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【ルワンダ】キガリ以外にもある!ルワンダの穴場スポット紹介
ルワンダには首都のキガリ以外にも魅力的な場所がたくさんあります。この記事では5県を代表に、その一部をお伝えしたいと思います。
目次
キレへ
キレへはキガリから車で南東に3時間ほど走ったところにある県です。
ここでおすすめしたいのは、ルワンダ伝統室内装飾・イミゴンゴの工房です。
この地域では伝統的にイミゴンゴが作られており、現在は3人の女性たちがこの工房でその伝統を守っています。
日本人女性の加藤雅子さんがイミゴンゴについての研究をしており、彼女はここで調査活動を行っています。その縁から、日本人に向けてイミゴンゴ作り体験のワークショップを提供しているのです。
<牛糞の粘土を使ってデザインをのせている様子>
まずは材料である牛糞で作った粘土で形を作ります。伝統的なデザインはもちろん、自分のオリジナルのデザインを考えることもできます。
<白の土台の上に赤と黒をのせていきます>
粘土でデザインを作ったら、1か月ほどの乾燥の作業をはさみ、やすりをかけたら、色塗りの作業に移ります。黒、赤を使い、空白の白とバランスを考えながら、3色で完成させていきます。
1日で完成させることはできないため、工房でデザインを作った後は、乾燥し、その後もう一度工房に戻るか、職人さんに色塗りを頼むこともできます。
<ミルクに香りづけする様子>
イミゴンゴを作った後は、この地域の伝統的なやり方でもてなしを受けました。写真のようにミルクを出すのが伝統だそうです。ただのミルクではなく、その日の朝採れたてのものを写真のように、お香で香りを付けます。燻製のようになってとても濃厚なミルクでした。他にもイミゴンゴの誕生やこの地域の文化についても説明してくださいます。
<伝統的なチーズの作り方(牛乳を入れて歌いながら振り続けます)>
イミゴンゴ作りを体験し、文化や歴史を学び、さらに自分のオリジナルのイミゴンゴを手に入れることができる価値の高いものになっていると思います。
【イミゴンゴ作り体験】
周辺の景色
この地域は丘の上にあり、とても景色がいいです。近くにイミゴンゴが始まるきっかけとなった王子様が住んでいた山もあります。イミゴンゴ体験の後は、壮大な景色の中でゆったりとした時間を楽しんでみてください。
ムハンガ
zipline
キガリからバスで西に約2時間行ったところにあるムハンガには、Zipline(ジップライン)という医療用ドローンの施設があります。ルワンダ以外にもガーナ、日本、アメリカに施設がありますが、こちらの施設が世界初だそうです。
これが、ルワンダで大活躍しているドローン、「Zipline」です。
この施設と国内の病院をつなぎ、ドローンを使って、血液などの医療器具を高速で届けることができます。医療現場では時間が命にかかわりますが、これを使えば数時間かかるところでも数十分で届くのです。
「zip」とは、届ける医療器具の内容や行く予定の病院へのルートなどが登録されたQRコードのことを指し、「line」とは、施設から病院に向かってのびているドローン用の空路のことを指します。
ドローンは電気のみで動いており、いつでも何基でもいけるようにたくさんのバッテリーが待機しています。このチャージステーションで充電、メンテナンス、クーリングのすべてを行いますが、バッテリーの上で光っているライトがどの段階にいるかを教えてくれます。
要請がくると、分解されているパーツを発射台に集めていきます。上述したように、命にもかかわることであるため、動けるスタッフで迅速に動きます。準備ができたら、管制室が空港などとやり取りをし、空路に問題がないと確認ができると、高速で出発します。最速で128km/hまで出るそうです。
任務を終えたドローンはこの捕獲台に戻ってきます。
ぶら下がっているワイヤーでドローンをひっかけ、スピードを緩衝し、止まったらスタッフで回収に向かい分解します。ショッピングモールなどでたまに見かけるバンジートランポリンのようでした。
これを24時間、365日、無休で続けるのです。ziplineのおかげでたくさんの命が助かっているであろうことは間違いないと思います。
ドローンを身近で見られるのはなかなかない機会ですし、とても迫力があります。
無料でスタッフからの丁寧な説明も聞けるので、ぜひ未来のIT大国が行っている一大プロジェクトの一つを体感してみてください。
【Zipline】
- 営業時間:7:00~19:00
- 公式サイト:Zipline
フイエ
フイエはキガリから南に車で約3時間半のところにある県です。
フイエマウンテンコーヒーツアー
ルワンダはコーヒー大国としても有名ですが、その中の一つがここ、フイエ県で作られているフイエマウンテンコーヒーというブランドです。ここでは、コーヒーができるまでの過程をハイキングしながら一から教えてもらえます。
まずは出発前に、ウェルカムドリンクとしてフイエマウンテンコーヒーをいただきます。人気なだけあり、酸味が少なく飲みやすい豆です。この後の工程にもつながるのでぜひここでの味を覚えておいてください。
コーヒー豆は2,500~5,500mの標高が高いところを好むため、豆が栽培されているのは丘です。ツアーガイドの先導と共に山を登っていきます。歩き始めて20分ほどのところからコーヒーの木が現れ始めます。いくつかのチェックポイントがあり、そこでコーヒーの起源や種類、育て方など、コーヒーにまつわるあらゆることを教えてもらえます。
筆者が行った時期は冬で、まだコーヒー豆のもととなるコーヒーチェリーは緑のままでした。これが赤に変わると収穫の時期です。赤くなると食べても大丈夫だそうで、試食もさせてもらえるそうです。
出発してから約1時間で山頂に到着します。そこまで高い山ではありませんが、フイエの街を見下ろすことができます。
ここでは、コーヒーの生豆を伝統的なやり方で炒って挽いて、コーヒーを煎れて、できたてのコーヒーを飲むことができます。
ここで思い出してほしいのが、出発前に飲んだコーヒーです。
1時間の山登りをはさんだことで最初のコーヒーの味は忘れてしまいがちですが、でき立てならではの味を楽しむことができます。山頂からの景色もコーヒーの味をさらに引き立ててくれます。
ここでコーヒーツアーは一旦終了し、その山にある歴史的な場所にも連れて行ってもらえます。
フイエはブルンジから30キロほどの南部の県であり、陸路で1時間ほどで行くことができます。そしてこのnyirankhoko rock(ニラホコロック=鶏の主人)と呼ばれる岩は、かつてブルンジとルワンダが戦った場所です。戦ったといっても武力ではなく、魔術で戦いました。
当時はブルンジの力の方が強く、ルワンダを支配していました。そこでルワンダの王が権力を取り戻すために魔術師に相談します。すると魔術師は、「2羽の鶏を殺し、1羽をルワンダ王が、もう一羽をブルンジの王が持つようにすればいいだろう」とアドバイスをします。ルワンダの王はアドバイスを実行しようとしますが、ブルンジの王はルワンダの王から死んだ鶏が送られてきても、受け取るはずがありません。
そこで、商人の女性が作物とともに籠に入れてブルンジ内に持ち込むこととなりました。その女性はとても美しかったため、国境の兵士たちは通行を許し、さらに女性が王との面会を要求すると、その要求も難なく通ります。ブルンジの王に無事に会えた女性でしたが、なんと王も彼女に一目惚れしてしまいます。
「なぜあなたはそんなに美しいのか」という王の問いに対して、女性は「私が美しいとは知りませんでした。ですがとても光栄です。ありがとうございます」と答えます。その答えに王は女性の賢さも感じ、求婚します。女性はそれが本気であればと承諾するのです。
その日のうちに結婚式をあげ、夜をともに過ごすことになりますが、女性は「私の文化のしきたりでは、初夜は女性がベッドを整えなければなりません。その間絶対に入らないでください」と伝え、一人になったところでベッドの下に例の鶏を仕込みます。何も知らない王は、女性と共に幸せな夜を過ごしますが、その間に魔法が効き始め、ブルンジの王は死んでしまうのです。
翌朝、王の死に気づいた城の者たちは、王殺害の犯人として女性を殺し、その知らせはルワンダにも届きます。ルワンダの人々にとってその知らせは女性が殺されたという悪い知らせと、ブルンジの王が死んだという良い知らせの両方を含んでいました。ルワンダの者たちは、女性を勝利の尊い犠牲として、このニャムホコロックの近くに埋めて、たたえたのでした。
山を下って最初の事務所についたら、可愛いキテンゲ(アフリカ布)の巾着に入ったフイエマウンテンコーヒーをお土産にもらって解散です。
かかる時間は歩くスピードや質問の多さにもよるそうですが、1時間~4時間ほどだそうです。(筆者は常に質問していたので3時間半かかりました笑)コーヒー好きにはたまらない、コーヒーを味わい尽くすツアーになっているので、ぜひ参加して、コーヒー博士になってください。
【フイエマウンテンコーヒー】
- 料金:大人50ドル、学生30ドル
- 公式サイト:Huye Mountain Coffee
民族博物館
バスターミナルのすぐ横に、国立の民族博物館があります。
中の写真撮影が禁止されているので中の様子の写真がありませんが、ルワンダの衣食住、生活のありとあらゆる文化が展示してあります。
説明書きは十分ではないため、スタッフに解説をお願いするのがいいと思います。テーマごとに7セクションに分かれており、所要時間は2時間弱ほどです。
【国立民族博物館】
- 料金:6000Fr(約600円)
フイエはルワンダ内でも5本の指に入る都市で、学園都市でもあるため、カフェも多いです。その中でもおすすめの場所を3か所ご紹介します。
Lamimi Juice Bar
ここは、フルーツを使ったジュースやスイーツが楽しめるカフェです。
インテリアはパステルカラーを使っていて、ポップでオシャレな内装です。特に筆者のお気に入りは写真右手にある黄緑色の椅子です。ブランコの様な作りで、座り心地も抜群で写真にも映えます。
<マンゴーミルクシェーク(左)ときゅうりミルクシェーク>
野菜を使ったドリンクも多く、写真の様なきゅうりのミルクシェークや、セロリジュースなどもあります。ドキドキしながら飲みましたが、とても甘みがあり美味しくて飲みやすかったです。
フードメニューは、フルーツ串やアイスクリームなどフルーツを使ったものだけでなく、ハンバーガーやオムレツなどの軽食もあります。
少しわかりづらいところにあるためか、お客さんが少なく、日によって提供していないメニューもありますが、どれも美味しいのでめげずにチャレンジしてみてください。
Café Connexion
ここは、コーヒー専門なだけあって、コーヒーが美味しいと評判のカフェです。いつ行っても必ずお客さんがいます。
飲み物はホットココア以外コーヒーしかないという、コーヒーへの自信がみえます。
東アフリカでよくあるのがミルクに水を足すことです。日によると思いますが、写真のカプチーノ(約100円)のようなミルクの入ったものは、薄く感じることがあります。コーヒー自体は間違いなく美味しいので、筆者的にはエスプレッソ(約50円)がおすすめです。
コーヒーのお供にバナナケーキと紅茶のケーキもあります(各約200円)。そこまで甘くなく、パウンドケーキのように柔らかいケーキになっています。
Nehemiah Coffee
こちらは、コーヒーがおすすめなもう一つのカフェで、実はCafé Connectionの向かい側にあります。どちらも美味しいコーヒーが飲めますが、人によってどちらの方が好きかは分かれるので、飲み比べをしてお気に入りを見つけていただきたいです。
こちらではコーヒーだけでなく、ミルクシェークや紅茶類も提供されています。
チョコミルクデザートドリンク(左)、カプチーノ(中央)、エスプレッソ(右)とスナック
テラス席もあり、広い庭の中にテーブルは数個しかないため開放感があり、中よりこちらの方がおススメです。ドリンクは大きさを大小と選べるため、調整がしやすく親切なポイントです。約100円前後で飲むことができます。
フードメニューもパスタやピザなどしっかり食べられるものが用意されており、500円ほどで食べられます。
【Nehemiah Coffee】
- 営業時間:月~土曜 6:30~22:00、日曜 10:00~22:00
ギセニ
ギセニはキガリから西に3時間半ほど行ったところにある県です。
キブ湖
ルワンダはキブ湖が広がっている国の一つで、その一部がギセニから見えます。
湖では定番のボートクルーズもあります。筆者が使った会社では30分コース(ボート当たり約3,000円)と1時間コース(ボート当たり約6,000円)を提供しており、予算や希望に合わせて変更も可能でした。たくさんの会社が運営しているので勧誘にすぐのるのではなく、予算と内容を比べて合ったものを見つけるといいと思います。
30分コースではコンゴとの国境付近まで連れて行ってもらえます。写真中央の青い屋根が関門のGrand Barriereです。あまり近づきすぎると海洋法に触れてしまうので、少し遠目で止まりました。
Grand Barriere
キブ湖からは近づけませんでしたが陸路で上述の関門に行くことができます。ここから見える先はもうコンゴ民主共和国になります。
この先に行くにはビザ(日本人は50ドル)をとって、手荷物検査を受けるなどの手続きを受けなければなりません。
門の手前までは誰でも行けるのでそこで写真を撮るだけでも記念になります。
ただし、警官がたくさんいるので、きちんと確認をとってから写真を撮り始めてください。ルワンダは賄賂が禁止されているのでお金を要求されることはありませんが、逮捕されてしまう可能性はあります。
Migano Cafe
ビーチの近くにあるカフェレストランです。ビーチにはにぎやかなバーレストランが多いですが、こちらは比較的静かで、外国人観光客が多い印象でした。
<クアトロチーズピザ(左)とマサラチップス(右)>
カロンギ
ここはルワンダ内でキブ湖をもつ、もう一つのエリアです。ギセニほど観光地化しておらず、いいホテルやレストランが少ない反面、静かできれいな景色をゆったり楽しめます。こちらにもボートクルーズがあります。
<山の頂上からの景色(麓から歩いて約20分)>
そこまで経済活動が活発な地域ではないため、自然が豊かで気持ちが安らぎます。
ルワンダは周辺国や日本に比べれば面積がとても小さい国ですが、各地に特色があってそれぞれの雰囲気を楽しめると思います。小さいということは、見て回りやすいということなので、ぜひキガリだけでなく他の地域も行ってみてください。その際に、この記事の情報を参考にしていただけたら嬉しいです。
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Reiya
- 大学を2年休学し、2021年の3月から2022年5月まで東アフリカ(ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、ケニア)を旅する。インターンのために行ったアフリカだったがその魅力に引き込まれ、旅中に見つけたおススメのスポットや楽しい文化を紹介する。食べることが大好きなため、食べ物紹介が多め。