ニューヨークの超高級レストランで、ちょっと贅沢にテイスティングメニューを

Pa se

寿司や懐石、フレンチなど、数百ドルもする高額なテイスティングメニューがトレンドとなってきているニューヨーク。数年前から、アメリカ人のグルメの間では、「おまかせ」と言う言葉が普及していますが、テイスティングメニューとはいわゆるおまかせコースのこと。

ニューヨークでは、レストランのメニューの値段がどんどん上がっていっていますが、特に超高級レストランが、過去1.2年間に、テイスティングメニューの価格を大幅に値上げし、庶民にはますます手の届かないものとなってきています。ガールフレンドに「一度行ってみたい」とせがまれて、有名な超高級レストランに行くと、テイスティングメニューしかないところが多く、飲み物代や税金、チップを入れて2人で千ドル近く、又はそれ以上になってしまいますので覚悟して下さい。

目次

レストランが軒並み値上げをする理由

レストランが軒並み値上げする理由としては、まず、パンデミックにより受けた損失を取り戻すため。また、パンデミックの間に需要が増え、そのまま今も需要が続いているフードデリバリーサービスに手数料を支払うためです。これに加え、ロシアによるウクライナ侵攻やグローバルサプライチェーンの混乱、異常気象、労働市場のひっ迫などによる食品価格の高騰、人件費の値上がりが、さらにメニューの価格を釣り上げる要因となっています。

カジュアルなお店では日常的な利用客がいるため、値上げ幅を最小限に抑える事ができるものの、高級店はそうそう頻繁に行くところではなく、客の利用頻度が少ないため、大幅な値上げに踏み切らざるを得ません。超高級レストランが値上げをする理由は、これらに加えて「超高級」がトレンドだということもあります。ニューヨークには、コースの値段が高いことに価値を見出す裕福なお客さんが大勢いるからです。

ニューヨークの元祖超高級店「パ・セ」

Per Se
<Photo by Deborah Jones>

ニューヨークの元祖超高級店といえば、コロンバスサークルのタイムワーナービルディングにあるトーマス・ケラー・シェフのミシュラン3つ星獲得店「パ・セ」です。以前は、他の高級店と比べて断トツに値段が高く、高根の花でした。知人より4人でコースを食べ、ワインを頼んで2千ドル以上使ったと聞いた時には驚いたものでしたが、数年前から、高級レストランが次々とコースの価格を値上げし、数百ドルの寿司屋なども続々と登場していたので、特別感は段々と薄れて行きました。その「パ・セ」がこのほど、4年ぶりに値上げを実施。テイスティングメニューを35ドル値上げし、390ドルとしました。税金を足すと425ドルになります。これはコースだけの値段なので、飲み物を頼むとさらに高額になります。同店では、普通のテイスティングメニューのほか、ベジタリアンのコースもあります。

予約時には、200ドルのデポジットが必要。予約は1~8人まで受け付けます。

メインダイニングの横にある、ソファーと低いテーブルでゆったりくつろいでお食事ができるラウンジスタイルのサロンでは、5品のテイスティングメニューが265ドルで楽しめます。こちらも予約には200ドルのデポジットが必要です。予約は、1~4人まで受け付けます。

【Per Se】

  • 住所:10 Columbus Circle, 4th Floor, New York, NY 10019
  • TEL:(212)-823-9335
  • 営業時間:16:30~20:30
  • 公式サイト:Per Se
  • 予約サイト:Per Seの予約

その他のニューヨークの超高級店

今では、「パ・セ」のような超高級店は、市内に15店以上あるそうで、パンデミック前と比べると、その数は3倍に増えました。今回は、その内の3店を紹介します。

イレブン・マディソン・パーク

Eleven Madison Park
<Photo by Jake Chessum>

「パ・セ」と1.2を争う、シェフのダニエル・ヒュム氏によるニューヨークの名店で、過去にはミシュラン3つ星を何度も獲得、2017年は世界のベストレストランで1位に輝いています。

創設者のダニー・メイヤー氏が売却する10年以上前で、なおかつコースが200ドル以下だったころ私も1度来店しましたが、すべてのお料理が絶品で、サービスも抜群だったことを覚えています。あれから経営者が変わり、どんどん値段が上がり、手が届かないお店になってしまいました。その上、2021年6月のパンデミック後の再オープンを機にヴィ―ガンレストランに変わってしまったので、ますます足が遠のきそうです。

コースは8~10品で、価格は365ドル。野菜の価格の高騰と、キッチンで働く従業員の給料を引き上げるため、昨年の8月に30ドル値上げしました。同店が値上げを実施するのは、これが3年ぶりでした。

バーエリアでは、品数の少ない6品のテイスティングメニューが、少しカジュアルな雰囲気の中、195ドルで楽しめます。

予約は、メインダイニングは1~6人まで、バーは2~4人まで受け付けます。先払いで予約時にクレジットカード番号が必要です。

【Eleven Madison Park】

  • 住所:11 Madison Ave, New York, NY 10010
  • TEL:(212) 889-0905
  • 営業時間:17:00~21:30分(金・土曜 22:00まで)/土曜のみ昼も営業(12:00~14:00)
  • 公式サイト:Eleven Madison Park
  • 予約サイト(ウェイティグリストもあり):Eleven Madison Parkの予約

シェフズ・テーブル・アット・ブルックリンフェア

ハドソンヤードにあるスーパーマーケット「ブルックリンフェア」の中に併設された隠れ家的なお店。9アベニューに近い入口から入ります。以前は、ブルックリンのダウンタウンにありました。

オーナーシェフのシーザー・ラミレス氏は、辻調理師学校で日本食を学んだそうで、フランスと日本の味を融合させた高級感あふれる20品のテイスティングメニューを提供します。テイスティングメニューのお値段は、430ドル+税金。コースは、旬の食材に合わせて変更されます。魚介類をメインに、肉料理やデザートも充実。

スタート時間は、午後5時、5時30分、8時30分、8時45分の4回に分かれているので、その内のどれかの時間で予約を取ります。予約は、電話で受け付けていますが、電話での予約が困難な場合は、ChefsTable@brooklynfare.comにメールをする事もできます。予約がとても困難な事で有名です。

予約には、200ドルのディポジットが必要。変更やキャンセルは8日前まで。それ以降は、予約の際に伝えておいたクレジットカードにチャージされ、ディポジットは返金されません。

【Chef's Table at Brooklyn Fare】

  • 住所:431 West 37th St, New York, NY 10018
  • TEL:(718) 243-0050
  • 日曜定休

吉乃

おまかせコースのみを提供する寿司店。オーナーシェフの吉田義紫(ただし)さんは、予約の取れないことで有名な「寿司の吉乃」を名古屋で7年間経営していましたが、2019年に店を閉じ渡米。2021年の秋に、ニューヨークで「Yoshino」をオープンしました。

築地や九州などからネタを取り寄せ、樹齢300年を超えるひのきのカウンターや岐阜県飛騨高山で作られた椅子など、内装もこだわっています。2022年にミシュラン1つ星を獲得。おまかせコースの値段は、約20品で1人500ドル。ベジタリアンやグルテンフリーには対応していません。

予約は30日前から受け付け開始で、1~3人まで予約できます。予約サイトには、ウエイティングリストもあります。

来店にはワクチン証明が必要です。

【Yoshino】

  • 住所:342 Bowery, New York, NY 1001
  • TEL:(917) 444-1988
  • 日曜定休
  • 公式サイト:Yoshino
  • 予約サイト:Yoshinoの予約

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ナツコ・H

世界で活躍するジャズ奏者の夫のマネージメント、CD収録曲の作曲を手がける。NYの日系新聞でニュース記事執筆中。法律翻訳家。93年よりNY在住。

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