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サウンド・オブ・ミュージック・トレイルで「ドレミの歌」のロケ地をハイキング!

オーストリアを舞台にしたミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』。「ドレミの歌」や「エーデルワイス」、「私のお気に入り」など、口ずさめる方も多いでしょう。オーストリアには、この映画のロケ地が各地にありますが(参考記事:「サウンド・オブ・ミュージックのロケ地!マリアとトラップ大佐の結婚式が撮影されたモントゼー教会」)、今回はその中でも、ハイキングがてら訪れることのできる、「ドレミの歌」のロケ地に行ってみました。
<サウンド・オブ・ミュージック・トレイルの案内板>
目次
「ドレミの歌」のロケ地とオーストリアでの知名度
「ドレミの歌」は、トラップ家の7人の子供の家庭教師を務めるマリアが、子供たちと共に山にピクニックに訪れる場面から始まります。歌を知らない子供たちに、ギターを弾きながら音符と歌の成り立ちを教え、歌の後半では、ザルツブルクの町や湖畔を歌いながら練り歩きます。その後のトラップ・ファミリー合唱団の伏線となる、重要な場面です。
歌の後半部分のロケ地は、ザルツブルクのメンヒスベルクとミラベル宮殿と馬車に加え、モント湖沿いのサイクリングロードで、観光コースにも組み込まれやすいスポットですが、前半のピクニックのロケ地は、背景に古城の見えるアルプスの牧草地で、なかなか観光バスなどで訪れる機会のない場所です。
世界的に愛されている『サウンド・オブ・ミュージック』ですが、実はオーストリア人にはあまり知られていませんし、歌を知っている人も少数です。その理由は諸説ありますが、ハリウッド化されたオーストリア像が不自然だ、類似のミュージカル映画はオーストリアには多数あり、わざわざ外国のものを見る必要がない、などです。どちらにせよ、アメリカ人や日本人より、『サウンド・オブ・ミュージック』に対する関心はずっと低いのが現状です。
サウンド・オブ・ミュージック・トレイルを歩く
ザルツブルクに向かって北上する高速道路を走っていると、突然目の前に、立派な古城が姿を現します。この城が、「ドレミの歌」の背景に登場する、ホーエンヴェルフェン城。ザルツブルクからは、車で40分ほどの距離です。
<ホーエンヴェルフェン城>
11世紀に作られた質実剛健な城で、様々な映画のロケ地にもなっていますが、今回はそのお隣の山に登り、「ドレミの歌」の前半シーンが撮影された場所に行ってみましょう。
<ヴェルフェンの街並み>
出発点は、ヴェルフェンという静かな田舎町。ここから少し道なりに登ると、トレイル入り口のゲートが見えます。
<サウンド・オブ・ミュージック・トレイルのゲート>
このトレイルは、映画50周年の2015年に整備された、比較的新しいハイキングコースです。ゲートからロケ地までは、1.4キロの道のり。ゆっくり歩いても1時間もかかりません。
<ハイキングコースの案内板>
このトレイルは、「ドレミの歌」が流れる手回しオルゴールや、休憩用のベンチ、歌詞合わせゲームなど、『サウンド・オブ・ミュージック』がテーマの仕掛けがいくつか用意されていて、映画ファンや家族連れでも飽きずに進むことができます。
<ベンチに刻まれた「私のお気に入り(My Favorite Things)」の歌詞>
<歌詞組み立てゲーム「マジック・キューブ」。上は"Climb every mountain"が正解です>
こうしてしばらく歩くと、景色が開け、山の中腹にある放牧のための牧草地「アルム」に出ます。ここが、ドレミの歌のピクニックのシーンが撮影された高台、クシュヴァントアンガー(Gschwandtanger)です。
牧歌的なアルムの一部に柵がめぐらされ、エーデルワイスのロゴが見えます。ここにはピクニックテーブルと、映画に関連するフォトスポットが用意されています。
<アルムの一部に区切られた休憩エリア>
映画と全く同じ角度で、隣山のホーエンヴェルフェン城が見えるのには感動します。
<ロケ地から臨むホーエンヴェルフェン城>
<右側に広がる風景も、映画の背景でおなじみ>
高台の傾斜の角度も、映画で見た通りです!ここでマリア役のジュリー・アンドリュースが、子供たちに囲まれてギターを弾き、みんなで「ドレミの歌」を歌っていたのですね。それが50年前に、実際にここで撮影されたことを考えると、ふしぎな気分になります。
<ホーエンヴェルフェン城と撮影できるフォトスポット>
<登場人物と古城を背景に撮影できます>
まとめ
『サウンド・オブ・ミュージック』のロケ地ハイキング、いかがだったでしょうか?歩きやすい靴であれば、1時間弱の気持ちの良いハイキングコースです。マリアとトラップ一家の子供たち気分で歌いながら、山登りしてみるのも楽しいですよ!
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ひょろ
- オーストリア、ウィーン在住。10年以上暮らしてもまだ新しい発見の連続のウィーンの魅力を、記事執筆、現地調査、ネットショップなどを通じてお届けしています。国際機関勤務を経て、バイリンガル育児の傍ら、ミュージカル観劇が趣味。