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【ロンドン】エリザベス女王の一般弔問で行列が移動したルートを辿ってみよう!
2022年9月、全世界から注目を集めた英エリザベス女王死去のニュース。首都ロンドンのウェストミンスターホールに安置された女王の棺を一目でも拝もうと、弔問に訪れた人々が長い行列をなしている光景を報道で目にした方も多いのではないでしょうか。この行列、最長時には24時間を超える待ち時間、列の総距離は10マイル(約16km)にも及んだとこのこと。ハッシュタグ「#TheQueue(ザ・キュー。「列」の意味)」が、英国ではTwitterで一位を獲得するほどでした。
ウェストミンスター宮殿(国会議事堂)のテムズ川対岸、アルバート・エンバンクメントから始まり、南東のサザーク・パークに至るこのルート、実は、テムズ川沿いにある観光の必見ポイントを押さえたおすすめの散策コースでもあるのです。今回は、弔問の列の最後尾となったサザーク・パークから実際の行列のルートを辿って、観光ポイントをご紹介していきます。
目次
- サザーク・パーク → バーモンジー地区のテムズ河岸
- バトラーズ・ワーフ → タワー・ブリッジとロンドン市庁舎
- ロンドン・ブリッジ → サザーク大聖堂 → グローブ座 → テート・モダン
- ナショナル・シアター → BFI → サウスバンク・センター
- ロンドン・アイ → アルバート・エンバンクメント
- ビクトリア・タワー・ガーデンズ → ウェストミンスター宮殿
- まとめ
サザーク・パーク → バーモンジー地区のテムズ河岸
サザーク・パークは、ロンドン・オーバーグラウンドのサリー・キーズ駅を出てすぐ西側に位置する公園。カフェやアートギャラリー、テニスコート、グラスボーリング用のグリーンなどの施設がある。公園の北西側の入口は地下鉄バーモンジー駅より徒歩5分。公園の北側が面している大通りJamaica Roadを渡り北へ進むと、テムズ河岸の散歩道、テムズ・パスに行きつく。ここから川の上流方向へと移動開始。
<テムズ・パスから下流方向の眺め。左奥に見えるのはカナリー・ワーフの高層ビル群>
バトラーズ・ワーフ → タワー・ブリッジとロンドン市庁舎
タワー・ブリッジのたもと、バトラーズ・ワーフのエリアには、川辺でのダイニングが楽しめるおしゃれなレストランやバーが立ち並ぶ。タワー・ブリッジは川沿いから橋へと上がることができるほか、有料でタワーの内部の見学や川の上のウォークウェイを楽しむこともできる。
<タワー・ブリッジを挟んで上流側北岸にはロンドン塔、南岸にあるユニークなシェイプが特徴の建物はロンドン市庁舎>
<ヘイズ・ギャレリア。飲食店やショップが並ぶ河岸の憩いの場>
<ヘイズ・ギャレリアから見た、対岸に位置する金融街シティのビル群>
ロンドン・ブリッジ → サザーク大聖堂 → グローブ座 → テート・モダン
ロンドン・ブリッジを超え、ブラックフライヤーズ駅までの河岸も見どころ満載。
- サザーク大聖堂:イングランド国教会の大聖堂で、ロンドン最古のゴシック様式の大聖堂として知られる
- バラ・マーケット:世界各国からの食材が集まるマーケット
- ゴールデン・ハインド号:フランシス・ドレーク卿が実際に使用した船のレプリカ展示
- シェイクスピア・グローブ座
- ミレニアム・ブリッジ
- セント・ポール大聖堂
- テート・モダン
- ブラックフライヤーズ駅:川を横断する形でプラットフォームが配置されている珍しい構造の駅
<サザーク大聖堂>
<シェイクスピア・グローブ座。屋外劇場のため冬場の公演は限定的>
<歩道橋のミレニアム・ブリッジ。対岸はセント・ポール大聖堂>
ナショナル・シアター → BFI → サウスバンク・センター
ブラックフライヤーズ駅の先は、文化的な施設が立ち並ぶエリア。
- OXOタワー:ギャラリーや飲食店などの入った複合ビル
- ガブリエルズ・ワーフ:多種多様なレストランや屋台が集まる食の広場
- ナショナル・シアター
- BFIサウスバンク
- サウスバンク・センター:芸術関連の複合施設
<OXOタワーと周辺のビーチ。こうした水辺まで出られるビーチがたくさんある>
<ナショナル・シアター。当日券がお得に手に入ることも。気軽に観劇できるのが嬉しい>
<BFI(英国映画協会)の映画館兼博物館。日本映画の特集が組まれることも多い。ウォータールー・ブリッジの真下に位置している。BFIの前には有名な古本市がたつ>
<サウスバンク・センターのロイヤル・フェスティバル・ホール>
ロンドン・アイ → アルバート・エンバンクメント
チャリング・クロス駅に至る鉄道橋をくぐると、目の前には大観覧車のロンドン・アイ、対岸には国会議事堂の建物と大時計のビッグ・ベンがもうすぐそこ。
- ロンドン・アイ
- ロンドン・ダンジョン
- シュレック・アドベンチャー
- ロンドン水族館
- ウェストミンスター・ブリッジ
- 国立コロナウィルス・メモリアル・ウォール
- アルバート・エンバンクメント
<大観覧車ロンドン・アイの搭乗口。数年ごとにスポンサーが変わる度、名称も変更される。現在の正式名称はlastminute.com London Eye>
<ナショナルCovidメモリアル・ウォール。亡くなった方の名前が記されたハートが川沿いの壁面にずらりと並ぶ>
<ランベス宮殿前、SOE(特殊作戦執行部。第二次世界大戦中に設置されていた組織)エージェントのモニュメント。女王に宛てた花束やメッセージカードもまだ置かれている>
ビクトリア・タワー・ガーデンズ → ウェストミンスター宮殿
アルバート・エンバンクメントが行列の「起点」とされていましたが、弔問の行列はランベス・ブリッジで川を渡った後、もう少し続いていました。橋のすぐ横にあるビクトリア・タワー・ガーデンズに入ってから、この公園内で何度も折り返しの移動が行われ、その最後の移動距離だけでも4.5kmにもなったのだとか。
でも、ここまで来れば、女王の棺が置かれたウェストミンスター・ホールはもうすぐそこ。ホールのある国会議事堂(ウェストミンスター宮殿)の姿をすぐ前に眺めながら、ゴールを目指します。そしてついに辿り着いたウェストミンスター宮殿の壮麗な姿を目にすれば、疲れも吹き飛びます。通りを挟んで向かいは、ウェストミンスター寺院、そして斜め向かいはパーラメント・スクエアです。
<ビクトリア・タワー・ガーデンズ。画像奥はウェストミンスター宮殿>
<ウェストミンスター宮殿(国会議事堂)>
<パーラメント・スクエア。チャーチル元首相、ネルソン・マンデラ、マハトマ・ガンジーなど、著名な人物の銅像が並ぶ>
まとめ
このコースは、普通に歩いても1時間半くらいはかかるコースです。そのほとんどが川沿いの遊歩道を進んでいくことができるのですが、一部、川沿いを離れたり、階段の上り下り、大通りの横断などが含まれる場所があります。また、石畳のエリアもあるため、歩きやすい靴で行くことがおすすめです。
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ハル・リーチ
- 音楽、映画・演劇・TV、サッカーなど、UKカルチャーをこよなく愛す。2001年よりロンドン在住。以来、会社員&ものかき業を継続中。