北米のカナダは何となくアメリカの隣でアメリカっぽいところ、と一括りにされてしまいがち。そんな私も移住するまではサーモンとメープルシロップ位しかイメージがありませんでした。

ところが、いざ暮らし始めてみるとアメリカよりもイギリスやフランスに近いイメージを持つようになりました。それもそのはず、カナダは元々イギリスの植民地であり、今でもオーストラリアやニュージーランドと同様にイギリス連邦に属しています。ですので、例えばアメリカでのcolor（色）という単語は、カナダではイギリスと同様にcolourという書き方になります。さらに、カナダはフランス語も公用語。ケベック州では、フランス語が主要言語となります。

こんな感じで料理に関しても、イギリスやフランスの伝統が残るカナダ料理が多く見受けられるんです。

パンデミックが続き外食ができない状況が続くと、家での食事を少しでも充実できるように工夫するようになりました。同じく飲食店もビジネス存続の為に試行錯誤してテイクアウト料理を増やしたりオンラインやデリバリーオーダーを始めるところが増えています。カナダ政府が推奨している様に、ローカルビジネスを少しでも助ける為にも積極的にテイクアウトをしながらおうちごはんを楽しんでいる今日この頃です。

そんな今のカナダ生活の日常をカナダ料理と共にご紹介します。

目次

• 冬は特に熱々のトルティエが美味しい～知っておくべきカナダのミートパイ事情～
• 一度食べればきっとハマるカナダの代表的な食べものプーティーン
• SMOKE'S POUTINERIEはおすすめのプーティーン専門店の一つ
• おうちでプーティーンを作ってみよう
• 世界中の美味しいものをテイクアウトできる
• 最後に

冬は特に熱々のトルティエが美味しい～知っておくべきカナダのミートパイ事情～

寒くて長いカナダの冬にピッタリなカナダ料理がこちら。

トルティエ（Tourtière）は、ケベック州で生まれたカナダのミートパイです。お肉がぎっしりと詰まってボリューム満点！基本的に豚肉、子牛または牛肉の挽き肉とジャガイモで作られますが、地域によってはジビエで作られるパイもあります。

また、トルティエ以外にもおかず系パイの種類は豊富なので、我が家はフローズンパイをいくつか購入して冷凍庫にストックしておいて、ちょっとラクをしたい日は気分に合わせて味を選んでオーブンに入れています。地元のレストランから直接購入しているので、お家でレストランの味を楽しめるんです。

カナディアンレストランBannockのトルティエは、スパイスが効いたジューシーなお肉が癖になって、つい二切れ目に手を伸ばしてしまう危険な味。

ここのレストラン名「Bannock」とは、カナダ先住民の伝統料理である平らなパンのこと。地元食材をふんだんに使用したカナダ料理を楽しむことができます。

ターキーとワイルドマッシュルームのスープパイはなぜか懐かしくほっこりする味。パイ専門店のTHE COMMON PIE SHOPで購入しました。

パイはトップ部分のみ。パイの下にはターキーとキノコや野菜がゴロゴロと詰まっていて、日本のホワイトシチューの様な優しい味がします。トレイに残ったスープはパンで綺麗に取って、最後まで無駄にしたくないほど絶品でした！切り分けるとスープが溢れてしまうのでスプーンで豪快に食べるのもオススメ。

ちなみに、これらのパイはカナダの有名なレストラングループOliver & Bonacini（O&B）の系列店の料理なので、O&Bのホームページから一緒に購入することができます。20店以上ものレストラン展開をしているO&Bは各レストランのスペシャルティ―を一緒にオンラインオーダーして、最寄りの系列店でピックアップできるのでとても便利ですよ。

Oliver & Bonacini

• 電話： (416) 485-8047
• URL：https://www.oliverbonacini.com/
• テイクアウト&デリバリー：https://www.oliverbonacini.com/news/takeout-and-delivery/

一度食べればきっとハマるカナダの代表的な食べものプーティーン

プーティーンって聞いたことありますか？（ロシアの大統領ではありませんよ笑）

私はカナダに移住するまでそんな食べ物が存在することすら知りませんでした。

プーティーンはカナダのファーストフードの代表格で、こちらもケベック州生まれ。フライドポテトにチーズカードをたっぷりと載せ、熱々のグレービーソースをかけていただきます。

ところで、このチーズカードって何？と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。チーズカードとは、牛乳やヤギ・水牛などの乳に、酸やキモシンなどの酵素を作用させてできる凝固物のこと。乳のタンパク質や乳脂肪分が多く含まれ、このカードを成型して熟成させたものがナチュラルチーズなんです。

＜スーパーマーケットやチーズ専門店でフレッシュなチーズカードが売られています＞

高カロリーなので、決して身体に良い食べ物とは言えないのが正直なところ。でも、ビールとの相性も良く、グレイビーソースが立派な一品に仕立ててくれるのでレストランでお洒落に楽しむこともでき、ついつい手が伸びてしまいます。

プーティーン専門店も沢山ありますが、大体のファーストフード店やPUBのメニューには様々なトッピングで工夫されたプーティーンが並びます。

SMOKE'S POUTINERIEはおすすめのプーティーン専門店の一つ

ギンガムチェックがカナダらしいデザインのSMOKE'S POUTINERIEはおすすめプーティーン専門店の一つです。

グレービーソースとチーズカードのみのオリジナル味をはじめ、様々なお肉や野菜がトッピングされたものまで30種類以上ものテイストが選べます。こんなに種類があると迷ってしまうとおもいますが、まずはオリジナル味を食べてみてください。その次は、マッシュルームやプルドポーク（時間をかけて煮込んだ豚肉を細かく裂いて、バーベキューソースで味付けをしたカナダ料理）をトッピングするのが私のオススメです。

数人でシェアしながら数種類を食べ比べするのがベストですが、お一人で試す場合はスモールサイズにすることをおすすめします。

SMOKE'S POUTINERIE SPADINA

• 営業時間：12:00～3:00
• 定休日：なし
• 電話：(416)-599-2875
• 住所：457 Spadina Ave., Toronto, Ontario M5S 2G7
• URL：https://smokespoutinerie.com/

おうちでプーティーンを作ってみよう

一度食べたら病みつきのプーティーンはお家で簡単に作れるんですよ。材料はたったの3つだけ。冷凍ポテト、グレービーソースそしてチーズカード（なければとろけるチーズ）です。グレービーソース缶はスーパーで簡単に手に入るので（プーティーンを知っている方への）お土産にも喜ばれます。

プーティーンの作り方

1. 冷凍ポテトをオーブンでカリカリにする
2. グレービーソース缶（プーティーン用がちゃんと売られています！）のソースをソースパンで温める
3. できればチーズカードがベストですが、トロントでも売っているお店が限られてしまうので、とろけるチーズで代用してもOK！ポテトの上にチーズを満遍なく散りばめ、熱々のグレービーソースをかけて出来上がり♪

熱々をフォークですくって、火傷に気を付けながらチーズがとろけているうちにいただきましょう。お好みであらびき胡椒をおかけください。我が家ではおやつ時やホームパーティーでささっと作れてカナダらしい料理として喜ばれています。

世界中の美味しいものをテイクアウトできる

移民を積極的に受け入れる多文化主義のカナダの中でも約半数が移民で成り立つトロントでは、移民が牽引する本場の味など、世界の食文化が交差しています。

そんなとても便利で豊かな場所トロントで暮らしている私達がテイクアウトをしたい時に決まってする会話は、

「今日はどこの国の料理を食べたい？」

世界中の美味しいものを気軽にテイクアウトできるのもトロントの魅力なんです。

年末年始のホリデイシーズンにオーダーしたのは、ダウンタウンのイタリア街にあるイタリアンレストランIl Covo。ロックダウン中のトロントではレストランはテイクアウトのみ、店内での飲食は一切できません。そんな状況下でも、できたてを直ぐに食べたいという思いを叶えてくれたのがレストランのコースメニューを自宅で実現できるホームディナーキットです。パン、スープ、メイン、パスタ、最後のデザートまで全て出来立てをいただけます（パンとデザートは完成品）。

細かく書かれたレシピノートに沿って、キットに入っている材料を煮込んだり炒めたり湯煎したり。包丁を握ることはありません。野菜はカット済み、お肉やパスタソースは味付けされているので、心配せずにお料理教室感覚で楽しめました。

自宅ならでは、ちょっとアレンジを加えたりしてお家レストランディナーの出来上がりです。

他にも辛党な私は四川料理もよくテイクアウトしています。家では決して出せない唐辛子と山椒と黒胡椒のハーモニーが凄く辛いけど癖になる！近所にはそんな中華系のお店も沢山あるんですよ。

Il Covo

• 営業時間：月～木18:00～22:00、金～日17:00～22:00
• 定休日：なし
• 電話：416-530-7585
• 住所：585 College St., Toronto, Ontario M6G 1B2
• URL：https://www.ilcovo.ca/

最後に

カナダ料理とトロントに来たら食べられる料理（=世界中の料理）の一部をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。トロントはカナダ最大都市で山もなければ巨大な野生動物にも滅多に出会えません。（リスやアライグマはいますよ！）その代わりに、日本の食文化とは違ったたくさんの美味しいものと出会える楽園なんです。

今年もトロントを中心にカナダの美味しいものなど沢山ご紹介していきますので、2021年も"あまり知られていないけど実は魅力が詰まったカナダ"を楽しんでいただけたら嬉しいです。