気分は時代劇!京都八幡の上津屋橋こと流れ橋で夕暮れを撮る

上津屋橋

名所への観光というのは、日常にうるおいを与えてくれます。美しい風景は、忙しい毎日の中に非日常をもたらしてくれるとても貴重な存在です。今回は、現代に存在しながらも、そこを訪れるとあたかも江戸時代にタイムスリップしたかのような気分を味わうことのできる名所を紹介します。

それが、京都府八幡市にある「上津屋橋(こうづやばし/通称:流れ橋)」です。

目次

流れ橋こと京都八幡上津屋橋の歴史について

上津屋橋
<流れ橋こと上津屋橋>

上津屋橋が架けられたのは昭和28(1953)年。そのいかにも古風な見た目とは裏腹に、実は戦後の建造物です。

木津川に架けられたこの橋最大の特徴は、「流される」ことを想定した設計がなされていること。川の上に橋を架ける際もっとも注意すべきは、豪雨による洪水です。激しい水の勢いで橋が決壊しないためにはさまざまな工夫で強度を上げる必要がありますが、それでも自然の脅威から完全に逃れることはできません。

頑丈で壊れない橋にしようとすればするほど費用も嵩み、莫大なコストと時間がかかってしまいます。それにも関わらず、想定以上の濁流で損害を被れば悲惨の一言です。

上津屋橋
<上津屋橋の歴史や特徴が書かれた看板>

しかし、上津屋橋は「流れ橋」という別名の通り、むしろ橋桁が流されやすくなっています。

橋桁と橋板の部分は水に浮くように設計されており、それに加えてワイヤー橋脚に固定されているので、外れはすれど遠くまで流されるといったようなことはまず起こりません。あえて分離することで洪水の勢いをまともに受けず、事態が落ち着いたならばすぐ復旧ができるようになっています。

上津屋橋
<上津屋橋の橋桁と橋脚、ワイヤーロープ等で固定されている>

上津屋橋は竣工以来20回以上に渡る流出を経験していますが、復旧不可能なほどの大損害を受けたことはありません。近年最新技術による改修も繰り返され、「流れにくさ」も兼ねたより丈夫な橋へと進化を遂げました。

京都八幡流れ橋こと上津屋橋へのアクセス

石清水八幡宮駅
<京阪電気鉄道、石清水八幡宮駅前>

上津屋橋へ行くには、京阪電気鉄道石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)駅から京阪バスに乗る必要があります。

石清水八幡宮前バス乗り場
<石清水八幡宮前バス乗り場>

乗り場は2番。「73」「73A」「75C」「76」「76B」のバスに乗り、「上津屋流れ橋」で降ります。

「上津屋流れ橋」バス停
<「上津屋流れ橋」バス停>

降りた後は、バスが走っていった方向へ直進。

看板
<左側の看板に注目>

しばらくすると行先を示す看板が見えてくるので、それにしたがって進めばたどり着けます。

橋の近く
<この坂を超えればもうすぐ>

日本映画、ドラマを支えた縁の下の力持ち

上津屋橋
<上津屋橋の俯瞰風景写真>

現地へ到着してまず驚かされるのは、その存在感でしょう。

茶畑に囲まれた河川敷と、その先にでんと架かる木造の巨大な橋のでんとした佇まい。

上津屋橋
<上津屋橋の俯瞰風景写真>

そこから少し先を通る「第二京阪道路」の現代的テクノロジー溢れる見た目と比べると、その異質さを実感できます。

上津屋橋
<上津屋橋を歩く観光客>

それが観光客には大人気。この日は7月、かげろうがゆらぐほどの猛暑であったにも関わらず、多数の観光客がこの地を訪れていました。見ても分かる通り、この橋には欄干がありません。あまり端っこを歩きすぎて落ちてしまわないよう気を付けましょう。ペットや子どもと渡る場合、特に注意しておかなければなりません。

上津屋橋

橋を渡った先は、久世郡久御山町。

この地域にある浜台の茶畑では高級茶である「磯茶」が生産されており、「日本茶のふるさと」として「日本茶800年の歴史散歩~京都・山城」にも選ばれています。

上津屋橋
<八幡側から見た上津屋橋。入り口そばの碑は「必殺シリーズ」で知られる俳優の故藤田まこと氏が寄贈したもの>

上津屋橋は映像の世界においても昔から愛され続けています。

「暴れん坊将軍」や「水戸黄門」「必殺シリーズ」などのテレビ時代劇。そして、「小早川家の秋」「座頭市」などの日本映画にてしばしばロケ地として使われてきた歴史があります。

現地を訪れたことがないという方も、何かしらの形で一度は見たことがあるかもしれませんね。

上津屋橋
<水がほぼない状態の上津屋橋>

川の水位は時期によって差があり、この日はほとんど水がありませんでした。暑さでカラッカラです。真夏の枯れた川を見ていると、いっそう暑さを実感させられてしまいます。

しかしその分、橋の下に降りて撮影を行うといったこともできました。

上津屋橋
<久御山側にはある程度水が残っていた>

夕暮れの上津屋橋を撮影

上津屋橋
<日暮れ、夕陽が水たまりに反射している>

日中でもその姿が美しい上津屋橋ですが、夕暮れになるとさらに見応えのあるものになります。

上津屋橋
<逆光によって完全な影になった上津屋橋の風景>

強烈な夕陽によって生み出される逆光の景色はまさに現実の中の非現実。エモーショナルな「作品」としての風景写真を撮影したい人にもおすすめできるスポットです。

まとめ

京都八幡にある上津屋橋(流れ橋)は、時代劇の雰囲気を体感できる個性的な観光スポットです。

特に、黄昏時の絶景は一見の価値あり!のんびりしたなつかしい雰囲気を楽しみましょう。

同日写真とともに撮影したものです。ノスタルジックな雰囲気をお楽しみください。

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緑一郎

関西を拠点に活動するフリーランス。ライティングだけでなく、写真や動画に関する仕事も手がけています。あまり多くの人に知られていない場所を積極的に紹介していければと考えています。

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