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可愛いけど難読!ジョージア語って見たことある?
ジョージアで話されている言語は、ジョージア語と呼ばれる独自の言語です。ジョージア語は、ほぼジョージア国内でしか使用されていません。そのため、ジョージア語を目にしたことがあるという人は世界でもそれほど多くないでしょう。
ジョージア語は、日本語などの言語と同じように、独自の文字を持つ言語です。ジョージア語の文字はジョージア語と、近隣で話されている少数のマイナー言語でしか使用されていません。
ジョージア語の文字はとても可愛らしい形をしています。ジョージア国内では、観光客向けにジョージア語の文字そのものをモチーフにしたお土産物もたくさん売られています。ちなみに、上の画像はジョージア語で「ジョージア語の文字」と書かれています。
今回の記事では、この可愛らしいフォルムを持つ独特な言語、ジョージア語とその文字について紹介します。
目次
ジョージア語とは
ジョージア語は、ジョージアの公用語として使用されている言語です。ジョージア語の話者のほとんどはジョージアに在住するジョージア人で、外国人としてジョージア語を学ぶ人は多くはありません。
独自の文字を持つ他、文法や語彙も独特です。ジョージアの近隣にはロシアやアジア、ヨーロッパ諸国がありますが、ジョージア語はそのうちのどの言語とも別のルーツを持つ言語と言われています。
ジョージア語の語彙にはジョージア語独自のものも多くありますが、ロシア語からの借用語も多く見られます。これは、ジョージアがかつてソビエト連邦に属しており、当時公用語としてロシア語が併用されていたことによる影響でしょう。最近では、英語由来とみられる単語も多く使用されています。
ジョージア訪問にジョージア語は必要?
結論から言えば、短期の旅行であれば、ジョージア語は必須というわけではありません。ジョージア国内では近年英語教育に力が入れられており、若年層を中心に英語を話せる人が増えています。観光地や銀行、携帯キャリアといった観光客に関係のある場所では、大変流暢な英語を話すスタッフがほぼ必ずと言っていいほどいます。そのため、ジョージア語の単語を知らなくても観光にあたり困るということはないでしょう。
しかし、街中のスーパーや小さな商店、ローカルマーケットなどでは、英語を話せる人に出会うことは難しいかも知れません。地域の生活に根差したリアルな空気を感じる旅では、最低限の単語くらいは覚えておくと大変スムーズです。
また、ジョージア人は自国の文化や言語に誇りを持っている人が大変多いです。ジョージア語で挨拶をしただけでも、周りの人がわっと声を上げて喜んでくれることがよくあります。地元の人と打ち解けるには、同じ言葉を話すことが一番と言えそうです。
当然ですが、街中の看板はジョージア語ばかりです。単語の意味は分からなくても、書いてある文字を読むことができると楽しいですし、移動の際の手がかりにもなります。
ジョージア訪問においてジョージア語は必須ではありませんが、少しでもわかると、旅をより深く楽しむことができるでしょう。
とっても可愛い!ジョージア語の文字
ジョージア語には、5つの母音と28の子音、合わせて33の文字があります。そのどれもが他の言語とは共有していない文字です。そのため、ジョージア語を読みたいと思ったら、33つの新しい文字を覚える必要があります。
ジョージア語の文字の一覧は次のとおりです。
※「'」がついている文字は、一度声帯を締めて息を溜め、一気に音を出します。日本語で言うと、「いっぱい」「たった」など、「っ」の後に続く音に似ています。
※「ღ」と「ხ」は日本語や英語にはない音で、上顎ギリギリまで舌を上げ、その間を息で擦るようにして音を出します。「ღ」はその有声音、「ხ」は無声音です。
ジョージア語の文字は曲線的なものが多く、やわらかく可愛らしい印象を与えるのも特徴と言えます。他のどの言語の文字とも形は似ておらず、独特の印象を持った文字と言えます。
そのぱっと見の可愛らしさとユニークさから、観光客をはじめ、ジョージア語話者以外にも愛されているという面があります。
写真は首都トビリシの都心で撮影したものですが、観光客向けに、バス停にジョージア文字と発音の一覧が書かれていました。近くには内容を熱心にみている観光客もたくさんおり、関心の高さが窺えます。
中には複数の書き方がある文字も
ジョージア語を読むためには33つの文字を覚える必要があると言いましたが、実はそれだけでは目にする全ての文字を読むことはできません。中には、同じ文字でありながら、全く異なる2通りの書き方がある文字もあるのです。
こちらの写真はジョージア国内で販売されているアイスクリームのパッケージです。中央に書かれている「საოჯახო」は「家族」という意味の単語で、「saodzakho」と読みます。
この中に使用されている「ჯ」という文字ですが、このように2通りの書き方があります。
全く違う見た目に見えますが、同じ文字なのです。
他にも、「ლ」や「რ」は山がひとつでもその文字と認識されるなど、手書きやスペースが限られた活字の際に極端に略される文字もあります。
これらの文字は街中でもたくさん見かけます。基本の33文字をマスターしたあとは、これらのバリエーションにもアンテナを立ててみると楽しいです。
知れば知るほど気になる、ジョージア語の世界
今回はジョージア語とその文字について紹介しました。ジョージア語は他の言語とは似ていない独特の歴史を持つ言語で、そのユニークさは文字だけにとどまりません。文法や語彙、数字の数え方など、日本語とは違うルールが盛り沢山で、学べば学ぶほどその深さに驚かされます。
しかも、新しい文字を覚えるということは、それまで記号にしか見えなかったものが意味を持つということです。ジョージアに移住した当初は、街中の看板は何ひとつ意味がわからず、謎の記号が溢れているイメージでした。しかし、文字の音がわかるだけで、それらが急に「看板」として意味のある存在に見えてきたのです。
日本では、ひらがな・カタカナ・漢字とアルファベットを日常的に目にします。そのため、海外でも新しい文字を目にする機会はあまり多くはないかも知れません。せっかくですから、見たこともないような文字を少し学んでみませんか。それだけで、街を歩くのがもっと楽しくなりますよ。
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Mayu K.
- 東欧・ジョージア在住の新米ママ。縁もゆかりもない土地で家族3人楽しく暮らしています。学生時代から旅好きで、全大陸訪問経験あり(南極は上空を周遊しただけですが)。なかなか馴染みの少ないマイナー国のひとつですが、ジョージアの魅力がたくさん伝わればいいなと思っています!