)があります。天井の高さとフロアの大きさに魅入っていると、フロアの真ん中には吹き抜けがあり、3階の天窓に貼られたステンドグラスからは光が溢れ美しい装飾が透けて見えます。
タンゴ愛好家の中にとっては、待ちに待ったリニューアルオープンです。2016年に閉店する前は、イデアルには「ミロンガ」と呼ばれるタンゴ愛好家の社交場があり、賑わっていました。
リニューアル後は、以前ミロンガが行われていた2階部分が吹き抜けになっており、残念ながらミロンガは再開されていません。
私もリニューアル後の重厚で美しい店内に魅了されて、すでに何度も通っています。
観光でブエノスアイレスを訪れた家族や友人を連れて行っても、とても喜ばれました。観光でブエノスアイレスを訪れる機会があれば、ぜひおすすめしたいカフェです。
<コンフィテリア・イデアル(Confitería La Ideal)>
- 住所:Suipacha 384, C1008AAF CABA, アルゼンチン
- 営業:月曜~日曜日、7:00~0:00
- 公式サイト:Confitería La Ideal
コンフィテリア モリーノ(Confitería del Molino)
最後に、まだリニューアルオープンしてはいませんが、街の人が再開を心待ちにしているコンフィテリアがあります。それが「コンフィテリア モリーノ(Confitería del Molino)」です。
アルゼンチンの国会議事堂コングレッソと議会広場前にあるカフェは、1916年にオープンしました。美しいアールヌーボー様式の店内には、洋菓子(Patisserie)自慢のお菓子が並んでいたのでしょうか。
1930年に独裁政権の際に火事にあって一度コンフェテリアが焼失します。その後、さまざまな経緯を経て店舗は1997年に閉鎖され、また国の歴史的建造物として宣言されました。現在は、修復工事を終えて、ブエノスアイレス市の持ち物になっており、イベントの際にはその扉が開くようです。
建造物として外観を眺めても、とても美しいモリーノはコングレッソ付近を通るたびに見上げてしまいます。
まだ一般的にカフェテリアとしてはオープンしていないのですが、「いつ再開するのかしら。」とよく話題に上がります。再開日は公開されていませんが、街の人々の期待は膨らんでいます。
<コンフィテリア モリーノ(Confitería del Molino)>
- 住所:Av. Rivadavia 1815, C1033AAI, C1033AAI CABA, アルゼンチン
- 営業:イベント時のみ
ブエノスアイレスの老舗カフェのリニューアルの話題、いかがだったでしょうか。歴史のあるカフェはブエノスアイレスを語る上では外せない場所です。
ブエノスアイレスに訪れたり、滞在したりする機会がある方は、ぜひ訪れてみてください。
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AKANE
- アルゼンチンのブエノス・アイレス在住のタンゴダンサー、講師。タンゴやブエノス・アイレスの文化・情報について、日本から見て地球の反対側の本場ブエノス・アイレスから情報を発信中。