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【エチオピア】現人類のルーツ、世界遺産オモ川流域の伝統的村を訪問 Part.2

記事投稿日:2022/04/30最終更新日:2022/04/30

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ムルシ族

目次

オモ川訪問でのハイライト、ムルシ族を訪問

前回の記事「現人類のルーツ、世界遺産オモ川流域の伝統的村を訪問 Part.1」に続きご紹介する、エチオピア南部オモ川下流。今回はさらに南下してオモ地方の最南部、南スーダンとの国境付近に住むムルシ族をご案内します。

ムルシ族の村はエチオピアでも最も隔絶された村の一つで、最寄りのジンカ村からさらに1時間ほど車を走らせた、マゴ国立公園内に住んでいます。したがって、訪問の際はジンカ村のホテル・ロッジに泊まることをおすすめします。

ジンカには、South Omo Museum and Research Centerという博物館もあり、近隣に住む少数民族について学ぶことができます。ジンカのマーケットは月曜に開催され、ムルシ族を含む周辺の少数民族も集まるようです。

ムルシ族

女性のリッププレートが特徴的なムルシ族

非常に珍しい文化を持つ少数民族として、日本のテレビ番組等でも取り上げられることのあるムルシ族。下唇にお皿のような円形のプレートを入れる女性の姿をご覧になったことのある方もいらっしゃるかもしれません。

ムルシ族はオモ川とその支流であるマゴ川に囲まれた山間に住む、エチオピアでも最も孤立した部族の一つ。人口の9割が彼ら独自の言葉であるムルシ語しか話さず、エチオピアで主流の言語であるアムハラ語等を話せないということもあり、独自の生活圏で暮らしています。アニミズム(精霊信仰)を信じる人々が大半ですが、キリスト教の布教も少しずつ広まっています。

ムルシ族の村を訪れるには、村への訪問費として200ブル、スカウト(護衛のようなもの)に200ブル、ムルシ族の住む国立公園への入場料340ブルが必要になります(1ブル=2.42円、2022年4月8日時点)。また、写真を一枚撮るのに、1人5ブルの謝礼が必要です。

ムルシ族の特徴は何と言っても、約12cmにもなる木製、もしくは土でできたリッププレートを下唇にはめた女性たち。このリッププレートは成人女性の美の象徴であるとともに、リッププレートがあることで「献身的」、「働き者」「忍耐力がある」女性の証とされ、結婚に際する結納金(実際には牛などの家畜)が高額になるそうです。

女子が15歳になると、リッププレートを付ける準備が始まります。まず、下唇に小さな切り込みを入れ、木の枝ほどの細さの棒をピアスのようにするところから始めます。その際、最終的にプレートを入れるためのスペースが必要になるため、下顎の前歯をハンマーで砕くこともあるようです。その穴を拡張していくため、毎日、少しずつ大きなサイズの枝、そして、お皿に変えていくことで、徐々にプレートを入れるための穴が完成していくのです。このプレートは大きければ大きいほど、美しいとされます。

ムルシ族

女性たちも常にこのプレートをつけているわけではなく、プレートのない穴だけの状態で多くの時間を過ごしているようです。また、結婚後長く経つと徐々に着用を止め、夫の死を迎えるとプレートをつけることを完全に止めます。

ムルシ族

現在は美の象徴とされているこのリッププレートですが、起源は18〜19世紀にも遡ります。当時、アラブ商人が奴隷貿易でエチオピアから多くの奴隷を取引していました。ムルシ族の男性たちは、女性たちにリッププレートをつけ、わざと醜くすることで、村の女性たちが奴隷商人の手に渡ってしまうことを防ぐようになりました。そうして生まれた文化が、次第に、美の象徴へと置き換わっていったのです。

ムルシ族

ムルシ族の男性は、乾燥や高い気温から体を保護するため、石灰岩の白い粘土でボディペインティングを施します。石灰岩が虫除けの役割も担うようです。

ムルシ族

現在ではこのリッププレートの文化は人権や健康への害をもたらすという観点から政府によって禁止され、また、キリスト教の布教とともに、徐々に消えつつあります。そのため、ムルシ族のリッププレート文化を目にできなくなるのも、そう遠くはないかもしれません。

入場料: 村への入村料は200ブル(これに加え、国立公園への入場料340ブル等も別途必要)

ワニの市場、クロコダイルマーケット!?

オモ川周辺の観光後、アジスアベバに戻る前に、ぜひチャモ湖を訪れてみてください。チャモ湖はネチサル国立公園内にあります。様々な動物が集まり、カバやペリカンなども観察できます。

ボートツアーに参加すると、「クロコダイルマーケット」にも連れていってくれます。ワニ皮製品を扱う市場?と思いきや、沢山のワニがひしめき合って日光浴をしている、ワニの住処なのでした。ここに住むワニは世界でも4番目に大きく、アフリカ最大のワニだそう!

クロコダイルマーケット

  • 住所:Nech Sar National Park, Arba Minch, Ethiopia
  • 電話番号:+251 22 827 953/ +251 046 881 4080
  • 営業時間:7:00〜16:00
  • 入場料:ボート一艘(8人乗り)800ブル、(加えてガイド代が必要)

エチオピア料理といえば...

エチオピアの主食と言えば、旅行者の間でも好き嫌いの分かれる、インジェラと呼ばれる食べ物です。テフという植物の粉を水で溶き、発酵させたものを、クレープのように焼いたものです。発酵させているので酸味があり、気泡が多く開いた、薄いパンケーキのようなものでしょうか。このインジェラに、ワットと呼ばれる肉の煮込みや炒り卵、豆のペーストなどを包んで手で食べます。

インジェラ

インジェラ

また、エチオピアでは生肉を食べる習慣もあり、テレスガと呼ばれます。大きな塊で提供される生肉を手にとって、唐辛子のタレとインジェラで食します。日本人の口にも合う味と聞いていますが、サナダムシなどの寄生虫感染もあるとのことで、挑戦は自己責任で!

まとめ

今回2回に分けてご紹介したエチオピア・オモ川周辺は、近年の水力発電ダムの建設や、砂糖プランテーション(大規模農園)の開発により、独自文化の喪失が危ぶまれています。リッププレート文化なども、人権の観点から禁止が進み、こうした少数民族独自の文化を直接目にすることのできる時間は限られているでしょう。

人類の起源とされるエチオピアのオモ川は、そうした消えゆく文化、人類の歴史を肌で実感するのに最適な場所です。ぜひ、皆さんの目で見て、肌で感じて、人類の歴史の証人になりませんか?

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Saori K. Courtois
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