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滋賀「藤ヶ崎龍神」は龍神様に出会えるパワースポット!?
琵琶湖の湖岸沿いにたたずむ小さな社が、近年注目を集めていることをご存知でしょうか?
滋賀県でも随一だといわれるパワースポットとして口コミでその噂が広まったのは「藤ヶ崎龍神(藤ヶ崎龍神社)」。水をつかさどる龍神様のパワーを得られるとして、全国からも足を運ぶ人が多いという隠れたパワースポットをご紹介します。
目次
古来から詩に詠まれてきた名勝「水茎の岡」
- 『あさかぜの 日にけり吹けば 水茎の 岡の木の葉も 色づきにけり』(万葉集)
- 『雁がねの 寒く鳴きしゆ 水茎の 岡の葛葉は 色づきにけり』(万葉集)
- 『水茎の 岡の葛葉も 色づきて 今朝うら悲し 秋の初風』(新古今和歌集)
これらはいずれも「水茎の岡」について詠まれた歌。ちなみに水茎の岡とは現在の滋賀県近江八幡市、琵琶湖岸沿いにある小高い山のこと。大きな琵琶湖のちょうど真ん中から少し南東あたりに位置しています。
今でこそその存在を知る人は多くない水茎の岡ですが、古くから万葉集や古今和歌集に詠まれてきた名勝で、水茎の岡を詠んだ詩は四十を超えるとされ、今よりも名の知れた景勝地だったでしょう。
その名の由来は平安時代の歌人、画人として著名な巨勢金岡(こせのかなおか)がこの地を訪れたことが発端。巨勢金岡は風景を描こうとしたのですがあまりの絶景に絵を描けずついには諦めて筆(水茎)を捨ててしまったという故事にちなんで、水茎の岡、筆捨の岡、筆ヶ崎などと呼ばれています。
確かにここからの琵琶湖の風景は見事で、心をうたれるような琵琶湖の絶景が広がっています。詩に詠みたくなるのもよくわかるのではないでしょうか。
琵琶湖を臨むパワースポット「藤ヶ崎龍神」
そんな、筆ヶ崎、水茎の岡の突端にあたる地に観光ガイドブックには、載らないような小さな神社があります。マイナースポットゆえに、周辺にも案内看板なども見当たらないため、スルーしてしまっている人も多いと思われるのですが、知る人ぞ知る穴場のパワースポットと言われています。
それが、琵琶湖岸沿いに立つ、小さな朱塗りの鳥居が目印の「藤ヶ崎龍神」と呼ばれる社。とくに社務所などはなく、神職の方が常駐されているような神社ではないのですが、此処こそが滋賀県下で随一だと推す人も少なくないパワースポットなのです。
鳥居の向こう側には竜王宮と記された小さな祠と磐座があり、龍神様が祀られています。この龍神様のパワーを得るべく、ここを訪れる人が絶えないのだとか。龍神といえば、やはり水と密接な関わりがあり、琵琶湖にはここ藤ヶ崎龍神以外にも竹生島などにも龍神の伝説があることで知られています。
地元の人は琵琶湖のことを「うみ」と呼ぶのですが、磐座の背後には本当に海と見間違うほどの雄大な琵琶湖の風景が。磐座の神秘性といい、確かに今にも龍神が現れそうな雰囲気も漂っています。遠景には比良山系の山々や沖島なども見渡せるこの地は、ある種の遥拝所のような存在だったのかもしれませんね。
参拝箇所は他にもある!
目と鼻の先にあるのでまず見落とすことはありませんが、藤ヶ崎龍神を訪れたのならもう一か所、忘れずに参拝したい場所があります。実は先ほどの社は「外宮」と呼ばれており、もう一か所「内宮」と呼ばれる所があるのです。
石灯篭には「妙徳龍神」「竜宮城」とも記されています。外宮が藤ヶ崎龍神を祀る竜王宮、内宮は妙徳龍神を祀る竜王城ということで、それぞれ別の龍神様を祀っているようです。
宮守りさんからのメッセージでは、
『琵琶湖命の水の守り神である妙徳龍神は天地創造の大天霊御祖の御使いであり、天・人・地、三界を治め給う最高の守護霊様です。其の本体は、白大蛇であり、水龍神でもある。弁財天が妙徳宮に坐し坐、御祭神です。ですから、妙徳宮は神聖な祈り場である最高のパワースポットです。御神水を頂いて健康になって下さい。』
と記されています。何やら難しいことが書かれているので全て理解ができませんでしたが、とにかく凄いパワースポットであることは間違いがないようです。
そんな期待を胸に、いよいよ内宮へご参拝。内宮は大きな岩山の割れ目にある洞窟にあり、まさに龍神様の住処ともいう佇まい。人が1人ようやく入れるような小さな空間に、龍神様が祀られています。
ろうそくの灯に照らされて、内部はほのかに明るい空間で、そこで龍神様と対話するかのような参拝になります。
藤ヶ崎龍神自体が湖岸の静かな地にあり、さらにそこから岩山の洞窟内へと入るため、人工的な音はほぼ何も聞こえないという状態。そんな神秘的な時間はなかなか普段は味わえないような体験で、確かに何かの力を本当に貰えるような気持ちにもなってきます。
きっとここを訪れる人は皆、龍神様のパワーを授かるべくついつい長居をしてしまうことでしょう。
加熱するブームへの警鐘
内宮の入口には扉が設けられています。扉とはいっても簡素なものですが、実はこれカラス除けのために置かれているものなのです。
話を聞くと、中には独自の解釈で「龍神様の好物は○○だ」などと決めつけ、生ものをお供えしてそのまま帰ってしまうような人も少なからずいるようです。それがカラスの恰好の餌になってしまうことが増えたそうでカラス除けの扉が設置されています。
聖地であり、祈りの場である内宮がカラスだらけになるなんて想像しただけでも龍神様が喜ぶとは思えないですよね。その原因を作った人にもご利益があるとも思えません。
パワースポットがブームになり始め、全国の寺社に足を運ぶ人が増えたのはとてもいいことなのですが、一部真意がよく分からないようなスピリチュアル系の人たちによる独自の解釈が、時に神社に迷惑をかける行為になっているのです。
藤ヶ崎龍神を訪れればわかるのですが、地元の有志たちの力によって境内・神域は本当に綺麗に保たれています。お供えをするにしても、ちゃんと持ち帰るようにする。当たり前のマナーはしっかり守って、全ての人が気持ちよく参拝できるように心がけたいですね。
藤ヶ崎龍神へのアクセス
藤ヶ崎龍神へのアクセスは車以外はやや難しいかもしれません。最寄りのJR近江八幡駅からは約7kmほどの距離がありますので徒歩でのアクセスは現実的ではないためです。
車であれば名神高速の竜王ICから約30分ほど。琵琶湖沿いを走る湖岸道路には面していませんので、最後はナビを頼りに脇道へと入るところだけ注意してください。
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bow
- 最北端、最南端などの端っこスポットや、日本一〇〇なスポットなど、どちらかというとニッチな観光スポットやB級スポットが好きです。