世界遺産スコータイはタイ人の源流!歴史公園で体感する圧倒的仏教美術

スコータイ

タイ・バンコクから約440km北にある世界遺産スコータイは、タイ族最初の王朝といわれるスコータイ王朝がありました。仏教遺跡の高い文化的価値から、1991年にユネスコ世界遺産に登録されています。

そしてこの地こそ、タイ語が形作られ、現在のタイの基礎を築いた場所とされているのです。タイ観光でスコータイは必見の場所といえ、ぜひとも機会を作り圧倒的仏教美術の世界に溶け込んでみてください。

目次

スコータイ(Sukhothai)とは

スコータイ
<知っておきたいスコータイの歴史>

「幸福の夜明け」それがスコータイの意味です。西暦1238年、広大な領土であってラヴァ王国から分離する形でタイ族最初の王朝が開かれます。

この時代は、今のカンボジアの辺りに強い勢力を持っていたアンコール王朝の影響を強く受けていることから、後のバンコクを中心とした寺院とは異なり、独特の遺跡群の雰囲気を感じることができるのです。

アンコール王朝の王の崩御で影響力が低下すると、クメール人を追い出す形でタイ族が地位を確立していきます。

そしてこのスコータイに、バーンクラーンハーオによりスコータイ王朝が確立。その後バーンクラーンハーオは、シーインタラーテック(1220年~1238年)と改名し初代王となり、1583年にアユタヤ王朝に併合されるまで続いたのです。

スコータイで特に有名なのが第三代王となるラームカムヘーン(1279年~1300年)です。タイの三大王の1人でもありますが、その功績は貿易を盛んにしたことだけではなく、なんといってもタイ文字を定めた偉大なる王とされています。そしてこの時代にスコータイは全盛期を迎えているのです。

歴史公園の入場と観光方法

スコータイ歴史公園
<歴史公園の様々な巡り方>

世界遺産に登録されたスコータイ歴史公園は一般公開されており、既定の入場料を払って自由に観光することができます。なお、年末のカウントダウンや年始の大きなイベントがある場合、入場無料になることがありますのでねらい目です。

ところで、遺跡群は複数の観光方法があります。徒歩で入場して観光することはもちろん可能ですが、敷地内は道路がとてもきれいに整備されていることからも、公園の近隣に多くあるレンタサイクル店から自転車を借りて、自由に移動するのも一つの方法です。

城壁内外におよそ200基の遺跡が点在していることからも、レンタサイクルは便利といえるのです。

なお、公園内へのレンタサイクルの持ち込みは、入場料の他に別途料金がかかりますが、暑いタイですので自転車で風を切りながら走るのも快適な観光となるのでは。

また、レンタカーなどを利用している場合、車で入ることもできます。車の入り口は徒歩と自転車のゲートとは別の場所となりますので、案内に従い進んでください。車の乗り入れも別料金がかかります。敷地内での駐車場所は限られますので留意してください。

独特の仏像

仏像
<バンコクとは違う微笑む仏像>

バンコクを中心とした多くのタイ寺院では、目鼻立ちのはっきりした仏像を拝観することができます。しかしながら歴史あるスコータイの仏像は、基本的に優しい顔をしていることが大きな違いになっています。その尊顔はかすかに微笑んでいるようにも見えることから、スコータイの仏像こそ微笑みの国「タイ」にふさわしいといえるのではないでしょうか。

ワット・マハタートの美しさ

ワット・マハタート
<あまりに美しい仏像の水影>

スコータイ歴史公園の中でも代表的な遺跡が「ワット・マハタート」です。スリランカ様式の丸みがある仏塔と、アンコール王朝時代の影響が混在していることから、とても珍しくスコータイならではの仏教芸術なのです。

この場所で光の全反射による美しき水影を眺めることができたなら、忘れられない思い出の一つになることでしょう。

池に咲く赤い睡蓮を楽しめるのは、朝から午前中の比較的早い時間になります。昼以降は閉じていることが多いので、花を楽しみたい方は早めに入場しましょう。歴史公園の詳細な案内は後述しますが、開園は午前6時30分になっています。

小島にあるワット・サ・シー

ワット・サ・シー
<朱色の橋と仏塔の仏教芸術>

池の中に浮かぶ小島にある遺跡。それが「ワット・サ・シー」です。朱色の橋を渡ってすぐ正面に仏塔があり、その右側に美しい姿をした遊行仏の像を見ることができます。

さらに右に進むと大きな仏像がある正面側に出ることが可能であり、仏塔とのバランスがとても良くできているのです。

夕方になれば仏像の背面に日が落ちていき、その光はまるで後光がさしているようにも見えます。時間の都合がつけば、夕陽の中の様子を眺めてみて下さい。

特にこの場所は、歴史公園観光において外してはもったいない場所になっており、くれぐれも見落とさないようにしましょう。

まとめ

スコータイ歴史公園の紹介はいかがでしたか?バンコクから近いアユタヤも、世界遺産であり見どころは多くありますが、見かける破壊された仏像はとても痛々しい感じを受ける人もいることでしょう。

しかしこちらスコータイの仏像はきれいな顔が多く残されており、長い歴史を内包しながら優しく微笑みかけてくることでしょう。世界遺産のスコータイ歴史公園で、仏像の優しい雰囲気に包まれながら、ぜひとも時間をかけて観光してみてはいかがでしょうか。

スコータイ歴史公園

  • 住所:498/12 Mueang Kao, Mueang Sukhothai District, Sukhothai 64210
  • 営業時間:06:30〜19:30、土曜日06:30〜21:00
  • 入場料:100バーツ

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大里康正

風彩光真 光と影の写真家、世界を歩く旅作家で、日本の全都道府県を3周し各地を観光取材。テレビ番組への写真提供、新聞社からの取材多数。現在はタイ在住。世界遺産を含めたタイの有名な見どころ、そしてあまり知られていない驚くような素晴らしい観光地も紹介していきますよ!

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