あ~、のどかなファーマー。~田植えまでの準備編~

田んぼのカモ

一般的に稲作といえば、「田植え」と「稲刈り」を思い浮かべる方が多いと思います。

が、そこまでの準備が大切なことは世の常です。「田植え」と「稲刈り」の華やかさ(?)の裏には、地味な準備作業が必要です。どんな準備が必要なのか?

とかく見過ごしがちな稲作の全容とトラクターの役割を新米ファーマーが実体験をもとにレポートします。

目次

燃える男の赤いトラクターの役割とは?

赤いトラクター

愛車のトラクターは冷暖房完備です。

のどかなアクセルレバー

アクセルバー

アクセルレバーにウサギとカメのイラストが?!

乗用車のアクセルは一般的には足で操作しますが、トラクターや田植え機、コンバインなどのエンジンは手元のレバーで操作します。そこに文字ではなく、なぜかウサギとカメのイラストが描かれています。わかりやすい表記だとは思いますが、のどかだなぁと感じます。

まずは、田起こしから

田おこし

動物で例えると、冬眠していた田んぼをトラクターで叩き起こします。処暑に稲刈り(稲刈りは秋の風物詩と思っている方も多いと思いますが、実際埼玉県では8月末から9月初旬のまだまだ暑い時期が主流です)を終えた後、一度稲の株や藁(わら)を土と掻き混ぜるためにトラクターで耕し、冬を越した田んぼに春の到来を知らせる作業が「田起こし」です。

畔塗り(あぜぬり)

ネズミやモグラ、雑草などによってできた畔(あぜ)の穴やひび割れをふさいで水漏れを防ぎ、田植えや除草作業を楽にする作業が「畔塗り」です。

トラクターのロータリー設備に畔塗り専用のものがあるので、今はその設備を持っている親戚の方にお願いしています。来年こそ我が家でも購入したいと思っています。

代かき(しろかき)

田起こし、畔塗りの後、田んぼに水を入れ、土を砕きながら、平らにならしていく作業が「代かき」です。田起こしで使ったロータリーを変えて、より土を細かくし、シャーベット状に仕上げます。この作業の良し悪しで、田んぼの保水量が変わってくるので丁寧に作業します。

代かき

この時田んぼにはトラクターの音を聞きつけて、野鳥が集まってきます。狙いは、土の中に眠っていてトラクターに叩き起こされ飛び起きた虫たちの捕食です。カエルやオケラ、ミミズが多いのですが、特に泳ぎが苦手なオケラは、水面で泳ぐ姿が慌ただしく、まるで溺れているように見え、鳥の格好の餌食になっています。

このように一台のトラクターでもロータリーを変えることで、「田起こし」、「畔塗り」、「代かき」の作業を行うことができるのです。

ちなみに、トラクターは小型特殊自動車になるので普通免許でも運転できます。ただし、公道を走る時でも最高時速は12キロ程度しか出ません。後ろの車のドライバーからすれば「チンタラ走りやがって。」と思われるかもしれませんが、実は冷や汗たらたらで、アクセルを目いっぱい踏んでいます。どうか寛容な心で受け止めてください。

なお、公道で15キロ以上の高速で走れるトラクターもありますが、これを運転するには大型特殊免許が必要です。

田んぼの守り神

守り神

田んぼの端にお稲荷さんがあり、代々田んぼを守ってくれています。数年前からこのお稲荷さんに、体長1mの、噂によると無毒のシマヘビが居座っています。蛇が苦手な私はいつも警戒しながら通っています。田んぼをお稲荷さんが守ってくれるように、ヘビもこのお稲荷さんを守ってくれているのでしょうかね。

最後に

みなさん、いかがでしたか?

稲作の準備作業は、こう見ると地味で大変そうだなと思うかもしれません。でも、このような準備があるから美味しいものが作れるのです。また、稲作を通して新しい発見もあるかもしれませんね。

田んぼ カモ

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新米ファーマー

埼玉県川越市出身。農家の長男として生まれるが、親の期待を裏切り、転勤が多いサラリーマン生活を送る。4年前の夏に父親が亡くなり、家業の手伝いとして農業を学びはじめた兼業サラリーマン。

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