オーストラリアのエスペランスのピンクレイクはピンクじゃない!? ピンクレイクの正体に迫る!!

注意書き

オーストラリアの壮大な自然風景の中で、有名なもののひとつとして『湖がピンク色をしたピンクレイク』というものがあります。しかしこれについては、勘違いしやすい情報も紛れ込んでいるのでここで整理しておきましょう。

目次

ピンクレイクとは

湖面がピンク色をしている湖を総称してピンクレイクといいます。

ピンクレイク

これは夕日が反射してピンクに見えているのではありません。

なぜピンク色をしているのかというと、湖水に塩分を多く含んでおり、その塩分を好む藻類やバクテリアが出す成分でピンク色になっています。その成分とは人参に多く含まれるカロテンと同じものだそうです。

西オーストラリア州の有名なピンクレイク

最初にも書いたようにピンクレイクは総称なので、オーストラリア国内にいくつか存在します。ここでは私の住む西オーストラリア州の有名なものを紹介します。

ヒリアー湖(Lake Hillier)

オーストラリアのピンクレイクで最も有名なところと言えば、西オーストラリア州南部のエスペランスにあるヒリアー湖です。

州都パースから約700km南東にあるエスペランスの街から更に120km離れたミドル島にあります。(この湖がエスペランスにあるという部分がこの記事のポイントなのですが、詳しくは後半で。)

ミドル島までは船で12時間もかかるので、おすすめはエスペランス空港発の2時間の遊覧飛行でピンクレイクを上空から眺めるツアーです。

この湖の遊覧飛行についての詳細は、以前たびこふれの記事にもなっています。

>>何でこんな色に!?西オーストラリアで発見したピンクレイク!

オーストラリアの数あるピンクレイクの中でも、天候に左右されることなくいつでも真っピンクに見られる湖です。

ハットラグーン(Hutt Lagoon)

パースからアクセスしやすいことで有名なハットラグーン。とは言え、パースから北に約520kmのところにあります。

時間帯によってピンクの色味が違い、最もおすすめの時間帯は日中か日没後だそうです。

ハットラグーン

実は6年前に行ったことがあるのですが、当時はピンクレイクの存在を知らずに通りかかったので、初めて見たときはびっくりしました!残念ながらカメラの質があまりよくなく、撮れた1枚が上のものになります。

ドローンによる動画撮影を見ると圧巻なので、上空から見るのがいいかもしれません。こちらも遊覧飛行ツアーがあるそうです。

エスペランスの本物の『ピンクレイク』

ここからが本題なのですが、オーストラリアで最も有名なピンクレイクであるヒリアー湖のある街エスペランスには正式名が『ピンクレイク』という名の湖が存在します。

このピンクレイクはエスペランスの街から車で10分ほどと近いので、エスペランスに行った際に本物のピンクレイクを見に行ってきました。ナビに従って目的地が近づいてきたのですが・・・

道中

あれ?これがピンクレイク??気を取り直して展望台から見てみましょう。

スペンサー湖

えっ・・・と驚きの声が聞こえてきますが、そうです。真っ白なのです。

このピンクレイクはピンク色をしていないのです。その理由の説明書きがありました。

注意書き

この説明によると、元々この湖は1848年にスペンサー湖(Lake Spencer)と名付けられていました。とても鮮やかなピンク色をしていることから人々はピンクレイクと呼ぶようになり、1966年には正式にピンクレイク(Pink Lake)と改名しました。

実はこのピンクレイクは東に数kmほど離れたところにあるいくつかの湖の流水システムの終点地点であり、その溜まった水が夏に蒸発して塩分が濃くなることで鮮やかなピンク色を発していました。

しかし、ピンクレイクと他の湖の間に鉄道や高速道路が貫通したため水が流れてこなくなりました。また、ピンクレイクでは19世紀末から2007年まで塩採掘がされており、これらの理由によってピンク色が失われてしまったのです。

1970年代のピンクレイクの写真を見ると鮮やかな色なのに、とても残念です。

1970年代ピンクレイク

勘違いされやすいピンクレイク

このピンクレイクは長年にわたって観光名所として人気を集め、エスペランスには『ピンクレイク』を名乗ったお店やローカル企業も多く存在していました。残念ながら、現在はピンク色ではありません。しかし、皮肉なことに、現在オーストラリアのピンクレイクとして最も有名なのは同じエスペランスにあるヒリアー湖です。これはエスペランスの街から120km離れた島にあります。

この情報がごっちゃに混ざってしまい、エスペランスのピンク色のピンクレイクを見にはるばる来た観光客ががっかりしてしまうということが多々あるようです。残念に思ったそこのあなたにちょっとした朗報です!現在、自治体がピンクレイクの復活に向けて研究を進めているようなので、これからも目が離せませんよ~!

実は結構ある名もなきピンクレイク

基本的にピンクレイクは塩分が多いことが条件なのですが、私の住む穀倉地帯には、名もなき塩湖がいくつか存在していることから、そのときの気候によってピンクレイクを見ることができます!

ピンクレイク

周りの白い部分は塩です。

ピンクレイク

塩

時にはイエローレイクという真黄色な塩湖が見られることもあるので、ロードトリップしながら探すというのも楽しいかもしれませんね。

まとめ

ピンクレイクというのはピンク色をした湖の総称ですので、検索するときは正式な湖の名前を確認しましょう。また、正式名がピンクレイクという湖は現在ピンク色をしていません。最も色の濃いヒリアー湖もピンクレイクと同じくエスペランスにありますが、これは街から遠く離れた島にあるのでお間違いなく!

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