バンコクから近い世界遺産アユタヤ観光・奇跡の仏頭ワット・マハタート

木に埋もれている仏頭

日本人に大人気の海外といえばタイ!多くの人はバンコクを中心とした観光をしていますが、バンコクから近く、ぜひ足を運んでもらいたい場所が世界遺産アユタヤです。

アユタヤにおいて重要な寺院の1つとされているのが「ワット・マハタート(WatPhra Mahathat)」であり、アユタヤ王朝初期の頃の遺跡。そこで特に有名なのは木の根元にある仏頭で、アユタヤ観光の象徴的存在なのです。

他にも遺跡が多数残されていますが、その多くに破壊された形跡が。仏像は頭を切り落とされていて、戦争の悲惨さを後世に伝えています。その歴史を含めてご紹介します。

目次

ワット・マハタート(Wat Phra Mahathat)の歴史

ワット・マハタート

バンコクから北へ約76kmと日帰り観光が可能なアユタヤ。そこにシンボル的存在として奇跡の仏頭があり、多くの観光客が訪れます。

仏頭がある寺院「ワット・マハタート」はいつ、どのようにできたのかは複数の説があるのが実情です。その中の代表的なものをいくつか紹介します。

1つは1369~1370年にかけて、第2代ラーメスアン王が構築したというものです。また、1370~1388年の約20年をかけて、3代ボロムラーチャー1世が仏舎利として最初に手掛けたというものがあります。

さらに他の説では年代はもっと古く、1350年以前のものであるというものまでありますが、いずれにしてもアユタヤ王朝初期の重要な世界遺産遺跡であることに変わりはありません。

木の根元にある奇跡の仏頭

木の根元にある仏頭

奇跡の仏頭の石質はアユタヤの象徴ともいえる砂岩になっています。いつこのような状態になったのかというと、1600年代中頃に何らかの理由で胴体から地面に落ちたのがきっかけといわれているのです。

それも自然の摂理、あるいは何らかの意味があると判断されたのか、元に戻されることは無く、その後木の成長とともに根元にとり込まれ、現在の姿になったと伝えられます。見事に組み込まれた仏頭は奇跡的に水平を保っており、見るものに不思議な自然との調和を感じさせてくれるのではないでしょうか。

ワット・マハタートの入場口を入って右に進んだすぐの場所で見ることができますので、見逃さないようにしてください。

ここで撮影の際の注意事項を説明します。タイ王国は国民の約95%が仏教徒という国です。タイ全土で様々な仏像を見ることができますが、国民の多くは仏像を見ると手を合わせます。

仏像はとても大切にされており、特別な理由がない限り人間が優位な場所になることはありません。しかしながら奇跡の仏頭は木の根元なのでどうしても下側となるのですが、それでもマナーがあります。

写真や動画撮影の際にはカメラの位置をできるだけ仏頭と水平か、下側にさげることが重要です。上から見下ろすような撮影をしないのが礼儀になっていますので、知っておきましょう。

見るも無惨な仏像群

破壊された仏頭

奇跡的に残された仏頭とは違って、敷地内には破壊された仏像がいたる所にあります。アユタヤ王朝は1765年から約2年間、侵攻してきたミャンマー(当時のビルマ)と泰緬戦争になった歴史があります。

ここで敗れて、王朝は約400年の歴史に幕を下ろすことになりました。戦争の悲惨さで徹底的な破壊を受け、それが今でも無惨な姿で残されているのです。

胴体は周辺に散らばったものを集めて修復し、足りない部分は補うことで補修していますが、多くの仏像にはご覧の通り頭がありません。

仏教国で頭が無い仏像群というのは心が痛む光景ですが、それでも残していることは戦争の悲惨さを後世に伝え続けるためなのです。

美しい遺跡群を観光しよう

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<広い敷地の残された美しい遺跡群>

敷地内はかなり広く、見所がたくさんあります。ワット・マハタートは観光地ではありますが、アユタヤ王朝初期の歴史ある世界文化遺産であり、また仏像があることから今でも信仰の対象にもなっているのです。

現地には日本語も記載されている看板で注意事項があります。文化財として保護するためにも指定された場所から外れないこと、ふざけて敬意が感じられないような撮影をしないことなどが求められています。

注意事項の看板に日本語もあることから分かるように、日本人観光客の言動も問題視されてきていますので、海外だからと安易な行動をしないよう節度が求められていることは知っておきましょう。大事な遺産、文化財を後世に残していく意味でも、ご注意下さい。

初期アユタヤ時代の中央の仏塔(Main Pagoda)

仏塔
<宝飾品が出土した中央の仏塔>

今でも初期アユタヤ時代の建築様式を残すとても貴重な仏塔があります。仏塔は当初、44mの高さであったといわれています。1633年に1度修復されていますが、その際には高さは50mまで積み上げられました。しかしその後のビルマ軍による侵攻で破壊されています。

時代が下ってラーマ5世の治世である1911年に崩れていますが、その直前に撮られた記録写真も残されています。

その後、1956年の修復および発掘調査の際、多くの宝飾品が出土しており、それらはチャオ・サン・プラヤー国立博物館に展示されています。

遺跡群は許可場所を除いて楽しみのため、撮影のために上がることは禁止されていますので、観光の際は節度ある行動を心掛けましょう。

まとめ

仏教国のタイにおいて頭部が切断された仏像があることは国としても複雑なものがあるようです。しかしながら、戦争の悲惨さを後世に残そうとの意図からあえて残されていることを理解のうえ、節度ある観光を楽しみましょう。

ワット・マハタート

  • 住所:Wat Mahathat, Naresuan Rd, Tha Wasukri, Phra Nakhon Si Ayutthaya District, Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000
  • 営業時間:08:00〜18:00
  • 料金:50バーツ

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大里康正

風彩光真 光と影の写真家、世界を歩く旅作家で、日本の全都道府県を3周し各地を観光取材。テレビ番組への写真提供、新聞社からの取材多数。現在はタイ在住。世界遺産を含めたタイの有名な見どころ、そしてあまり知られていない驚くような素晴らしい観光地も紹介していきますよ!

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