カーニバルの伝統! フランスの揚げ菓子を作ろう

ビューニュ フランス菓子

華やかな仮装や賑やかなパレードが楽しいカーニバル。 ブラジルのリオ、イタリアのヴェネチア、フランスのニースなど名高いカーニバルには、世界中から観光客が集まりますね。同じ時期、規模はさまざまながら、フランス全土でもカーニバルが開催されています。子ども達は、仮装で学校に登校したりクラスでパレードに参加したり、市役所や親の勤務先の催しに招待されることも。

今回は、カーニバルの歴史やフランス事情をカーニバルのお菓子の作り方を添えてご紹介します。お菓子作りが好きな方はぜひ作ってみて下さいね!

目次

カーニバルの起源

カーニバルの起源は、古代ローマ時代の自然崇拝行事といわれています。それが、キリスト教行事に組み入れられて宗教色の濃い祭りとなり、更に継承途中で、別の世俗的なお祭りと融合して、今日のような華やかな仮装の賑やかで楽しいお祭りになりました。

カーニバル

キリスト教の復活祭(イースター)からさかのぼって47日目、マルディ・グラ(Mardi Gras肥沃の火曜日)と称される日が、カーニバルの日。 復活祭の日にちは、春分の日の後に迎える最初の満月の日から、数えて最初の日曜日。毎年変わる移動祝日です。

カトリック教会では、復活祭に向けて40日間(+6日曜)肉や卵やチーズなど、動物性食品を食べずに過ごす「四旬節」という自戒の期間があり、四旬節に入る前日がマルディ・グラ。Mardi は火曜日、Grasは脂、つまり肉のこと。「肉を食べるのは今日が最後だよ」という謝肉の日なのです。

ちなみに、 カーニバルcarnival(仏語ではカルナヴァル carnaval)の語源は、ラテン語のcarnem(肉を)+ lavare(取り除く)ということです。

フランスのカーニバル事情

2023年の復活祭は4月9日なので、今年の肥沃の火曜日は2月21日。カーニバルは、当日または、その周辺で日程を設定されるのが定番です。実際には、パレードを予定する市町村によっては、週末にしたり、期間を長く設けたり、寒さの厳しい2月を避けて3月に時期を遅らせる所もあります。

カーニバル

子ども達の学校では多くがカーニバルを学校行事に取り入れています。仮装衣装での登校を奨励して、みんなでオヤツを食べたり、クラス統一の衣装やマスク・楽器を自ら制作して町のパレードに参加したりするのです。幼児たちの楽器の定番は、ヨーグルトの入れ物にレンズ豆を入れて蓋をしたカシャカシャやキッチンペーパーの巻芯に乾燥パスタを入れたガラガラ。(正式名はマラカスです!)

絵本
<ヨーグルトの入れ物にレンズ豆を入れた「マラカス」の作り方>

フランスの子ども達は、紙吹雪を振り撒きながら地元の町や村を練り歩いた思い出を胸に刻んで、成長してゆくのです。素敵ですね。

カーニバルのお菓子

カーニバルのお菓子といえば揚げ菓子。マルディ・グラのGrasは油を意味するので揚げ菓子、翌日から食べられない卵を使い切るため、寒さの厳しい時期のお祭にエネルギー補給の揚げ菓子!確かにぴったりですね。小麦粉、卵、砂糖、バターで作る揚げ菓子は、フランス語では「ベニエ(beignet )」です。

ベニエ

では、フランスではどんな揚げ菓子が食べられているかご紹介しましょう。

ベニエといえば、フランス全土で年間を通じて目にするのは、丸型ドーナツのようなタイプ。中には果物のジャムやチョコレートクリームが入っています。

このタイプに粉砂糖たっぷりまぶしたものは、「ベニエ・ド・カルナヴァル(beignets de carnaval)」または「ブール・ド・ベルラン(boules de Berlin)」という名称で、アルザス地方の季節の銘菓です。

ビューニュ

薄くのばした生地を切って揚げる、カーニバルの揚げ菓子は、フランスのあちこちで食されていますが、各地で微妙に異なります。お菓子の形や香り、名前も地方によって変わります。

最も有名なのは、リヨン周辺の「ビューニュ(bugnes)」でしょうか。他にも「メルヴェイユ(merveilles)」「オレイェット(oreillettes)」「トゥルティソー(tourtisseaux)」「ガンズ(ganses)」など、同一や似ていても別名称で愛されている揚げ菓子なのです。

揚げ菓子「ビューニュ」を作ろう

では、カーニバルのお菓子「ビューニュ」を作ってみましょう!

ビューニュの材料

  • 小麦粉 500g
  • 砂糖 80g
  • 無塩バター 100g
  • 卵 4個
  • 牛乳 30g
  • ベーキングパウダー 1袋(11g)
  • 塩 少々
  • バニラエッセンス または 香り付けの洋酒など
  • 粉砂糖(仕上げにふりかける) 適量
  • 揚げ用油 1リットルほど

作り方

1. 小麦粉、砂糖、ベーキングパウダー、塩をよく混ぜる
2. 卵を加えて混ぜる
3. 溶かしバターを加えて混ぜる
4. 室温の牛乳とバニラエッセンスを加えて混ぜる
5. 生地を平らな所に取り出し、押しながら均一状態になるまでこねる
6. 丸めた生地を器に戻し、布巾をかぶせて常温で2時間室おく
7. 生地を2〜3個に分け、丸めてから粉をふり棒で5mmの厚さに広げる

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8. 広げた生地をカッターで5cmと4cm位の ひし形に切る
 (端の部分は次の生地に混ぜて使う。形は不揃いでも、大小あってもOK)
9. ひし形の中央に線で穴をあける(膨らみすぎを防止するため)
  ねじり形は、穴に片方の端を通して作る
10. 170度に熱した油で、均一に色がつくように何度かひっくり返して揚げる
11. 少し冷えるのを待ってから、粉砂糖をたっぷりかけて召し上がれ

※写真のようなギザギザに切れるカッターを使うのが本式ですが、ナイフで切っても、型でくり抜いても大丈夫(膨らみ注意)。大きさや形が揃ってない方が、見た目も楽しくて私好みです!

さいごに 〜カーニバルの思い出

昔のカーニバルの写真を探してみると、思い出が溢れてしまいました。

幼稚園のパレードで只一人、化粧を拒否し続けた息子には、本当にまいったなぁ。初めての夫の会社のカーニバルでは、みんなの仮装程度がよく分からず、とりあえず家にある浴衣を娘に着せて連れていったら、きらびやかなお姫様たちの中で目立って賞を貰ったなぁ。「騎士の衣装も、カウボーイハットも、スターウォーズの刀もあるよ!」と言っても「仮装は任意だからしない」とそっけないドアの返事には、こっちががっかりしちゃったなぁ。

カーニバルの写真

そして、この時期に毎年、ビューニュを作り続けている私、、、今暮らしている北フランスでは見かけない地方菓子だけれど、実家がリヨンに近い我が家の伝統。

子ども達はあっという間に大きくなっちゃったけれど、いつだってカーニバルは、明るく元気に祝いたいですからね!

ではまた、次の旅路でお会いいたしましょう。みなさまお元気で!

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原田さゆり

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