鉄道開業150年。日本の近代化を牽引した新橋・横浜の鉄道遺産のお話

新橋駅 150年記念

車掌かんちゃんです。1872(明治5)年、新橋〜横浜間に日本初の鉄道が開業してから、今年の10月14日で150年を迎えます。鉄道遺産として保存・復原され、観光地となった、当時の駅舎、線路を訪ねます。

>>繁体字版記事:鐵路開通150週年。日本現代化的引擎:新橋・橫濱的鐵路歷史。

目次

開業当時の位置に駅舎を忠実に再建、鉄道発祥の往時を偲ぶ

新橋停車場駅舎

新橋停車場駅舎です。

アメリカ人R・P・ブリジェンスが設計して1871(明治4)年12月に完成した木骨石張り構造で当時はまだ珍しかった西洋建築です。文明開化の象徴と言われましたが、1923(大正12)年9月の関東大震災で焼失しました。後に汐留貨物駅となりましたが、1986(昭和61)年に使命を終えて廃止されました。

1991(平成3)年、跡地再開発工事に伴う発掘調査の結果、当時のプラットフォームの遺構や建物の礎石が発掘されたため、駅舎を再建することになりました。

現在は「旧新橋停車場 鉄道歴史展示室」として出土品の展示や鉄道関連の企画展も開催されています。入場無料。お得な施設です。

>>旧新橋停車場 鉄道歴史展示室 公式サイトはこちら

日本の鉄道のスタート地点。鉄道記念物、国の史跡に指定

ゼロマイル標識

0哩(ゼロマイル)標識です。

鉄道建設をするために始めた測量の新橋側の起点です。ここから日本の鉄道は全国へと建設されていきました。まさに鉄道の原点です。1936(昭和11)年、駅舎よりも先に再現されました。

遺構は見つからなくても、終着駅のイメージを十分に感じ取る 

鉄道開業の碑

当時の横浜駅があった場所は、現在の桜木町駅です。残念ながら遺構が発見されす、駅近くに鉄道開業の碑が設置されています。

写真5:DSC_1839.JPG

「旧横濱鉄道歴史展示(旧横ギャラリー)」に展示されているイギリスから輸入され活躍した110形蒸気機関車です。他にも当時の客車や資料も展示しています。

桜木町駅からすぐ。横浜ならではの文明開化と食文化をテーマにしたフードホールがあります。汽車をモチーフにしており、他にはない雰囲気を味わえます。

>>旧横濱鉄道歴史展示の詳細はこちらから

日本の鉄道の礎を築いた恩人

エドモンドモレロの墓

1870(明治3)年に明治政府より初代鉄道建築師長に雇用されたイギリス人 エドモンド・モレロの墓です。

残念ながら鉄道開業の前年に他界しました。この人のおかげで今の日本の鉄道があります。しっかりお参りしてきました。元町・中華街駅から近い「横浜外国人墓地」に眠っています。

>>横浜外国人墓地 公式サイトはこちらから

輸送の要として日本の近代化を牽引した鉄道。廃線跡は人気観光地に発展

1858(安政5)年、日米修好通商条約が締結され、翌年に横浜が開港しました。絹、綿、お茶、特に生糸や絹製品は輸出の主力となり、これらの輸送の要となったのが鉄道です。貨物線は横浜港の隅々まで延びていました。

港一号橋梁

1907(明治40)年アメリカで製造された港一号橋梁です。

この先にある港二号橋梁も同年アメリカで製造されたものです。さらに先にある港三号橋梁は1906(明治39)年イギリスで製造されたものです。

かつての横浜臨港線の廃線跡が「汽車道」と命名され桜木町駅から赤レンガ倉庫までのプロムナードとして整備されました。鉄道遺産が観光地として再び脚光を浴びることになったのです。今では上空を都市型ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」が運航されています。

新港橋梁

1912(大正元)年、浦賀ドックで組み立てられた新港橋梁です。山下ふ頭までの山下臨港線の廃線跡を汽車道と同様に大桟橋、山下公園へのプロムナードとして整備されました。

徒歩数分の範囲でアメリカ製、イギリス製、日本製と3国の歴史ある橋梁を楽しむことができます。

生糸、絹製品、貿易品だけでなく、人も港まで鉄道でやって来た

旧横浜港駅プラットホーム

旧横浜港駅プラットホームです。

1911(明治44)年、横浜税関の構内荷役所として建設され、1920(大正9)年7月23日に横浜港駅となり、東京駅から初の汽船連絡列車が走りました。

華やかな海外航路最盛期の1928(昭和3)年に外航ターミナルに沿ってプラットホームは建設されました。1959(昭和34)年頃までポートトレインと呼ばれる列車が氷川丸の出航に合わせて運転されていました。今は、赤レンガパークの休憩所として、すぐ隣りにある「赤レンガ倉庫」への観光客が利用しています。

横浜と言えば港町(特に歌謡曲では)と答える方もいらっしゃると思います。港町横浜は開港して間もなくの150年前から港への貨物、人の運搬手段として圧倒的な存在感を示した鉄道の町になったのです。

皆さんも、鉄道という視点から港町横浜を観光されてみてはいかがですか。

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車掌かんちゃん

親からの最初の本は時刻表。いろんな列車に乗れて、給料ももらえるからと添乗員になりました。日本の鉄道路線、全て完全乗車の乗り鉄。住んでいる家も電車がよく見える線路沿い。鉄道が人生そのものです。

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