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イースターに欠かせないお菓子「マシュマロ・ピープス」
3月から4月にかけたこの時期は、ドラッグストアに行くのが楽しみになります。というのも、この時期には、イースター(復活祭)に向けて、お菓子売り場に可愛いうさぎやひよこたちがいっぱい並ぶからです。バレンタインの時期も、真っ赤なハートがたくさん並んでワクワクしますが、"カワイイ"が好きな日本女子。やっぱりいくつになっても、うさぎやひよこ、ピンクや黄色のパステルカラーを見ると胸が躍ります。
目次
イースターって何?いつ?
イースターとは、金曜日に十字架にかけられて死んだイエス・キリストが、三日目の日曜に復活したことを記念し祝う、キリスト教徒にとって大切な日です。イースターは、クリスマスのように日にちが定められている祝日とは異なり、「移動祝日」と呼ばれ、ユダヤ教の祝日と同様に太陰太陽暦に従います。
イースターの日にちは、「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」ということになっていて、今年は、4月4日。昨年は4月12日でした。来年は4月17日、2023年は4月9日、2024年は3月31日、と何年も先まで決まっています。イースターの日にちは、1番早くても3月22日、1番遅くても4月25日。最初の満月が日曜と重なった場合は、翌日曜になります。
イースターのシンボルといえば、卵、ひよこ、うさぎです。卵は生命誕生の象徴、ひよこは卵の殻を破って出てくることからキリストが死から復活したことを表し、うさぎは多産であるということから、この3つが生命の復活と繁栄を祝うイースターのシンボルとなっているようです。うさぎは、イースターエッグを運んでくるとも言われています。
イースターには、朝ご飯にゆで卵を食べたり、家族や友人たちが集まって、ローストラムやハム、白い十字架が描かれたホットクロズバンズを食べたりします。
子供たちが喜ぶ、楽しいエッグハント
大人たちが庭に隠したカラフルなゆで卵を、バスケットを持った子供たちが探すエッグハント。このエッグハントは、アメリカ人の子供たちにとって、いつまでも思い出に残るイースターの楽しいイベントです。大人になってからも、「うちの母は、卵を隠すのがうまかった」なんて、しみじみと思い出を語る人もいます。
エッグハントに先駆け、ゆで卵のペインティングやデコレーションが行われますが、これも楽しい作業です。デコレーションキットは、アマゾンなどで購入できますし、絵具やサインペン、ビーズやアルミホイルなど、家にあるものでも十分。また、市販されているお菓子が入ったプラスチックの卵もポピュラーです。
イースターのお菓子は、やっぱりマシュマロ・ピープス
イースターのお菓子といえば、うさぎの形のチョコレートとマシュマロ・ピープスが定番です。
マシュマロ・ピープスとは、色鮮やかな砂糖でコーティングされたひよこやうさぎの形をしたマシュマロのこと。外はカリカリッとしていて、中はふわふわと柔らかで、ちょっとチープなテイストですが、けっこう美味しいのです。
袋を開けると、こんな感じに、中に入ったひよこたちは情けない顔をしてくっついています。
手でちぎって離すと、横から白い中身が見えます。クリームが入っているように見えますが、着色されていないマシュマロ本体の色です。
ピープスにまつわる12のトリビア
ではここで、ピープスにまつわるトリビアを紹介しましょう。
- ピープスはその昔、手作りされていて、その当時は27時間ほどかけて作られていたが、今では機械により6分でできる
- 初めて作られたピープスには、羽がついていた。1950年代後半から、羽ナシになった
- 最初にピープスが作られた時は、黄色と白だけだった。その後、オレンジ、ピンク、ラベンダー、緑、青と色の種類が増えていった
- アメリカで1番人気のピープスの色は黄色
- 1年間に製造されるピープスをすべて並べると、地球を2周する
- ピープスは、うさぎの形やバレンタインのハート、ハロウィーンバージョンなど色々な種類が作られるが、トラディショナルなひよこが群を抜いて人気
- ピープスを製造する機械とレシピは、50年以上変わっていない。原材料は、液糖とグラニュー糖、コーンシロップ、ゼラチン、バニラ
- 毎年春には、15億個以上のマシュマロピープスが食される
- ひよこピープス1個で、28カロリー。そして無脂肪
- ピープスが生まれたペンシルベニア州ベツレヘムでは、大晦日のカウントダウンに、地元の人々が、ボールの代わりに巨大なピープスを落とす
- ピープスを食べる人の3分の2近くが、最初に頭から食べる
- しばらく置いて乾燥させ、固くなってから食べるのが好きな人や、電子レンジで温めたり、凍らしたりして食べるのが好きな人もいるらしい。ピザにトッピングする人もいる
ピープスを食べてみよう
トリビアでは、3分の2近くの人が頭から食べるということでしたが、うさぎピープスだとやっぱり耳からいってしまいますね。うさぎピープスは、耳がなくなると、ひよこピープスよりももっとひよこらしくなりました。ちょっとかわいそうな感じがします。それにしても、体に悪そうな色です。
ラップをして、ひよこピープスを電子レンジで11秒温めてみました。なんだか、若干膨らんだようで、ぼよよ~んとした感じがフグの焼き白子のようです。
でも、食べてみると、子供の頃に好きだった、お砂糖をつけて食べたお餅の味に似ていました。びよ~んと伸びるところも、まるでお餅のようです。これは美味しい。温めたものを食べてからそのままのものを食べると、そのままのピープスはあまりおいしく感じなくなりました。あまり長く温めると、大変なことになりそうなので、気を付けて下さい。
アメリカ人の中には、「甘すぎる」、「食感が不快」と言う、アンチピープスたちもいて、ピープスをひたすら憎むフェイスブックのグループまであるようです。また、インスタグラムの#PeepsMassacreには、怪獣やキングコングの口に咥えられたかわいそうなひよこやうさぎの写真や、バラバラに惨殺されたピープスの写真などが投稿されています。
コロナ禍のイースター
昨年のイースターは、コロナのパンデミックがすでに始まっていて、外出禁止令が出た後だったので、人々は多人数で集まることはできず、親戚や友人とはZoomなどを使っておしゃべりをしたり、礼拝にはオンラインやドライブインシアターのような形で参加していたようです。
今年は、ワクチンの接種が始まってからしばらく経つので、去年ほどの緊張感はないものの、コロナが終息したわけではないので、まだ例年のような大規模なイベントは少ないようです。
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ナツコ・H
- 世界で活躍するジャズ奏者の夫のマネージメント、CD収録曲の作曲を手がける。NYの日系新聞でニュース記事執筆中。法律翻訳家。93年よりNY在住。