姫路城と書寫山圓教寺、映画『ラストサムライ』や大河ドラマ『軍師官兵衛』のロケ地でパワーアップ!

姫路城

シラサギが羽を広げたような優美な姿から「白鷺城」の愛称で親しまれ、ユネスコ世界文化遺産である国宝「姫路城」は兵庫県姫路市にあります。その美しさは世界でも知られており、国内だけでなく海外の方にも愛されるお城です。

姫路城からそう遠くないところに、ハリウッド映画『ラストサムライ』や大河ドラマ『軍師官兵衛』『武蔵』などのロケ地になった「書寫山圓教寺(しょしゃざんえんぎょうじ)」があります。

今回は、サムライの歴史にちなんだ「姫路城」と「書寫山圓教寺」をご紹介したく思います!

目次

姫路城は「白鷺城」で「出世城」

日本で初のユネスコ世界文化遺産となった姫路城は、JR姫路駅を降りるとまっすぐ伸びた道路の先にあります。優美な姿をした姫路城には、江戸時代初期に建てられた天守や櫓等の主要建築物が現存しています。海外からお客様が訪問されるたびに、毎月のようにお連れしていました。

姫路城は、1346年に初代藩主である赤松貞範によって本格的に築城され、650年以上の歴史があるといわれています。基本的に赤松氏一門・宇野氏庶家の小寺氏が城主を務めていましたが、のちに対立が起こり、小寺氏の家臣・黒田官兵衛(孝高)が重隆の頃に城主にりました。

1580年に官兵衛が羽柴秀吉に姫路城を献上、秀吉が姫路城の城主であった間に明智光秀を倒し、天下統一を果たし大阪城へ移ったそうです。この大出世から、姫路城は出世城とも呼ばれるようになりました。

秀吉の死後は、1600年に池田輝政が城主となり白壁に。そこから、白鷺城と呼ばれることになりました。天守の瓦に描かれているのはアゲハチョウの紋は、池田家の家紋だそうです。(城内に1か所だけ逆さまになったアゲハチョウがいるそうです!→当時「完成と同時に崩壊が始まる」という故事から、わざと完成していない城として逆さまにしたそうです。)

1617年に本多忠政が城主になってからは、三の丸、西の丸などを増築し、西日本の砦と呼ばれるまでに。こうして見ると、ただ美しいだけでなく、歴史的にとっても重大な役割を果たしてきたことがわかります。

ところで、姫路城は何階建てかご存知ですか?

実際に行ったことがある人は、大天守までのその階段の多さに驚いたと思います。外から見ると5階建てに見えますが、答えは「5重7階」。地下一階と地上6階のつくりです。攻めてきた敵を惑わす仕掛けになっているそうです。

メスのシャチホコと最上階からの眺め

しかし、さまざまな仕掛けを備えた軍事要塞である姫路城ですが、「不戦の城」としても知られています。

軍事要塞として櫓が2階建てになっている「ぬの門」をはじめ、当時は84もの門がありましたが、現在は21の門が残されています。

また、石垣の四角く綺麗に揃えられた石は、石棺や墓石が使用されていると言われています。

そのせいでしょうか、幽霊が出没するという噂が断ちません...。あの、いちま~い、にま~いで有名な『盤上皿屋敷』のお菊さんが身を投げたという「お菊井戸」も姫路城にあります。

盤上皿屋敷 井戸

天守閣最上階に「刑部(おさかべ)神社」という小さな祠があるのですが、それは、かの有名な宮本武蔵にちなんだ妖怪伝説が関係しています。姫路城に妖怪がでるので、妖怪退治を命じられた宮本武蔵が、城の守り神である「刑部姫」より妖怪退治の褒美として宝剣を授けられたそうです。

ここは、パワースポットとして知られる姫路城の中でも一番超強力なパワーが得られるそうですよ!

姫路城には、まだまだ他にも興味深い秘密がたくさん隠されています!

秘密のからくり隠し部屋や、謎のキリシタン瓦などもその一つです。黒田官兵衛は、姫路出身の戦国武将です。キリシタン文様の「十字門の瓦」は、キリスト教に入信した黒田官兵衛の紋瓦という噂があります。

十字瓦

姫路城に関係する有名な人物として「千姫」がいます。徳川秀忠と継室の江の間に生まれ、豊臣秀頼そして、姫路城主となった本多忠刻の正室となった千姫の人生は波乱万丈でした。しかし彼女が一番幸せな時間を過ごしたのが、姫路城と言われています。

「姫路お城まつり2022」開催!

姫路お城まつり

姫路の初夏を代表するお祭りとして地元の人からも愛される「姫路お城まつり」。

新型コロナや東京五輪の影響で5月の開催は3年ぶりとなった2022年は、5月20~22日に「姫路においでよ! 城に恋(こ)い!」というキャッチフレーズで、大手前通りを中心としたエリアで行われました。

20日には「姫路城薪能」も行われ、姫路城をバックに厳かな世界を演出されていました。

姫路藩の大名行列を再現したパレードは、一般公募で集まった人らも含め約120人が参加!毎年大名行列に参列するのを楽しみにされている方々も多く、応募多数につき抽選で選ばれたラッキーな人たちもいらっしゃいました。時代考証の上でお籠や小道具まで忠実に再現された江戸時代後期の姫路藩酒井家の大名行列。姫路城周辺を練り歩く華やかで勇敢な姿が印象的です。私は、姫路大名行列の大パレードの準備やお手伝いの仕事で、参加者に草履を履かせたり笠をかぶせたりしました。

1948年から続くこのお祭り、世界に誇れる優美な姫路城をバックに、サムライの世界にタイムスリップできますよ!

>>姫路お城まつり 公式サイトはこちら

姫路城

「書寫山圓教寺」は映画やドラマのロケ地として有名

円教寺と摩尼殿

書寫山圓教寺は、姫路城からそれほど遠く無いところにあります。本来は、登山しながら訪れるとより感動が増すのでしょうが、便利な書写山ロープウェイが山頂付近まであります。

康保3(966)年に性空上人が開創され「西の比叡山」と呼ばれるほど大きな寺院、圓教寺。室町時代から明治維新まで女人禁制だったそうですよ!また、西国三十三所のうち最大規模の寺院第27番札所でもあるため、8世紀からこの巡礼路への参拝者はいつも絶えません。

数多くの映画やドラマのロケ地としても知られており、その中でもハリウッド映画『ラストサムライ』や大河ドラマ『軍師官兵衛』ではかなり有名になりました。その他にも、『本能寺ホテル』『3月のライオン』『関ヶ原』『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』、大河ドラマ『武蔵』『源氏物語千年の謎』などでもロケ地として使われています。

ロープウェイを降りると、まず東谷というエリアに出ます。そこには、岡本太郎氏による「言葉のいのちは愛である」の碑文が書かれた「椎名麟三文学碑」や「慈悲の鐘」があります。

地図

権現坂を下った中谷では、崖の上に建てられた摩尼殿へと続く道が出てきます。

摩尼殿にあるご本尊「六臂如意輪観世音菩薩」は秘仏とされ、1月18日の鬼追いの日に開扉されます。私たちが着いた時には、ちょうど読経中でした。本堂の中に入れてもらい、お参りさせてもらうとなんだか、背筋が伸びる気持ちになりました。西国三十三所の御朱印はこの摩尼殿の堂内の授与所にていただけます。

摩尼殿

また、摩尼殿の手前にある、弁慶がお手玉にしたともいわれる護法石は、直径約1mの2つの石で、不動明王の化身である乙天(おとてん)と毘沙門天の化身である若天(わかてん)の2童子が降り立ったと伝えられるそうです!なんとまぁ、重たいお手玉ですね~。

中谷から次は、西谷へと向かいます。

白砂の広場が広がり、三つの堂(大講堂・食堂・常行堂)が見えてきました。3棟を総称して「三之堂(みつのどう)」です!
まさに、ここがあの映画『ラストサムライ』で見たところです。なんだか感動♪実際のロケ地を見るとやはり、そのワクワク度が増します!

食堂の1階で写経体験、2階で圓教寺の宝物を見ることができます。これは凄すぎます!気がついたら宝物を見るのに3周ほどしていました...。食堂は、後白河法皇の勅願で建てられた僧の生活の場だったところだそうです。

食殿

姫路城主3人を含む本多家の墓所もあり、そこは静かにそして幻想的な感じの一角となっていました。

本多家墓所

食堂の横にある奥の院へ続く道には、弁慶の鏡井戸があります。ここで弁慶が顔をのぞき、鏡として使ったと言われています。

大きな杉の木らを通り過ぎると、奥の院へ続きます。映画『ラストサムライ』で、雪のシーンが撮影された場所だそうです。そこには、開山堂、護法堂など重要文化財があります。

奥の院

圓教寺開山の性空上人座像は秘仏で一年に3度毎年3月6日・3月10日・4月10日に御開帳されるそう。開山堂の軒下の四隅には左甚五郎の作といわれる、力士が軒を支えています。しかし、四隅にいるはずの力士が、西北隅にはいません!重さに耐えかねて逃げ出したそうです!

力士

弁慶が学んだとされる護法堂 拝殿や、黒田官兵衛が山上から敵を視察し、大量の援軍を置き圓教寺に本陣を置くよう提案したことから、秀吉軍がその後、三木城を撃破することにつながったと言われています。また書写山と紫式部は深い関係があったとか...和泉式部もしかりです。

書写山の意味

書写山と紫式部 説明

帰りには、ロープウェイ乗り場近くで「かわらけ」も楽しめました。厄除けなどの願いを掛けて、高い場所から素焼きや日干しの土器等を投げる遊びで、投げた土器が小さな穴に入ったら願いが叶うとか...。

かわらけ

四季折々の景色を楽しみながら、歴史的な人物が魅了された書寫山圓教寺で、時代劇などで撮影されたシーンを思いつつ参拝してみると、パワーがチャージされたことが感じられますよ♪

書寫山圓教寺

  • 住所:兵庫県姫路市書写2968
  • TEL:079-266-3327(本坊寺務所)
  • 公式サイト:書寫山圓教寺

関連記事

兵庫」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『兵庫』旅行はこちら

※外部サイトに遷移します

Related postこの記事に関連する記事

Ranking兵庫記事ランキング

ランキングをもっと見る

この記事に関連するエリア

この記事に関連するタグ

プロフィール画像

RICA NAKAJIMA

京都生まれ&育ち。世界各地をバックパッカー周遊しながらロンドンに6年、ニューヨークに10年以上滞在。日本のコアな伝統文化や神社仏閣、世界の文化芸術、史実関連を中心に新聞・雑誌などで執筆。また経験に基づく“陰謀説”系の電子書籍出版もあり。ジャーナリストのほか、写真映像家、YouTuber、NY州不動産ブローカー、音楽プロデューサー&イベンター、ヒーラー、日本庭園師などマルチに活躍中。

Pick upピックアップ特集

全国の動物園&水族館 徹底取材レポート特集!デートや家族のおでかけなど是非参考にしてみてください♪

特集をもっと見る

たびこふれメールマガジン「たびとどけ」
たびこふれサロン

たびこふれ公式アカウント
旬な情報を更新中!