【群馬県高崎市】伝説の中華そば屋「清華軒(せいかけん)」の味を受け継ぐ4店

清仁軒中華そば

こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。

あなたはラーメン好きですか?

群馬県は高崎市にあった伝説の中華そば屋「清華軒」ってご存じでしたか?そのお店は、残念ながら2016年に閉店してしまったのですが、そのお店の味を受け継いでいるお店が4軒あると聞きました。

今回は、伝説の清華軒とはどんなお店だったのか、そのレジェンドの味を受け継いだお店の中華そばとはどんな味なのか、実際に食べてきましたので、ご紹介します。

目次

私と清華軒との出会い

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<今も残る清華軒の建物。住宅街の中のややわかりにくい場所にある>

清華軒のお話をする前に、私の体験談を聞いてください。

もう20年以上前になりますが、群馬県高崎市に、複数の建設会社で構成された協会組織があります。当時私は旅行会社で働いていて、その協会から毎年、団体旅行のお仕事をいただいていました。行先は大体、東南アジアを訪れる旅行だったのですが、旅行ご参加者は各建設会社の社長さん達で、私は添乗員としてご一緒していました。

さて、ツアーのスケジュールも3日めを過ぎた頃、こんな声が聞こえてきたんです。「あぁ~ 清華軒のラーメン食いてぇなぁ!ちくしょう!」そしてツアーが終盤を迎え、明日には高崎に帰るという時に「俺ぁ、高崎に帰ったら真っ先に清華軒のラーメン食ってやるんだ、絶対に食ってやるんだ!」

その言葉は誰に言うでもなく、呪文のように自分に言い聞かせるように(笑)ぶつぶつと仰っているのです。それもひとりではなく何人も。私はそのラーメンを食べたことがなかったので、その社長さん達の気持ちはわからなかったんですが、ある時、機会を作って行ったんです。その清華軒に。そして食べました。あのラーメンを・・・

清華軒のラーメンは私の想像を超える味でした。私が生まれてこれまで食べてきた中華そばの中でもベスト3に入るくらいの美味しさでした。ひとことでいうと、シンプルで飽きない味です。スープは豚骨でしょう。透き通ってあっさりした味でありながら奥行きのあるスープ。スープと麺のバランスが絶妙で、毎日でも食べられる味。スープはしょっぱくなく全部飲み干してしまいたくなる中毒性のあるうまさでした。

あの社長さんたちが、ツアー中恋焦がれて夢にまで出てきそうな気持ちがわかったような気がしました。

清華軒とは

清華軒は1956年創業。創業者は台湾出身の方です。そういえば確かに、中華そばの後味にわずかながら、はっかくのような東南アジア特有の香りが感じられました。その点が東京のチャルメララーメンとは違うところです。高崎市の中でも駅から遠く、住宅街の中にありました。そんなけっしてよくない立地にあっても高崎市民のなかでは「中華そばといえば、ここ!」と言われるほど人気のお店だったようです。しかし、残念ながら2016年10月に閉店してしまいました。

清華軒をモデルにした映画「ラーメン食いてぇ!」

惜しまれながらも閉店してしまった清華軒ですが、漫画家 林明輝さんの清華軒を取り上げたWEB漫画「ラーメン食いてぇ!」が150万ページビューを超え、待望の声が高まって映画化が決定しました(2018年3月公開)。撮影には本物の清華軒(の建物)が使われ、ラーメンも忠実に再現されました。大手映画会社が巨額の制作費や広告費をかけて作った映画ではありませんが、ラーメン愛が至るところに満ち溢れた素敵な映画です。

片桐 仁さん扮する料理研究家 赤星がアジアの僻地で死にそうになった時「あ~清蘭(映画での店名)のラーメン食いてぇ~!」と叫ぶのですが、まさに建設会社のあの社長さんたちがツアー中に振り絞った言葉といっしょです(笑)。ストーリーはやや荒唐無稽な部分もあるのですが、石橋蓮司さん(お店の主人)を師匠とする修行シーンでは鳥肌が立ちます。観ている間に私、何度も喉がゴクッと鳴りました。

この映画で私が一番好きなシーンは「女将さんが麺を茹でる場面」です。このシーン最高です。私的には、この映画で一番言いたかったところはここではないかと思います。現在では劇場公開されていませんが、ぜひ観てみてください。きっとしあわせな気持ちになれると思います。

>>映画「ラーメン食いてぇ!」公式サイト

さて、それでは、清華軒の中華そばの味を受け継いでいると言われているお店をひとつづつご紹介したいと思います。(今回は、個別に店主さんにインタビューしたわけではありませんので、お店の外観と中華そばの写真、食べた私の感想をお伝えします。)

1. 麺屋 八 ha-chi

まず1軒めは「麺屋 八 ha-chi」です。

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4店の中では比較的大きなお店です。駐車場も広めです。店内もいわゆるラーメン屋というよりはイタリアンレストランのような女性も好みそうな、おしゃれな内装で、スタッフも女性が多いです。さて麺屋 八 ha-chiで供される中華そばは・・・

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<麺屋 八 ha-chi の中華そば。700円>

太麵(手打ち麺)と細麺を選べます。写真は太麺です。「美味しい。」清華軒の中華そばの命ともいえるあっさりしながらコクのある奥深いスープの味にとても近かったです。味付けは他の店に比べるとやや濃いめの味付けです。伺った話によると、清華軒のご主人のお孫さんが働いておられるそうです。

麺屋 八 ha-chi

2. 正道軒

さて2軒めは正道軒。ご主人のお名前が正道さんです。その道を究めた、というまさに料理人にぴったりのお名前ですね。

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正道軒は、いわゆるラーメン屋さんという佇まいです。庶民的で映画のセットかと見間違えるほど、ザ・昭和の雰囲気が漂っています。さてこちらの中華そばは・・・

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<正道軒の中華そば。700円>

正道軒の中華そばの特徴は「あっさり」です。朝からでも十分食べられる中華そば。ちなみに私はこの日、醤油味と塩味を続けて二杯完食しました。するっと入ります。ふわっと優しい味です。

とても美味しいのですが、清華軒のとんこつのコクのあるスープの味とは少し違った風味でした。平日のランチタイムにはすぐ満席になるほど大人気だそうですから、清華軒系の、というよりは正道軒の味、といった方が合っているのかもしれません。

正道軒

3. 清仁軒

3軒めは清仁軒です。

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このお店は比較的街なかにあります。そのためか駐車場が5台のみで、混雑時間に車で行くと止められない可能性が高いようです。私は11時20分くらいに着きましたが、すぐ駐車場が満車になりました。

店内もカウンターにテーブルがひとつだけです。こちらのご主人は他のお店で働いていて、清華軒の中華そばを食べて「自分が探し求めていた味はこれだ!」と惚れ込み、店主にお願いして清華軒で働き始めたそうです。中華そばが大好きでたまらない若き店主の作る中華そばがこちらです。

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<清仁軒の中華そば。780円>

どうでしょうか、見るだけで想像つくでしょう。「うまい!」に決まってる!ごちゃごちゃ説明する言葉は要りません。少し甘めのジューシーな焼き豚も芸術品です。

清仁軒

4. 恵比寿

さて4軒め、最後は恵比寿です。が、しかし・・・

ガーン!なんとこの日は休業!

・・・なぜ?どーして?スマホで調べて今日は休業日ではないことを確認していったのに・・・これもにっくきコロナの影響なのか・・・う~残念!!!。

それを慰めるように、今回「清華軒の味を受け継ぐお店をすべて回りたい!」という私のわがままな願いにずっとつきあっていただいた心優しき先輩M.Iさんが、以前ご自身が食べた恵比寿の中華そばの写真を提供してくれました。

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<恵比寿の中華そば。700円>

次は必ず食べてやる~。

恵比寿

清華軒の中華そばの味を受け継ぐお店のまとめ

清華軒の中華そばの写真がないのが、残念ですが、こちらからご覧いただけます。

>>>閉店】清華軒(食べログ)

今回食べたお店は、しっかりと伝説の清華軒の味を受け継ぎ、ある部分では独自に進化させた至極の逸品ばかりでした。

どれだけ言葉を並べてもその美味しさを表現することはできませんが、敢えて挙げるとするならば、

  • 麺とスープと具材のバランスが超絶妙
  • 毎日食べても飽きない、優しい味
  • さっぱりしているのにコクがあるスープ
  • 特別な材料とか、これ見よがしの材料を使っているわけではなく、手間を惜しまず、きちんとやるべき仕事をしている、魂のこもった中華そば

といったところでしょうか。強いてジャンルをいえば、栃木県の佐野ラーメンに近いかもしれません(個人的感想です)。

麺は太麺(手打ち縮れ麺)とストレート細麺の2種類を選べます。好みの問題ですが、私は細麺の方が好きです。写真で言うと、細麺が「正道軒」と「清仁軒」、太麺が「八 ha-chi」と「恵比寿」です。

どのお店も街の中心地ではないので、車で行くほかないお店が多いのが難点です。でもそんなお店でもお客さんがひっきりなしに押し寄せるということですから、人気のほどがわかります。

今回私が食べた3店(八ha-chi、正道軒、清仁軒)はどれも素晴らしく美味しかったのですが、清華軒ノスタルジー派の私の個人的好みを言えば、涙が出るほど心が揺さぶられたのは、清仁軒でした。味の濃さでいうと濃い順に麺屋 八ha-chi、清仁軒、正道軒です。

群馬県の高崎にあった伝説の中華そばは、たしかに受け継がれていました。あなたもぜひ一度食べてみてください。きっと好きになる味です。

あ~ 次はぜったい恵比寿の中華そば、食べてやる~。

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シンジーノ

3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。

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