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明治神宮と永遠の杜~初詣参拝者数1位である明治神宮の歴史と見どころ~
初詣参拝者数が300万人以上と全国第1位である、東京・明治神宮。令和2年に鎮座百年を迎えました。神社としての歴史は比較的浅いながらも、知名度と人気は圧倒的であり、日本を代表する神社の一つとして知られています。
若者の街・原宿や表参道がお隣にあるとは思えないほど、清浄な空気と心安らぐ鎮守の杜で都会のオアシス、その一方で関東屈指のパワースポットでもあります。今回は明治神宮の魅力を徹底解説します。
目次
<6. 明治神宮の見どころ その3. 明治神宮ミュージアムと宝物殿>
<7. 明治神宮の見どころ その4.明治神宮のパワースポット>
<8. 明治神宮の見どころ その5.CAFÉ「杜のテラス」>
1. 明治神宮の御祭神・歴史
まずは明治神宮の御祭神と歴史をおさらいしましょう。
御祭神
<明治神宮の御祭神>
- 明治天皇(第122代天皇、1852~1912年)
- 昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう、明治天皇の皇后、1849~1914年)
御祭神をお祀りし、皇室の弥栄(いやさか=一層栄えること、繁栄)と我が国の隆盛、世界平和を御神徳としています。
ちなみに、明治天皇の御陵(墓所)は、生前のご遺言により京都の伏見桃山陵に置かれ、昭憲皇太后の御陵はその隣の伏見桃山東陵に置かれています。
歴史
幕末の動乱を経て、明治の夜明けとともに日本を近代化へ導いた立役者の一人、明治天皇。これまでに先例のない全国巡幸(天皇による現地視察)、外国人との謁見や率先した西洋化の導入、「教育勅語」などによる国民道徳精神の向上と普及につとめられる一方、質実剛健かつ博愛の精神、ユーモアにも長けたお人柄と、和歌にも秀でられるなど文武に優れた新時代の君主でした。
そんなお人柄とご聖徳により国民に広く慕われた明治天皇。明治45年(1912年)の崩御にあたっては御陵が京都に置かれることになり、天皇を慕う国民の強い希望により、その御霊を東京に祀る明治神宮の造営が決定されます。
明治神宮の境内はおよそ70万平方メートルあり、東京ドーム15個分に相当するほど広大です。
明治神宮ができる以前の代々木の地は、今では想像もつかないほど荒れ果てた不毛の大地だったといいます。しかし、明治天皇・昭憲皇太后にゆかりのあるこの地に明治神宮が造営されることになり、それを取り囲む鎮守の杜として、やがて自然の力で世代交代を繰り返す「永遠の杜」となるよう、椎・樫・楠などを中心とした常緑照葉樹の杜にすることが決定されました。
以降、全国各地から10万本余の献木が奉納され、さらにのべ11万人もの青年が率先して植林や参道づくりのボランティア活動に励みました。
昔から存在するかのような豊かな明治神宮の杜ですが、実はまだ100年ほどしか経っていない、人々の想いから生まれた人工の杜なのです。
2. 明治神宮へのアクセス
それでは次に、明治神宮へのアクセスをおさえておきましょう。
まず、明治神宮の入り口としては、南参道の原宿口、北参道の代々木口、西参道の参宮橋口の3つがあります。いずれも御社殿まで徒歩10分程度です。
今回は見どころが集まっていて、利用者がもっとも多い原宿口からのアクセスをご紹介します。
電車の場合
電車の場合、最寄り駅はJR山手線原宿駅、あるいは東京メトロ地下鉄千代田線・副都心線明治神宮前駅2番出口から徒歩1分です。原宿竹下通り側の東口に降り立ったら、右手の表参道方面、そのまま神宮橋を渡ると南参道入口になります。
ちなみに、JR原宿駅は西口を利用すれば神宮橋を渡る必要はありません。西口を出れば、もう目の前は明治神宮です。
門をくぐれば、南参道の一の鳥居がそびえ立っています。一礼してから鳥居をくぐり、杜の御神域に足を踏み入れましょう。右手にある南制札は、国指定重要文化財です。
車の場合
交通量が多く、普段から参拝者の多い明治神宮へは公共交通機関の利用がおすすめですが、必要に応じて車でのアクセスも可能です。
参拝者用駐車場へは北参道(代々木)口からの入場となります。カーナビの設定は、住所を「代々木1-1-2」にすると便利です。
代々木口前で警備にあたる衛士(えじ)へ用件を伝え、「駐車許可証」を受け取って「P1」と書かれた神宮会館前の参拝者用駐車場に駐車します。駐車は無料ですが、利用できるのは参拝される方のみになっています。駐車台数が少ないため、満車の際は、近隣の有料駐車場を利用しましょう。
>>>明治神宮へのアクセスの詳細は公式サイトをご参照ください。
3. 明治神宮境内案内マップ
それでは、明治神宮の主な見どころをご紹介します。位置関係は下記のマップにてご確認ください。
<画像提供:明治神宮>
入口別の各施設や見どころは以下の通りです。
【南参道方面・原宿口】御苑、大鳥居、清酒菰樽、ワイン樽、明治神宮崇敬会本部、明治神宮ミュージアム、フォレストテラス明治神宮、杜のテラス
【北参道方面・代々木口】明治神宮会館、社務所、車祓舎、参拝者駐車場、北池(太鼓橋など)、宝物殿
【西参道方面・参宮橋口】宝物殿、至誠館、北池(亀石、さざれ石など)
4. 明治神宮の見どころ その1. 祈りの杜
代々木の杜
代々「樅(モミ)」の大木が育っていたことから付いた名が「代々木」とされるこの地は、かつては武蔵野の一部をなし、「代々木野」と呼ばれていました。代々木野には江戸時代、旗本屋敷や集落などが築かれていましたが、倒幕後は空き家となり土地は荒れ果てていたと言われています。
しかし、明治期に入り、かつての熊本藩主加藤家や井伊家の下屋敷のあった場所が「南豊島御料地」として宮内省所管になると、体の弱かった昭憲皇太后のために明治天皇が下屋敷の庭園(現在の御苑)を整備して遊歩庭園にするなどして、お二人にとって代々木はゆかりのある土地となりました。
明治神宮造営には20を超える候補地が挙げられましたが、このエピソードが代々木の地に決定となった理由の一つであったとされています。
人の手を借りずとも、50年先、100年先、その先の未来へ、自然に世代交代を繰り返す原生林のような「永遠の杜」を目指した壮大なプロジェクト。
先人たちの思いを受け継ぎ大切に育まれてきた代々木の杜は、100年の歳月を経て、当初計画より早く実現に近づけた、約3,000種の動植物が生息する都内有数の豊かな杜に成長しています。
清酒菰樽
南参道に整然と陳列された全国各地の銘酒の菰樽(こもだる)。これらは明治神宮全国酒造敬神会会員、そして全国各地の酒造家から献納されたものです。
この錚々たる銘柄と奉納の数は全国屈指!お酒好きでもそうでなくても、一度は見たり聞いたりしたことのある銘柄ばかり。ぜひ一度じっくり眺めてみてくださいね。
ワイン樽
清酒菰樽の向かいに陳列されているワイン樽。
元来、無類のお酒好きとして知られた明治天皇。もとは、日本酒を好まれましたが、病を患ってからは医者の薦めでワインに切り替え、ワインやシャンパンを多くたしなまれたそうです。
それに因んで、仏ブルゴーニュ東京事務所代表でブルゴーニュ名誉市民、かつシャトー・ドゥ・シャイイホテルのオーナーで現・株式会社東機貿代表取締役でもある佐多保彦氏の呼びかけにより、ワインの名産・ブルゴーニュ地方の現地醸造元各社から献納されたワイン樽だそうです。
大鳥居
南参道と北参道が交わる正参道入口に立つ大鳥居。
木造の明神(みょうじん)鳥居としては国内最大といわれ、高さ約12m、柱間の幅約9m、笠木(かさぎ)の長さ約17mといわれています。
老朽化を嘆いた篤志家がはるばる台湾丹大山から運ばれてきた樹齢1500年のヒノキの巨木を奉献、昭和50年(1975年)12月23日に建替竣工しました。なお、明治神宮で引退した旧大鳥居は現在、埼玉の大宮氷川神社の二の鳥居として現役で活躍中です。
手水所
手水舎は西、東、南の3ヶ所。いずれも国指定重要文化財であり重厚なたたずまいの手水舎です。
現在は、新型コロナ感染症対策として、ひしゃくを使わずに手水がとれるよう、流水式にしています。ここで心身を清めてからお参りをしましょう。
5. 明治神宮の見どころ その2. 明治神宮御苑
武蔵野の里山の面影を留めた「明治神宮御苑(ぎょえん)」。一年を通じて常緑の杜に比べ、御苑は四季の移ろいが楽しめるスポットです。
隔雲亭(かくうんてい)
御苑北門の入口からほどなくして現れるのは、明治33年(1900年)に明治天皇が昭憲皇太后のために建てられたご休息所の「隔雲亭」。縁側からは、森に囲まれた静かな南池(なんち)と手入れの行き届いた緑の芝、池畔の老松、ツツジなどの美しい前庭が観賞できるようになっています。
戦禍により一度焼失した建物は昭和33年に再建され、現在はお茶室として使用されていますが、一般公開はされていません。
南池と御釣台
御社殿の南側にあることから「南池(なんち)」と呼ばれる大池は、もとは江戸の井伊家の頃から受け継がれる自然の古池でした。その水源は清正井(きよまさのいど)で、夏には睡蓮やコウホネが花を咲かせます。
南池に張り出しているのは「お釣台」。明治天皇のはからいでコイやフナが池に放たれ、昭憲皇太后はここで釣りを楽しまれたそうです。今ではカワセミやサギなど、さまざまな野鳥が訪れる池になっています。
花菖蒲田(はなしょうぶだ)
<画像提供:明治神宮>
南池の小径を西北に進むと現れるのが「花菖蒲田」。江戸期は稲田だったところを、明治26年(1893年)、明治天皇の思し召しで花菖蒲田に作り替えられ、さらに散策用の小径も設置、花菖蒲を眺める丘には茅葺きの四阿(あずまや)が建てられています。見頃は例年6月。現在150種1,500株もの花菖蒲が植えられています。
清正井(きよまさのいど)
花菖蒲田をさらに進むと、木立の物陰にポツンとたたずむ美しい井戸、これがかの有名な、熊本藩主加藤清正が掘ったと伝えられる「清正井(きよまさのいど)」です。コンコンと湧き出る水は毎分約60L、年間を通じて水温は15度前後となっています。
この清水は花菖蒲田から南池、南参道に架かる神橋をくぐり抜け、やがて渋谷にあるキャットストリートの暗渠化された渋谷川(穏田川)へと流れ込みます。
明治神宮のパワースポットとして知られ(後述)、スマホの待ち受け画面にしようと写真撮影に来苑する方が後をたちませんが、手や物品を洗ったり、飲んだり、ペットボトル等に入れて持ち帰ったりすることは禁じられていますのでご注意を。
つつじやま
苑内のいたるところに植えられている山ツツジ。清正井から北門出入口へ続く小径には、コナラやヤマザクラの高木に囲まれて山ツツジの群落が咲き誇ります。人の丈以上の大きな古株もあり、まるでツツジのアーケードのようで圧巻。例年の見頃は4月下旬ですが、2021年は10月には返り咲きしていました。
<明治神宮御苑の基本情報>
- 入苑時間:
9:00~16:30(3月~10月)
8:00~17:00(6月のみ、土日は18:00まで)
9:00~16:00(11月~2月) - 年中無休
- 御苑維持協力金:一人500円
※入苑時間は都合により変更されることがあります
※苑内で三脚を使用した撮影は不可
※動植物の採取、エサやりは禁止
6. 明治神宮の見どころ その3. 明治神宮ミュージアムと宝物殿
明治神宮鎮座百年祭記念事業の一環として、令和元年(2019年)10月にオープンした「明治神宮ミュージアム」。杜の百年、杜の一年の歩みを振り返り、そして明治天皇・昭憲皇太后ゆかりの品々が保存・展示されています。
外観
杜に溶け込むような落ち着いた基調のモダンなデザインでゆるやかな勾配の屋根が特徴のミュージアム。建築設計は日本を代表する建築家の隈研吾氏が行い、その他VI(ビジュアルアイデンティティ)デザインやサイン計画、展示グラフィックスは日本デザインセンター代表取締役にしてグラフィックデザイナーの原研哉氏が担当。延床面積約3,200平方メートルで、2階建ての構造となっています。
1階 メインロビー
1階メインロビーは、杜の中をイメージさせる柱のデザインと、天井高く、おだやかな木漏れ日がロビー全体を包み込む開放的な空間を演出しています。
1階 杜の展示室
1階「杜の展示室」には、「杜の百年」「杜の一年」、そして1日、1刻と4つの時間軸に分かれて、年中行事から神職・巫女の日常業務まで、明治神宮にまつわるさまざまな流れが紹介されています。
まずは百年の歴史として、誕生秘話を映像で紹介、さらに明治神宮造営に係る主な出来事を精巧なジオラマで再現した展示がおこなわれています。上の画像は、「永遠の杜」づくりに奮闘するボランティアの若者たち。写真や記録を基に精巧に再現されています。
次に、明治神宮の「杜の一年」、つまり年中行事の解説から祭儀に使われる装束や小道具、雅楽の楽器などの展示、さらに映像を通じて巫女や神職らの1日などを知ることができます。
巫女が舞で身につける天冠や檜扇、雅楽の楽器や神職が祭儀で着用する装束など、普段は目にすることがない貴重な品々が間近で鑑賞できます。
明治神宮御社殿の全景模型。現在は外拝殿の外側から参拝するのみで(写真撮影も不可)、奥の内拝殿以降の建物を窺うことはできません。その意味で、本殿など裏側の構造がわかる模型は興味深いですね。
2階 ロビー
2階ロビーは全面ガラス張りで木漏れ日があたたかく、1階同様開放的な空間となっています。ベンチに座って、杜や参道の様子をのんびり眺めることができます。
2階 宝物展示室・企画展示室
宝物展示室には、重要文化財として現存する明治神宮宝物殿に収蔵された、明治天皇および昭憲皇太后ゆかりの品々が展示されています。
たとえば、イタリア人画家エドアルド・キヨッソーネが写生して描いた明治天皇・昭憲皇太后の御尊影(肖像画)や、明治22年(1889年)の憲法発布の日に行幸啓(天皇と皇后がご一緒に外出されること)で御乗車になった英国製の国儀車「六頭曳儀装車(ろくとうびきぎそうしゃ)」、明治天皇が実際に愛用されていた「御常用御机」、質素倹約を旨とした明治天皇のお人柄が表れる短くなった鉛筆、軍服、御箪笥などが展示されています。
そのほか、企画展として、明治天皇ゆかりの装束、明治維新の立役者である三条実美や木戸孝允、大久保利通らの書が記された掛け軸、絵画、古事記・日本書紀などの歴史書の書物なども併せて展示されていました。
<明治神宮ミュージアムの基本情報>
- 開館時間:10:00~16:30(最終入館は閉館30分前)
- 休館日:毎週木曜日(木曜日が祝日の場合は開館)※展示替期間も休館
- 入館料:一般1,000円、高校生以下900円
※小学生未満無料
※小学生以下の入館は保護者同伴必須
※館内撮影禁止
明治神宮 宝物殿
明治神宮創建の翌年である大正10年(1921年)11月に竣工したのが、明治神宮境内北側にある「宝物殿」です。奈良・正倉院の高床式校倉造りを模した鉄筋コンクリートの建築物で、国の重要文化財にも指定されています。
宝物殿では明治天皇・昭憲皇太后ゆかりの御物を収蔵・展示されていましたが、東日本大震災の被災により修復および耐震補強工事のため平成29年(2017年)1月より休館、そして宝物殿開館百年の節目を迎えた令和3年(2021年)に修復工事が無事完了しています。
7. 明治神宮の見どころ その4.明治神宮のパワースポット
明治神宮は、スピリチュアルな観点から重要なパワースポット、あるいは聖地としても有名ですが、中でもエネルギーの噴き出し口、「龍穴」ともいえる個々のパワースポットをご紹介します。
清正井
御苑内北側に位置する「清正井」。以前、芸能関係者の紹介をきっかけに人気が爆発、一時は数時間待ちの長蛇の列も。
夫婦楠
外拝殿の前で、寄り添うようにそびえ立つ2つの大楠の木。両樹木は「夫婦楠(めおとくす)」と呼ばれ、縁結び、夫婦円満、家内安全にご利益があると親しまれています。夫婦仲が良かったとされる御祭神にあやかり、御神木を通じてしっかり念ずれば、願いは叶うかも。
亀石
宝物殿前に広がる芝の広場、その奥にたたずむ北池の前には、亀の形をしたふしぎな巨石があります。
「鶴は千年、亀は万年」といわれるように、亀は健康長寿のシンボルであり、幸運を呼び、金運アップなどの縁起物として知られています。亀石に触れるとパワーを授かり、運気がアップするといわれています。そして、人によっては石が熱を帯びて温かく感じられるとか。
さざれ石
宝物殿正面、国旗掲揚塔の足元に鎮座するのは「さざれ石」。国歌「君が代」に登場するあの石で、「細石(さざれいし)」とも書き、文字通り、小さな石が寄せ集まって大きな岩の塊となっています。
気の遠くなるような長い年月をかけて誕生したさざれ石は、大地のパワーが凝縮した神宿る石、時にご神体として祀られているもの。この明治神宮のさざれ石もそんなパワーを秘めているかも知れません。
猪目のハートマーク
猪目(いのめ)とは、読んで字のごとく「イノシシの目の形をしたもの」、正しくはハートを逆さにした形で、古くから魔除けや招福の意味が込められた日本古来の伝統文様です。神社仏閣など日本の木造建築には頻繁に使用され、明治神宮でも例にもれず、門扉の金具や灯籠・社殿屋根の妻にある「懸魚(げぎょ)」などに使用されています。
境内のあちこちに潜む隠れハート。宝探しのように探してみてくださいね。
8. 明治神宮の見どころ その5.CAFÉ「杜のテラス」
参拝を終え、境内を一通り散策したら、明治神宮のCAFÉ「杜のテラス」でひと休みしませんか?
杜と一体感を感じられる外観
明治神宮南参道の一の鳥居前に設置されたCAFÉ「杜のテラス」。建築資材は国産材と明治神宮の杜の枯損木を使用し、杜の「再生・循環」をテーマにした木のぬくもり感じられるデザインとなっています。
ウッドデッキの屋外テラスも用意され、すがすがしい日差しと空気、緑に包まれて、道を隔てた向こうににぎやかな原宿があるとは思えないほど心穏やかにくつろげる空間です。
杜にいるようなリラックスできる店内
天然木の素材を生かした木目調のデザイン、心地よい木の薫り、全面ガラス張りの視界の向こうには一の鳥居、そして後方には豊かな杜に包まれて、まさに杜の中に身を置いているようなリラックスした気分でカフェタイムが過ごせます。
CAFÉ「杜のテラス」のおすすめメニュー
CAFÉ「杜のテラス」で人気のメニューは、特製「明治の山茶」とたっぷり生クリームで仕上げた「明治の山茶ラテ(アイス550円税込)」と明治記念館オリジナルのパティスリー「菓乃実の杜」による「苺ショートケーキ(500円税込)」。
「明治の山茶」とは、明治時代まで全国で作られていた古式農法による番茶で、無農薬・化学肥料無しにこだわり、山間部で育てた自然の茶葉を開いたまま天日干しし、炒って仕上げたほうじ番茶のことです。香ばしく、ほどよい苦味とミルキーなラテが相性バッチリの大人のラテ。
菓乃実の杜の苺ショートは、甘さ控えめでさっぱりとした生クリームにややしっかり目のスポンジでオーソドックスな苺ショートながらも上品な味わいで後を引くスイーツです。
CAFÉ「杜のテラス」は軽食もリーズナブルで、お得なドリンクセットもおすすめ。
定番メニューはフォカッチャで、中でも「グリル野菜のトマトソース・フォカッチャ(500円税込)」が人気アイテム。たっぷり野菜にとろけるチーズがトッピングされ、ほんのり甘めのもちもちフォカッチャと相性抜群。選べるドリンクは「明治の山茶(セットで+280円税込)」をチョイス。香ばしく味わい深いほうじ番茶でホッとくつろげます。
明治神宮ならではのおすすめ土産
そんな「明治の山茶」は CAFÉ「杜のテラス」のほか、「フォレストテラス明治神宮」内にある土産ショップ「杜」の売店などでも購入可能。
ここでしか手に入らない明治神宮参拝記念の特別な山番茶。ぜひお土産に、あるいは自分用にいかが?
<CAFÉ 杜のテラスの基本情報>
- 住所:東京都渋谷区代々木神園町1-1
- 電話:03-3379-9222(フォレストテラス明治神宮代表)
- 営業時間:9:00~閉門時間(ラストオーダーは30分前)
- 年中無休
- 席数:61席
- アクセス:JR原宿駅から徒歩1分。南参道一の鳥居前。
9. 明治神宮のお守り・おみくじ・御朱印
明治神宮参拝記念にぜひここならではのお守り、おみくじ、御朱印で御祭神のご利益を授かりましょう。
授与所
明治神宮の御札やお守りの授与所は、ご祈願などを行う「神楽殿」、神楽殿前にある「長殿授与所」、南神門近くにある「南授与所」の3ヶ所となります。
明治神宮のお守り
明治神宮を代表する御守といえば、心と身体の健全をお守りする「心身健全守(朱・紺各800円)」。皇室の象徴ともいえる一六弁の菊紋があしらわれた格調高い御守です。
そして、役割を終えた境内の御神木から作られた「開運木鈴 こだま(1,000円)」も人気。一つとして同じものはなく、楠の木の芳香とカラコロ鳴り響くこだまの鈴の音が開運をもたらします。
明治神宮のおみくじ「大御心(おおみごころ)」
明治神宮のおみくじ「大御心(おおみごころ)」は、吉凶を占うおみくじとは異なり、御祭神である明治天皇の御製(ぎょせい=天皇の作られた詩文や和歌)約10万首、ならびに昭憲皇太后の御歌(みうた=皇后・皇太后・皇太子などが詠まれる和歌)約3万首の中から特に教訓的なものを15首ずつ、計30首選んで、それに解説(+英訳)を付したものとなっています。
表面には御製や御歌が、裏面にそれをかみくだいた解釈文が記されており、その意味合いはなかなか奥深く、志高い内容に身が引き締まる思いでした。
白い和紙が明治天皇の御製で、黄色の和紙が昭憲皇太后の御歌となっています。
明治神宮のおみくじは日々の教訓とするものなので、境内におみくじを結ぶところがありません。大事に持ち帰りましょう。
明治神宮の御朱印
<画像提供:明治神宮>
明治神宮の御朱印は神楽殿にて受付されています。(受付9:00~閉門まで)
ただし、現在はコロナ禍の事情もあり、書き置きの御朱印での頒布となっていました。
>>>明治神宮のその他のお守り、御札等は公式サイトをご参照ください
10. 明治神宮の年中行事
それではここでは、明治神宮を代表する年中行事についてご紹介しましょう。
春の大祭(崇敬者大祭)と秋の大祭(例祭)
<画像提供:明治神宮>
明治神宮最大の行事である春秋年2回の「大祭(たいさい)」。それが、5月2日~5月3日に開かれる春の大祭「崇敬者大祭」と11月1日~11月3日に開かれる秋の大祭「例祭」です。
春の大祭は、昭和21年(1946年)に創立された明治神宮崇敬会会員が主に参列し、祭儀のほか、舞楽や能・狂言、邦楽邦舞、弓道、三曲、薩摩琵琶など日本の伝統芸能を奉納する行事が特設舞台などで執り行われます。
<画像提供:明治神宮>
一方、秋の大祭は、初日となる11月1日に明治神宮鎮座の日を記念した「鎮座記念祭」が執り行われ、明治天皇の御誕生日にあたる11月3日に例祭が行われます。祭儀とともに舞楽や能・狂言などの各種伝統芸能が奉納されるところは春の大祭同様ですが、3日には宮中から勅使が差遣され、また流鏑馬(やぶさめ)や古武道大会など奉祝行事が充実し春の大祭より規模も大きく、秋の大祭の方が重儀となっています。
2020年~2021年はコロナ感染拡大防止の一環で一般参拝者の陪観はできませんでしたが、通常、奉祝行事は誰でも陪観することができます。
明治天皇祭
<画像提供:明治神宮>
明治天皇の御命日にあたる7月30日は明治天皇の御聖徳を敬仰追慕、すなわち明治天皇の偉業を讃え、敬い偲ぶ日として祭典が行われます。
祭典では、その生涯において約10万首詠まれたとされる明治天皇御製(和歌)の中でも代表的な一首『あさみどり 澄みわたりたる 大空の 廣き(ひろき)をおのが 心ともがな』に作曲・振り付けをし、神職が舞う「明治神宮大和舞(やまとまい)」が奉納されます。
祭典の多くは巫女が神楽を舞うのが恒例ですが、明治天皇祭では男性神職一人によって舞われます。
夏の盛りの7月30日に崩御された明治天皇。祭典恒例の催しとして、本殿各所には画像のような虫かごが置かれ、中に入れた鈴虫が涼やかな鳴き声を響かせて、夏の暑さを癒やしてくれます。
>>>その他の年中行事予定一覧は明治神宮公式サイトをご参照ください
11. 北池周辺の憩いの広場
最後に、意外に訪れる人が少ない内苑の北側エリアをご紹介します。
西参道に近い宝物殿周辺エリアには、手入れの行き届いた爽やかな芝の広場が広がっています。天気の良い日にはレジャーシートを広げてくつろぐ人がいたり、昼寝でまどろむ人がいたり、実にのびのびと自由に、思い思いの時間を過ごされる憩いの広場です。
ちなみに、正面にそびえるのは新宿のNTTドコモビルですね。
西参道周辺の杜には、ハワイの「この木なんの木」のような威風堂々の巨樹もいっぱい。豊かな緑に包まれ、心癒やされますね。
北参道へ続く北池にもまた、多くの野鳥が訪れています。このときはシラサギが現れ、都会のど真ん中で見かけたことにちょっと驚きました。
こちらは北池にかかる太鼓橋からパワースポットの亀石を眺めたところ。手前の岩に、なんと甲羅干しをしてたたずむ亀が! 生きた亀と亀石の奇跡のツーショットをおさめられました。なんだかご利益がありそうですよね。
北側エリアは人通りが比較的少なく、のんびり過ごせます。ぜひ、参拝後に散策してみてください。
12. 明治神宮の基本情報
境内でよく見かける何気ないこの風景。林苑職員の方が参道を竹ぼうきで清掃している光景ですが、実は明治神宮では、玉砂利を動かさず落ち葉だけを集め、集めた落ち葉は燃やさず杜に還すルールなのだそうです。
杜で育ったものは杜(自然)に還す、そんな細部に渡る徹底したこだわりが100年という短い歳月でこれほど豊かな杜に成長したんだと改めて気付かされます。ぜひそんなところも気にしながら、明治神宮を楽しんでくださいね。
それでは、明治神宮に関する基本情報です。
- 住所:東京都渋谷区代々木神園町1-1
- 開閉門時間:当月の日の出・日の入りの時刻に合わせて開閉門します
【1月】6:40~16:20
【2月】6:20~16:50
【3月】5:40~17:20
【4月】5:10~17:50
【5月】5:00~18:10
【6月】5:00~18:30
【7月】5:00~18:20
【8月】5:00~18:00
【9月】5:20~17:20
【10月】5:40~16:40
【11月】6:10~16:10
【12月】6:40~16:00 - 電話:03-3379-5511(代表)
- 駐車場:「P1」参拝者駐車場(無料)約50台
※「P2」駐車場は婚礼式典等のご関係者向け駐車場となります。一般参拝客の駐車は禁止されていますので注意ください。 - アクセス:
<車利用の場合>北参道側・代々木口からの入苑に限ります
・首都高速4号線新宿線外苑IC出口から約10分
・首都高中央環状線中野長者橋IC出口から約11分
<鉄道利用の場合>
・【南参道側】JR山手線原宿駅西口から徒歩1分
・【南参道側】東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅2番出口から徒歩1分
・【北参道側】JR山手線・総武線代々木駅西口から徒歩約6分
・【北参道側】都営大江戸線代々木駅A1出口から徒歩6分
・【北参道側】東京メトロ副都心線北参道駅3番出口から徒歩約6分
・【西参道側】小田急線参宮橋駅東口から徒歩約3分 - HP:明治神宮
※本記事は2021年10月に取材した情報です。最新情報は公式HPをご確認ください
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- 自称ミステリーハンターで絶景ハンター。訪れた国は80カ国以上。世界中の絶景を求めて地球を駆け回っています。