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春爛漫の茅葺き屋根街道をゆく
田舎が最高に美しい季節が、また巡ってきました!緑豊かな広い大地、深い森、野原や道端には色とりどりの花が次々と咲いて、春から初秋までのフランスの田舎は本当に素晴らしい。そしてそこに、昔ながらの茅葺き屋根の民家が立ち並んでいるとしたら、、、今回は、そんな絵画のような風景が続く、ノルマンディー地方の「茅葺き屋根街道(Route des Chaumières)」をご紹介します。
春爛漫の風景と共に、住んでいる人々の生活の息吹が感じられる素敵な家づくりや庭園の風景をお楽しみ下さい。
目次
茅葺き屋根街道とは
茅葺き屋根街道は、ノルマンディー地方のセーヌ川左岸に位置する53kmもの長い田舎道です。高台からセーヌ川を臨む森林が美しいこの地域は、地方認定自然保護区 ブックル・ド・ラ・セーヌ(Parc naturel régional des Boucle de la Seine Normande) の一部です。
9つの村落を含むこのルートには、伝統的なノルマンディー建築の茅葺き屋根家屋が多数点在しています。 家屋は個人の住居がほとんどですが、中には民宿やホテルなど観光客が宿泊出来る施設もあります。茅葺き屋根家屋の大きさは様々ですが、どの家もとても美しく手入れされていて、見る者を楽しませてくれます。この街道は、伝統を守って素晴らしい仕事をする職人達と、それを愛して大切にケアする住人達の、伝統を現代へと継承する偉業の証なのです。
これは、街道中でも特に美しい民家が集中するビュー・ポー村(Vieux-Port)にある説明看板です。村の民家は昔ながらの手法で、地元の木(オーク材)や茅を使用して建てられています。昔の民家の敷地には、パン焼き窯用の小さな小屋も併設されていました。屋根の上には、菖蒲(Iris)が植えられています。菖蒲はデコレーションと湿度を吸収する役目を果たしています。
では、今回の散策地でもあるビュー・ポー村を目指して、茅葺き屋根街道をご案内しましょう。
茅葺き屋根街道を行く
スタート地点は、自然保護区の案内所。木枠の見えたノルマンディー建築の建物を右手に見ながら車を走らせてゆきます。ほどなく最初の村に入ると、茅葺き屋根家屋が田舎道の両側、あちこちに見え隠れします。
閉店中でしたが、お店のようです。井戸までも茅葺き。
ノルマンディー建築の立派な民家。塀に遮られることなく、全体像が見えるのが嬉しい。
茅葺き門から眺める茅葺き家屋。広い敷地のホテルです。
カラフルな花々と池のある庭は、ノルマンディーを愛した印象派の巨匠モネの庭園を意識されているのでしょうか。どんな人が住んでいるのでしょう?
茅葺き屋根民家が密集するビュー・ポー村に到着です。セーヌ川岸辺の駐車場に車を停めて、ここからは徒歩で村の散策です。
薔薇が咲いているだけで、気分は浪漫紀行。花の力ってすごい。
ひっそり隠れているお洒落な家を見つけました。水色の木枠が素敵です。
リラ(ライラック)の花の向こうの小さな建物は、物置小屋でしょうか?中にはパン焼き窯があるのかも。セーヌ川を見渡せる場所にあります。
これぞ伝統的ノルマンディー農家!という感じ。民族衣装を着た人が現れて、井戸水を汲むのを想像してしまいました。
この土壁が村の終点です。茅葺き民家がいっぱいの小さなビュー・ポー村は、本当に魅惑的な村でした。この道の先にもまだまだ街道は続きますが、今回はここで帰途につきます。
ちなみに、菖蒲が一番元気に咲き並んでいたのはこの門です。5月晴れの午後の散策に相応しい風景でした。
さいごに
春爛漫の茅葺き屋根街道、いかがでしたか?
異国の茅葺き屋根でありながら、不思議と郷愁を感じて、時を止めて留まっていたいような、懐かしい幸せな感情が湧き上がってきました。のどかな昔風の風景は、みなさんの癒しになりましたか?
さいごまで、田舎道をお付き合いいただき、ありがとうございました。
ではまた、次の旅路でお会いできることを楽しみにしています。
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原田さゆり
- 旅・文化・猫を愛する、フランスの田舎在住者。フランス中を旅しています。