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見て!滑って!アートに触れる旅をした!~岡山芸術交流2022(2022年は終了しました)~
<トップの画像:プレシャス・オコヨモン作>
たびこふれライターのとうもとくみです!
芸術の秋、体感していますか?私は先日「岡山芸術交流2022」に参加してきました!
岡山芸術交流は、岡山市で3年ごとに開催される国際現代美術展です。実は、"国際現代美術"という言葉にも"美術展"という言葉にも、ときめきと共に少し敷居の高さも感じていたのですが、実際に岡山に行ってみたら、"芸術交流"という新しい楽しみ方に出逢ってしまいました!!
秋のぶらり旅をお探しの方。こんな参加型の芸術旅はいかがでしょう?
目次
アクセスとチケットについて
岡山芸術交流2022の会場は、岡山市内10か所に散らばっています。
私は、開場の9時に合わせて新幹線で岡山駅に到着し、岡山芸術交流のメイン会場である旧内山下小学校に向かいました。イメージとしては、岡山駅からまっすぐ岡山市民会館を目指して歩いて(もしくは市電やバスもどうぞ)石山公園の手前の信号を渡らず、交差点を右折すればこの横断幕?が見えてきます。
共通の鑑賞券は、旧内山下小学校、岡山市立オリエント美術館で販売しています。その他チケットのオンライン購入や前売り券引き換え情報などは、下記サイトより確認してくださいね。
鑑賞券が必要な会場・不要な会場、注意事項(混雑状況も見られます!!便利!)もサイト内に記載ありますので、訪問の計画を立てる際にはぜひ!!要チェックです。
描いて!滑って!こどもに戻る小学校
メイン会場になっている旧内山下小学校は、明治20年に開校し、平成13年に閉校した雰囲気のある校舎で、過去にミュージックビデオのロケ地に使用されたこともあるとか。何だか懐かしい校舎(1階と2階)そして、中庭と運動場、体育館、プールと敷地全体を使って芸術展示が行われています。
まずは、校門入ってすぐの受付で、鑑賞券を購入しましょう。シールの腕輪タイプの検温済証明を、くるっと巻いてくれます。
ここで、オフィシャルグッズを購入したり、わからないことがあれば相談してみたりしましょう!!受付のスタッフがとても親切で、期待が高まってきました。
映画のセットに迷い込んだような校舎を歩くだけで、不思議の世界に迷い込んだ主人公のような気持ちになります。当時の小学生の作品が展示されていて、まるでタイムスリップしたかのよう。
入り口で、シャワーキャップのような靴カバーをいただけます。(横の入口から入ってしまい、みんなワシャワシャ鳴らしながら歩いているのに、びっくりしたことを告白します。)歴史ある校舎を大切にしていることが伝わります。
今回たくさんの作品を展示している片山真理のお部屋です。
第一印象で、その可愛いらしさと、対比するような毒に心奪われてしまいます。暗幕の中の電飾のキラキラとゴシックロリータのような世界観で、映え!!と萌え!!のてんこ盛りに圧倒されそうです。
そう、岡山芸術交流2022は、写真を撮りたいスポットが思っている以上にあるのです。
※撮影不可の作品には、マークが表示されていますのでご確認下さい
今回の岡山芸術交流の中で、私に強烈な印象を残したのが、アジフ・ミアンの一連の展示です。この『無と妖怪』は、部屋に設置された赤外線サーモグラフィカメラを通じて、服の形をしたビニールは透け、見ている私たちは白く怪しく映し出され、不思議な世界観に包まれます。
急に作品画面に私が現れて、びっくり!!こんな参加の仕方があるとは。
島袋道浩『白鳥、海へゆく』がずっと観ていられる癒しの世界であれば、一瞬の煌めきか幻が見えるのが、アピチャッポン・ウィーラセタクン『静寂という言葉は静寂ではない』です。
「今、今がいいよ!いいタイミングだよ!」とスタッフが声かけしてくださって、入室するのが余計にドキドキしました。暗闇から窓越しを見るって刑事みたいで、ちょっと得難い経験でした。
続いて、ちょっとドキドキするシリーズ??バルバラ・サンチェス・カネ『悪臭の詩』。私以外に誰もいないはずの教室に誰かいるような。。ホラー映画か、魔法学校の場面に潜り込んだ!?ような??
実は、"この作品の壁のイラスト、オシャレだなー"って、ぼーっと見ていたら、後ろからスタッフに「チョークで描いて大丈夫ですよ!」と声をかけていただき(怪しい雰囲気の中で、ちょっとビクっとしたね。。)
稚拙ながら、岡山で美味しく楽しく幸せな私を残してきました。。こうやって自分も、この完璧な世界の中に混ざり合えるというのは、この場所に来ないとできない体験ですよね。
笹本晃『天気バー予報』。ここは置いてあるもの全てが不思議でおもしろいです。
科学館の展示のようで、こどもたちならずっと遊んでいそうです。近未来バーみたいで、並んで座って写真を撮っているのが格好良くて。こういう時、ひとりがちょっと残念に思いました。
これまた、運動場の鬱蒼とした木と池の間から何か出てきそうな。。。
私の今回の推し、アジフ・ミアン『無煙の火』です。場所の力もあるんでしょうけど、ずっと見続けてしまいます。運動場のこれまた中庭の茂みにも同シリーズの展示がありますから、ぜひ見つけてみてください。
小学校の施設がともかく立派なんです。何と土俵まで!
そして、その土俵まで展示の場になっているという、マイリン・レイ『良い夢の鬼』です。運動場の端や奥にも展示があるので、学校の雰囲気を懐かしみなが、隅から隅まで探してみて下さいね。近くにある国指定の重要文化財『岡山城西丸西手櫓』もあり、歴史ファンも見ごたえありますね。
さて。ぼちぼちお腹が空いてきました。外に出ましょう!!
なんと!!校庭にキッチンカ―が。リクリット・ティラヴァーニャ(アーティスティックディレクター)と、地元の人気カレー店「キッチンかいぞく」がコラボしたタイカレーと岡山名物えびめしの逸品です。3つのメニュー(そのうち2つはティラヴァーニャ考案レシピのカレーで、岡山芸術交流特別メニュー)から選べますので、迷ってしまいますね。
私は、チキンバターカレー(1,300円/税込)をいただきました。美味しかったです。
器は伊勢﨑州による備前焼。蓋はスミス一三省吾と木口ディアンドレによる烏城彫、美味しさと芸術もコラボです!!※カレーの販売は10:30~14:30まで。数量限定です
<ゲルト・ロビンス『リセットモバイル(スカイ)』>
こちらは体育館にある、曽根裕『アミューズメント・ロマーナ』です。嬉しそうな私を、スタッフの方が「躍動感のある写真を!」と言って下さり、記念写真。
うっかり脱いでしまいましたが、スタッフの方と同じ博士のような白衣を着て(こども用あり)滑ることができます。すごく楽しみにしていたのですが、あまりのハードな滑りっぷりに。。。(笑)いや~、楽しかったですけど、想像以上のスピードとカーブでした。
スピード大好き!!な方以外は腰巻用のブランケットを借りましょう!!(こどもはみんな楽しそうでした。)
後ろのステージの作品では、日々異なるパフォーマンスが行われていて、表と裏の世界の違いも興味深かったですね。
いよいよ、気になる(私もこの記事のトップに写真を載せた)プレシャス・オコヨモン『太陽が私に気づくまで私の小さな尻尾に触れている』です。
さらに、岡山芸術交流2022は、パブリックプログラムも実施していて、その1つ「みる×対話」鑑賞ツアーに参加しました。
10人ほどのグループに分かれて「一般社団法人みるを楽しみます!アートナビ岡山」のメンバーに案内してもらいながら、丁寧に味わうように作品を鑑賞し、みんなで思ったことを話し合います。参加者はみんな年齢も立場も異なるので、感じることや視点がずいぶん違い、気づきを得たり、じっくり素材に触れてその感触の違いを楽しんだり、とても楽しい時間を過ごしました。
何よりひとり旅だったので、色んな人と話し合え、感想を分かち合えるのがこんなに嬉しいとは!!という気持ちになりました。
岡山芸術交流2022の開催期間中は、他にも参加型のパブリックプログラムがありますのでチェックしてみて下さいね。
街が美術館で、美術館が街で
オリエント美術館では同館の常設作品とともに5組による作品が展示されていました。
個人的には、鑑賞券でオリエント美術館の展示を観て回れたのが、とてもお得でかつ感動しました。ご興味のある方は、ぜひ!この機会に!!
吹き抜けにある梁彗圭(ヤン・ヘギュ)『ソニック コズミック ロープ―金色12角形直線織』と、リジア・クラークの作品群。オリエント美術館の展示品は、その作品も、自然にその空気に馴染んでいて、本当に時が経つのを忘れて、見とれてしまいました。
ちなみに、こちらではタブレットでのアンケートに答えて、ステッカーをいただきましたよ!時間があれば、ぜひ参加してみてください。
そして、日本三大名園!!岡山後楽園でも展示が見られますよ。観騎亭に、デヴィッド・メダラ『サンドマシン 青竹のバタンガス』です。これ、あえて動画にしてみたのですが、ぼちぼち歩き疲れたころ合いで、ちょうど屋根もあって涼しくて、くるくるするのを見て癒されていました。
ぜひ、お疲れの皆さんに、ご覧いただきたい作品です。
続いて、岡山県天神山文化プラザです。
映像作品たちも目に焼き付いて離れないのですが、岡山県天神山文化プラザ1階にあるデヴィッド・メダラ『雲の峡谷』は、清廉で、白くて、ふわふわして、美しくて、吸い込まれるような白でした。
参加アーティストであるアブラハム・クルズヴィエイガスの考えた歌詞とキーワードをもとに、岡山県立岡山芳泉高等学校書道部と 岡山県立岡山東商業高等学校書道部の皆さんが、独自解釈した書道作品も飾られています。
見ているだけで元気がもらえる!!こういう地元高校生との芸術交流もまさに岡山で行われるイベントだからこそ!!ですね。
少し歩いて、岡山神社のダン・グラハムの作品で、2018年から展示されている『木製格子が交差するハーフミラー』です。
岡山神社の思わぬところに作品が展示されていますので、謎解きのように探してみると、発見の喜びが!!
ちょうど、七五三の時期だったせいか、まさかの作品と気づかず「綺麗ね~」とお着物姿の家族連れが、ハーフミラーの前で写真撮影されているのも、自然と芸術が市民と交流しているようで、思わず笑みがこぼれました。
林原美術館のアート・レバーとジャライ族のアーティストたちです。
当日はお天気が良かったので、作品の太陽の光を浴びている姿が本当に美しくて、力強くて。周りの自然の中で、野外展示の良さを知った気がしました。民族性豊かな展示は、色んな国や文化に興味を持つきっかけにもなりますよね。
岡山天満屋のアーケードにある片山真理『just one of those things』です。
この街並みに、自然に、だけど訴えるように展示されているのがかっこ良くて、羨ましいです。実は、旧内山下小学校の展示を見ているときに、スタッフに声をかけられ、片山真理さんの表現の深さについてお話を聞いたので、ただ美しい!だけでない魅力を心に思い描きました。
岡山城中の段!!これは夕闇の中で見て欲しい、池田亮司『 data.flux [LED version] 』です。
日が落ちていく中、ぽつりぽつりと立った人が真剣に見つめている姿も含めて、かっこ良さが胸にグサッとささった瞬間でした。そして、岡山城がやはりいいんです!!岡山城は11月3日にリニューアルオープンしますので、入場できる時間に訪問すると、さらに想い出深いかも知れません。
ドキドキからの岡山芸術交流2022
岡山芸術交流2022のタイトル『僕らは同じ空のもと夢をみているのだろうか』に想いをはせながら、行ったり来たり、1日で30,000歩も歩いた岡山の空を見上げてみました。
ここでは紹介しきれませんでしたが、他にも石山公園、シネマ・クレール丸の内など、街のそこかしこにさり気なく芸術は溶け込んで、でも目が合うと強烈に主張してくるような、そんな優しくも鮮烈な時間を過ごすことができました。(映画は上映時間が決まっているので、事前にチェックすることをおすすめします。)
ドキドキしていた私が、気ままに岡山の街を歩いて、時にスタッフのみなさんが気さくに話しかけてくれたり、作品にさわったり、滑り、描き、体験することで、作品が私の目に耳に心にすっと話しかけてくれ、交流を味わうことができた気がします。
さて、あなたはどんな空のもと、どんな夢を見ているのでしょうか?
私に、そっと教えて欲しいのですが。。。
岡山芸術交流2022 基本情報(※現在終了しています)
- 開催期間:2022年9月30日~11月27日
- 休館日:月曜日
- 開館時間:9:00~17:00(入館16:30まで)※ただし個別会場における変動あり
- 入場料:一般 1,800円、一般(県民)1,500円、学生(専門学生・大学生)1,000円、シルバー(満65歳以上)1,300円、単館 500円、高校生以下無料
- 展示会場:旧内山下小学校、岡山県天神山文化プラザ、岡山市立オリエント美術館など >>詳細はこちら
- 公式サイト:岡山芸術交流2022
- 公式SNS:Instagram
▼Googleマップ:旧内山下小学校(メイン会場)
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とうもと くみ
- 舞台観劇とスポーツ観戦(球技・格闘技)が趣味な、どこでも行っちゃう『インドア脳だけど、アクティブ派体験型トラベラー』です。旅しながら、少し昔の物語を書き続ける事が、夢。離島や、閉じられた館で事件が起こったり、時代劇の人情ものが大好物。