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【鹿児島】旅好き・温泉好きが満足する霧島温泉。泊まるなら「旅行人山荘」へ!
指宿と並ぶ鹿児島県の人気温泉地・霧島。その代名詞とも言える霧島温泉郷で、「来月もまた来たい!」と思わせる素敵な温泉宿泊施設があります。その名も「旅行人山荘」。旅人好みの名前ではありませんか?創業100年というこの温泉ホテルに宿泊し、霧島温泉や九州屈指のパワースポットの霧島神宮などを楽しみましょう。
今回は、霧島温泉郷周辺の見どころやアクセスもご紹介します。
目次
霧島とはどんなところ?
<緑濃い霧島神宮の参道>
鹿児島市に次いで、鹿児島県で二番目に人口が多い霧島市。鹿児島湾の一番奥(北側)にあり、隼人・国分といった市街地から霧島山系へ向かう山間には、多くの温泉地があります。また霧島は、「天孫降臨」伝説がある標高1,574mの高千穂峰とニニギノミコトを祀る霧島神宮がある、九州きってのパワースポットです。
霧島市が誕生したのは2005年と比較的新しく、国分市や隼人町など1市6町が合併して生まれました。市の中心部は海沿いの国分にあります。鹿児島と宮崎を結ぶ国道や鉄道が通るだけでなく、鹿児島空港もあり、空路ならば鹿児島市内に出なくても、霧島各地へ直接向かうことができます。
霧島温泉郷とは
<あちこちから湯煙が上がる霧島温泉郷>
霧島温泉は数多くの温泉がある九州有数の温泉地で、霧島温泉郷、霧島神宮温泉郷、妙見・安楽温泉郷、日当山温泉郷という4つの温泉郷から成っています。今回紹介する旅行人山荘があるのは、そのうちもっとも有名な霧島温泉郷です。
この温泉郷は、それぞれのホテル旅館が独自の源泉を所有しており、エリアのあちこちで湯煙が上がっています。多くのホテルや旅館が立ち並ぶのは、中心となる「丸尾」バス停付近ですが、離れたところにも温泉宿が点在しています。これらの宿が混み合うのは、避暑となる夏場から紅葉シーズンにかけて。霧島温泉郷には、車やバスなどで訪れることができます。
霧島温泉郷のおすすめホテル「旅行人山荘」紹介
<急坂を登り切った標高700mの丘上にある温泉ホテル>
この霧島温泉郷で、今回、筆者が旅好きにおすすめするのが「旅行人山荘」です。ある年齢以上の海外旅行好きなら、「旅行人」という名前を、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
ここは海外旅行雑誌『旅行人』(現在は休刊)の発行者であり、『ゴーゴー・インド』などの旅行エッセイで知られる作家・蔵前仁一氏のご実家なのですよね。
創業100年という老舗ホテル
標高700m、16万平方メートルの森に囲まれた静かな環境にあるこのホテルは、1917年に「丸尾温泉旅館」として蔵前仁蔵氏が創業したのが始まりです。戦後の高度成長期になると、霧島温泉は新婚旅行ブームの影響を受け、若いカップルが押し寄せるようになりました。丸尾温泉旅館も1968年には現在の広い敷地に移り、「霧島プリンスホテル」と名称を変更します。その後、新婚旅行の主流が海外に変わり、宿泊客は社員旅行などの団体客が中心となる時期もありました。
バブルが弾けて不況の時代になると、客層も多様化していきます。そこで霧島プリンスホテルは設備を個人客や家族客向けに改修し、1998年に「旅行人山荘」と現在の名前に改名して再出発しました。
4つの貸切露天風呂
<貸切露天風呂はひとつひとつが離れて敷地内に独立してある>
温泉は、単純泉と硫黄泉の2種類があり、男女別の大浴場では内湯に単純泉、露天風呂に硫黄泉を引いています。この2つのお風呂も素晴らしいのですが、私のお目当ては4つある貸切露天風呂です。赤松の湯、鹿の湯、もみじの湯、ひのきの湯とそれぞれ趣が異なる露天風呂が敷地内にあり、木々の香りを嗅ぎ、自然を感じながら入浴することができます。
<森の中からシカが現れることもある露天風呂「赤松の湯」>
4つの露天風呂のうち、人気が高いのは2つの湯船がある赤松の湯で、ガイドブックなどにもよくここが紹介されています。2001年には味の素ブレンディのCM撮影に使われ、「原田知世さんの入った露天風呂」として反響を呼んだそうです。宿泊客は、宿泊中に無料でこれらの貸切露天風呂のうちの1ヶ所を、45分間利用できます。ただし、人気の赤松の湯は予約がすぐ埋まってしまうので、ホテルの予約と同時に予約するといいでしょう。
部屋からの眺望と広いパブリックスペース
<部屋から見える鹿児島湾と朝もやにかすむ桜島>
ホテルは急坂を登りきった丘上にあります。そのため各部屋からの眺望は素晴らしく、眼下に霧島の市街、鹿児島空港、そしてその向こうに噴煙をあげる桜島や鹿児島湾、遠く開門岳まで見渡せました。最初に部屋に入ってその眺望を見た時に、「来てよかった!」と思いました。
<ロビーの奥にあるギャラリースペース。この時はインドの民俗画が飾られていた。ミニコンサートも時々行われている>
昔からあるホテルということもあり、館内に広いパブリックスペースがあるのも気に入りました。探検したくなるほど色々なスペースがあり、くつろぐには最高です。フロントのある2階には、旅行作家の蔵前仁一さんが集めたインドの民俗画を展示したギャラリースペース、ステレオがありレコードが自由に聴けるミュージックルーム、屋外には喫煙所であるデッキスペースがあります。行くたびにそこでビールでも飲んでくつろぎたいと思いますが、毎回1泊の忙しい旅なので残念ながらいまだ実現していません。
<絶対にくつろぎたいと思わせるデッキスペース。館内にはドリンクの自販機もある>
<本棚には雑誌「旅行人」の創刊以来のバックナンバーや旅行人の出版物、蔵前氏の著作物も並んでおり、霧島でなぜか海外旅行気分を味わえます(笑)>
1階の大浴場脇は、以前は普通のリビングスペースだったのですが、その後改装して2021年4月には本棚が並ぶ図書室になっていました。単行本や書籍のほかマンガ本も充実しており、雨の日とかはここでくつろげそうです。
<図書室にはフリードリンクのコーヒーも用意してあります>
あとは毎回感心するのは、スタッフのホスピタリティです。みなさんとても感じがよく、いいあんばいで接してくれます。ですので、筆者は最初の滞在から半年もしないうちにまたこのホテルにリピートしてしまいました。今のところ連泊してのんびりリモートワークするのが夢ですが、なかなかそんな日々は来ません。
<桜島を眺めながら入れる足湯露天の「龍石の湯」>
旅行人山荘
- 住所:鹿児島県霧島市牧園町高千穂3865
- 電話:0995-78-2831
- 部屋施設:洋室15室、和室21室、和洋室3室、総部屋数39室
- URL:https://ryokojin.com/
- アクセス:霧島温泉郷までは後述の「霧島温泉郷までのアクセス」参照。「丸尾」バス停からは、車で5分。バスで来た場合は、「丸尾」下車後、電話をすれば車で迎えに来てくれます。
霧島温泉郷と周辺の見どころ
温泉街の中心は丸尾バス停のある霧島温泉市場付近。丸尾滝はそこから徒歩圏です。
霧島温泉市場
<駐車場やトイレもあり、休憩に寄るのにいいでしょう>
2階建ての観光複合施設で、土産物屋、レストラン、観光案内所(荷物預かり可)があります。駐車場のある広場には足湯(有料:100円、タオルレンタル含む)と蒸し物販売所(温泉卵やスイートコーンなど)があります。
- 住所:鹿児島県霧島市牧園町高千穂3878-114
- 電話:0995-78-4001
- 開館時間:8:30~18:00(店舗により異なる)
- 定休日:不定休
- アクセス:丸尾バス停下車、すぐ
- URL:https://kirishima-marche.com/
丸尾滝
<12月には周囲が紅葉する>
高さ23m、幅16mの滝で目の前に展望台があります。滝壺から流れる水の色がエメラルドグリーンなのは、この滝の水が豊富なミネラルを含む温泉水だからです。かすかに硫黄臭がし、冬になると湯気が立ち上がります。
- 住所:鹿児島県霧島市牧園町高千穂
- 開館時間:24時間
- アクセス:霧島温泉市場から徒歩5分。駐車場有
霧島神宮
<霧島神宮の社殿>
天皇家の祖先とされるニニギノミコト(瓊瓊杵尊)を主祭神として祀る神社。もともとは天孫降臨が行われた高千穂峰の火口のそばにありましたが、噴火を受けて焼失。15世紀に島津氏により現在の場所に再建されました。九州屈指のパワースポットと言われ、山の傾斜を利用して建てられた朱塗りの社殿が空に映えます。紅葉のスポットで、その時期には非常に混み合います。
- 住所:鹿児島県霧島市霧島田口2608-5
- 電話:0995-57-0001
- 営業時間:8:00~17:00
- アクセス:霧島温泉市場から車で約15分。丸尾バス停からバスで18分
- URL:https://kirishimajingu.or.jp/
霧島温泉郷へのアクセス
鹿児島空港から
飛行機の発着に合わせて、霧島温泉郷との間を空港バスが結んでいます。1日6本、丸尾温泉バス停までは所要35分。
鹿児島中央駅から
JR鹿児島本線宮崎行きで霧島神宮駅(所要約60分)へ。または各駅で隼人駅(所要約40分)乗り換え、肥薩線で霧島温泉駅(所要約35分)へ。霧島温泉駅からは路線バスで約30分。
霧島神宮から
鹿児島交通の路線バスで、所要15分。平日1日8本、土日祝日は6本と少なくなります。
まとめ
今回は、鹿児島の人気温泉地・霧島温泉郷の素敵な温泉ホテル「旅行人山荘」と、周辺の見どころを紹介しました。旅行作家・蔵前仁一氏の実家とあり、雑誌・旅行人のファンだった人は、一度は訪れてみてはどうでしょう。空港からも思ったよりも近かったので、関東や関西の人も空路を使えば気軽に訪れることができますよ。
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前原利行
- 東京出身で、現在は神奈川在住。今までに訪問した国はアジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカなど90か国以上。現在は海外旅行や映画、音楽、アートに関する、ライター及び編集者として活動中です。一番多く訪れているのはインドで、仕事も含めて20回以上。プライベートではロックミュージックや映画、そして世界史好きなので、欧米旅行も多く、映画のロケ地や音楽フェス、ロックの聖地、世界史の場所など、テーマを持った旅をしています。