【日帰り登山】富士山を支える山・愛鷹(あしたか)山塊に登る

越前岳山頂

こんにちは!「三度の飯と山が好き!!」がキャッチフレーズの倉山(くらさん)です。

世界文化遺産で名高い富士山。その麓に、あたかも貴者の従者を従えるごとく、3つの山を持っていることをご存じでしょうか?

その3つの山とは、静岡県の愛鷹山(古くは足髙山)、神奈川県の足柄山、山梨県富士河口湖町の足和田山です。訓読みで「アシ」なので、この3山は「富士の三足」または「富士三脚」と言われており、富士を三方から支えているような姿を呈しています。

今回、富士山が雪化粧を始めた10月の下旬に、三足(三脚)のひとつ「愛鷹山」の山塊へ、気の合うメンバーで登って来た時の様子をご紹介します。

愛鷹山塊全景
<愛鷹山塊全景>

目次

1. 愛鷹山塊はどこにあるの?登山口はどこ?そこまでどうやって行くの??

先ず初めに、愛鷹山塊(愛鷹連峰とも紹介されています)とは複数の山々の総称です。

山塊には、黒岳・越前岳・呼子岳・蓬莱山・鋸岳・位牌岳・袴腰岳・愛鷹山と、峰々がS字形に連なっており、東西に幾筋もの支尾根が派生している、日本二百名山のひとつでもあります。

静岡県裾野市、沼津市、富士市、長泉町との3市1町の境に位置しその周囲およそ60キロメートルの大きな山塊です。

ここでは、裾野市側から登る登山口3ルートを紹介しましょう。

  • 山塊の入門コースと言われ黒岳(標高1,086m)に登る歩行約3時間6km「愛鷹登山口」
  • 山塊の最高峰の越前岳(標高1,504m)を目指す歩行約5時間9km「十里木高原登山口」
  • 山塊第二位の主峰の位牌岳(標高1,457m)を目指す歩行約6時間14km「須山登山口」

それぞれのルートを組み合わせることにより縦走もできますから、歩行時間と距離を長くするオリジナルルートを楽しむこともできます。

電車を利用する場合

JR御殿場線の御殿場駅で下車、富士急行の路線バス利用で各登山口まで移動。

東海道線の三島駅からも路線バスがありますが、本数が少ないため、必ず事前に運行状況をご確認ください。

>>>「富士急行路線バス時刻」の公式サイトはこちらへ

マイカー利用の場合

一般的に東名高速道路の御殿場、裾野、沼津のいずれかのインターチェンジを下り、登山口駐車場まで30分程度で到着します。(駐車場は無料です。)

東名高速道路には、沼津市の愛鷹山塊に近い所に愛鷹パーキングエリアの施設がありますので、立ち寄ったことがある方もいらっしゃるのでは?

今回、私たちはマイカー移動でしたので、愛鷹登山口の山神社の駐車場に車を止め、後でご紹介する周遊するルートを歩きました。

ルートマップ

<登山ルートイラストマップ【フジヤマNAVI】より転用 ※黄色の太い線が歩いたルートです>

>>>「フジヤマNAVI 愛鷹山周辺」の詳細情報はこちらへ

2. 今回歩いた愛鷹山塊のオリジナル周遊ルート

【私が歩いたルートの全行程です。行動7時間11km】天気は快晴 ※印は標高

愛鷹山登山口==山神社駐車場※748m【8:30スタート】・・愛鷹神社・・(40分)・・富士見峠・・(往復60分)・・黒岳※1,086m・・富士見峠・・(40分)・・鋸岳展望台※1,185m・・北白ガレン※1,336m・・(40分)・・富士見台※1,420m・・(20分)・・越前岳※1,504m(昼食)・・(40分)・・呼子岳※1,310m・・(20分)・・割石峠※1,245m・・(往復30分)・・蓬莱山※1,294m・・第二ケルン・・(60分/下山ルート)・・第一ケルン・・大沢橋※890m・・(30分)・・山神社駐車場【15:30ゴール】==御胎内温泉健康センター(日帰り温泉立ち寄り)

スタート地点

駐車場横の山神社からスタートします。

愛鷹登山口ルート周遊コース

愛鷹登山口ルートから登る周遊コースを選択しました。

木立

登山道では根っこがむき出しですが、真っ直ぐ伸びた杉の木々に囲まれています。

新緑の中のよう

まるで新緑の頃みたいですが、登ったのは10月の下旬です。天気は今回も快晴でした!

黒岳への分岐

看板はこの通り、明瞭に案内されているので、迷う心配はありません(ここは黒岳への分岐)。

初登頂

本日最初の登頂。「黒岳」には眺望がありませんでした。

鋸岳展望台

鋸岳展望台付近からだんだんと眺望が開けてきました。

越前岳

愛鷹山塊最高峰の「越前岳」の山頂です。多くの方々が昼食休憩で賑わっていました。

越前岳から富士山

私たちも越前岳の山頂で昼食をいただきました(山頂はそんなに広くはありません)。

呼子岳へ

越前岳から富士山がドッカーンと見えるのですが、なぜか富士山の方向だけ雲が取れませんでした。

道中

呼子岳(よびこだけ)を目指して歩きます。時刻は既に正午になっていましたが、天候は安定していました。

梯子

越前岳から呼子岳の登山道は荒れている所もあるので、気を引き締めて。危ない!梯子が壊れていました

滑りやすい道

呼子岳まではやせた尾根も歩きます。

呼子岳登頂

滑りやすい道は間隔を空けて、慎重に通過します。

呼子岳

本日四つめの頂き「呼子岳」に登頂しました。

眺望

呼子岳より少し歩いた場所からの眺望。駿河湾と沼津、富士、静岡市街が見渡せます。

位牌岳

蓬莱山からの眺望。今回は歩いてはいませんが前岳の方面です。

南アルプス

蓬莱山から愛鷹山塊第二位の主峰の「位牌岳」を望みます。残念ながらここへは通行止めで縦走ができません。

眺望

蓬莱山から遠く南アルプスも雪化粧していました。冬本番も近いですね。

西伊豆を望む

蓬莱山から西伊豆を望む。海がこれほどに見える登山も愛鷹山塊の特徴です。

眺望

蓬莱山からは三保の松原も近くに見えます。海が見えると登山の楽しみ方も変わります。

トリカブト

きれいな花には棘も毒もあるので注意!この花はあの「トリカブト」です。ご用心、ご用心。

涸沢

大沢が涸沢となり、大小様々な石がこんな感じで転がっていました。目印のテープに従って下山します。

苔

季節は晩秋を迎えようとしていますが、苔が活き活きとしていて、豪華な庭園みたいです笑。

杉の木

登山道を塞ぐように1本の大きな杉の木が現れました。このコースでは、他でも立派な大杉を見ました。

帰着

無事に駐車場に戻ってきました。この周遊コースは7時間で11kmを歩きました。

3. 雑談とワンポイントアドバイス

今回ご紹介した愛鷹山塊(愛鷹連峰)は、丹沢の塔ノ岳や三ノ塔、箱根の金時山、富士山からも良く見える大きな山塊です。登山される方なら、富士山の雄姿とともにこれまでに、必ずご覧になっていると思います。

富士山

丹沢の塔ノ岳から望む愛鷹山塊(左端)と富士山の雄姿。眺めたことありませんか?

>>>塔ノ岳に登った記事はこちら→【日帰り登山】関東近郊の眺望絶佳『丹沢山地』を歩こう!

愛鷹登山口からのコースは、全般的には整備されて歩きやすい登山道ですが、越前岳から呼子岳までは、やせ尾根の岩場とアップダウンが繰り返し、切れ落ちた所もあるので特に慎重に歩きたい道です。

しかし、この区間からの伊豆半島や駿河湾、市街地の眺望はとても素晴らしいので、ぜひ足を止めてその美しい眺望をお楽しみいただきたいと思います。

割石峠からの下山道は、大沢が涸沢となり、大小様々な石が転がった不安定な道が続き、初心者の方には少々苦労の多い下山になるかもしれません。このゴツゴツした不安定な道が、疲れた足腰にはとても刺激的ではありました。

登山ルートが幾つもあるとご紹介しましたが、家族連れで来られる方もいらっしゃると思います。

初心者や体力に不安のある方は、十里木高原の登山口からスタートして、富士山の眺望が良い見晴台を経由し最高峰の越前岳に登頂して、来た道を戻るピストンルート(行動約4時間)でも充分楽しめると思います。

三足(富士三脚)の他の山も簡単に紹介しましょう

神奈川県の「足柄山」は、金太郎伝説を伝える山といえば、身近に感じる方もいらっしゃるでしょう。神奈川・静岡の県境にある景色の素晴らしい足柄峠を中心とする山地です。標高1,212mの金時山を歩く「金時山コース」や「金太郎コース」と呼ばれる初心者の方でも安心満足の登山道があります。

一方、山梨県の「足和田山」は、鳴沢村と富士河口湖町の間にある標高1,355mの山です。登山を始めたい方にお勧めの「足和田山~三湖台~紅葉台」歩行時間3時間ほどのルートです。紅葉の季節には登山客で賑わうスポットですが、通年で富士山麓の自然に親しむことができる山です。

富士山麓は日帰り温泉も多いエリアです。

>>>今回立ち寄った御胎内温泉健康センターの公式サイトはこちらへ

最後に愛鷹山塊の最高峰「越前岳」標高1,504mからの眺望動画をお楽しみください!

こんなにも楽しい富士三脚に、私と一緒に登ってみませんか?

富士山登山はまだまだ続く

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倉山(くらさん)

2013年富士山が世界文化遺産登録の夏、50歳を迎えるこの年に富士山登頂を人生の思い出にしようと体力作りに近郊の山を歩き始めました。最初は息切れ筋肉痛や転倒など情けない状態でしたが、大自然に抱かれる心地よさに魅了されてしまい今では低山から日本アルプスまで登山なしではいられない生活になりました。仲間でお弁当持ってく歩く山が楽しくて大好きです。単独行でストイックに歩く山も好きです。素晴らしい景色、美味しい空気、そして大自然のありがたさを仲間の皆さまに感じて頂きたいと思う毎日です。目の疲れもストレスも景色を見ると癒されます。体調がとても良くなり食事が美味しくなります。きっと良いことが待っている山歩きを私と一緒に始めてみませんか。

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