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【低山】魅力的な名前「関八州見晴台」から見える景色と関東三大不動「高山不動」
こんにちは! たびこふれ編集部、低山クライマーのシンジーノです。
みなさん、山、登ってますか?(きちんと感染予防対策した上で)埼玉県に「奥武蔵」ってエリアがあるのですが、どの辺りの山かご存じですか?
「奥武蔵」とは、西武池袋線~秩父線の飯能駅から西武秩父駅間を登山口とする山々と、東武東上線の小川町を拠点とする山々にまたがったエリアを総称してそう呼んでいます。このエリアの特徴をひとことでいうと、派手さはないけれど、渋い山が多いです。標高も1,000メートル前後で日帰りしやすい手ごろな山が多い。位置的に富士山を拝める山は限られてきますが、秩父、日光連峰などを見渡すことができます。またシーズン中でもさほど混まない、静かな山歩きを楽しめる、どちらかといえば穴場的なエリアだと思います。
今回、ご紹介するのは、その奥武蔵エリアの中の「関八州見晴台(かんはっしゅうみはらしだい)と高山不動」です。
目次
- 関八州見晴台・高山不動コースとは?
- 関八州見晴台・高山不動コースへのアクセス
- 関八州見晴台・高山不動コースのスケジュール
- 関八州見晴台・高山不動コースの見どころ:登山日記
- 関八州見晴台・高山不動コースのまとめ
関八州見晴台・高山不動コースとは?
「関八州見晴台」という名前からしてなんとも魅力的ではないですか!その名のとおり、とても見晴らしがよさそうな所をイメージさせます。
正式には山の名前ではなく、埼玉県飯能市と入間郡越生町の境界にある、山尾根の高台にある見晴台の名前で、標高は771.1mです。
関八州とは
安房、上野、下野、相模、武蔵、上総、下総、常陸の関東八州のことを指します。現在は北と西に木が茂っており、360度眺望というわけにはいきませんが、それでも見晴らしのとても良いところです。
高山不動とは
高山不動は通称で、正式名称は真言宗「常楽院」。約1300年の歴史を刻む古刹で、成田不動、高幡不動と並んで関東三大不動のひとつといわれています。標高600mの山中にあり、重要文化財である「軍荼利明王立像」や推定樹齢800年の大イチョウがある由緒正しきお寺です。関八州見晴台には、高山不動の奥ノ院が祀られています。
関八州見晴台・高山不動コースへのアクセス
このコースの起点は、西武秩父線の西吾野駅です。関八州見晴台より先、下りルートはいくつかあります。今回は西吾野駅の隣の吾野駅に下りましたが、黒滝三山方面に下って、東武東上線の越生駅へ下りるルートもあります。(越生駅までバス利用あり)
<西吾野駅>
関八州見晴台・高山不動のコーススケジュール
コースタイムは、以下の通りです。
西吾野駅(8:30)・・・高山不動大滝方面分岐(8:45)・・・高山不動(9:35)・・・関八州見晴台(10:00)→昼休憩1時間30分→関八州見晴台(11:35)・・・吾野駅(13:40)
総歩行距離:約11km
記号:・・・徒歩
標識も立っているので、間違えやすい箇所はほぼありません。道も歩きやすく整備されており、初心者でも安心して歩くことができるコースです。
関八州見晴台・高山不動コースの見どころ:登山日記
それでは、冬のある晴れた日に、私が実際に登ったルートに沿ってたどってみましょう。
出発地点は、西武秩父線の西吾野駅です。西武池袋線池袋駅から1時間20分~40分。(途中飯能駅で乗り換えます。一部直通電車あり)
山は最寄り駅からバス、タクシーなどで登山口に向かうコースも多いのですが、今回のコースは駅から歩き始めて駅に降りてくるという登山者に優しく(懐にも...笑)、便利な行程です。
<間野集落の分岐>
西吾野駅から歩くこと15分、間野集落の川沿いに分岐の標識が現れます。どちらを取っても高山不動へは行けるのですが、左方面は大滝経由で距離長め。右方面は登りはやや急登ですが、杉林の中を1時間ほどで高山不動に着けます。私は右側のルートをとりました。(西武鉄道ハイキングマップをご参照ください)
<山道へ>
民家や畑の間のやや急な坂道をぐんぐんと登っていくと登山道に入ります。
<杉木立の中を往く>
なるほど「お不動さんへ向かう道」っていう、どこかしら古風な感じのする山道です。やや急斜面を一気に登っていきますが、道は整備されていて歩きやすいです。
<萩ノ平茶屋跡>
林の中に、廃屋がありました。昔は登山客や参拝者がひと休みする場所として賑わったのでしょうね。
標識もあちこちにあって迷うことはありません。
急登が終わるとフラットな道もあって、はずんだ息を落ちつかせてくれます。
ずっと木立の中を登ってきましたが、木々の間から周りの山々が顔を出すようになってきます。こういう時、気持ちいいんですよね~。
間野集落で分かれた大滝方面に行く道と、合流します。
<高山不動トイレ>
西吾野駅から歩き始めて約1時間。高山不動の脇に出てきます。男女共用ですが、ちゃんとしたトイレがあります。奥武蔵エリアはあまりトイレが整備されていないコースが多いので、これはうれしいですね。
<高山不動自動販売機>
お地蔵さんの隣には自動販売機もあります。価格は150円とやや高めですが、この高さですからね。喉の渇きには嬉しいサービスです。
<高山不動 本堂>
こちらが古刹、高山不動です。
武骨でどっしりとした趣のあるお寺です。
<急な石段>
本堂の前に長い石段があります。下から見ると、
<高山不動石段正面>
120段のやや急な石段です。この石段の下から後ろを振り向くと。。。
<高山不動大イチョウ>
推定樹齢800年の大イチョウがでん、と構えています。イチョウから目を右に移すと、
この場所(標高600m)からも山並みが絵になります。さて、それでは今日のピークである関八州見晴台へ向かいましょう。
コース上、この辺りが少しわかりにくかった箇所です。関八州見晴台は高山不動の本堂の裏方向になります。トイレと東屋の間の坂を登っていきます。案内板は確かなかったように思います。ここからあと150mを登っていきます。約30分、途中車道を横切りながらけっこうな急登が続きます。もうひと踏ん張りです。
<関八州見晴台の入口>
<関八州見晴台>
西吾野駅から歩くこと1時間半。関八州見晴台へ到着!(10:00)高山不動の奥ノ院が祀られています。昔はこの見晴台に高山不動の本堂があったそうです。
こちらが正面からの眺望です。
<関八州見晴台からの眺望>
この日はとても天気がよく、冬にしてはポカポカ陽気で気持ちよかったのですが、風がなく、やや霞んでいました。空気がすみきって視界がクリア、とまではいきませんでしたが気分は上々です。
丹沢、秩父連峰の山々を望みます。とても開放的な気分になります。
頭だけですが、天下の名峰 富士山も拝むことができました。
右側の美しい稜線の三角の山が、奥武蔵の雄「武甲山」(標高1,304m)です。
それでは、関八州見晴台からの眺めを動画でどうぞ~
山頂は、景色は良い分、風が吹きっさらしになることが多く、長時間いられないことも多いのですが、この日は本当に穏やかなポカポカ陽気で、たっぷり1時間半、原っぱに座り込んで、麗しい山々や抜けるような青空を愛で、風を感じてゆっくりしました。これぞ、山登りの醍醐味です。関八州見晴台は広いので、座るスペースもたっぷりあってくつろげます。
復路は高山不動の参道を下って吾野駅に下ります。(約2時間)
杉並木の中を渓流沿いに降りていくのですが、アスファルトの車道なので、正直、山登り気分は半減です。
ただ、途中に渓谷が現れたりして、退屈はしませんでした。
町に下りてきました。吾野は秩父街道の宿場だったようです。
<吾野の秩父街道沿いの風景>
当時は、宿屋などでかなり賑わったようですが、今はとても静かです。家々に往時の宿場の雰囲気が感じられますね。
<吾野駅>
吾野駅へ到着しました(13:40)。こちらの駅はとてもモダンな造りです。
吾野駅前にある休憩所です。「見晴」じゃなくて「美晴」ってところがいいですね。
西武秩父線は、時間帯にもよりますが、凡そ30分に1本程度運行しています。駅に着いた時、ちょうど電車が行ったばかりだったので、次の電車が来るまで休憩所でひと休みすることにしました。
今日の山行の打ち上げは「肉うどん」(650円)とビール。田舎風なのでしょっぱいのかと思いきや、出汁は上品なあっさりめの味つけで、体に染みわたりました。そしてお店のおばちゃんがビールにサービスでつけてくれたのは。。。
浅漬けのたくあん。これが旨かった!ビールにぴったり。山を歩くと汗をかいて体内から塩分が放出されるので、塩分補給は大切です。
関八州見晴台・高山不動コースのまとめ
この関八州見晴台、高山不動コースの特徴をおさらいすると、以下の5つです。
- アプローチが簡単(交通至便、駅から歩いて登り始められる、頂きまで近い1時間半)
- 道は整備されているので、心配なところはなく、初心者でも安心して楽しめる
- 見晴台というだけあって眺望が良い
- 頂きが広いので、ゆったり昼食を楽しむことができる
- お不動さんに向かう道ということもあり、修験道の雰囲気に包まれ、情緒のある山歩きを楽しむことができる
関八州見晴台は、771.1mという、高さはそれほどでもありませんが、その高さが人間の目線でいうとちょうどよい高さで、適度に町の様子もわかり、心地よい高さから見る景色という感じです。
いわゆる「●●山」登頂ではありませんが、ぜひおすすめしたいコースです。
低山、サイコー!
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。