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【2021年】兵庫県丹波篠山市の「丹波立杭焼」の窯元めぐり!
全国で古くから陶磁器が創られてきた日本。
その中で「日本六古窯(にほんろっこよう)」と呼ばれる陶磁器窯のひとつ、「丹波焼」を今回はご紹介したいと思います。 日本六古窯とは、古くは平安時代末期頃から始まった陶器の産地とのこと。現在は約60の窯元が、丹波篠山市今田町界隈に点在している素敵な里山です。
丹波焼は、大阪、兵庫、京都からもさほど遠くなく、その利便性からも昔から発展してきたようです。
お家の食卓を彩る器は、お気に入りの器に盛り付けるだけでも気分が上がり、お料理が引き立って、より美味しく感じることができますよね!
食欲の秋!いざ陶器の町「立杭焼」へ行ってみましょう!
目次
兵庫県丹波篠山市の「立杭焼」
「日本六古窯」とは、1948年、古陶磁研究家・小山冨士夫氏によって命名され、2017年、日本遺産に認定された、丹波(兵庫県)、瀬戸(愛知県)、常滑(愛知県)、信楽(滋賀県)、備前(岡山県)、越前(福井県)の六市町の窯の総称です。日本古来の陶磁器窯のうち、「中世(平安末期〜安土桃山時代)から約900年以上の歴史があり、現在も生産が続いている」という条件に合致したのが、この6つの窯なのだそう!
立杭焼は、昭和の頃には、バーナード・リーチや柳宗悦といった民芸運動の方々からも評価を受け、世界的にも周知されるようになったのだそうです。民芸というだけあって、生活に根ざした日常使いのできる食器や花器がお得意のスタイル!
窯元によってスタイルの異なる個性的な陶器が創られています。一軒一軒、訪ねてみたいのも山々ですが、立杭焼には窯元が約60以上あるので、全部の窯元を訪問して廻るのは大変!と思われる方、どうぞご安心ください。
初めて立杭を訪問するときには、先ずは「丹波伝統工芸公園 立杭 陶の郷(すえのさと)」へ!
ここには約50軒の立杭焼の窯元が集結した「窯元横丁」があります。窯元横丁で、気に入った器を購入もできますし、気になる窯元があれば、ここで窯元訪問プランを立てて、窯元散策にくり出してみるのも楽しいです。
2021年10月7日(木)〜10月24日(日)には、「第44回丹波焼陶器まつり 秋の郷めぐり」と題した窯元めぐり市も開催されています。期間中は、様々なイベントが開催されるようですので、詳細は「陶の郷」のウェブサイトでご確認くださいね。
丹波伝統工芸公園「立杭 陶の郷(すえのさと)」
- 住所:兵庫県丹波篠山市今田町上立杭3
- 電話:079-597-2034
- 駐車場:あり
- 入園料:200円/一人
- URL:https://tanbayaki.com/
散策の起点となるのは、冒頭の写真「丹波焼最古の登窯」でしょうか。ここを中心に南北に窯元が広がっています。
この登り窯に隣接して、「上立杭の大アベマキ」という樹高28m、胸高幹廻り5.4mと国内最大の大樹があります。地元のご神木として白玉稲荷神社で大切に祀られています。
<上立杭の大アベマキ>
そして、陶器の町ならではの「陶器神社」もあります。神社には、丹波立杭焼の陶祖と伝えられる風呂藪惣太郎(ふろやぶそうたろう)という陶工が祭神として祀られています。とっても小さな祠しかない神社ですが、ここでステキな器に出会えることを祈願してから窯元散策を開始してみるのも良いかもしれません!
<陶器神社>
立杭焼での楽しみ方
緑あふれる丹波篠山市立杭エリアは、四季折々の風景を楽しむことができます。
最近では昔ながらの窯元だけでなく、世代交代をした若手の陶芸家さんたちも工房を構えていて、工房の雰囲気もお洒落になっています。
個人的に気に入っている窯元をご紹介します!
雅峰窯
毎回必ず訪れるのは「雅峰窯(がほうがま)」!親子で陶芸家として素敵な器を創作されています。優しい色合いのモダンな器で人気の窯元なので、人気の器はあっという間に売り切れてしまうことがあります。器は一期一会なので、気に入ったものがあったら即ゲットです。
<入口>
<店内>
昇陽窯
また、窯元の世代交代に伴って、工房&ショップを新たにリニューアルする窯元も!「昇陽窯(しょうようがま)」の新たなギャラリーは、2022年5月にオープンとのことです。広い敷地で、3つのエリアに分割されていて、高台には初代・大上昇氏の作品展示館があり、隣接している「お茶室」からは立杭の素敵な里山を楽しむことができます。
<お茶室からの景色>
中間地点では、2代目・大上裕氏と3代目・大上裕樹氏の作品を展示販売しています。一番麓にある下立杭柏原線(292号線)沿いにある現在、建築中のギャラリーはまだ完成はしていませんが、公開されています。
<新ギャラリー(予定)の外観>
作品も今っぽい花器や器をステキにディスプレイ!
<新ギャラリー(予定)の展示>
豪人窯
ちょっとかっこいい器が欲しい人には、「豪人窯(ごうじんがま)」がおすすめ!黒を基調にした渋い色合いとスタイリッシュなデザインで、お料理も映えそうです!
<トゲトゲっとした観葉植物でかっこいいディスプレイ!>
大雅工房
窯元というより、アートギャラリーに来たような錯覚に陥るスペースも確保しているオシャレな窯元「大雅工房(たいがこうぼう)」。
<こちらのギャラリーは、左官・久住有生氏により制作されたのだそう!陶芸だけでなく、壁にも注目!>
他にもステキな窯元がたくさんありますので、ぜひ実際に足を運んで見つけてくださいね。
立杭焼周辺でのお楽しみ
窯元めぐりも楽しいですが、もっと芸術作品としての陶芸を楽しみたい方はこちら!
兵庫陶芸美術館
陶芸の町、立杭には、「兵庫陶芸美術館」があります。立杭の陶芸作品だけではなく、様々な陶芸にまつわる企画展も開催されていますので、事前にチェックして立ち寄ってみるのもおすすめです!
手づくりケーキと生パスタ 虚空蔵
美術館で鑑賞後は、館内にある「手づくりケーキと生パスタ 虚空蔵」というレストランでリラックス。里山ビューのデッキテラス席があり、開放感があって、のんびり気軽に過ごすことができます。お料理の器には丹波焼を利用しています!
ルナパルバドス 今田
丹波焼の器で美味しいものを召し上がりたい時のおすすめランチはこちら!
丹波篠山の豊かな食材をふんだんに利用した地産地消のスペイン料理「ルナパルバドス 今田 (Luna Parpados)」! 元々は、西宮・苦楽園エリアで営んでいらっしゃったそうですが、丹波篠山の豊かな食材と、丹波焼に魅せられて移住してこられたのだとか。
10月はこのエリアでは落花生が収穫されるそうで、フレッシュな落花生の一品も!季節毎に入れ替わる旬の食材がお任せコースでサーブされるので、何が登場するのかもお楽しみの一つです。
下立杭柏原線(292号線)沿いにあるものの、お店の看板が出ていないので隠れ家的なレストランです。
また、いろいろな窯元の器でお料理が出てきますので、器の盛り付けのイメージができますし、窯元めぐりの参考にもなりますよ!
<外観>
<コースの一つサラダは、丹波篠山で採れる旬な野菜が色とりどりに!>
ルナパルバドス 今田
- 住所:兵庫県丹波篠山市今田町上立杭5-18
- 駐車場あり
- 電話番号:050-3592-0029
- 営業時間:11:30〜13:30(L.O.)※要予約
- 定休日:不定休
- URL:https://tabelog.com/hyogo/A2807/A280702/28046972/
※予約オンリーですので、事前にお店にお問い合わせくださいね。
そして、毎度のごとく、マンホール好きな私は、立杭焼エリアのマンホールも要チェックです。
<立杭焼・今田町のマンホール>
1999年4月1日に旧・多紀郡篠山町・今田町・丹南町・西紀町の4町が合併し、現在は丹波篠山市となりましたが、マンホールは当時の「今田町」が残されています。下部には町の花「サギソウ」、上部には立杭焼をイメージした「壺、急須、徳利」がデザインされています。
立杭焼へのアクセス
JRでお越しの場合
JR福知山線「相野」駅下車、神姫バス「清水」「兵庫陶芸美術館」行きに乗車約10分、「陶の郷前」もしくは「立杭公会堂前」下車
※バスの本数が少ないので、事前に時刻表(陶の郷のウェブサイトに詳細が記載されています)等で時間をご確認ください。
車でお越しの場合
- 舞鶴若狭自動車道「三田西IC」下車より約15分、もしくは「丹南篠山口IC」より約20分
- 中国自動車道「滝野社IC」より国道372号を東へ約30分
- 阪神方面より:国道176号を北上、三田市四ツ辻信号を左折約15分
まとめ
大阪・神戸・京都市内からも日帰りで比較的気軽に行ける「立杭焼」。窯元めぐりで、素敵な里山を散策しつつ、窯元とその器に関するお話を伺ったり、お気に入りの器を見つけて購入したり。お家ではその器で料理を盛り付けてみてはいかがでしょう?お料理の美味しさに、もうひと味ステキなスパイスが加わるかもしれません!
※コロナ禍で、営業時間が変更になっている場合もありますので、お越しの際には事前にご確認くださいね。
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R I E
- 旅行、アート、映画、ワイン(日本酒も好き)、美味しい食べ物が大好きです。海外にしばらく住んでいたので、日本をいま堪能中です。