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世界遺産エル・タヒン遺跡とクンブレ・タヒンフェスティバルへ【メキシコ ベラクルス州】
メキシコにはとても興味深い歴史と、様々な遺跡が残っています。
今回訪れた世界遺産に登録されているエル・タヒン遺跡は、また一味違った素晴らしい見どころ溢れるユニークなピラミッドでした。
クンブレ・タヒンという大きなイベントもコロナの影響で2年間行われていませんでしたが、2年ぶりに開催されるということで、そちらも一緒にチェックしてきました!
目次
- メキシコ ベラクルス州が誇る世界遺産「エル・タヒン遺跡」とは
- タヒン遺跡の最大の見どころ「壁龕(へきがん)のピラミッド」
- 今も残る雨乞いの踊り人達「ボラドーレス」
- 遺跡好き必見!「ハラパ人類学歴史博物館」
- メキシコ最大級のイベント「クンブレタヒン」
- 最後に
メキシコ ベラクルス州が誇る世界遺産「エル・タヒン遺跡」とは
メキシコのベラクルス州にあるトトナカ文明が残した、メキシコの中でも大変ユニークなエル・タヒン遺跡は、メキシコシティから5時間ほどで行くことができます。
トトナカ文明は、ベラクルス州を中心にプエブラやイダルゴなどのエリアに暮らしていた人々のことを指します。古代のナワトル語で"暑い場所の人々"という意味だったそうです。
西暦600年から1200年頃まで栄えた大都市で、他の多くのメソアメリカの遺跡と同じように、宗教的中心地の役割を果たしており、さらに政治的中心のとても重要な場所でした。
El Tajin
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タヒン遺跡の最大の見どころ「壁龕(へきがん)のピラミッド」
エル・タヒン遺跡で最も見どころと言えるのが壁龕(へきがん)のピラミッド。
壁龕とは英語でNiche(ニッチ)と呼ばれ、古代建築の一種のスタイルとして確立されたもので、壁や彫刻物に凹みを施して飾ったものを壁龕と呼びます。
この壁龕様式をふんだんに取り入れて作られたのが、エル・タヒン遺跡のピラミッドなのです!見惚れてしまうほど、かっこいいですよね。少しカンボジアやベトナムあたりの遺跡の印象も漂わせる、幻想的な雰囲気を感じます。
建築された当時は神殿としての役割があり、ここでたくさんの儀式が行われていたのでしょう。階段には雷文の模様が施されていています。
このピラミッドの他にも、まさに生贄にナイフを突き立てて神様が降ってきているような画面のレリーフや、メソアメリカではよく見られる競技場なども残っているので見どころが満載でした。
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今も残る雨乞いの踊り人達 ボラドーレス
日本語に訳すと、飛ぶ人という意味の"ボラドーレス"。
メキシコシティから近いティオティワカン遺跡や、観光客がたくさん来るカンクンエリアでも見ることができますが、ボラドーレスの本場はここ!
元々は雨乞いの意味で行われたダンスだったということを、ボラドーレスの方々から聞くことができました。
エル・タヒン遺跡の近くの町パパントラでは、教会の広場で毎日ボラドーレスのダンスを見ることができます。
ひっくり返って数十mの棒からロープ一本だけで降りてくる姿を見つめるのは、なかなか不思議な気分です。
高い鉄棒に一人ずつ登っていきます。昔は木に登っていたようです。
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遺跡好き必見!「ハラパ人類学歴史博物館」
ハラパ人類学歴史博物館にはとても美しい歴史的なコレクションがたくさん残っています。
巨大な頭の石像を残したオルメカ文明や、トトナカ文明のコレクションが大変美しく展示されています。
エル・タヒン遺跡についてのコーナーもあり、遺跡に行った後でこのハラパ人類学歴史博物館に足を運ぶのは、歴史好きの私としては完璧な旅のコースでした。
これはハラパ人類学歴史博物館のコレクションのひとつです。
オルメカの出土品の中でも、最も重要な美術品の1つが、この"El Señor de Las Limas"。紀元前900年から400年の間に作られたと考えられています。
あぐらをかいて座っている男性が、子供を抱きかかえているシーンが描かれています。
そしてこの抱えられている子供の口の形をご覧ください!オルメカの特徴である大きなアヒル口!ではなく、ジャガーの口だそうです。ジャガーはメソアメリカ文化の中では神聖で強いシンボルとして、様々な遺跡やレリーフで登場する動物です。
こんな可愛い顔で描かれていますが、生贄に捧げられようとしていて既に亡くなっているとも、寝ている子供の姿が描かれているとも考えられています。
体には、オルメカの神様のシンボルが刻まれています。より詳しく知りたい方は、とてもいい動画を見つけたのでこちらをご覧ください。
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メキシコ最大級のイベント「クンブレタヒン」
エル・タヒン遺跡からタクシーで5分の場所にある公園で開催されていた、クンブレ・タヒンというフェスティバルに行ってきました!年に1度、3日間行われるイベントです。コロナの影響で2年ぶりの開催だったようで、たくさんの人で賑わっていました。
小さなコミュニティの昔から受け継がれているダンスを披露したり、各ブースがあって手作りの商品を売っていたり、大きなステージで野外フェスのような大きな音楽イベントがあったりと、とても大きなフェスティバルでした。
若い人たちも伝統衣装を身にまとってダンスをしていて、本当にメキシコは文化を大事にする素敵な国だなぁと実感することができました。
最後に
エル・タヒン遺跡は数年前からずっと行きたくて行きたくて仕方のなかった遺跡です。こんなに変わった見た目の遺跡はなかなか見ることができません。
コロナの影響で2年間は閉鎖されてしまっていて行くことはできませんでしたが、ついに再開するという情報を偶然 Google マップで見つけて、よし行くぞ!と気合を入れ、たどり着くことができました。
ベラクルス州はまだまだ見どころの多い地域だというのが分かったので、またの機会に探検してみたいエリアです。
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Ai Nishino
- メキシコ大好きな旅するフォトブロガー。25歳の時に、青年海外協力隊としてタンザニアで2年間職業訓練校にて活動。そして、バックパッカーに。英語、スワヒリ語を話し、スペイン語を習得中です。ライター、デザイン、翻訳などをして海外ノマド旅中。AiWorld Exploreというサイトを運営。