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スペイン国内をLCCで移動してみる~バレンシアから日帰りマヨルカ島
<トップ画像 ©VisitValencia>
今ではすっかり旅行時の交通手段としてお馴染みになったLCC(格安航空会社)。安価が魅力ではありますが、安い料金で乗るにはいろいろ制限があります。今回は私がこの4月にLCCでバレンシアからマヨルカ島に日帰りで行った時のお話をします。
目次
- シーズンオフはバレアレス諸島への航空券が安い
- バレンシアからマヨルカ島まで片道5.99ユーロ
- 荷物の数量や重さによって航空運賃がどんどん上がる
- 早朝や夜遅めの便が多いことはLCCの特徴
- スペイン国内の日帰り旅行のオプションに
- 安いものには何でもそれ相応の理由がある
シーズンオフはバレアレス諸島への航空券が安い
私が住むバレンシアは海を挟んでバレアレス諸島(マヨルカ島、メノルカ島、イビサ島、フォルメンテラ島)があることから、バレンシアやデニア、ガンディアの港からフェリーが就航しています。でも意外に安いのが空路で、特にシーズンオフには驚くような価格でチケットが販売されているのです。
バレンシアとバレアレス諸島間を飛んでいるLCCは、スペインのフラッグシップキャリアであるイベリア航空と英国のブリティッシュ・エアウェイズのインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)傘下にあるブエリング航空(本拠地:バルセロナ)とアイルランドが本社で欧州最大のLCC、ライアンエアーです。この2社とイギリスに本社があるイージージェットがスペインでもっとも知られているLCCと言えます。
バレンシアからマヨルカ島まで片道5.99ユーロ
ある日ふとシーズンオフ中はバレアレス諸島行きの航空券が安いことを思い出し、スカイスキャナーで検索してみることにしました。目的地はマヨルカ島です。
すると出てくる出てくる。一番安いものだと、ライアンエアーで片道5.99ユーロ!! 日本円で1,000円以下です(ちなみに私の住む町からバレンシア市内までの電車代は4.35ユーロ)。泊まりで行くとなると荷物を持ち込むのにお金がかかり宿泊費も必要なので、安いのだからとりあえず日帰りで行ってみよう!と決めました。
荷物の数量や重さによって航空運賃がどんどん上がる
一般にLCCの注意点は、最初に表示される金額は最低料金であるということ。主に荷物の量で値段が上がっていくのです。
ライアンエアーの料金体系は2つあり、Valueという最低料金だと自分の前の座席下におさまる荷物(40×20×25cm)だけを持って搭乗することになります。これって日帰りじゃないと無理ですよね。
もうひとつRegularというのがあり、これだと座席下の手荷物以外に座席頭上に収納できる荷物(10㎏以内)を無料で持ち込め、ほとんどの座席が無料で事前指定でき、さらに優先搭乗のオプションがつきますがその分高くなります。バレンシアーマヨルカ間往復Valueが11.98ユーロの場合、Regularだと42.32ユーロになります。
<©VisitValencia>
Valueを選択しても、座席頭上に置く荷物なら購入時に10.15ユーロの追加で持ち込むことができました。預け荷物がある場合は、同じく購入の際に55×40×20cm以内で10㎏までなら12.99ユーロ、119×119×81cm以内で20㎏までなら20.99ユーロの追加料金が発生しました(※料金はすべて片道あたり)。当日空港で大きさや重さ、数量が異なっていた場合は結構な追徴金を払うことになるそうなので、注意が必要ですね。
早朝や夜遅めの便が多いことはLCCの特徴
Value料金で事前の座席指定をしない場合は、オンラインチェックインは搭乗の24時間前からで(座席指定する場合は30日前からOK)、座席は割り当てられた席になります。短時間であれど真ん中の席が嫌な場合は、場所によって1.85~12ユーロで事前指定ができました。なお、オンラインチェックインをせずに空港カウンターに行くと、追徴料金が発生するそうなのでご用心を。
LCCの欠点のひとつとして、フライトの時間が早朝や夜遅めに多いことがあります。バレンシアーマヨルカ線も然りで、郊外の自宅とバレンシア間の電車時刻を考慮すると乗ることができない便がありました。そして選んだのは、朝8:10バレンシア発、帰りは18:15マヨルカ発のフライトです。飛行時間は55分。ほとんどは海の上ですが窓際に座りたかったので、片道1.85ユーロずつ出して座席を指定し、合計29.78ユーロ(4,000円強)になりました。
スペイン国内の日帰り旅行のオプションに
当日は預ける荷物はなく搭乗券を持っていたので、空港に着いたら直接搭乗口へ。マヨルカ島では知人に2軒のオリーブ農園に案内してもらい、行きたかったバルデモサの素敵なホテルのレストランで遅めの昼食を食べてきました。
電車の時間の関係で朝は5:30発の始発電車でバレンシアに行かないといけなかったことが大変でしたが、充実した日帰りマヨルカになりました。次回は空港からすぐの首都パルマ観光に出かけようかと考えています。
<羊が放牧されているバルデモサの山の農園>
<バルデモサの町。海のイメージが強いマヨルカながら、山間部も魅力いっぱい>
今回の経験から、スペイン国内でLCCを使う際に特にお伝えしたいことは次の2つ。
- 日帰りでない限り、座席下に入る以外の荷物があるはずなので、最終料金を確認し、同じルートに列車やバスがあるかを調べることをおすすめします。飛行機での移動は早いものの、空港には前もって着いていないといけないし、空港も町から離れた場所にあるので、それを考えると列車やバスの方が早いこともあります
- 日帰りの場合、どのくらいの時間目的地に滞在できるかを考えてみてください。私のように空港から遠い(1時間半以上かかります)ところから行き来するとなると、朝早い便や夜遅い便に乗れないこともあります。出発地点が空港に近いところなら、格安料金で遠方に日帰りできるLCCはかなり便利です
安いものには何でもそれ相応の理由がある
ちなみに、LCCをご利用の際は、『安さの裏付けは最低限のサービス』ということを覚えておいてくださいね。ライアンエアーの座席は長距離バスより狭くリクライニング不可、携帯の充電もできませんでした。また、使用されるゲートはたいていターミナルの奥にあるため空港内を結構歩くことになり、ゲートと飛行機間は徒歩でタラップを使って乗降というケースが多いことも特徴です。
<©VisitValencia>
ここに書いたことは私の2022年4月のバレンシアーマヨルカ往復時の経験に基づいたものです。今後規定が変わることもありますし、航路によっては規定が異なる可能性もありますので、ご利用になる方は詳細をご確認ください。
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。