【愛知】国宝 犬山城と有楽苑~犬山城を内部から・庭園から・橋の上から楽しみ尽くす!

犬山城

国宝五城の1つとして名高い犬山城は、尾張国と美濃国の間に築かれた美しい城です。小牧・長久手の戦いで実戦も経験したこのお城には、武人の風格が漂います。

見どころだらけのこのお城をじっくり見学し、国宝の茶室を持つ風情ある庭園や、木曽川に架かる橋の上からも眺めてきました。犬山城を多彩な角度から楽しめる場所をご紹介します!

目次

アクセス至便の犬山城 城下町は魅惑の食べ歩きスポット!

犬山城があるのは愛知県犬山市。名鉄名古屋駅から犬山駅へは、快速特急・特急で約25分です。

犬山駅に着いたら、西口から西へ向かって徒歩で7、8分ほど直進します。「本町」の交差点を右折すると、突然時代劇のような城下町が!

瓦屋根の風情ある建物が続く「本町通り」の向こうには、丘の上にそびえる犬山城の天守閣が見えてきます。ドラマチックな光景に感動を覚えますよ。

本町通りから見える犬山城
<城下町を再現した本町通り。奥には小高い丘にそびえる犬山城が見える>

この通りには、愛知や岐阜など周辺地域のおいしい食べ物のお店が勢ぞろい。お城にたどり着く前に、食べ歩きでお腹いっぱいになること必至です。城内見学の時間を確保しつつ、気になる食べ物を楽しみましょう。歩きながら食べられる「串もの」が特に人気です。

五平餅
<香ばしさがたまらない!地域の名物、五平餅>

犬山城の中へ。城内の階段は急勾配!

本町通りの北端まで歩いたら、いよいよ犬山城へ向かいましょう。

本丸へと伸びる長い石段を登りきると、堂々とした鉄門(くろがねもん)が立っています。門の右手にチケット販売所があり、入場券や、近隣の観光施設とのセット券が販売されています。複数の施設を回りたい人にはセット券がお得です。

犬山城単体の入場券は、大人550円、小・中学生110円です。

石碑
<登城道の入口に立つ「国宝 犬山城」の石碑>

石段の道
<長い石段の道を通って本丸へ>

門をくぐって本丸へ入ると、目の前に犬山城の壮麗な天守が現れます。自然石をそのまま積み上げた「野面積」の石垣の上に、均整の取れた望楼型天守がそびえる様子は圧巻。「白帝城」という優美な別名にふさわしい眺めです。

外観が三重、内部は四階、地下(石垣の中)に2階を有するこの天守は、高さ19m。織田信長の叔父である織田信康が1537年に創建したもので、現存する天守の中では最古と言われています。戦国の世を生き延びた城ならではの迫力があります。

犬山城
<「白帝城」の別名を持つ犬山城>

望楼
<絶景を楽しめる望楼>

天守の出入口は、地下1・2階の「穴倉」という部分にあります。靴を脱ぎ、配布されている手提げポリ袋の中に収めてから入城すると、天守を支える石垣やむき出しの太い梁が目に入ります。戦う城であったことを感じさせる重厚さです。

こちらの入口や、城内にある階段は、一瞬ひるむほどの急勾配!荷物は両手が使えるバッグに入れ、歩きやすい靴下を履いてくことをおすすめします。

石垣
<出入口。天守を支える石垣が見られる>

階段
<1階から2階への階段。急勾配につき注意!>

戦う城の強固な装備

城の内部は質実剛健。

1階の中央には籠城の際に城主が使う「上段の間」があります。1段高くした床には畳が敷かれ、床脇には違い棚がある端正な構造ですが、実は奥の木戸の向こうは「武者隠しの間」になっています。張りつめた空気を感じます。

上段の間
<上段の間。背後の戸の奥は武者隠しの間>

壁に沿って「武者走り」が巡る1階には、天守の入口を側面から防備するための「付櫓(つけやぐら)」や、「石落としの間」が設けられています。いずれも侵入してくる敵兵を上から撃退する設備です。

具体的な戦闘に備えて築城したのがよく解る、武人の覚悟が漂う城です。

付櫓の内部
<付櫓の内部>

付櫓からの眺め
<付櫓からの窓からの眺め。真下にある城の入口を側面から守る>

石落としの間
<石落としの間>

2階には「武具の間」があり、シンプルな構造の武具棚があります。どんな刀や槍が並んでいたのでしょうか。

3階は「破風の間」。外から見たときに優美な「唐破風」の内側は、天井もカーブしていることが分かります。

武具の間
<武具の間>

破風の間
<破風の間。唐破風の部分はなだらかな曲線>

絶景の最上階から戦国時代に思いを馳せる

4階の望楼からの眺めは「絶景!」の一言です。犬山城は小高い丘の上のあるため、眼下に濃尾平野や木曽川の雄大な景色を一望できます。木曽川の対岸は岐阜県です。

ライン大橋と伊木山
<望楼から西側を眺めると、木曽川に架かるライン大橋と伊木山が迫る>

木曽川の向こうに目を凝らすと、北西にある金華山の山頂に、岐阜城のシルエットが見えます。思いの外近い...!肉眼でも確認できますよ。かつて斎藤道三や織田信長が、この地を居城としたことで知られています。

遠くに見える岐阜城
<北西に見える岐阜城>

南側の回廊に進むと、こちらからは南西に小牧山城のシルエットが見えます。小牧・長久手の戦いでは、ここに徳川家康の本陣が置かれ、犬山城に着陣した羽柴秀吉と対峙しました。

遠くに見える小牧山城
<南西に見える小牧山城>

英雄たちが戦いの拠点とした城がお互いに見渡せることがよく解り、戦国時代の苛烈さを実感しました。この景色を見ると、戦国時代のドラマや小説やゲームがますます深く楽しめること請け合いです。

望楼からは天守の屋根に乗っている「魔除けの瓦」も見ることができます。亀の甲羅に桃が乗った形で珍しくて可愛い!亀は長寿、桃は邪鬼を払う果実といわれ、城を守るように設置されたそうです。望楼に登ったら遠くの景色だけでなく足元の瓦もチェックしてくださいね。

魔除けの瓦
<唐破風の右手に乗った魔除けの瓦>

犬山城

  • 住所:愛知県犬山市犬山北古券65-2
  • 営業時間:9:00-17:00(入場は16:30まで)
  • 休日:年末(12/29-31)
  • 料金:大人550円、小・中学生110円 ※周辺施設とのセット券あり
  • 公式サイト:犬山城

国宝茶室「如庵」がある庭園「有楽苑」へ

犬山城を見た後は、東へ徒歩5分ほどのところにある、日本庭園「有楽苑(うらくえん)」に向かいます。織田信長の弟である織田有楽斎が建てた、国宝の茶室「如庵」を有する風雅な庭園です。ここからも犬山城の雄姿を見られます。

有楽苑
<有楽苑の入口>

有楽苑は「ホテルインディゴ犬山有楽苑」に隣接しています。庭園の入場料は大人1,200円。犬山城とのセット券は大人1,450円なので、2箇所をまわる予定の人にはたいへんお得です。

なお、セット券は発行日から2日間有効。1泊2日で犬山に泊まる人は、観覧日を分けて見学することも可能です。

合翠門
<苑内の「合翠門」。中を覗くと敷石が美しく連なる>

広々としたこの庭園の中でとにかく見ておきたいのは、国宝の茶室 「如庵」と、重要文化財の「旧正伝院書院」です。苑内の中央部にあります。

萱門
<書院南庭へ続く萱門>

尾張の国が生んだ大茶匠・織田有楽斎は、波瀾に富んだ生涯を送り、晩年は京都建仁寺の正伝院を隠棲の地としました。ここにあった建物が、苑内に移築されています。

有楽斎の隠居所であった旧正伝院書院は、入母屋造の落ち着いた外観。内部は通常非公開ですが、縁側に腰掛けられるようになっているのが嬉しいポイント。和みます。

旧正伝院書院
<旧正伝院書院>

その隣に建てられた茶室、如庵はこけら葺きの瀟洒な外観。こちらも内部は非公開ですが、竹を打ち詰めにした「有楽窓」等の有名な意匠は、にじり口の上の開いた窓から目を凝らすと見られます(屋内は撮影禁止)。にじり口の前にある竹格子が付いた丸窓も印象的です。

如庵
<国宝茶室「如庵」>

如庵
<丸窓の竹格子がにじり口に影を落とす、夕方の如庵>

犬山城の姿が見られるのは、苑内の「広芝生」のエリア。西の方角を見上げると、庭園の木々のはるか上に天守がそびえています。風流の極みのような庭園と、堅固な城との対比が印象的です。

犬山城
<庭園の木々の上にそびえる犬山城>

犬山城
<穏やかな庭園に勇壮な天守が映える>

日本庭園 有楽苑

  • 住所:愛知県犬山市犬山御門先1番地
  • 営業時間:9:00-17:00(入苑は16:30まで)
  • 休日:毎週水曜日(祝日の場合は翌日に振替)/年末年始(12/29~1/1)/メンテナンス 2022/12/19~23,2023/2/13~17
  • 料金:大人1,200円、小人600円 ※犬山城とのセット券あり
  • 公式サイト:日本庭園 有楽苑

木曽川の上から丘にそびえ立つ犬山城の雄姿を見る

雄大な木曽川のほとりに立つ犬山城は、やはり川面の向こうにそびえる姿も見ておきたいですよね。

有楽苑の後は、木曽川に架かるライン大橋を渡って夕暮れ時の大河と犬山城の雄姿を見に行くことにしました。犬山城前広場から西へ10分ほど歩き、橋へ向かいます。

犬山城
<ライン大橋から見た木曽川と犬山城天守>

愛知県犬山市と岐阜県各務原市を結ぶライン大橋の上から眺める犬山城は、威厳を感じる美しさです。木曽川に姿を映す断崖絶壁の丘の上に立つ天守を見ると、ここが「後堅固(うしろけんご)の城」であることがよく解ります。

この大河を渡り崖を登って城に攻め入るのは至難のワザ!厳しい戦国時代を生き抜くためにここに築城されたことに納得です。

犬山城
<夕日を受けて輝く犬山城天守>

ライン大橋の歩道
<ライン大橋の歩道、岐阜県側から見た犬山城>

犬山城の壮大さと群雄割拠の戦国時代をひしひしと感じた光景でした。少し時間はかかりますが、岐阜県側まで大橋を渡り城と丘の全体の姿を見るのがおすすめです。

まとめ

尾張国と美濃国の境に築かれ、戦国乱世を力強く生きた国宝犬山城。以下の点を確認しながら、多彩な角度から楽しんでくださいね。

  • 瓦屋根の建物が続く「本町通り」はグルメスポット。犬山城の見学時間を確保しながら食べ歩きましょう。城の入場は16:30までです
  • 犬山城のチケット販売所では、有楽苑など近隣の観光施設とのお得なセット券が用意されています
  • 犬山城内は土足禁止。城内の階段は急勾配です。歩きやすい服装で行くことをおすすめします
  • 日本庭園「有楽苑」にある国宝茶室「如庵」は必見。苑内から犬山城も見られます
  • 木曽川にかかるライン大橋から、丘の上にそびえる犬山城を見られます。愛知県側からは、向かって右側に歩道が通っています

それでは、戦国時代の城を体感する素敵な旅を!

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朝茶

ライター/英和・和英翻訳者。出版社に11年勤務後、2009年にシンガポールに転居。東南アジアの文化と料理にハマる。2013年に帰国した後は日本文化に改めて関心を深め、今はとにかく国内各地を旅したいです!

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