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【ニューヨーク】新型コロナウイルスワクチン接種レポート

記事投稿日:2021/05/04最終更新日:2021/05/06

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日本では、新型コロナウイルスワクチンの普及が他の先進国と比べてだいぶ遅れているようですが、アメリカでは、当初の予想を上回るスピードで進められています。

ニューヨーク州では、まず1月から医療従事者やエッセンシャルワーカー、教師などの職業に就く者、75歳以上の高齢者から接種が始まりましたが、その後65歳以上に、そして60歳以上に接種できる年齢が引き下げられ、3月23日から50歳以上、3月30日には30歳以上、4月6日には16歳以上と、どんどん接種資格の範囲が拡大されていきました。

ワクチン接種が始まった当初は、自分の順番が回ってくるのは4月半ばになるかと思っていたのに、3月末に1回目を接種でき、4月末に2回目を打つことができました。ワクチン接種の進み具合は各州によって異なりますので、もっと早くから若者が接種できていた州も、もう少し遅れた州もありました。しかし、4月19日からは、全米ですべての16歳以上が接種可能となりました。

バイデン大統領は当初、5月1日までに、ワクチン接種資格をすべての成人(16歳以上)に拡大することを目標に掲げていたので、2週間近く前倒しで目標が達成できたことになります。接種回数(人数ではなく累計回数)についても、大統領就任後100日以内に1億回の接種を実現することが目標でしたが、これを58日間で達成し、その後、2億回に引き上げた目標も、92日目に難なく達成しました。米疾病管理予防センター(CDC)のデータによると、4月20日頃までに、18歳以上の50%以上、そして65歳以上の80%以上が少なくとも1回の接種を受けていました。

CDCは4月27日、ガイドラインを変更し、ワクチン接種が完了し2週間以上経った人たちへの、屋外でのマスク着用義務を解除しました。アメリカは、パンデミック前の通常の生活にどんどん近づいています。

目次

ワクチン接種会場

ワクチンの接種は、州や市が運営するコンベンションセンターや競技場、野球場、競馬場などの大型会場から、総合病院やクリニックなどの一般の医療施設、またドラッグストアや個人経営の薬局など、様々な場所で行われています。

メジャーリーグ球団のスタジアム

ブロンクスに住む私の友人は、ヤンキースタジアムで接種して、ヤンキースタジアム発行の"ワクチン接種済みシール"を貰っていました。

ワクチン接種済みシール

別の友人は、会場に設置されたまるでセレブの記者会見のような壁紙の前で"ワクチン接種済みショット"を写して、SNSにアップしていました。最近、SNS上では、毎日のように、"ワクチン接種済みセルフィー"を目にします。

ジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンター

1日に約10,000人が接種を受ける大型接種会場であるマンハッタンのジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンターでは、接種者の為にライブ演奏が行われていて、接種後に重篤な副反応が起きないか経過観察するための15分間の待ち時間に、バンドやソロピアノなどの演奏を楽しむ事ができます。

演奏者は、アンサンブルやオーケストラ、ブロードウェーショーなどで活躍するプロのミュージシャンたちで、クラッシックからジャズ、ブロードウェーのヒット曲、ゴスペルなど、様々なジャンルの曲を披露してくれます。

これは、ワクチン接種者の不安を緩和することと、パンデミックのせいで仕事を失ったミュージシャンを救済することを目的に、非営利団体シング・フォー・ホープにより始められた取り組みです。コロナ禍で、長い間、生の演奏に触れることもなかった人々や、人前で演奏する機会がなかったミュージシャンたちにとって、特別なひと時になることでしょう。

ジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンター
<©Sing for Hope>

アメリカ自然史博物館

4月23日から新たに、アメリカ自然史博物館にもワクチン接種会場がオープンしました。天井に設置された94フィート(約29メートル)のシロナガスクジラの模型の下が会場です。ワクチン接種と同時に博物館の雰囲気も楽しめて、若者に人気が出そうですね。ここでワクチン接種を受けた人は、将来使える4人までの無料のグループ入場券が貰えるそうです。

アメリカ自然史博物館
<©AMNH>

総合病院やクリニック

私の夫が接種を受けたのは、政府機関が運営する大きな病院でした。長年通っている病院なので、早い時期に予約を取っていただけました。病院の巨大な駐車場にテントが設置されていて、その時間帯に予約していた5人ほどが、テントの外に間隔を置いておかれた椅子に座って順番を待ち、テントの中で接種を受けた後は、別の場所で15分待つというシステムでした。行く前に想像していた、テレビのニュースで見たような長い列は見られず、とてもスムーズでした。

総合病院やクリニックでの接種は、重篤な副反応が起きた場合などに心強いですね。何かあってもすぐに助けてもらえるという安心感が得られ、理想的な接種場所だと思います。

ドラッグストア

私がワクチン接種を受けたのは、ドラッグストアでした。2月から3月初め頃、ワクチンが受けたくても予約がいっぱいで受けられない人が多いという話を聞いていたので、自分の番が来た時に備えて色々調べていたところ、CVSファーマシーなどのドラッグストアは、午前7時頃に受付を開始するので、その頃にウェブサイトにいくと、割と簡単に予約が取れるという情報をキャッチしました。

そこで私は、自分の年齢層が接種できるようになる当日の朝に予約をしようと計画。午前8時過ぎにウェブサイトに行くと、家から比較的近い店舗で2日後の予約が取れました。それまでに何度か、CVSのウェブサイトを午後や夜に見た時にはずっと予約いっぱいで不可能となっていたのに、早朝に見るとほとんど空いていて、接種時間も選び放題でした。

予約は州や市のウェブサイトから行う人が多いようで、その頃は、みんな中々予約が取れず、取れても2週間後や1カ月後だと言っていたので、良い情報がキャッチできてラッキーでした。それから、予約ができなくて困っていた友人や家族に教えてあげると、みんなすぐに予約が取れて、大変喜ばれました。

今は接種場所も増え予約が取りやすくなり、州などが運営する一部の会場では、予約なしのウォークインでも接種を受けることができるようになっています。

接種日当日、CVSに着いて、あまりの簡素さにびっくりしました。お店の入口を入ると目の前に机を置いただけの受付があって、接種会場は店の片隅。少し間隔を置いて通路に並べられた折り畳み椅子に座って順番を待ちます。

待っていたのは私以外に1人だけで、しばらくしてからもう1人やってきました。椅子が置いてあるまわりには商品が陳列されているので、買い物客は私たちの椅子のまわりをウロウロしています。だいぶ想像と違っていました。入口でQRコードを読み取り、手続きはすべてスマホで済ませてあったので、すぐに名前を呼ばれて接種はさっさと終わりました。友人たちから聞いていたように、注射自体は痛くも痒くもない簡単なものでした。

CVSファーマシー

接種後15分間の待機場所はというと、これもまた店内の別の通路に適当に間隔を置いてならべられた椅子。私が座っていたのは、グリーティングカード売り場でした。各椅子にはタイマーがぶら下がっていて、15分経ってタイマーが鳴ると帰っても良い合図です。

CVSファーマシー

接種済みシールも、とてもシンプルで小さく、他の会場のようにお洒落でも可愛くもありません。注射した箇所に貼る絆創膏も、ウェブサイトで見たようなハートマークがついた可愛いものではなく、普通の肌色のもので、少しがっかりでした。

ワクチン接種済みシール

副反応

ワクチン接種後の副反応は、注射をした部分の腫れや赤み、痛みなどの軽いものから、発熱や倦怠感、頭痛、筋肉痛、寒気、吐き気など様々で、ほとんどが1日か2日で治まります。副反応は、体内で免疫力が強化されている証拠なので、よほど重篤なものでない限り、心配する必要はありません。

米疾病管理予防センターによると、接種した腕の痛みや不快感を和らげるには、冷やした清潔な濡れタオルを患部に充てることや、腕を使う、動かすことが良いそうです。発熱や頭痛には、アドビルやタイレノールなどの市販されている薬品を服用すれば良いそうですが、予防の為にと、ワクチン接種の前に服用するのは止めた方が良いようです。

副反応が起きやすいのは、女性、若者、コロナ既感染者だと言われています。副反応は、1回目よりも2回目の接種の後に起きる場合が多く、副反応がまったくない人もいます。私は去年、コロナに感染していたため、体に抗体がまだ残っていたようで、1回目の接種の翌日に酷い倦怠感と微熱に苦しみ寝込みましたが、1日ですぐに元気になりました。抗体があったということは、ワクチンを受ける前から、1回目の接種を受けた人と同じ状態だったということでしょう。私の体に残っていた抗体が、体の中にはいってきたワクチンと戦った証拠ということでしょうね。2回目の接種の翌日も、倦怠感と体が熱を持った感じがありましたが、1回目ほどではありませんでした。私のように、1回目の接種後に腕の痛み以外の副反応が出るケースは珍しいようです。

接種後の体の変化には、頭痛や発熱、倦怠感といったネガティブなものだけでなく、中には、スーパーマンのように異常にパワフルになったという人たちもいます。私の友人2人は、ワクチンを打った翌日、ハイな感じになってジョギングに出かけ、いくらでも走れたと言っていました。

ワクチンでコロナの後遺症が治る!?

実は、私がワクチンを打ちたかった理由は、新型コロナウイルスへの感染を予防する為ばかりでなく、ワクチンを打った後に、コロナの後遺症が治った人が多いというニュース記事をいくつか読んだからなのでした。

コロナに感染し、回復した後も、動機や息切れ、寝不足、鬱などに苦しんでいた人が、ワクチンを接種した後にすっかり治ったという研究結果が報告されていました。

私はコロナに感染して以来、嗅覚が異常になり、皿洗い洗剤など、特定の匂いがものすごく強く感じられるようになりました。そして、お気に入りだったワインの味が違ったものに感じられ、カレーが鉄さびのような味になり食べられなくなったりしました。最近はだいぶ治ってきましたが、これで、嗅覚や味覚が完全に正常に戻ることを期待しています。

反ワクチン派の人々

ワクチンを接種して、ようやく安心できたと言う人々が多い中、ワクチンの接種を頑なに拒み続ける人たちもいます。

ワクチンの安全性や有効性を疑問視し、なかなか接種に踏み切れない人たちもいれば、政治的な立ち位置や宗教的な考えに囚われてワクチン接種に反対する人、陰謀論を信じてしまっている人など、その理由は様々です。陰謀論は、ワクチンにマイクロチップが含まれているといったものから、大手製薬会社が特定の人種を殺戮しようとしているなど、普通の判断力があればわかるような馬鹿げた内容のものがほとんどですが、これを信じる人たちもいるのです。

そんな人たちを説得する為に、これまでに、テレビコマーシャルやウェブサイト、ソーシャルメディアなどでワクチン接種への呼びかけが行われてきました。オバマ、クリントン、ブッシュ、カーターの4人の元大統領、ファーストレディーらも、ワクチンへの信頼を促進するためのキャンペーンビデオに出演しています。

現在、生存する元大統領は5人いますが、トランプ元大統領以外の全員が力を合わせてワクチン普及のために頑張ってくれているのです。クリントン、ブッシュ、オバマ前大統領が、3人で立って接種を呼びかけるコマーシャルはかっこいいですよ。歴代の大統領だけでなく、数々の著名人がコマーシャルなどで、日々、ワクチンの接種を呼びかけています。

新型コロナウイルスは未知のものです。臨床試験の期間が短かったこともあり、将来的な副作用について明らかになっていないので、怖がる気持ちはわかります。私も最初は、わけのわからないものを体に注射することには不安でした。実際に打ってみて、接種翌日の副反応は辛かったけれど、やはり接種後に得られた安心感は相当なものでした。コロナに感染して重症化したり命を落としたりすることと比較すると、多少の副反応ぐらいどうってことありません。

ニューヨーク市では、4月21日、観光客呼び戻しのキャンペーン開始が発表され、復興ムードでいっぱいですが、世界中でワクチンが普及して、世界中のみんなが元の生活に戻れる日が早く訪れる事を祈るばかりです。

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